アンケートフォームの作り方|回答率を高める設計と無料ツール紹介

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/24

顧客の声を効率的に集めたいけれど、どうやってアンケートを作ればいいか分からない...

顧客満足度調査やNPS測定、製品フィードバックの収集など、B2B企業にとって顧客の声を集めることは重要な業務です。しかし、「どのツールを使えばいいか分からない」「回答率が低くて困っている」「設問の設計方法が分からない」といった悩みを抱えるマーケティング・CS担当者は少なくありません。

この記事では、アンケートフォームの作り方から回答率を高める設計のコツ、無料で使えるツールの選び方まで、B2B企業の実務担当者向けに解説します。

この記事のポイント:

  • アンケート作成前に目的・ターゲット・仮説の明確化が最重要
  • 答えやすい質問を最初に配置し、設問数を絞ることで回答率が向上
  • Google Formsは完全無料で全機能利用可能、formrunは条件分岐にも対応
  • セキュリティ対策と個人情報保護への配慮が必須
  • 目的に応じたツール選定と運用設計が成功のカギ

アンケートフォームとは:活用シーンと導入メリット

(1) アンケートフォームとは

アンケートフォームとは、Web上で回答を収集するためのオンライン調査票です。紙のアンケートと異なり、回答データの自動集計、リアルタイムでの結果確認、回答者の負担軽減などのメリットがあります。

アンケートフォームの基本的な特徴:

  • Webブラウザから回答可能(専用アプリ不要)
  • 回答データを自動集計・分析
  • スマートフォン・タブレット・PCすべてに対応(レスポンシブデザイン)
  • 条件分岐で回答者に応じた質問を出し分け可能

(2) B2Bでの活用シーン(顧客満足度調査・NPS・製品フィードバック)

B2B企業でのアンケートフォームの主な活用シーンを紹介します。

顧客満足度調査(CSAT):

  • サービス利用後の満足度を測定
  • 改善点の把握と優先順位付け
  • 定期的な実施でトレンドを分析

NPS(Net Promoter Score)測定:

  • 顧客ロイヤルティを数値化
  • 推奨者・批判者の割合を把握
  • 解約リスクの早期発見

製品フィードバック収集:

  • 新機能のニーズ調査
  • 既存機能の改善点把握
  • ベータ版テストの感想収集

セミナー・イベント後アンケート:

  • 参加者の満足度測定
  • 今後のテーマ・形式の参考
  • リード獲得・ナーチャリングへの活用

アンケートフォームの作り方:5つのステップ

アンケート作成の基本的な流れを解説します。重要なのは、いきなり質問項目を作り始めないことです。

(1) 目的・ターゲット・仮説の明確化

最初に、以下の3点を明確にします。これがアンケート成功の最重要ポイントです。

目的の明確化:

  • 何のためにアンケートを実施するのか
  • どのような意思決定に使うデータなのか
  • 具体的なゴールは何か

ターゲットの設定:

  • 誰に回答してもらうのか
  • 回答者の属性(役職、部門、利用歴など)
  • サンプルサイズの目安

仮説の設定:

  • 何を検証したいのか
  • 予想される結果とその理由
  • 仮説が正しい/間違いの場合の次のアクション

目的・ターゲット・仮説を明確にしないまま質問項目を作り始めると、結果的に使えないデータになるリスクが高くなります。

(2) 質問項目の作成

目的と仮説に基づいて、質問項目を設計します。

質問の種類:

  • 選択式(単一選択): 1つだけ選ぶ(例:満足度5段階評価)
  • 選択式(複数選択): 複数選択可能(例:利用している機能)
  • 行列選択: 複数項目を同じ尺度で評価(例:各機能の満足度)
  • 自由記述: テキストで回答(例:改善要望)
  • 数値入力: 数字で回答(例:利用年数)

設問設計のコツ:

  • 1つの質問で聞くことは1つだけ
  • 誘導的な表現を避ける
  • 専門用語はできるだけ使わない
  • 回答しやすい選択肢を用意する

(3) フォームツールの選定と作成

目的と要件に合ったツールを選定し、フォームを作成します。

ツール選定の基準:

