SNS広告を始めたいが、予算をどう設定すればいいか分からない...
BtoB企業のマーケティング担当者にとって、SNS広告は見込み客へのリーチ手段として注目されています。しかし、「どのプラットフォームにいくら使えばいいのか」「最低予算はいくらか」といった費用面の疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
この記事では、SNS広告の課金方式と費用相場、プラットフォーム別の料金体系、効果的な予算設計の考え方を解説します。
この記事のポイント:
- SNS広告は1日100円から始められるが、本格運用には月20-50万円が目安
- 課金方式はCPM(インプレッション)、CPC(クリック)、CPI(インストール)、CPV(動画視聴)の4種類が主流
- プラットフォームにより費用相場が異なる(Facebook・Instagram: 月3-10万円、X: 月10-30万円)
- 代理店手数料は広告費の20%程度が一般的
- 少額テスト運用から始め、効果を見て予算を増やすのが定石
1. SNS広告の費用の仕組み:課金方式とオークション形式
SNS広告の費用は、オークション形式で決定されます。広告枠を巡って広告主が入札し、複数の要素を評価して配信される広告が決まります。
(1) オークション形式による広告費用の決定
SNS広告の多くは、リアルタイムオークション方式を採用しています。ユーザーがSNSを開いた瞬間に、広告枠に対して複数の広告主が自動的に入札を行い、勝者の広告が表示されます。
オークションの特徴:
- 入札額が高いほど有利だが、それだけでは決まらない
- 広告品質やユーザーとの関連性も評価対象
- 広告が表示されるかどうかは、総合的なスコアで判断される
(2) 入札額・推定アクション率・広告品質の評価
オークションでは、主に以下の3つの要素が評価されます:
入札額:
- 広告主が設定する最大支払い額
- 高いほど有利だが、費用対効果とのバランスが重要
推定アクション率:
- ユーザーが広告に対してアクション(クリック、いいね等)を起こす確率の予測値
- 過去のデータやユーザー属性から算出される
広告品質:
- クリエイティブの質、ランディングページの内容
- ユーザーからのフィードバック(否定的な反応が多いとスコアが下がる)
(3) 予算設定と自動停止の仕組み
SNS広告では、日予算や通算予算を設定できます:
- 日予算: 1日あたりの最大支出額を設定(例: 1日5,000円)
- 通算予算: キャンペーン全体の最大支出額を設定(例: 30日間で15万円)
設定した予算を使い切ると、自動的に広告配信が停止されるため、想定外の出費を防げます。
2. SNS広告の主要課金方式と選び方
SNS広告には複数の課金方式があり、広告の目的に応じて選択します。
(1) CPM(インプレッション課金):認知度向上に最適
CPM(Cost Per Mille)は、広告が1,000回表示されるごとに課金される方式です。
特徴:
- 表示回数に対して課金(クリックされなくても費用発生)
- 費用相場: 1,000インプレッションあたり100円〜1,000円程度
適した目的:
- ブランド認知度の向上
- 新商品・サービスの告知
- 幅広いリーチを獲得したい場合
(2) CPC(クリック課金):サイト誘導に効果的
CPC(Cost Per Click)は、広告がクリックされるごとに課金される方式です。
特徴:
- クリックされた場合のみ課金(表示だけでは費用発生なし)
- 費用相場: 1クリックあたり24円〜200円程度(プラットフォームや業界により変動)
適した目的:
- Webサイトへの誘導
- ランディングページへの送客
- 資料請求・問い合わせの獲得
(3) CPI(インストール課金):アプリダウンロード向け
CPI(Cost Per Install)は、アプリがインストールされるごとに課金される方式です。
特徴:
- インストールされた場合のみ課金
- 費用相場: 1インストールあたり100円〜500円程度
適した目的:
- アプリのダウンロード促進
- 新規ユーザー獲得
(4) CPV(動画視聴課金):動画マーケティング向け
CPV(Cost Per View)は、動画が一定時間以上再生されるごとに課金される方式です。
特徴:
- 視聴条件(例: 3秒以上、15秒以上)を満たした場合に課金
- 費用相場: 1視聴あたり5円〜20円程度
適した目的:
- 動画コンテンツによる商品・サービス紹介
- ブランドストーリーの訴求
(5) 目的に応じた課金方式の選択
| 目的 | 推奨課金方式 |
|---|---|
| 認知度向上 | CPM |
| サイト誘導 | CPC |
| アプリダウンロード | CPI |
| 動画視聴促進 | CPV |
| 問い合わせ・購入 | CPC or CPA(成果報酬型) |
3. 主要SNSプラットフォーム別の費用相場
