Webを活用したインサイドセールス、始めていますか?
B2B企業のインサイドセールス担当者やマネージャーの多くが、「Webマーケティングとの連携がうまくいかない」「リードを商談化する効率が悪い」と悩んでいます。実際、インサイドセールスは単なる電話営業ではなく、Webツールを活用した戦略的なアプローチが求められます。
この記事では、Webマーケティングとインサイドセールスの連携を強化し、リード獲得から商談化までの効率を高める実践手法を解説します。Web行動トラッキング、リードスコアリング、MA連携、オンライン商談など、具体的な手法をお伝えします。
この記事のポイント:
- インサイドセールスとは電話・メール・Web会議ツール等を駆使した非対面営業活動
- Withコロナ・Afterコロナ時代に必須の営業手法として普及が加速中
- SDR(反響型)とBDR(新規開拓型)の2つのアプローチがある
- MA(マーケティングオートメーション)、CRM、SFAツールを活用してリードを効率的に管理・育成
- フィールドセールスとの役割分担を明確化し、インサイドセールスはリードナーチャリング(見込み客育成)に注力
- 移動時間が不要なため、1日に接触できる見込み顧客数が飛躍的に増加
- 導入事例では受注数3倍、商談数2倍、有効商談率2.5倍などの成果が報告されている
Webを活用したインサイドセールスが注目される背景
(1) Withコロナ・Afterコロナ時代の営業変革
Withコロナ・Afterコロナ時代において、対面営業が制限される中、インサイドセールスは必須の営業手法として注目を集めています。従来の訪問営業に頼っていた企業も、非対面でのアプローチに切り替えざるを得ない状況が続いています。
2025年版のインサイドセールスガイドが複数公開されるなど、最新のベストプラクティスが共有され、AIやデータ分析を活用したインサイドセールスの高度化が進行しています。
(2) Webマーケティングとの連携強化の必要性
Webマーケティングで獲得したリード(見込み客)を効率的に商談化するには、インサイドセールスとの連携が不可欠です。以下のような課題を抱える企業が増えています:
- リードの放置: Webから獲得したリードをフォローアップできず、商談機会を逃す
- リードの質のばらつき: 温度感の高いリードと低いリードを区別できず、効率が悪い
- マーケティングと営業の分断: リード情報が共有されず、商談化率が低い
これらの課題を解決するため、Webツールを活用したインサイドセールスの重要性が高まっています。
インサイドセールスの基礎知識
(1) インサイドセールスとは
Adobeによると、インサイドセールスとは電話・メール・Web会議ツール(Zoom、Microsoft Teams等)を駆使した非対面営業活動です。内勤型営業、リモートセールスとも呼ばれます。
主な特徴:
- 非対面でのアプローチ(電話・メール・Web会議)
- 少ない人員で多くの見込み顧客にアプローチ可能
- 移動時間・移動コスト削減
- 全国・海外の顧客へのアプローチが可能
- リードナーチャリング(見込み客育成)に注力
(2) フィールドセールス、オンライン営業、テレマーケティングとの違い
混同しやすい用語を整理します(AIDMA Holdings):
| 用語 | 定義 | 主な活動 |
|---|---|---|
| インサイドセールス | 内勤型営業、非対面営業活動 | リードナーチャリング、商談アポ取得、初期商談 |
| フィールドセールス | 外勤型営業、対面営業活動 | 顧客先訪問、商談クロージング、契約締結 |
| オンライン営業 | インターネットを使った営業活動全般 | Web会議ツール等を活用した商談全般 |
| テレマーケティング | 電話を使った営業活動 | アポイント取得、調査、簡単な商品説明 |
インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担:
- インサイドセールス: リード獲得→育成→商談アポ設定→初期商談
- フィールドセールス: 深掘り商談→提案→クロージング→契約締結
BowNowによると、インサイドセールスは商談前に見込み客と信頼関係を構築(リードナーチャリング)し、フィールドセールスとの商談機会を創出する役割を担います。
(3) SDR(反響型)とBDR(新規開拓型)の2つのアプローチ
BowNowによると、インサイドセールスには2つのアプローチがあります:
SDR(Sales Development Representative:反響型):
- 問い合わせや資料請求などの反響リードに対応
- Webマーケティングで獲得したリードを育成し、商談化
- 既に関心を持っている見込み客へのアプローチ
BDR(Business Development Representative:新規開拓型):
- ターゲット企業リストに基づき能動的にアプローチ
- まだ接点のない企業に対して、電話・メールで新規開拓
- ABM(アカウントベースドマーケティング)との親和性が高い
