SNS広告の費用相場|各プラットフォームの料金体系と予算設計

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/24

SNS広告を始めたいが、予算をどう設定すればいいか分からない...

BtoB企業のマーケティング担当者にとって、SNS広告は見込み客へのリーチ手段として注目されています。しかし、「どのプラットフォームにいくら使えばいいのか」「最低予算はいくらか」といった費用面の疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

この記事では、SNS広告の課金方式と費用相場、プラットフォーム別の料金体系、効果的な予算設計の考え方を解説します。

この記事のポイント:

  • SNS広告は1日100円から始められるが、本格運用には月20-50万円が目安
  • 課金方式はCPM(インプレッション)、CPC(クリック)、CPI(インストール)、CPV(動画視聴)の4種類が主流
  • プラットフォームにより費用相場が異なる(Facebook・Instagram: 月3-10万円、X: 月10-30万円)
  • 代理店手数料は広告費の20%程度が一般的
  • 少額テスト運用から始め、効果を見て予算を増やすのが定石

1. SNS広告の費用の仕組み:課金方式とオークション形式

SNS広告の費用は、オークション形式で決定されます。広告枠を巡って広告主が入札し、複数の要素を評価して配信される広告が決まります。

(1) オークション形式による広告費用の決定

SNS広告の多くは、リアルタイムオークション方式を採用しています。ユーザーがSNSを開いた瞬間に、広告枠に対して複数の広告主が自動的に入札を行い、勝者の広告が表示されます。

オークションの特徴:

  • 入札額が高いほど有利だが、それだけでは決まらない
  • 広告品質やユーザーとの関連性も評価対象
  • 広告が表示されるかどうかは、総合的なスコアで判断される

(2) 入札額・推定アクション率・広告品質の評価

オークションでは、主に以下の3つの要素が評価されます:

入札額:

  • 広告主が設定する最大支払い額
  • 高いほど有利だが、費用対効果とのバランスが重要

推定アクション率:

  • ユーザーが広告に対してアクション(クリック、いいね等)を起こす確率の予測値
  • 過去のデータやユーザー属性から算出される

広告品質:

  • クリエイティブの質、ランディングページの内容
  • ユーザーからのフィードバック(否定的な反応が多いとスコアが下がる)

(3) 予算設定と自動停止の仕組み

SNS広告では、日予算や通算予算を設定できます:

  • 日予算: 1日あたりの最大支出額を設定(例: 1日5,000円)
  • 通算予算: キャンペーン全体の最大支出額を設定(例: 30日間で15万円)

設定した予算を使い切ると、自動的に広告配信が停止されるため、想定外の出費を防げます。

2. SNS広告の主要課金方式と選び方

SNS広告には複数の課金方式があり、広告の目的に応じて選択します。

(1) CPM(インプレッション課金):認知度向上に最適

CPM(Cost Per Mille)は、広告が1,000回表示されるごとに課金される方式です。

特徴:

  • 表示回数に対して課金(クリックされなくても費用発生)
  • 費用相場: 1,000インプレッションあたり100円〜1,000円程度

適した目的:

  • ブランド認知度の向上
  • 新商品・サービスの告知
  • 幅広いリーチを獲得したい場合

(2) CPC(クリック課金):サイト誘導に効果的

CPC(Cost Per Click)は、広告がクリックされるごとに課金される方式です。

特徴:

  • クリックされた場合のみ課金(表示だけでは費用発生なし)
  • 費用相場: 1クリックあたり24円〜200円程度(プラットフォームや業界により変動)

適した目的:

  • Webサイトへの誘導
  • ランディングページへの送客
  • 資料請求・問い合わせの獲得

(3) CPI(インストール課金):アプリダウンロード向け

CPI(Cost Per Install)は、アプリがインストールされるごとに課金される方式です。

特徴:

  • インストールされた場合のみ課金
  • 費用相場: 1インストールあたり100円〜500円程度

適した目的:

  • アプリのダウンロード促進
  • 新規ユーザー獲得

(4) CPV(動画視聴課金):動画マーケティング向け

CPV(Cost Per View)は、動画が一定時間以上再生されるごとに課金される方式です。

特徴:

  • 視聴条件(例: 3秒以上、15秒以上)を満たした場合に課金
  • 費用相場: 1視聴あたり5円〜20円程度

適した目的:

  • 動画コンテンツによる商品・サービス紹介
  • ブランドストーリーの訴求

(5) 目的に応じた課金方式の選択

目的 推奨課金方式
認知度向上 CPM
サイト誘導 CPC
アプリダウンロード CPI
動画視聴促進 CPV
問い合わせ・購入 CPC or CPA(成果報酬型)

3. 主要SNSプラットフォーム別の費用相場

各SNSプラットフォームで費用相場が異なります。2024-2025年時点の目安を紹介します。

(1) Facebook・Instagram広告の費用相場(月3-10万円)

FacebookとInstagramは同じMeta社の広告プラットフォームで、管理画面も共通です。

費用相場:

  • 月額予算: 3万円〜10万円(テスト運用の場合)
  • クリック単価(CPC): 24円〜200円程度
  • インプレッション単価(CPM): 100円〜500円程度(1,000回あたり)

特徴:

  • ターゲティング精度が高い(年齢、興味関心、行動データ)
  • BtoB向けにも活用可能(役職、業種でのターゲティング)
  • 1日100円から出稿可能(最低予算のハードルが低い)

(2) X(旧Twitter)広告の費用相場(月10-30万円)