  • 必要な設問数・回答数に対応しているか
  • 条件分岐(ロジックジャンプ)が必要か
  • データのエクスポート形式(CSV、スプレッドシート連携など)
  • セキュリティ要件(ISO認証、SSL暗号化など)
  • 予算(無料プランの制限、有料プランの価格)

回答率を高めるフォーム設計のポイント

回答率を高めるための実践的なテクニックを紹介します。

(1) 答えやすい質問を最初に配置

最初の質問は、回答者が迷わず答えられる簡単なものを配置します。

最初に配置すべき質問の例:

  • 性別、年齢などの属性情報
  • 利用頻度や利用期間などの事実質問
  • 「はい/いいえ」で答えられるシンプルな質問

最初の質問にスムーズに答えられると、アンケート全体に取り組みやすい流れができます。逆に、最初から深く考える質問を配置すると、離脱率が上がる傾向があります。

(2) 設問数を絞る

設問数は必要最小限に絞ることが重要です。

設問数の目安:

  • 簡易調査:5-10問(回答時間3-5分)
  • 標準的な調査:10-20問(回答時間5-10分)
  • 詳細調査:20-30問(回答時間10-15分)

設問が多すぎると回答者の負担が大きくなり、途中離脱や適当な回答が増えます。「この質問は本当に必要か」を常に問い直し、不要な質問は削除しましょう。

(3) デザインと回答時間の工夫

見た目の工夫も回答率に影響します。

デザインの工夫:

  • 進捗バーを表示して全体の見通しを示す
  • セクション分けで回答の区切りを明確に
  • スマートフォンでも回答しやすいレイアウト

回答時間の明示:

  • 冒頭で「回答時間の目安:約5分」と明示
  • 実際の回答時間を事前にテストして確認
  • 長くなる場合は複数回に分けることも検討

無料で使えるアンケートフォームツール比較

代表的な無料アンケートフォームツールを紹介します。

(1) Google Formsの特徴と機能

Google Formsは、Googleアカウントがあれば完全無料で利用できるアンケートツールです。

Google Formsの特徴:

  • 完全無料で全機能が制限なく利用可能
  • Googleスプレッドシートと自動連携
  • リアルタイムでデータ収集・分析
  • 条件分岐(セクション移動)に対応
  • レスポンシブデザインで全デバイスに対応

向いている用途:

  • 社内調査、簡易的な顧客アンケート
  • 少人数〜中規模の回答収集
  • スプレッドシートでデータ管理したい場合

(2) formrun・Questantなど他ツール

用途に応じて選べる他のツールも紹介します。

formrun:

  • 無料プランでも設問数無制限
  • 条件分岐や行列選択に対応
  • デザインテンプレートが豊富
  • 回答数は無料プランで月30件まで

Questant:

  • マクロミルが提供する調査ツール
  • 無料プランは設問数10問、回答数100件まで
  • 本格的な調査向けの機能が充実

Microsoft Forms:

  • Microsoft 365ユーザーは追加費用なし
  • Excelとの連携がスムーズ
  • Teams内でのアンケート配布に便利

(3) 無料版と有料版の違い

無料ツールと有料ツールの主な違いを整理します。

無料版の一般的な制限:

  • 設問数の上限(例:10問まで)
  • 回答数の上限(例:月100件まで)
  • データエクスポート機能の制限
  • 条件分岐機能の制限
  • カスタムデザインの制限

有料版で追加される機能:

  • 設問数・回答数の上限撤廃
  • 高度な分析機能
  • ブランディング(ロゴ、カラー)
  • API連携
  • 優先サポート

※各ツールの機能・制限は変更される可能性があります。導入前に公式サイトで最新情報を確認してください。

アンケート実施時の注意点とセキュリティ対策

(1) 個人情報保護とプライバシーポリシー

個人情報を収集する場合は、法令遵守と回答者への配慮が必須です。

必須の対応:

  • プライバシーポリシーの明示
  • 収集目的の明確な説明
  • 個人情報の利用範囲と保管期間の記載
  • 回答者からの同意取得
  • 問い合わせ先の明記