多くの企業では、SDRとBDRを組み合わせて運用しています。
Webを活用したインサイドセールスの実践手法
(1) リード獲得からナーチャリングまでのプロセス
Webを活用したインサイドセールスの基本プロセスは以下の通りです:
ステップ1: リード獲得(Webマーケティング)
- オウンドメディア、SEO、広告等でリードを獲得
- 問い合わせフォーム、資料請求、ホワイトペーパーダウンロード等
ステップ2: リード管理(MA・CRM)
- MAツールでリード情報を一元管理
- リードスコアリングで優先順位を付ける
ステップ3: リードナーチャリング(インサイドセールス)
- メール・電話で定期的にコンタクト
- 課題をヒアリングし、関係性を構築
- 資料提供、ウェビナー案内等で興味を喚起
ステップ4: 商談アポ設定(インサイドセールス)
- 温度感が高まったリードに商談を提案
- フィールドセールスに引き継ぐ
ステップ5: 商談・クロージング(フィールドセールス)
- 深掘り商談、提案、契約締結
(2) Web会議ツール(Zoom、Microsoft Teams等)を活用した商談
Web会議ツールを活用することで、移動時間ゼロで全国・海外の顧客と商談が可能になります。
主なWeb会議ツール:
- Zoom
- Microsoft Teams
- Google Meet
- Webex
Web会議のメリット:
- 移動時間・移動コスト削減
- 1日に複数の商談を効率的に実施
- 画面共有で資料を効果的に説明
- 録画機能で商談内容を記録・共有
Web会議の注意点:
- 対面と比較して信頼関係構築に工夫が必要
- カメラ・マイクの品質に注意
- 事前に資料を送付し、スムーズな進行を心がける
(3) Web行動トラッキングとリードスコアリング
MAツールを活用することで、リードのWeb行動をトラッキングし、関心度を可視化できます。
Web行動トラッキングの例:
- どのページを閲覧したか
- どの資料をダウンロードしたか
- メール開封率・クリック率
- ウェビナー参加の有無
リードスコアリング:
- Web行動に基づいてスコアを付与
- スコアが高いリードに優先的にアプローチ
- 例:資料ダウンロード +10点、価格ページ閲覧 +20点、3日以内に複数ページ閲覧 +30点
SATORIによると、リードスコアリングにより、温度感の高いリードを見逃さず、効率的にアプローチできるようになります。
(4) メール・電話を組み合わせたアプローチ手法
インサイドセールスでは、メールと電話を効果的に組み合わせることが重要です。
メールのメリット:
- 一度に多数のリードにアプローチ可能
- 資料・事例を効果的に共有
- リードのペースで情報を確認できる
電話のメリット:
- リアルタイムでコミュニケーション
- 課題を深掘りしてヒアリング
- 信頼関係を構築しやすい
効果的な組み合わせ例:
- メールで初回コンタクト(資料送付)
- 数日後に電話でフォローアップ(資料の感想をヒアリング)
- 定期的にメールで情報提供(ウェビナー案内、事例紹介等)
- 温度感が高まったタイミングで電話で商談提案
必要なツールとフィールドセールスとの連携
(1) MA(マーケティングオートメーション)の活用
MAツールは、リード獲得・育成を自動化するツールです。インサイドセールスとの連携により、効率的なリードナーチャリングが可能になります。
主なMAツール:
- HubSpot
- Marketo
- Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)
- SATORI
- BowNow
MAツールでできること:
- リード管理(問い合わせフォームからの自動取り込み)
- リードスコアリング(Web行動に基づくスコア付与)
- メール配信自動化(ステップメール、セグメント配信)
- Web行動トラッキング(ページ閲覧履歴、資料ダウンロード履歴)
- ダッシュボードで進捗可視化
(2) CRM・SFAツールによる情報共有
CRM(顧客関係管理)とSFA(営業支援)ツールは、顧客情報と営業活動を一元管理し、インサイドセールスとフィールドセールス間の情報共有を円滑にします。
主なCRM・SFAツール:
- Salesforce Sales Cloud
- HubSpot CRM
- Mazrica Sales
- Sansan(名刺管理との連携)
CRM・SFAツールでできること:
- 顧客情報の一元管理
- 商談進捗の可視化
- インサイドセールスからフィールドセールスへの引き継ぎ情報の共有
- 営業活動履歴の記録(電話・メール・商談内容)
(3) フィールドセールスとの役割分担
インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担を明確化することで、効率的な営業体制を構築できます。
インサイドセールスの役割:
- リード獲得(Webマーケティングとの連携)
- リードナーチャリング(メール・電話での育成)
- 商談アポ設定(フィールドセールスへの引き継ぎ)
