Webを活用したインサイドセールスとは?リード獲得から商談化までの実践手法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/13

Webを活用したインサイドセールス、始めていますか?

B2B企業のインサイドセールス担当者やマネージャーの多くが、「Webマーケティングとの連携がうまくいかない」「リードを商談化する効率が悪い」と悩んでいます。実際、インサイドセールスは単なる電話営業ではなく、Webツールを活用した戦略的なアプローチが求められます。

この記事では、Webマーケティングとインサイドセールスの連携を強化し、リード獲得から商談化までの効率を高める実践手法を解説します。Web行動トラッキング、リードスコアリング、MA連携、オンライン商談など、具体的な手法をお伝えします。

この記事のポイント:

  • インサイドセールスとは電話・メール・Web会議ツール等を駆使した非対面営業活動
  • Withコロナ・Afterコロナ時代に必須の営業手法として普及が加速中
  • SDR(反響型)とBDR(新規開拓型)の2つのアプローチがある
  • MA(マーケティングオートメーション)、CRM、SFAツールを活用してリードを効率的に管理・育成
  • フィールドセールスとの役割分担を明確化し、インサイドセールスはリードナーチャリング(見込み客育成)に注力
  • 移動時間が不要なため、1日に接触できる見込み顧客数が飛躍的に増加
  • 導入事例では受注数3倍、商談数2倍、有効商談率2.5倍などの成果が報告されている

Webを活用したインサイドセールスが注目される背景

(1) Withコロナ・Afterコロナ時代の営業変革

Withコロナ・Afterコロナ時代において、対面営業が制限される中、インサイドセールスは必須の営業手法として注目を集めています。従来の訪問営業に頼っていた企業も、非対面でのアプローチに切り替えざるを得ない状況が続いています。

2025年版のインサイドセールスガイドが複数公開されるなど、最新のベストプラクティスが共有され、AIやデータ分析を活用したインサイドセールスの高度化が進行しています。

(2) Webマーケティングとの連携強化の必要性

Webマーケティングで獲得したリード(見込み客)を効率的に商談化するには、インサイドセールスとの連携が不可欠です。以下のような課題を抱える企業が増えています:

  • リードの放置: Webから獲得したリードをフォローアップできず、商談機会を逃す
  • リードの質のばらつき: 温度感の高いリードと低いリードを区別できず、効率が悪い
  • マーケティングと営業の分断: リード情報が共有されず、商談化率が低い

これらの課題を解決するため、Webツールを活用したインサイドセールスの重要性が高まっています。

インサイドセールスの基礎知識

(1) インサイドセールスとは

Adobeによると、インサイドセールスとは電話・メール・Web会議ツール(Zoom、Microsoft Teams等)を駆使した非対面営業活動です。内勤型営業、リモートセールスとも呼ばれます。

主な特徴:

  • 非対面でのアプローチ(電話・メール・Web会議)
  • 少ない人員で多くの見込み顧客にアプローチ可能
  • 移動時間・移動コスト削減
  • 全国・海外の顧客へのアプローチが可能
  • リードナーチャリング(見込み客育成)に注力

(2) フィールドセールス、オンライン営業、テレマーケティングとの違い

混同しやすい用語を整理します(AIDMA Holdings):

用語 定義 主な活動
インサイドセールス 内勤型営業、非対面営業活動 リードナーチャリング、商談アポ取得、初期商談
フィールドセールス 外勤型営業、対面営業活動 顧客先訪問、商談クロージング、契約締結
オンライン営業 インターネットを使った営業活動全般 Web会議ツール等を活用した商談全般
テレマーケティング 電話を使った営業活動 アポイント取得、調査、簡単な商品説明

インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担:

  • インサイドセールス: リード獲得→育成→商談アポ設定→初期商談
  • フィールドセールス: 深掘り商談→提案→クロージング→契約締結

BowNowによると、インサイドセールスは商談前に見込み客と信頼関係を構築(リードナーチャリング)し、フィールドセールスとの商談機会を創出する役割を担います。

(3) SDR(反響型)とBDR(新規開拓型)の2つのアプローチ

BowNowによると、インサイドセールスには2つのアプローチがあります:

