オンラインセールスとは?成功のポイントとツール選定ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/9

対面営業からオンライン営業への移行、どう進めればいいか悩んでいませんか?

B2B企業の営業担当者やマネージャーの中には、「対面営業が主流だったが、オンライン営業にシフトしたい」「オンライン商談で成約率を上げるにはどうすればいいか」と悩む方が少なくありません。コロナ禍以降、オンラインセールスは急速に普及しましたが、「相手の温度感が読み取りにくい」「どのツールを選べばいいか分からない」といった課題も浮き彫りになっています。

この記事では、オンラインセールスの概要、メリット・デメリット、必要なツールの選び方、成功のための実践ポイントまでを網羅的に解説します。

この記事のポイント:

  • オンラインセールスはWeb会議システムを活用したインターネット上の営業活動で、国内BtoB-EC市場は465.2兆円規模(EC化率40.0%)
  • インサイドセールスは見込み客育成が主業務、オンラインセールスは商談〜クロージングまで担当
  • メリットは移動時間・コスト削減と商談件数増加、デメリットは表情・温度感が読み取りにくい点
  • 主要ツールはZoom・Teams(汎用)とbellface等(BtoB商談特化)があり、名刺交換・チャット・SFA連携機能を比較すべき
  • 成功のコツは稟議を見据えた提案・検討時間を考慮したコミュニケーション・関係構築テクニックの3点

1. オンラインセールスとは|市場の成長と注目される理由

オンラインセールスは、インターネットを活用した営業活動として急速に普及しています。

(1) オンラインセールスの定義と業務範囲

オンラインセールスとは、Web会議システムなどを活用してインターネット上で行う営業活動 を指します。従来の対面営業と異なり、顧客と直接会わずに商談を進め、受注まで完結させることが特徴です。

主な業務範囲:

  • 商談(ヒアリング、提案、デモンストレーション)
  • 見積もり提示
  • クロージング(契約締結)
  • アフターフォロー

オンラインセールスは、営業プロセスの「商談〜クロージング」を担当する点で、後述するインサイドセールス(リード育成が主業務)とは異なります。

(2) 国内EC市場の成長(BtoB 465兆円、BtoC 26兆円)

国内のEC(電子商取引)市場は、B2B・B2C両方で拡大しています。

BtoB-EC市場:

  • 2023年の市場規模: 465.2兆円(前年比10.7%増)
  • EC化率: 40.0%(全商取引のうち電子商取引が占める割合)

BtoC-EC市場:

  • 2024年の市場規模: 26兆1,225億円(前年比1兆2,790億円増)
  • EC化率: 9.78%

※出典: 経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査」

特にBtoB市場ではEC化率が40.0%に達しており、企業間取引においてもオンラインでの営業活動が標準化しつつあります。

(3) コロナ禍以降の急速な普及

2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大により対面営業が制限され、オンラインセールスが急速に普及しました。現在では感染対策だけでなく、営業効率化・コスト削減のメリットから、多くの企業が継続的にオンラインセールスを活用しています。

2. オンラインセールスとインサイドセールスの違い

オンラインセールスとインサイドセールスは、しばしば混同されますが、業務範囲が異なります。

(1) 業務範囲の違い:商談〜クロージング vs リード育成

オンラインセールス:

  • 業務範囲: 商談(ヒアリング、提案、デモ)〜クロージング(契約締結)
  • 目的: オンラインで受注を完結させる
  • 活動: Web会議で商談を進め、見積もり提示・契約締結まで実施

インサイドセールス:

  • 業務範囲: リード獲得〜見込み客育成(リードナーチャリング)
  • 目的: 見込み客を商談可能な状態まで育成し、営業部門に引き渡す
  • 活動: 電話・メール・Web会議で情報提供し、購買意欲を高める

オンラインセールスは「商談〜受注」、インサイドセールスは「リード育成」が主な業務です。

(2) 対面営業・インサイドセールス・オンラインセールスの関係

一般的な営業プロセスでは、以下のように連携します:

  1. マーケティング: リード獲得(Webサイト、広告、展示会等)
  2. インサイドセールス: リード育成(電話・メールで情報提供、関心度を高める)
  3. オンラインセールス(または対面営業): 商談〜クロージング
  4. カスタマーサクセス: 既存顧客フォロー・アップセル

インサイドセールスとオンラインセールスは、営業プロセスの異なる段階を担当する補完的な役割です。

(3) ハイブリッド営業の活用パターン

多くの企業は、対面営業とオンラインセールスを組み合わせた ハイブリッド営業 を採用しています。

使い分けの例:

  • 新規顧客の初回商談: 対面営業(信頼関係構築を重視)
  • リピーター顧客の定例打ち合わせ: オンラインセールス(効率重視)
  • 最終提案・契約締結: 対面営業(重要な意思決定をサポート)
  • 中間フォロー: オンラインセールス(移動コスト削減)

この使い分けにより、営業効率と成約率を両立できます。

3. オンラインセールスのメリット・デメリット

オンラインセールスには、明確なメリットとデメリットがあります。

(1) メリット:移動時間・コスト削減、商談件数増加

移動時間・交通費の削減:

  • 移動時間がゼロになり、1日の商談件数を増やせる
  • 交通費・宿泊費が不要(特に遠方の顧客との商談で効果大)

商談件数の増加:

  • 移動時間がない分、資料作成や情報収集の時間を確保できる
  • 1日3件が限界だった商談を、5〜6件に増やすことも可能

地理的制約の解消:

  • 全国・海外の顧客にも気軽にアプローチできる
  • 地方拠点の営業担当者でも、首都圏の顧客と商談可能

柔軟なスケジューリング:

  • 30分のミーティングを気軽に設定できる
  • 移動時間を考慮せず、顧客の都合に合わせやすい

(2) デメリット:表情・温度感が読み取りにくい

表情・温度感の把握が困難:

  • 画面越しでは、顧客の微妙な表情変化や反応が読み取りにくい
  • 沈黙や言葉のニュアンスから意図を汲み取る難易度が上がる

対策:

  • カメラオンを依頼し、顔を見ながら商談
  • 定期的に「ここまでで質問はありますか?」とリアクションを確認
  • チャット機能で質問を受け付け、双方向コミュニケーションを促進

通信環境の影響:

  • 通信が不安定だと音声が途切れ、商談の質が低下
  • 事前の接続テストや予備回線の準備が必要

関係構築の難しさ:

  • 雑談や偶発的な会話が生まれにくく、信頼関係構築に時間がかかる場合がある
  • 初回商談は対面で行い、2回目以降はオンラインにするなどの工夫が有効

(3) 対面営業とオンライン営業の使い分け

対面営業が適している場面:

  • 新規顧客の初回商談(信頼関係構築が重要)
  • 大型案件の最終提案・契約締結(重要な意思決定をサポート)
  • 製品デモが必要な場合(実物を見せる・触ってもらう)

オンラインセールスが適している場面:

  • リピーター顧客との定例打ち合わせ(効率重視)
  • 遠方の顧客との商談(移動コスト削減)
  • 中間フォロー・進捗確認(短時間で完結)

この使い分けにより、営業効率と成約率を最大化できます。

4. オンラインセールスに必要なツールと選び方

オンラインセールスには、適切なツールの選定が重要です。

(1) Web会議ツール(Zoom、Teams等)

主要ツール:

  • Zoom: 無料プランあり、操作が簡単で広く普及
  • Microsoft Teams: Microsoft 365との連携に強み、企業向け機能充実
  • Google Meet: Googleアカウントで気軽に利用可能

選定ポイント:

  • 無料プラン・有料プランの機能差(時間制限、参加人数制限等)
  • 画面共有・録画機能の有無
  • セキュリティ(暗号化、パスワード保護等)

(2) オンライン商談ツール(bellface等)のBtoB/BtoC向け機能

オンライン商談ツールは、営業活動に特化した機能を提供します。

BtoB向け機能:

  • 名刺交換機能(オンラインで名刺情報を交換)
  • チャット機能(商談中に質問・補足情報を送信)
  • 資料共有(画面共有より高度な資料操作が可能)

BtoC向け機能:

  • 自動振り分け(問い合わせを適切な担当者に振り分け)
  • ステータス管理(顧客の購買段階を可視化)

主要ツール:

  • bellface: BtoB商談に特化、名刺交換・トークスクリプト表示機能あり
  • B-Room: BtoC商談に強み、顧客管理・自動振り分け機能充実

※出典: アスピック「オンライン商談ツール比較13選」

(3) SFA・CRMとの連携

オンライン商談ツールは、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)と連携することで、営業活動を効率化できます。

連携メリット:

  • 商談履歴を自動でSFA/CRMに記録
  • 顧客情報を商談中に参照可能
  • 営業活動の可視化と分析が容易

主要SFA/CRM:

  • Salesforce
  • HubSpot
  • Mazrica Sales

(4) 主要ツールの比較(機能・料金)

ツール 料金 主な機能 適している用途
Zoom 無料〜月額2,000円/ホスト 画面共有、録画、ブレイクアウトルーム 汎用Web会議
Teams 無料〜月額1,360円/ユーザー Microsoft 365連携、チャット、ファイル共有 企業内コラボレーション
bellface 要問い合わせ 名刺交換、トークスクリプト、SFA連携 BtoB商談特化
B-Room 要問い合わせ 自動振り分け、顧客管理、ステータス管理 BtoC商談特化