- 初期商談(課題ヒアリング、ニーズ確認)
フィールドセールスの役割:
- 深掘り商談(具体的な提案内容の検討)
- 提案・プレゼンテーション
- クロージング・契約締結
- 既存顧客のフォローアップ
BowNowによると、インサイドセールスがリードナーチャリングに注力することで、フィールドセールスは質の高い商談に集中できるようになります。
(4) 効率的なハイブリッド運用
多くの企業では、インサイドセールスとフィールドセールスをハイブリッドで運用しています。
ハイブリッド運用の例:
- 地方顧客: インサイドセールスで完結(移動コスト削減)
- 大型案件: インサイドセールスで育成後、フィールドセールスが対面商談
- 既存顧客: 定期フォローはインサイドセールス、重要商談はフィールドセールス
このような使い分けにより、営業活動全体の効率を最大化できます。
※ツールの料金は変更される可能性があるため、導入前に公式サイトで最新情報を確認してください。
導入事例と導入時の注意点
(1) 成功事例(受注数3倍、商談数2倍等)
LISKUL、HubSpot、Persolが紹介する成功事例では、以下のような成果が報告されています:
事例1: 受注数3倍(LISKUL)
- インサイドセールスを導入し、リードナーチャリングを強化
- 受注数が3倍に増加
事例2: 有効商談率2.5倍(Persol)
- MAツールとインサイドセールスを連携
- 有効商談率が2.5倍に向上
事例3: 週10件→50件へ増加(Persol)
- インサイドセールスにより、有効ターゲット数が週10件から50件に増加
- 商談機会が飛躍的に拡大
事例4: Panasonic Industry(HubSpot)
- HubSpot導入で営業DX推進
- インサイドセールスとフィールドセールスの連携を強化
※導入事例の効果は企業規模・業種・既存営業体制により異なります。自社の状況に合わせた目標設定が重要です。
(2) 導入時の注意点とリスク
インサイドセールス導入時には以下の点に注意が必要です:
注意点1: ツール導入コスト
- MA、CRM、SFA等のツール導入にコストがかかる
- 小規模企業なら無料ツールから始めることも可能
注意点2: フィールドセールスとの連携
- 連携体制構築には時間がかかる場合がある
- 役割分担を明確化し、定期的な情報共有が必要
注意点3: 信頼関係構築の工夫
- 対面営業と比較して信頼関係構築に工夫が必要
- メール・電話・Web会議を効果的に組み合わせる
注意点4: 人材育成
- インサイドセールスのスキル(ヒアリング力、提案力、ツール活用力)が必要
- 研修やOJTで育成する
(3) 少人数から始める導入ステップ
少人数からインサイドセールスを始めるステップは以下の通りです:
ステップ1: 体制設計
- インサイドセールスの役割を明確化
- フィールドセールスとの役割分担を決定
ステップ2: ツール選定
- MAツール(HubSpot、SATORI、BowNow等)を選定
- 無料ツールから始めることも可能
ステップ3: リードデータ整理
- 既存のリードデータをMAツールに取り込み
- リードスコアリングの基準を設定
ステップ4: リードナーチャリング開始
- メール・電話でリードにアプローチ
- 温度感の高いリードを優先的にフォロー
ステップ5: 効果測定・改善
- 商談数、成約率、リードナーチャリング期間等を測定
- PDCAサイクルを回して改善
まとめ:インサイドセールス成功のポイント
Webを活用したインサイドセールスは、Withコロナ・Afterコロナ時代に必須の営業手法として普及が加速しています。
成功のポイント:
- Webマーケティングとの連携: MAツールでリードを一元管理し、効率的にナーチャリング
- リードスコアリング: Web行動トラッキングで温度感の高いリードを見逃さない
- SDRとBDRの使い分け: 反響型と新規開拓型を組み合わせて運用
- フィールドセールスとの役割分担: インサイドセールスは育成、フィールドセールスは商談に集中
- Web会議ツールの活用: 移動時間ゼロで全国・海外の顧客にアプローチ
- メール・電話の効果的な組み合わせ: リードの温度感に応じて使い分け
次のアクション:
- 自社のリード獲得状況を分析する(Webマーケティングで獲得しているリード数、商談化率等)
- インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担を設計する
- MAツール(HubSpot、SATORI、BowNow等)を選定し、リード管理を開始する
- 少人数(1-2名)から始めて、効果測定しながら拡大する
- 定期的にKPIを見直し、PDCAサイクルを回す
Webを活用したインサイドセールスで、リード獲得から商談化までの効率を最大化し、営業成果の向上を目指しましょう。
※この記事は2024-2025年時点の情報です。ツールの機能や料金は変更される可能性があるため、導入前に公式サイトで最新情報を確認してください。
