BtoB企業においてSNSコンサルが注目される背景
「SNSでの発信を強化したいが、社内にノウハウがない」「投稿しても反応が少なく、効果が見えない」——こうした悩みを抱えるBtoB企業の担当者は少なくありません。
SNSコンサルとは、企業のSNSアカウント運用における戦略立案や分析、改善提案などを行う専門家またはサービスです。2024年のソーシャルメディアマーケティング市場は1兆2,038億円(前年比113%)に達し、2029年には2兆1,313億円に拡大する見通しです(サイバー・バズ/デジタルインファクト調査)。
この記事では、SNSコンサルの基礎知識、費用相場、選び方を解説します。
※この記事は2024年11月時点の情報です。市場データや費用相場は変化するため、最新情報は各社の公式サイトをご確認ください。
この記事のポイント:
- SNSコンサルは戦略立案・分析が中心、運用代行は実務作業が中心
- 費用相場はフリーランス月3-5万円、企業月10-25万円、フルサービス月40-100万円
- BtoB企業はLinkedIn・X(Twitter)重視、リード獲得・採用ブランディングが主な目的
- 目的設定・対応プラットフォーム・実績を基準に選定
- 内製化支援の有無も選定ポイント
1. BtoB企業においてSNSコンサルが注目される背景
(1) SNSマーケティング市場の成長(2024年1.2兆円→2029年2.1兆円)
SNSマーケティング市場は急速に成長しています。
市場規模の推移:
- 2024年:1兆2,038億円(前年比113%)
- 2029年予測:2兆1,313億円
成長要因:
- AIを活用した広告配信の最適化
- クリエイティブフォーマットの進化
- Eコマースとの連携強化
- 企業のSNS活用率の向上(36.7%、総務省調査)
SNSアカウント運用支援市場:
- 2024年:283億円(全体の2.4%)
- 企業のSNS運用代行・コンサルティングへのニーズが増加
SNS市場の成長に伴い、SNSコンサルティングサービスの需要も拡大しています。
(2) BtoB企業特有のSNS活用課題(リソース不足・ノウハウ不足)
BtoB企業がSNS運用で直面する課題は以下の通りです:
リソース不足:
- 専任担当者を置けない
- 他業務と兼務で時間が取れない
- 継続的な投稿が難しい
ノウハウ不足:
- どのプラットフォームを使えばよいか分からない
- 何を投稿すれば良いか分からない
- 効果測定の方法が分からない
BtoB特有の課題:
- BtoCのようなバズ狙いではなく、専門性の発信が求められる
- LinkedInやX(Twitter)など、BtoB向けプラットフォームの活用ノウハウが必要
- リード獲得・採用ブランディング・ソートリーダーシップ確立など、目的が多様
これらの課題を解決するために、外部のSNSコンサルを活用する企業が増えています。
2. SNSコンサルの基礎知識(定義・運用代行との違い)
(1) SNSコンサルとは何か
SNSコンサルとは、企業のSNSアカウント運用における戦略立案や分析、改善提案などを行う専門家またはサービスです。
SNSコンサルの役割:
- SNS運用の戦略設計
- ターゲット設定・ペルソナ設計
- 投稿企画・コンテンツ戦略
- 効果測定・分析レポート
- トレンド調査・競合分析
- 社内チームへの助言・教育
SNSコンサルは、企業のSNS運用を成功に導くための「参謀」的な役割を果たします。
(2) SNS運用代行との違い(戦略立案 vs 実務作業)
SNSコンサルとSNS運用代行は、以下のように役割が異なります:
| 項目 | SNSコンサル | SNS運用代行 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 戦略立案・分析・改善提案 | 日々の投稿作業・管理 |
| 業務内容 | 戦略設計、効果測定、レポート作成、助言 | 投稿作成、画像編集、投稿スケジュール管理、コメント返信 |
| 関与の仕方 | 定期的なミーティング・レポート提出 | 継続的な実務作業 |
| 費用相場 | 月3-25万円程度 | 月10-100万円程度(投稿頻度により変動) |
選び方の基準:
- 戦略が必要なら「SNSコンサル」
- 実務が必要なら「SNS運用代行」
- 両方必要なら「フルサービス型」(コンサル+運用代行)
(3) SNSコンサルの主なサービス内容
