Google Analyticsが新しくなったと聞いたが、ユニバーサルアナリティクスって何だったの?
B2B企業のマーケティング担当者やWeb担当者の中には、「UAからGA4への移行」という言葉を聞いたものの、そもそもユニバーサルアナリティクス(UA)とは何だったのか、GA4とどう違うのかを十分に理解していない方もいるかもしれません。
2024年7月1日にユニバーサルアナリティクスは完全終了し、現在はGoogle Analytics 4(GA4)の利用が必須となっています。しかし、UAの概念を理解しておくことは、GA4の仕組みを正しく理解し、過去データとの比較を適切に行うために重要です。
この記事では、ユニバーサルアナリティクスの概要、GA4との違い、終了のタイムライン、過去データの扱いについて解説します。
この記事のポイント:
- ユニバーサルアナリティクス(UA)は2024年7月1日に完全終了し、現在はGA4の利用が必須
- UAはセッション中心、GA4はイベント中心の計測という根本的な違いがある
- UAのデータはGA4に自動移行されず、2024年7月1日以降は完全削除された
- 過去データが必要な場合は、移行前の手動エクスポートまたはBigQuery連携が唯一の手段だった
- GA4では新指標(エンゲージメント率等)の理解と活用が重要
1. ユニバーサルアナリティクス(UA)とは(概要と終了の経緯)
ユニバーサルアナリティクスがどのようなツールで、なぜ終了することになったのかを解説します。
(1) UAの定義(2014年4月正式リリース、2020年10月まで標準)
ユニバーサルアナリティクス(UA)は、2014年4月に正式リリースされたGoogle Analyticsの旧世代バージョンです。2020年10月14日までは、Webサイトの標準プロパティタイプとして広く利用されていました。
UAの主な特徴は以下の通りです:
- セッション中心の計測: サイト訪問から離脱までの一連の行動を「セッション」としてカウント
- ページビュー重視: ページごとの閲覧数や滞在時間を主要指標として分析
- 直帰率: 1ページのみ閲覧して離脱したセッションの割合を指標として提供
これらの指標は、Webサイトのアクセス解析において長年使われてきた標準的な概念でした。
(2) UA終了の背景(GA4への完全移行)
GoogleがUAを終了し、GA4へ完全移行した背景には、以下のような変化があります:
- Webとアプリのクロスプラットフォーム分析の必要性: ユーザーがWebとアプリを行き来する時代に、別々に計測するUAの仕組みでは不十分
- プライバシー規制の強化: Cookie規制やGDPR等の影響で、より柔軟なデータ計測が求められるようになった
- 機械学習の活用: 予測指標(購入見込みのあるユーザー、離脱見込みのあるユーザー等)を提供するには新しい計測基盤が必要
これらの理由から、Googleは2020年10月にGA4をリリースし、UAからの完全移行を進めてきました。
2. UAとGA4の違い(計測の軸・主要指標・機能)
UAとGA4は、計測の考え方や主要指標が根本的に異なります。
(1) 計測の軸の違い(UA: セッション中心、GA4: イベント中心)
UAとGA4の最大の違いは、計測の軸です。
UA(セッション中心):
- サイト訪問から離脱までを「1セッション」として計測
- ページビュー数やセッション数を主要指標とする
- Webとアプリを別々のプロパティで計測
GA4(イベント中心):
- ページビュー・クリック・スクロール等すべての行動を「イベント」として記録
- イベントごとにパラメータを付与し、柔軟な分析が可能
- Webとアプリを1つのプロパティで統合計測
この違いにより、同じ期間のデータを比較しても、UAとGA4で数値が一致しない場合があります。
(2) 主要指標の違い(直帰率 vs エンゲージメント率)
UAとGA4では、主要指標の定義も異なります。
UA:
- 直帰率: 1ページのみ閲覧して離脱したセッションの割合
- ページビュー: ページが表示された回数
- 平均セッション時間: 1セッションあたりの平均滞在時間
GA4:
- エンゲージメント率: 10秒以上の利用、2ページ以上の遷移、コンバージョンのいずれかが発生したセッションの割合(UAの直帰率の逆概念)
- イベント数: イベントが発生した回数
- 平均エンゲージメント時間: ユーザーがアクティブにページを閲覧していた時間
エンゲージメント率は、UAの直帰率とは逆の概念のため、数値の解釈に注意が必要です。
(3) Webとアプリの統合計測(GA4の新機能)
GA4の大きな特徴の1つが、Webとアプリのクロスプラットフォーム分析です。
UA:
- Webは「Webプロパティ」、アプリは「Firebase」で別々に計測
- ユーザーがWebとアプリを行き来した場合、統合的な分析が困難
GA4:
- Webとアプリを1つのプロパティで統合計測
- ユーザーがWebからアプリに移動した場合も、一連の行動として追跡可能
- クロスプラットフォームのユーザージャーニー分析が可能
この機能により、B2B企業がWebサイトとモバイルアプリの両方を運営している場合、より包括的な顧客理解が可能になります。
3. UA終了のタイムラインとデータの行方
UAの終了は段階的に進められました。
(1) 2023年7月1日:データ計測停止
2023年7月1日をもって、UAのデータ計測は停止されました。
この時点での影響:
- 新しいデータはUAに記録されなくなった