SDR(Sales Development Representative:反響型):

  • 問い合わせや資料請求などの反響リードに対応
  • Webマーケティングで獲得したリードを育成し、商談化
  • 既に関心を持っている見込み客へのアプローチ

BDR(Business Development Representative:新規開拓型):

  • ターゲット企業リストに基づき能動的にアプローチ
  • まだ接点のない企業に対して、電話・メールで新規開拓
  • ABM(アカウントベースドマーケティング)との親和性が高い

多くの企業では、SDRとBDRを組み合わせて運用しています。

Webを活用したインサイドセールスの実践手法

(1) リード獲得からナーチャリングまでのプロセス

Webを活用したインサイドセールスの基本プロセスは以下の通りです:

ステップ1: リード獲得(Webマーケティング)

  • オウンドメディア、SEO、広告等でリードを獲得
  • 問い合わせフォーム、資料請求、ホワイトペーパーダウンロード等

ステップ2: リード管理(MA・CRM)

  • MAツールでリード情報を一元管理
  • リードスコアリングで優先順位を付ける

ステップ3: リードナーチャリング(インサイドセールス)

  • メール・電話で定期的にコンタクト
  • 課題をヒアリングし、関係性を構築
  • 資料提供、ウェビナー案内等で興味を喚起

ステップ4: 商談アポ設定(インサイドセールス)

  • 温度感が高まったリードに商談を提案
  • フィールドセールスに引き継ぐ

ステップ5: 商談・クロージング(フィールドセールス)

  • 深掘り商談、提案、契約締結

(2) Web会議ツール(Zoom、Microsoft Teams等)を活用した商談

Web会議ツールを活用することで、移動時間ゼロで全国・海外の顧客と商談が可能になります。

主なWeb会議ツール:

  • Zoom
  • Microsoft Teams
  • Google Meet
  • Webex

Web会議のメリット:

  • 移動時間・移動コスト削減
  • 1日に複数の商談を効率的に実施
  • 画面共有で資料を効果的に説明
  • 録画機能で商談内容を記録・共有

Web会議の注意点:

  • 対面と比較して信頼関係構築に工夫が必要
  • カメラ・マイクの品質に注意
  • 事前に資料を送付し、スムーズな進行を心がける

(3) Web行動トラッキングとリードスコアリング

MAツールを活用することで、リードのWeb行動をトラッキングし、関心度を可視化できます。

Web行動トラッキングの例:

  • どのページを閲覧したか
  • どの資料をダウンロードしたか
  • メール開封率・クリック率
  • ウェビナー参加の有無

リードスコアリング:

  • Web行動に基づいてスコアを付与
  • スコアが高いリードに優先的にアプローチ
  • 例:資料ダウンロード +10点、価格ページ閲覧 +20点、3日以内に複数ページ閲覧 +30点

SATORIによると、リードスコアリングにより、温度感の高いリードを見逃さず、効率的にアプローチできるようになります。

(4) メール・電話を組み合わせたアプローチ手法

インサイドセールスでは、メールと電話を効果的に組み合わせることが重要です。

メールのメリット:

  • 一度に多数のリードにアプローチ可能
  • 資料・事例を効果的に共有
  • リードのペースで情報を確認できる

電話のメリット:

  • リアルタイムでコミュニケーション
  • 課題を深掘りしてヒアリング
  • 信頼関係を構築しやすい

効果的な組み合わせ例:

  1. メールで初回コンタクト(資料送付)
  2. 数日後に電話でフォローアップ(資料の感想をヒアリング)
  3. 定期的にメールで情報提供(ウェビナー案内、事例紹介等)
  4. 温度感が高まったタイミングで電話で商談提案