SNSコンサルの主なサービス内容は以下の通りです:
戦略設計:
- 目的設定(認知拡大・ファンづくり・コミュニティ醸成等)
- ターゲット設定・ペルソナ設計
- プラットフォーム選定(LinkedIn・X・Instagram・YouTube等)
- KPI設定(フォロワー数・エンゲージメント率・リード獲得数等)
投稿企画:
- コンテンツカレンダー作成
- 投稿テーマ・ネタ出し
- トーン&マナー設計
効果測定・分析:
- 定期レポート作成(月次・週次)
- インサイト分析(リーチ・エンゲージメント・クリック数等)
- 競合分析・ベンチマーク
助言・教育:
- 社内チームへの定期ミーティング
- トレンド情報の共有
- アルゴリズム変更への対応策提案
内製化支援:
- 運用マニュアル作成
- 社内研修・ワークショップ
- ツール導入支援
サービス内容は会社により異なるため、契約前に詳細を確認することが重要です。
3. SNSコンサルのメリット・デメリット
(1) メリット:専門ノウハウの活用・客観的な分析・最新トレンド対応
SNSコンサルを活用するメリットは以下の通りです:
専門ノウハウの活用:
- プラットフォーム別の最適な運用方法を知っている
- 成功・失敗事例に基づいた実践的なアドバイス
- 短期間で成果を出すためのノウハウ
客観的な分析:
- 社内の常識にとらわれない外部視点
- データに基づいた改善提案
- 競合との比較・ベンチマーク
最新トレンド対応:
- アルゴリズム変更への迅速な対応
- 新機能の活用提案
- 業界トレンドのキャッチアップ
リソース不足の解消:
- 専任担当者を置かなくても運用できる
- 社内リソースを他業務に集中できる
(2) デメリット:費用発生・社内ノウハウ蓄積の遅れ・コミュニケーションコスト
SNSコンサルを活用するデメリットは以下の通りです:
費用発生:
- 月額数万円〜数十万円のコストがかかる
- 成果が出るまで時間がかかる場合もある
社内ノウハウ蓄積の遅れ:
- 外部に依存すると、社内にノウハウが残りにくい
- 契約終了後、自社で運用できないリスク
コミュニケーションコスト:
- 定期的なミーティング・レポート確認の時間が必要
- 期待と実際のサービスにギャップが生じる可能性
ブランドイメージのリスク:
- 自社の文化・価値観を理解していないコンサルタントだと、投稿内容がずれる可能性
- 炎上リスクへの対応が遅れる場合も
デメリットを最小化するには、内製化支援プランのあるコンサルを選ぶ、定期的なコミュニケーションを密に取ることが重要です。
4. SNSコンサルの費用相場とサービスタイプ
(1) フリーランス vs 企業(月3-5万円 vs 月10-25万円)
SNSコンサルの費用相場は、依頼先により異なります:
フリーランスのSNSコンサル:
- 費用相場:月3-5万円程度
- サービス内容:戦略立案、定期レポート、月1-2回のミーティング
- メリット:低コスト、柔軟な対応
- デメリット:属人的、対応範囲が限定的
企業(代理店・専門会社)のSNSコンサル:
- 費用相場:月10-25万円程度
- サービス内容:戦略立案、詳細レポート、定期ミーティング、チーム対応
- メリット:組織的なサポート、幅広い対応
- デメリット:コストが高い
選び方の基準:
- 予算が限られているなら「フリーランス」
- 組織的なサポートが必要なら「企業」
(2) 投稿特化型 vs フルサービス型(月10-40万円 vs 月40-100万円)
サービスタイプによっても費用は異なります:
投稿特化型(コンサル+投稿代行):
- 費用相場:月10-40万円程度
- サービス内容:戦略立案、投稿作成・代行、月次レポート
- 向いている企業:投稿作業を外部委託したい企業
フルサービス型(コンサル+運用代行+広告運用):
- 費用相場:月40-100万円以上
- サービス内容:戦略立案、投稿代行、広告運用、詳細分析、コミュニティ管理
- 向いている企業:SNS運用を全面的に外部委託したい企業
※Web幹事の調査によると、SNSマーケティング会社の平均費用は月額38.5万円(中央値36万円)です。
(3) 費用対効果の考え方
SNSコンサルの費用対効果を考える際のポイント:
短期的な成果:
- フォロワー数の増加
- エンゲージメント率の向上
- Webサイト流入数の増加
中長期的な成果:
- リード獲得数の増加
- ブランド認知度の向上
- 採用応募数の増加
費用対効果の目安:
- 月額10万円のコンサル費用で、月間10件のリード獲得(リード単価1万円)
- 月額20万円のコンサル費用で、採用応募数が月5件増加
成果が出るまで3-6ヶ月かかる場合もあるため、短期的な成果を求めず、中長期的な視点で評価することが重要です。
5. SNSコンサル会社の選び方(比較軸・チェック項目)
(1) 目的設定(認知拡大・ファンづくり・コミュニティ醸成)
SNSコンサルを選ぶ前に、自社の目的を明確にします:
目的の3分類:
- 認知拡大: ブランド認知度を高める、潜在顧客にリーチする
- ファンづくり: 既存顧客との関係を深める、エンゲージメントを高める
- コミュニティ醸成: ユーザー同士の交流を促進する、ブランドコミュニティを形成する
BtoB企業の主な目的:
- リード獲得
- 採用ブランディング
- ソートリーダーシップ確立(業界の専門家としての地位確立)
- 既存顧客との関係強化
目的により、選ぶべきプラットフォームやコンサルの専門性が異なります。
(2) 対応プラットフォーム(LinkedIn・X・YouTube等BtoB向け)
BtoB企業では、プラットフォームの選定が重要です:
BtoB向けプラットフォーム:
- LinkedIn: BtoB企業に最適。意思決定者(経営層・部門長)にリーチできる
- X(Twitter): リアルタイム性の高い情報発信、業界ニュースの共有
- YouTube: 製品デモ、ウェビナーアーカイブ、解説動画
- Facebook: 幅広い年齢層。イベント告知、コミュニティ形成
BtoC向けが中心のプラットフォーム:
- Instagram、TikTok(BtoB企業には向かない場合が多い)
初めてSNSコンサルを依頼する場合は、幅広いプラットフォームに対応できる会社を選ぶのが安全です。
(3) 実績・サポート体制・契約形態の確認
SNSコンサル会社を選ぶ際は、以下をチェックします:
実績:
- 同業種・同規模企業での実績
- 具体的な成果(フォロワー数増加率、エンゲージメント率、リード獲得数等)
- 事例の公開有無
サポート体制:
- 担当者の専門性(プラットフォーム別の知識、業界理解)
- レスポンスの速さ(緊急時の対応)
- 定期ミーティングの頻度(週次・月次)
契約形態:
- 最低契約期間(3-6ヶ月が一般的)
- 契約更新条件
- 解約条件
複数社を比較検討し、見積もりと提案内容を確認することが重要です。
(4) 内製化支援の有無
将来的に自社で運用したい場合は、内製化支援プランのあるコンサルを選びます:
内製化支援の内容:
- 運用マニュアル作成
- 社内研修・ワークショップ
- ツール導入支援(予約投稿ツール、分析ツール等)
- 定期的なQA対応
内製化支援のメリット:
- コンサル契約終了後も自社で運用できる
- 社内にノウハウが蓄積される
- 長期的なコスト削減
2024年以降、内製化支援のニーズが増加しており、多くのコンサル会社が内製化支援プランを提供しています。
6. まとめ:目的別おすすめのコンサルタイプ
SNSコンサルは、BtoB企業のSNS運用を成功に導くための有力な選択肢です。戦略立案・分析・改善提案を通じて、効果的なSNS運用を実現できます。
ポイントの整理:
- SNSコンサルは戦略立案・分析が中心、運用代行は実務作業が中心
- 費用相場はフリーランス月3-5万円、企業月10-25万円、フルサービス月40-100万円
- BtoB企業はLinkedIn・X(Twitter)重視、リード獲得・採用ブランディングが主な目的
- 目的設定・対応プラットフォーム・実績を基準に選定
- 内製化支援の有無も選定ポイント
目的別おすすめのコンサルタイプ:
- 予算が限られている: フリーランスのSNSコンサル(月3-5万円)
- 組織的なサポートが必要: 企業のSNSコンサル(月10-25万円)
- 投稿作業も外注したい: 投稿特化型(月10-40万円)
- 全面的に外部委託したい: フルサービス型(月40-100万円以上)
- 将来的に内製化したい: 内製化支援プランのあるコンサル
次のアクション:
- 自社のSNS運用の目的を明確にする
- 予算とリソースを確認する
- 複数社に見積もりを依頼し、提案内容を比較する
- まずは3-6ヶ月の契約でテストし、効果を評価する
- 中長期的な視点でSNS運用を継続する
SNSコンサルを戦略的に活用し、BtoB企業のマーケティング目標達成を目指しましょう。