※料金は2025年12月時点の情報です。公式サイトで最新情報を確認してください。

無料トライアルで実際に試してから導入を決定することが推奨されます。

5. オンラインセールス成功のための実践ポイント

オンラインセールスで成果を上げるには、以下のポイントが重要です。

(1) 稟議を見据えた提案設計

B2B営業では、複数の意思決定者が関与するため、稟議(社内承認プロセス)を見据えた提案が必要です。

実践ポイント:

  • 決裁権者が誰かを事前にヒアリング
  • 稟議で必要な情報(費用対効果、導入実績、競合比較等)を資料に含める
  • 社内説明用の資料を提供し、顧客が上司に説明しやすくする

(2) 検討時間を考慮したコミュニケーション

オンライン商談では、顧客に「考える時間」を与えることが重要です。

実践ポイント:

  • 提案後、「ご検討いただく時間を1週間設けます」と明示
  • フォローアップのタイミングを事前に合意(例: 1週間後に電話で確認)
  • 焦らせず、顧客のペースに合わせる

(3) オンラインでの関係構築テクニック

オンラインでも、顧客との信頼関係を構築できます。

実践ポイント:

  • 商談開始時に雑談を入れ、緊張をほぐす(天気、最近のニュース等)
  • カメラオンで表情を見せ、親しみやすさを演出
  • チャット機能で補足情報や参考URLを共有し、価値提供

(4) 社内浸透とトレーニング

オンラインセールスを社内に定着させるには、トレーニングが必要です。

実践ポイント:

  • ツールの操作研修を実施
  • ロールプレイングでオンライン商談を練習
  • 成功事例を社内で共有し、ベストプラクティスを横展開

6. まとめ:オンラインセールス導入の5ステップ

オンラインセールスは、Web会議システムを活用したインターネット上の営業活動で、国内BtoB-EC市場は465.2兆円規模(EC化率40.0%)に達しています。インサイドセールスは見込み客育成、オンラインセールスは商談〜クロージングを担当します。

メリットは移動時間・コスト削減と商談件数増加、デメリットは表情・温度感が読み取りにくい点です。主要ツールはZoom・Teams(汎用)とbellface等(BtoB商談特化)があり、名刺交換・チャット・SFA連携機能を比較すべきです。

成功のコツは、稟議を見据えた提案・検討時間を考慮したコミュニケーション・関係構築テクニックの3点です。

オンラインセールス導入の5ステップ:

  1. ツール選定: Zoom・Teams・bellface等から、自社の用途に合ったツールを選定(無料トライアルで試す)
  2. 社内トレーニング: ツールの操作研修とロールプレイングを実施
  3. ハイブリッド営業の設計: 対面営業とオンラインセールスの使い分けルールを決定
  4. 顧客への案内: オンライン商談の提案方法を標準化(接続方法の説明資料を用意)
  5. 継続的改善: 商談録画を振り返り、成功パターンを社内共有

次のアクション:

  • 自社の営業課題とオンライン化の目的を明確にする
  • 主要ツールの無料トライアルで操作性を試す
  • ハイブリッド営業の使い分けルールを営業チームで議論する
  • 社内トレーニングとロールプレイングを実施する

オンラインセールスを効果的に活用し、営業効率と成約率を最大化しましょう。

よくある質問

Q1オンラインセールスとインサイドセールスの違いは何か?

A1オンラインセールスは商談(ヒアリング、提案、デモ)〜クロージング(契約締結)まで担当し、オンラインで受注を完結させることが目的です。一方、インサイドセールスは見込み客育成(リードナーチャリング)が主な業務で、電話・メールで情報提供し、購買意欲を高めて営業部門に引き渡します。両者は営業プロセスの異なる段階を担当し、連携して機能します。

Q2オンラインでも商談は成功するのか?

A2成功のコツは、稟議を見据えた提案(決裁権者の把握、社内説明用資料の提供)、検討時間を考慮したコミュニケーション(フォローアップのタイミング合意)、関係構築テクニック(商談開始時の雑談、カメラオンで表情を見せる)の3点です。新規顧客は初回訪問、リピーター顧客はオンラインという使い分けが効果的です。

Q3オンラインセールスに適したツールは何か?

A3汎用Web会議ツールならZoom(無料〜月額2,000円/ホスト)・Microsoft Teams(無料〜月額1,360円/ユーザー)が選択肢です。BtoB商談に特化したツールならbellface(名刺交換・トークスクリプト機能あり)、BtoC商談ならB-Room(自動振り分け・顧客管理機能あり)が適しています。名刺交換機能・チャット・SFA連携の有無を確認し、無料トライアルで試すことを推奨します。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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