各SNSプラットフォームで費用相場が異なります。2024-2025年時点の目安を紹介します。
(1) Facebook・Instagram広告の費用相場(月3-10万円)
FacebookとInstagramは同じMeta社の広告プラットフォームで、管理画面も共通です。
費用相場:
- 月額予算: 3万円〜10万円(テスト運用の場合)
- クリック単価(CPC): 24円〜200円程度
- インプレッション単価(CPM): 100円〜500円程度(1,000回あたり)
特徴:
- ターゲティング精度が高い(年齢、興味関心、行動データ)
- BtoB向けにも活用可能(役職、業種でのターゲティング)
- 1日100円から出稿可能(最低予算のハードルが低い)
(2) X(旧Twitter)広告の費用相場(月10-30万円)
X(旧Twitter)広告は、タイムラインやトレンド欄に表示される広告です。
プロモツイート(タイムライン広告):
- 月額予算: 10万円〜30万円程度
- クリック単価: 24円〜200円程度
- エンゲージメント単価: 40円〜100円程度
プロモトレンド(トレンド欄広告):
- 費用: 400万円〜1,000万円(平均800万円以上)
- 1日限定のプレミアム枠
- 大規模キャンペーン向け
特徴:
- 情報拡散力が高い(リツイートによる二次拡散)
- リアルタイム性が強い(イベント、時事ネタとの連動)
- BtoB企業のプレスリリースや採用広報にも活用
(3) LINE広告の費用相場
費用相場:
- 月額予算: 10万円〜50万円程度
- クリック単価: 24円〜200円程度
- 友だち追加単価: 100円〜300円程度
特徴:
- 国内ユーザー数が多い(月間アクティブユーザー9,000万人以上)
- トークリストやLINE NEWS等への配信が可能
- BtoCビジネスで特に効果を発揮
(4) TikTok広告の費用相場
費用相場:
- 月額予算: 10万円〜30万円程度
- インプレッション単価(CPM): 100円〜1,000円程度
- 1再生あたりの単価: 5円〜60円程度
特徴:
- 若年層(10〜20代)へのリーチに強い
- 動画コンテンツが中心
- BtoB向けとしては限定的だが、採用ブランディングなどに活用事例あり
(5) YouTube広告の費用相場
費用相場:
- 月額予算: 10万円〜50万円程度
- 視聴単価(CPV): 5円〜20円程度
- インプレッション単価(CPM): 200円〜500円程度
特徴:
- 動画広告のプラットフォームとして最大規模
- スキップ可能広告、バンパー広告など形式が多様
- BtoB向けの製品紹介動画やウェビナー告知に活用
(6) 業界別の費用相場
同じプラットフォームでも、業界によって費用相場が異なります:
| 業界 | 費用傾向 | 理由 |
|---|---|---|
| 転職・人材 | 高額 | 競合が多く入札単価が高騰 |
| 金融・保険 | 高額 | 規制対応コスト、競争激化 |
| 不動産 | やや高額 | 高単価商材、競合多数 |
| エンタメ・ゲーム | 比較的低額 | ユーザー反応率が高い |
| 教育・スクール | 比較的低額 | 季節需要に応じた運用 |
※上記は一般的な傾向であり、具体的な費用は競合状況やターゲティング設定により変動します。
4. SNS広告の予算設計の考え方
効果的な予算設計には、段階的なアプローチが重要です。
(1) 最低出稿金額:1日100円から可能
Facebook、Instagram、Xなど主要SNSでは、1日100円から広告を出稿できます。
メリット:
- 低リスクで広告運用を試せる
- クリエイティブやターゲティングのテストが可能
デメリット:
- 配信量が少なく、十分なデータが取れない
- 効果検証に時間がかかる
(2) テスト運用の推奨予算:月10万円前後
広告運用の初期段階では、月10万円前後のテスト予算が推奨されます。
目的:
- 複数のクリエイティブをテスト
- ターゲティングの精度を検証
- 効果的な配信設定を見つける
ポイント:
- 1〜2ヶ月のテスト期間を設ける
- A/Bテストで効果を比較
- データに基づいて改善を行う
(3) 本格運用の推奨予算:月20-50万円
多くの企業では、本格運用時に月20〜50万円を広告費にあてているケースが一般的です。
予算配分の考え方:
- 複数のキャンペーンを同時運用
- 効果の高い配信に予算を集中
- 季節需要やキャンペーン時期に応じて増減
期待される効果:
- 十分なデータ量で効果検証が可能
- PDCAサイクルを回して継続的に改善
- 安定した成果を見込める
(4) BtoB企業のリード獲得を目的とした予算配分
BtoB企業がリード獲得(資料請求、問い合わせ)を目的とする場合の予算設計例:
月額30万円の配分例:
- Facebook/Instagram広告: 15万円(ターゲティング精度重視)
- X広告: 10万円(情報拡散、認知度向上)
- 予備費: 5万円(効果の高い媒体に追加投入)
