Web商談を導入したいけれど、何から始めればいいか分からない...
B2B SaaS企業の営業担当者の多くが、Web商談の導入・運用に悩んでいます。「対面商談とどう使い分ける?」「どのツールを選べばいい?」「オンラインでも成約できるの?」といった疑問は尽きません。
この記事では、Web商談の基礎知識から成功のコツ、ツール選定のポイントまで、実務に役立つ情報を解説します。
この記事のポイント:
- Web商談はコロナ禍以降、約9割の営業職が利用機会増加と回答し、恒常的な営業手法として定着
- 移動時間・コスト削減、営業エリア拡大がメリット、非言語コミュニケーションの制約がデメリット
- 事前準備(機材確認・資料作成・トークスクリプト)が成功の鍵
- 汎用ツール(Zoom等)と営業特化型ツール(bellface等)の違いを理解して選定
- 対面とオンラインは「どちらが優れているか」ではなく、状況に応じた使い分けが重要
Web商談が営業現場で定着した背景
2020年以降、新型コロナウイルスの影響で多くの企業がWeb商談を導入しました。ITRの調査によると、オンライン商談システム市場は2020年度に26億円(前年比約2倍)に成長し、その後も年平均19.0%の成長が予測されています。
タナベコンサルティングの調査では、約9割の営業職が「オンライン商談が増えた」と回答しており、一時的な対応ではなく、恒常的な営業手法として定着したことがわかります。
特にB2B SaaS企業では、インサイドセールスとフィールドセールスの分業体制が進み、Web商談は営業プロセスに欠かせない手法となっています。
Web商談の基礎知識(定義・対面商談との違い)
(1) Web商談とは何か
Web商談(オンライン商談)とは、インターネットを介して、パソコンやスマートフォンを使って非対面で行う商談のことです。映像と音声をリアルタイムでやり取りしながら、資料共有やデモンストレーションを行います。
(2) Web会議との違い
Web商談とWeb会議は混同されやすいですが、以下の違いがあります。
Web会議システム(Zoom、Google Meet等):
- 汎用的な社内外ミーティング向け
- 参加者全員がアプリのインストールやアカウント登録が必要な場合が多い
- 音声・映像ともにインターネット回線を使用
オンライン商談ツール(bellface、SHOWBY等):
- 営業活動に特化した機能(トークスクリプト表示、資料共有、録画分析など)
- 顧客側はアプリ不要で参加できることが多い
- 音声は電話回線を使用し、安定性を重視
(3) 対面商談との使い分け
対面商談とWeb商談には、それぞれ適した場面があります。
Web商談が適している場面:
- 初回の情報提供・ヒアリング
- 遠方の顧客との商談
- 短時間の確認・フォローアップ
- 複数拠点の関係者を集めた商談
対面商談が適している場面:
- 大型案件のクロージング
- 現場視察や実機デモが必要な場合
- 経営層への最終プレゼンテーション
- 信頼関係構築が特に重要な場面
状況に応じて使い分けることで、営業効率と成約率の両立が可能です。
Web商談のメリット・デメリット
(1) メリット(移動時間・コスト削減・営業エリア拡大)
移動時間・コストの削減: 往復の移動時間がなくなるため、1日あたりの商談件数を増やすことができます。交通費や出張費の削減にもつながります。
営業エリアの拡大: 遠方の顧客にもアプローチしやすくなり、地理的制約がなくなります。地方企業が都市部の顧客を開拓する、逆に都市部の企業が地方市場に参入するといったケースが増えています。
商談のスピードアップ: 日程調整が容易になり、リードから商談までの期間を短縮できます。顧客の熱量が高いうちにアプローチできる点も利点です。
録画・分析による改善: 顧客の了承を得た上で録画すれば、後から振り返りや社内共有に活用できます。成功事例の共有や新人教育にも役立ちます。
(2) デメリット(非言語コミュニケーションの制約・通信トラブル)
非言語コミュニケーションの制約: 対面と比べて、表情や身振り、空気感が伝わりにくいという課題があります。意識的に表現を大きくする必要があります。
通信トラブルのリスク: 回線が不安定だと、音声が途切れたり、映像が止まったりするリスクがあります。事前に回線速度を確認し、バックアップ手段を用意しておくことが重要です。
顧客側の環境依存: 顧客がツール操作に不慣れな場合、商談前のサポートが必要になることがあります。高齢の経営者や、IT環境が整っていない企業への対応には工夫が求められます。
Web商談成功のための事前準備と進め方
(1) 事前準備(機材確認・資料作成・トークスクリプト)
機材・環境の確認:
- カメラ・マイクの動作確認(商談前日と当日の2回推奨)