- 過去のデータは少なくとも6ヶ月間(2024年1月頃まで)は閲覧可能だった
- GA4への移行が遅れた企業は、この時点からGA4設定完了までの期間のデータが欠損するリスクがあった
(2) 2024年7月1日:完全終了(UI・API・データ完全削除)
2024年7月1日をもって、UAは完全終了しました。
この時点での影響:
- UAの管理画面(UI)へのアクセスが不可能になった
- Google Analytics APIを使ったデータ取得も不可能になった
- すべてのUAデータが完全削除され、復元不可能になった
このため、過去データが必要な企業は、2024年7月1日以前に手動でデータをエクスポートする必要がありました。
4. UAデータのバックアップ方法(移行前に必要だった対応)
2024年7月1日以前に、UAデータをバックアップする方法は以下の通りでした。
(1) 管理画面からの手動エクスポート(CSV/Excel/スプレッドシート)
最も手軽な方法は、UA管理画面からレポートを手動でエクスポートすることでした。
手順:
- UA管理画面でレポートを表示
- 画面右上の「エクスポート」ボタンをクリック
- CSV、Excel、Google スプレッドシートのいずれかの形式を選択
メリット:
- 技術的な知識が不要
- 必要なレポートだけを選択してエクスポート可能
デメリット:
- 大量のデータを一括エクスポートするのは困難
- レポートごとに手動操作が必要
(2) Google Analytics Reporting API
プログラムによるデータ取得には、Google Analytics Reporting APIが利用可能でした。
メリット:
- 大量のデータを自動的にエクスポート可能
- カスタムレポートの作成が柔軟
デメリット:
- プログラミングの知識が必要
- APIの仕様を理解する必要がある
(3) BigQuery連携(GA360のみ)
GA360(Google Analyticsの有料版)のユーザーは、BigQuery連携によるデータバックアップが可能でした。
メリット:
- 生ログデータをBigQueryにエクスポートし、長期保存可能
- SQLによる高度な分析が可能
デメリット:
- GA360のみの機能(無料版では利用不可)
- BigQueryの利用料金が発生する場合がある
重要: 無料版ユーザーは、管理画面からの手動エクスポートまたはAPIを利用する必要がありました。
5. GA4への移行と今後の対応
現在、Google AnalyticsはGA4のみとなっているため、GA4への移行と新指標の理解が必要です。
(1) GA4設定アシスタントの使用方法
GA4への移行は、Google Analytics管理画面の「GA4設定アシスタント」を使用することで簡単に行えます。
移行手順:
- Google Analytics管理画面にログイン
- 「管理」→「GA4設定アシスタント」を選択
- 「新しいGoogle Analytics 4プロパティを作成する」をクリック
- 画面の指示に従って設定を完了
注意: UAのデータは自動的にGA4に移行されないため、過去データとの比較が必要な場合は、UAデータのエクスポートが必要でした。
(2) Googleタグマネージャー(GTM)を利用した設定
GA4のトラッキングコード設定には、Googleタグマネージャー(GTM)の利用が推奨されます。
GTM利用のメリット:
- タグの一元管理が可能
- エンジニアの手を借りずに、マーケティング担当者がタグを追加・変更できる
- イベント計測の柔軟な設定が可能
設定手順:
- GTMアカウントを作成(既存の場合はスキップ)
- GTMコンテナにGA4タグを追加
- GA4測定IDを設定
- トリガーを設定し、公開
(3) GA4の新指標の理解と活用
GA4では、UAにはなかった新指標が導入されているため、これらの理解と活用が重要です。
主な新指標:
- エンゲージメント率: ユーザーの関心度を測る指標(UAの直帰率の逆概念)
- 平均エンゲージメント時間: ユーザーがアクティブにページを閲覧していた時間
- 予測指標: 機械学習による購入見込み・離脱見込みのあるユーザーの抽出
これらの新指標を活用することで、UAでは得られなかった深い顧客理解が可能になります。
6. まとめ:GA4時代のアクセス解析
ユニバーサルアナリティクス(UA)は2024年7月1日に完全終了し、現在はGoogle Analytics 4(GA4)の利用が必須となっています。UAとGA4は計測の軸(セッション vs イベント)や主要指標(直帰率 vs エンゲージメント率)が根本的に異なるため、過去データとの比較には注意が必要です。
UAのデータはGA4に自動移行されず、2024年7月1日以降は完全削除されたため、過去データが必要な場合は移行前のエクスポートが唯一の手段でした。
次のアクション:
- GA4の管理画面にログインし、データが正しく計測されているか確認する
- GA4の新指標(エンゲージメント率、平均エンゲージメント時間)の定義を理解する
- 過去データ(UAデータ)が必要な場合は、エクスポート済みデータの保存場所を確認する
- GA4の予測指標やクロスプラットフォーム分析など、新機能の活用方法を学ぶ
- チーム内でGA4の操作方法や指標の定義を共有する
GA4は、Webとアプリの統合計測や機械学習による予測指標など、UAにはなかった高度な機能を備えています。これらの新機能を活用し、より深い顧客理解とマーケティング施策の改善につなげていきましょう。