必要なツールとフィールドセールスとの連携

(1) MA(マーケティングオートメーション)の活用

MAツールは、リード獲得・育成を自動化するツールです。インサイドセールスとの連携により、効率的なリードナーチャリングが可能になります。

主なMAツール:

  • HubSpot
  • Marketo
  • Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)
  • SATORI
  • BowNow

MAツールでできること:

  • リード管理(問い合わせフォームからの自動取り込み)
  • リードスコアリング(Web行動に基づくスコア付与)
  • メール配信自動化(ステップメール、セグメント配信)
  • Web行動トラッキング(ページ閲覧履歴、資料ダウンロード履歴)
  • ダッシュボードで進捗可視化

(2) CRM・SFAツールによる情報共有

CRM(顧客関係管理)とSFA(営業支援)ツールは、顧客情報と営業活動を一元管理し、インサイドセールスとフィールドセールス間の情報共有を円滑にします。

主なCRM・SFAツール:

  • Salesforce Sales Cloud
  • HubSpot CRM
  • Mazrica Sales
  • Sansan(名刺管理との連携)

CRM・SFAツールでできること:

  • 顧客情報の一元管理
  • 商談進捗の可視化
  • インサイドセールスからフィールドセールスへの引き継ぎ情報の共有
  • 営業活動履歴の記録(電話・メール・商談内容)

(3) フィールドセールスとの役割分担

インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担を明確化することで、効率的な営業体制を構築できます。

インサイドセールスの役割:

  • リード獲得(Webマーケティングとの連携)
  • リードナーチャリング(メール・電話での育成)
  • 商談アポ設定(フィールドセールスへの引き継ぎ)
  • 初期商談(課題ヒアリング、ニーズ確認)

フィールドセールスの役割:

  • 深掘り商談(具体的な提案内容の検討)
  • 提案・プレゼンテーション
  • クロージング・契約締結
  • 既存顧客のフォローアップ

BowNowによると、インサイドセールスがリードナーチャリングに注力することで、フィールドセールスは質の高い商談に集中できるようになります。

(4) 効率的なハイブリッド運用

多くの企業では、インサイドセールスとフィールドセールスをハイブリッドで運用しています。

ハイブリッド運用の例:

  • 地方顧客: インサイドセールスで完結(移動コスト削減)
  • 大型案件: インサイドセールスで育成後、フィールドセールスが対面商談
  • 既存顧客: 定期フォローはインサイドセールス、重要商談はフィールドセールス

このような使い分けにより、営業活動全体の効率を最大化できます。

※ツールの料金は変更される可能性があるため、導入前に公式サイトで最新情報を確認してください。

導入事例と導入時の注意点

(1) 成功事例(受注数3倍、商談数2倍等)

LISKUL、HubSpot、Persolが紹介する成功事例では、以下のような成果が報告されています:

事例1: 受注数3倍(LISKUL)

  • インサイドセールスを導入し、リードナーチャリングを強化
  • 受注数が3倍に増加

事例2: 有効商談率2.5倍(Persol)

  • MAツールとインサイドセールスを連携
  • 有効商談率が2.5倍に向上

事例3: 週10件→50件へ増加(Persol)

  • インサイドセールスにより、有効ターゲット数が週10件から50件に増加
  • 商談機会が飛躍的に拡大

事例4: Panasonic Industry(HubSpot)

  • HubSpot導入で営業DX推進
  • インサイドセールスとフィールドセールスの連携を強化

※導入事例の効果は企業規模・業種・既存営業体制により異なります。自社の状況に合わせた目標設定が重要です。

(2) 導入時の注意点とリスク

インサイドセールス導入時には以下の点に注意が必要です:

注意点1: ツール導入コスト

  • MA、CRM、SFA等のツール導入にコストがかかる
  • 小規模企業なら無料ツールから始めることも可能

注意点2: フィールドセールスとの連携

  • 連携体制構築には時間がかかる場合がある
  • 役割分担を明確化し、定期的な情報共有が必要

注意点3: 信頼関係構築の工夫

  • 対面営業と比較して信頼関係構築に工夫が必要
  • メール・電話・Web会議を効果的に組み合わせる

注意点4: 人材育成

  • インサイドセールスのスキル(ヒアリング力、提案力、ツール活用力)が必要
  • 研修やOJTで育成する

(3) 少人数から始める導入ステップ

少人数からインサイドセールスを始めるステップは以下の通りです:

ステップ1: 体制設計

  • インサイドセールスの役割を明確化
  • フィールドセールスとの役割分担を決定

ステップ2: ツール選定

  • MAツール(HubSpot、SATORI、BowNow等)を選定
  • 無料ツールから始めることも可能

ステップ3: リードデータ整理

  • 既存のリードデータをMAツールに取り込み
  • リードスコアリングの基準を設定

ステップ4: リードナーチャリング開始

  • メール・電話でリードにアプローチ
  • 温度感の高いリードを優先的にフォロー

ステップ5: 効果測定・改善

  • 商談数、成約率、リードナーチャリング期間等を測定
  • PDCAサイクルを回して改善

まとめ:インサイドセールス成功のポイント

Webを活用したインサイドセールスは、Withコロナ・Afterコロナ時代に必須の営業手法として普及が加速しています。

成功のポイント:

  • Webマーケティングとの連携: MAツールでリードを一元管理し、効率的にナーチャリング
  • リードスコアリング: Web行動トラッキングで温度感の高いリードを見逃さない
  • SDRとBDRの使い分け: 反響型と新規開拓型を組み合わせて運用
  • フィールドセールスとの役割分担: インサイドセールスは育成、フィールドセールスは商談に集中
  • Web会議ツールの活用: 移動時間ゼロで全国・海外の顧客にアプローチ
  • メール・電話の効果的な組み合わせ: リードの温度感に応じて使い分け

次のアクション:

  • 自社のリード獲得状況を分析する(Webマーケティングで獲得しているリード数、商談化率等)
  • インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担を設計する
  • MAツール(HubSpot、SATORI、BowNow等)を選定し、リード管理を開始する
  • 少人数(1-2名)から始めて、効果測定しながら拡大する
  • 定期的にKPIを見直し、PDCAサイクルを回す

Webを活用したインサイドセールスで、リード獲得から商談化までの効率を最大化し、営業成果の向上を目指しましょう。

※この記事は2024-2025年時点の情報です。ツールの機能や料金は変更される可能性があるため、導入前に公式サイトで最新情報を確認してください。

よくある質問

Q1インサイドセールスとフィールドセールスの違いは?

A1インサイドセールスは電話・メール・Web会議等を使った非対面営業(内勤型)、フィールドセールスは顧客先を訪問する対面営業(外勤型)です。インサイドセールスはリード育成・商談アポ設定・初期商談に注力し、フィールドセールスは深掘り商談・提案・クロージングを担当するのが一般的です。

Q2インサイドセールス導入にどのようなツールが必要?

A2主にMA(マーケティングオートメーション)、CRM(顧客管理)、SFA(営業支援)、Web会議ツール(Zoom、Microsoft Teams等)が必要です。MAツールではHubSpot、SATORI、BowNow等があり、小規模企業なら無料ツールから始めることも可能です。

Q3インサイドセールスでどの程度の効果が期待できる?

A3導入事例では受注数3倍、商談数2倍、有効商談率2.5倍などの成果が報告されています。ただし効果は企業規模・業種・既存営業体制により異なるため、自社の状況に合わせた目標設定が重要です。まずは少人数(1-2名)から始めて、効果測定しながら拡大するのが推奨されます。

Q4SDRとBDRの違いは?

A4SDR(Sales Development Representative)は反響型インサイドセールスで、問い合わせや資料請求などの反響リードに対応します。BDR(Business Development Representative)は新規開拓型インサイドセールスで、ターゲット企業リストに基づき能動的にアプローチします。多くの企業ではSDRとBDRを組み合わせて運用しています。

B

B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。