KPI設定例:
- CPA(顧客獲得単価): 1リードあたり5,000円〜15,000円(業種により変動)
- 月間リード獲得数: 20〜60件(CPA10,000円の場合)
(5) 代理店手数料の考慮(広告費の20%程度)
広告運用を代理店に依頼する場合、広告費とは別に手数料が発生します。
一般的な手数料:
- 広告費の15〜25%(20%が標準的)
- 最低手数料が設定されている場合もある(例: 月5万円〜)
例: 広告費30万円の場合
- 広告費: 30万円
- 代理店手数料(20%): 6万円
- 総コスト: 36万円
インハウス運用との比較:
- インハウス: 手数料不要だが、運用工数・ノウハウが必要
- 代理店: 手数料発生だが、専門知識・運用リソースを活用可能
5. 費用対効果を高めるポイントと注意点
SNS広告の費用対効果を最大化するためのポイントを解説します。
(1) 少額からテスト運用を開始し、効果を検証する
推奨アプローチ:
- 最初から大きな予算を投入しない
- 月10万円前後でテスト運用を開始
- 効果が確認できた施策に予算を集中
テスト項目:
- クリエイティブ(画像、動画、テキスト)
- ターゲティング(年齢、興味関心、地域)
- 配信時間帯
(2) 広告品質の向上でオークションを有利に進める
広告品質が高いと、入札額が同じでも配信が有利になります。
品質向上のポイント:
- クリエイティブの改善(視認性、訴求力)
- ランディングページの最適化(読み込み速度、内容の一致)
- ユーザーにとって価値のある広告を配信
(3) 競合が多い業界では入札単価が高騰しやすい
転職・金融・不動産など競合が多い業界では、入札単価が高くなりやすい傾向があります。
対策:
- ニッチなターゲティングで競合を避ける
- 配信時間帯の調整(競合が少ない時間帯を狙う)
- 独自のクリエイティブで差別化
(4) 効果測定と改善サイクルの構築
測定すべき指標:
- インプレッション数(表示回数)
- クリック率(CTR)
- コンバージョン率(CVR)
- 顧客獲得単価(CPA)
改善サイクル:
- データを収集・分析
- 課題を特定
- 改善施策を実施
- 効果を検証
- 繰り返し
(5) 代理店依頼時のコスト増加に注意
代理店に依頼する場合は、手数料を含めた総コストで予算を設計する必要があります。
確認事項:
- 手数料率(一般的に広告費の20%)
- 最低手数料の有無
- レポート・改善提案の頻度
- 契約期間・解約条件
6. まとめ:効果的なSNS広告予算の配分方法
SNS広告は1日100円から始められますが、ビジネス成果を出すためには適切な予算設計が不可欠です。
予算設計のポイント:
- テスト運用は月10万円前後から開始
- 本格運用は月20〜50万円が目安
- 課金方式は目的に応じて選択(認知→CPM、誘導→CPC)
- 代理店手数料(広告費の20%)を含めた総コストで計画
- 少額テストで効果を検証し、成功パターンに予算を集中
プラットフォーム選定の目安:
| プラットフォーム | 月額相場 | 向いている目的 |
|---|---|---|
| Facebook/Instagram | 3〜10万円 | BtoB向けリード獲得 |
| X(旧Twitter) | 10〜30万円 | 情報拡散、認知度向上 |
| LINE | 10〜50万円 | BtoC、友だち追加 |
| YouTube | 10〜50万円 | 動画による商品紹介 |
次のアクション:
- 広告の目的(認知、誘導、獲得)を明確にする
- 月額予算と期待するKPI(CPA、リード数)を設定
- テスト運用で効果を検証してから本格運用に移行
- 効果測定を継続し、PDCAサイクルを回す
※この記事は2024-2025年時点の情報です。各プラットフォームの料金は変動する可能性があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
よくある質問:
Q: SNS広告の最低出稿金額はいくら? A: Facebook・Instagram・Xは1日100円から出稿可能です。ただし、ビジネスとして成果を出すには月20〜30万円が推奨されます。少額すぎる予算では十分なデータが取れず、改善サイクルが回せません。
Q: SNS広告で効果が出る月額予算の目安は? A: テスト運用なら月10万円前後、本格運用なら月20〜50万円が相場です。業界・競合状況により変動しますが、多くの企業は月30〜50万円を出稿費にあてています。少額でスタートし、効果を見て予算を増やすのが一般的です。
Q: 代理店に依頼する場合の手数料はいくら? A: 一般的に広告費の20%程度が相場です。例えば広告費30万円なら手数料6万円が追加で発生し、総コストは36万円になります。インハウス運用なら手数料は不要ですが、ノウハウや工数が必要になります。
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