- 回線速度の確認(最低10Mbps以上が目安)
- 背景の整理(ビジネスにふさわしい環境)
- 照明の確認(顔が暗くならないよう調整)
資料作成のポイント:
- 1スライド1メッセージを徹底
- 文字サイズは大きめに(画面共有時に見やすく)
- 図やグラフを活用して視覚的に
- ページ数は対面時より少なめに
トークスクリプトの準備: 台本を用意しておくことで、スムーズな進行が可能になります。ただし、棒読みにならないよう、ポイントだけ書いた簡易版がおすすめです。
(2) 商談中のコツ(カメラ目線・リアクション・話し方)
カメラ目線を意識する: 画面ではなくカメラを見ることで、相手と目が合っている印象を与えられます。慣れるまでは意識的に練習が必要です。
大きめのリアクション: オンラインでは反応が伝わりにくいため、うなずきや相槌を普段より大きめに行います。「なるほど」「おっしゃる通りです」など、声に出してリアクションすることも有効です。
ハキハキとした話し方: 声がこもりやすいオンラインでは、普段より少しゆっくり、はっきりと話すことを心がけます。
アイスブレイクの工夫: 対面と同様に、冒頭で場の雰囲気を和ませる雑談を入れると効果的です。共通の話題や時事ネタを準備しておくとスムーズです。
(3) 商談後のフォローアップ
商談終了後は、速やかにお礼メールを送り、議事録や資料を共有します。次のアクション(追加資料の送付、次回商談の日程調整など)を明確にすることが重要です。
録画データがあれば、顧客の反応を振り返り、次回の改善に活かしましょう。
Web商談ツールの選び方と主要ツール比較
(1) 汎用Web会議ツール(Zoom・Google Meet)
特徴:
- 社内ミーティングから商談まで幅広く利用可能
- 多くの人が使い慣れている
- 無料プランでも基本機能は利用可能
注意点:
- Zoomの無料プランは40分制限あり(2人以上のミーティング)
- 営業特化機能(トークスクリプト表示、録画分析など)は限定的
向いている企業:
- すでにZoomやGoogle Meetを導入している企業
- シンプルな商談が中心の企業
- コストを抑えたい中小企業
(2) 営業特化型ツール(bellface・SHOWBY等)
特徴:
- 顧客側はアプリ不要で参加可能(URLクリックで接続)
- 音声は電話回線で安定性が高い
- トークスクリプト表示、商談録画・分析、名刺交換機能など営業向け機能が充実
注意点:
- 月額費用が汎用ツールより高い傾向
- 初期導入・運用定着にサポートが必要な場合も
向いている企業:
- 商談件数が多く、営業効率を重視する企業
- 顧客がITツールに不慣れな業界(建設、製造など)
- 商談データを分析し、営業力強化につなげたい企業
ツール選定のポイント:
- 自社の商談スタイル(商談件数、顧客層)を確認
- 無料トライアルで実際に操作性を試す
- 既存のSFA/CRMとの連携可否を確認
- サポート体制(導入支援、ヘルプデスク)を確認
※ツールの料金・機能は変更される可能性があります。最新情報は各社公式サイトをご確認ください(2025年時点の情報)。
まとめ:状況に応じた商談スタイルの選択
Web商談は、移動時間・コスト削減、営業エリア拡大といったメリットがあり、B2B営業において欠かせない手法となりました。一方で、非言語コミュニケーションの制約や通信トラブルのリスクもあるため、事前準備と適切なツール選定が重要です。
「対面とオンライン、どちらが優れているか」ではなく、商談の目的・顧客・状況に応じて使い分けることが、営業成果を最大化する鍵です。
次のアクション:
- 自社の商談スタイル(件数、顧客層、地理的範囲)を整理する
- 現在使用しているツールの機能と課題を洗い出す
- 営業特化型ツールの無料トライアルを試してみる
- 社内でロールプレイングを実施し、Web商談のコツを共有する
よくある質問:
Q: Web商談とWeb会議の違いは? A: Web商談は営業に特化しており、音声は電話回線で安定性を重視し、顧客側はアプリ不要で参加できることが多いです。Web会議は汎用的な社内外ミーティング向けで、参加者全員がアプリを使用するのが一般的です。
Q: Web商談で成約率は下がる? A: 適切な準備とツール活用で、対面と遜色ない成果が可能です。むしろ商談件数が増えることで、機会の増加につながるケースもあります。ただし、大型案件のクロージングなど、対面が適している場面もあるため、使い分けが重要です。
Q: 初めてのWeb商談で注意すべきことは? A: 事前に同僚とロールプレイングで練習し、カメラ・音声の確認、資料共有の操作に慣れておくことが重要です。当日は開始10分前には接続を完了させ、余裕を持って臨みましょう。