配慮すべきポイント:

  • 必要最小限の個人情報のみ収集
  • 匿名回答オプションの検討
  • 第三者提供の有無の明記

(2) セキュリティ対策(ISO 27001、SSL/TLS)

企業でアンケートを実施する際は、セキュリティ対策も重要です。

確認すべきセキュリティ項目:

  • SSL/TLS暗号化: データ通信が暗号化されているか
  • ISO 27001認証: 情報セキュリティマネジメントの国際規格を取得しているか
  • プライバシーマーク: 個人情報保護体制が適切か(日本の認証)
  • データ保管場所: サーバーの設置国・地域

特に顧客情報や機密性の高いデータを扱う場合は、社内のセキュリティポリシーとの整合性を確認してからツールを選定しましょう。

(3) よくある失敗パターンと対策

アンケート実施でよくある失敗と、その対策を紹介します。

失敗パターン1:目的が曖昧なまま実施

  • 結果:使えないデータが集まる
  • 対策:目的・ターゲット・仮説を先に明確化

失敗パターン2:設問が多すぎる

  • 結果:途中離脱、適当な回答が増える
  • 対策:設問数を最小限に絞る、回答時間を5-10分に収める

失敗パターン3:誘導的な質問

  • 結果:バイアスのかかったデータになる
  • 対策:中立的な表現を心がける、第三者にレビューしてもらう

失敗パターン4:回答期限や依頼方法が不適切

  • 結果:回答数が集まらない
  • 対策:回答期限を明示、リマインドを送る、依頼文を工夫

まとめ:目的別おすすめツールと活用のコツ

アンケートフォームは、顧客の声を効率的に収集するための有効な手段です。成功のカギは、事前の設計と適切なツール選定にあります。

目的別おすすめツール:

  • 簡易調査・社内アンケート: Google Forms(完全無料、使いやすい)
  • 顧客満足度調査: formrun(条件分岐、デザイン性)
  • 本格的な市場調査: Questant(調査機能が充実)
  • Microsoft 365環境: Microsoft Forms(既存環境との連携)

アンケート成功のポイント:

  • 目的・ターゲット・仮説を最初に明確化
  • 設問数は必要最小限に絞る
  • 答えやすい質問を最初に配置
  • セキュリティと個人情報保護に配慮
  • 結果を次のアクションにつなげる

次のアクション:

  1. アンケートの目的と検証したい仮説を整理する
  2. 必要な機能(条件分岐、回答数など)をリストアップ
  3. 候補ツールで実際にフォームを作成してみる
  4. 少人数でテスト回答して改善点を洗い出す
  5. 本番実施と結果分析

※この記事は2025年12月時点の情報です。各ツールの機能・料金は変更される可能性があるため、公式サイトで最新情報を確認してください。

よくある質問

Q1無料で使えるアンケートフォームツールは何ですか?

A1Google Forms(完全無料で全機能利用可)、formrun(無料プランで設問数無制限)、Microsoft Forms、Questant、CustomFormなどが代表的です。機能や回答数の制限が異なるため、必要な機能を確認してツールを選びましょう。

Q2アンケートの回答率を上げるコツは何ですか?

A2①答えやすい質問(年齢、性別など)を最初に配置、②設問数を必要最小限に絞る、③回答時間を明示(「約5分」など)、④スマホでも回答しやすいデザインにする、の4つが重要です。設問が多すぎると離脱率が上がるため、簡潔さを重視しましょう。

Q3アンケート作成時のセキュリティ対策で重要なポイントは何ですか?

A3ISO 27001認証やプライバシーマークを取得したツールの選定、SSL/TLS暗号化による通信保護、データ保管場所の確認が重要です。個人情報を扱う場合は必ずプライバシーポリシーを明示し、回答者の同意を得てから収集しましょう。

Q4アンケート作成でよくある失敗は何ですか?

A4①目的が曖昧なまま質問を作り始める(使えないデータになる)、②設問が多すぎる(離脱・適当な回答が増える)、③誘導的な質問をしてしまう(バイアスがかかる)、の3つが代表的です。事前の設計と第三者レビューで防ぎましょう。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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