X(旧Twitter)広告は、タイムラインやトレンド欄に表示される広告です。

プロモツイート(タイムライン広告):

  • 月額予算: 10万円〜30万円程度
  • クリック単価: 24円〜200円程度
  • エンゲージメント単価: 40円〜100円程度

プロモトレンド(トレンド欄広告):

  • 費用: 400万円〜1,000万円(平均800万円以上)
  • 1日限定のプレミアム枠
  • 大規模キャンペーン向け

特徴:

  • 情報拡散力が高い(リツイートによる二次拡散)
  • リアルタイム性が強い(イベント、時事ネタとの連動)
  • BtoB企業のプレスリリースや採用広報にも活用

(3) LINE広告の費用相場

費用相場:

  • 月額予算: 10万円〜50万円程度
  • クリック単価: 24円〜200円程度
  • 友だち追加単価: 100円〜300円程度

特徴:

  • 国内ユーザー数が多い(月間アクティブユーザー9,000万人以上)
  • トークリストやLINE NEWS等への配信が可能
  • BtoCビジネスで特に効果を発揮

(4) TikTok広告の費用相場

費用相場:

  • 月額予算: 10万円〜30万円程度
  • インプレッション単価(CPM): 100円〜1,000円程度
  • 1再生あたりの単価: 5円〜60円程度

特徴:

  • 若年層(10〜20代)へのリーチに強い
  • 動画コンテンツが中心
  • BtoB向けとしては限定的だが、採用ブランディングなどに活用事例あり

(5) YouTube広告の費用相場

費用相場:

  • 月額予算: 10万円〜50万円程度
  • 視聴単価(CPV): 5円〜20円程度
  • インプレッション単価(CPM): 200円〜500円程度

特徴:

  • 動画広告のプラットフォームとして最大規模
  • スキップ可能広告、バンパー広告など形式が多様
  • BtoB向けの製品紹介動画やウェビナー告知に活用

(6) 業界別の費用相場

同じプラットフォームでも、業界によって費用相場が異なります:

業界 費用傾向 理由
転職・人材 高額 競合が多く入札単価が高騰
金融・保険 高額 規制対応コスト、競争激化
不動産 やや高額 高単価商材、競合多数
エンタメ・ゲーム 比較的低額 ユーザー反応率が高い
教育・スクール 比較的低額 季節需要に応じた運用

※上記は一般的な傾向であり、具体的な費用は競合状況やターゲティング設定により変動します。

4. SNS広告の予算設計の考え方

効果的な予算設計には、段階的なアプローチが重要です。

(1) 最低出稿金額:1日100円から可能

Facebook、Instagram、Xなど主要SNSでは、1日100円から広告を出稿できます。

メリット:

  • 低リスクで広告運用を試せる
  • クリエイティブやターゲティングのテストが可能

デメリット:

  • 配信量が少なく、十分なデータが取れない
  • 効果検証に時間がかかる

(2) テスト運用の推奨予算:月10万円前後

広告運用の初期段階では、月10万円前後のテスト予算が推奨されます。

目的:

  • 複数のクリエイティブをテスト
  • ターゲティングの精度を検証
  • 効果的な配信設定を見つける

ポイント:

  • 1〜2ヶ月のテスト期間を設ける
  • A/Bテストで効果を比較
  • データに基づいて改善を行う

(3) 本格運用の推奨予算:月20-50万円

多くの企業では、本格運用時に月20〜50万円を広告費にあてているケースが一般的です。

予算配分の考え方:

  • 複数のキャンペーンを同時運用
  • 効果の高い配信に予算を集中
  • 季節需要やキャンペーン時期に応じて増減

期待される効果:

  • 十分なデータ量で効果検証が可能
  • PDCAサイクルを回して継続的に改善
  • 安定した成果を見込める

(4) BtoB企業のリード獲得を目的とした予算配分

BtoB企業がリード獲得(資料請求、問い合わせ)を目的とする場合の予算設計例:

月額30万円の配分例:

  • Facebook/Instagram広告: 15万円(ターゲティング精度重視)
  • X広告: 10万円(情報拡散、認知度向上)
  • 予備費: 5万円(効果の高い媒体に追加投入)

KPI設定例:

  • CPA(顧客獲得単価): 1リードあたり5,000円〜15,000円(業種により変動)
  • 月間リード獲得数: 20〜60件(CPA10,000円の場合)

(5) 代理店手数料の考慮(広告費の20%程度)

広告運用を代理店に依頼する場合、広告費とは別に手数料が発生します。

一般的な手数料:

  • 広告費の15〜25%(20%が標準的)
  • 最低手数料が設定されている場合もある(例: 月5万円〜)

例: 広告費30万円の場合

  • 広告費: 30万円
  • 代理店手数料(20%): 6万円
  • 総コスト: 36万円

インハウス運用との比較:

  • インハウス: 手数料不要だが、運用工数・ノウハウが必要
  • 代理店: 手数料発生だが、専門知識・運用リソースを活用可能

5. 費用対効果を高めるポイントと注意点

SNS広告の費用対効果を最大化するためのポイントを解説します。

(1) 少額からテスト運用を開始し、効果を検証する

推奨アプローチ:

  • 最初から大きな予算を投入しない
  • 月10万円前後でテスト運用を開始
  • 効果が確認できた施策に予算を集中

テスト項目:

  • クリエイティブ(画像、動画、テキスト)
  • ターゲティング(年齢、興味関心、地域)
  • 配信時間帯

(2) 広告品質の向上でオークションを有利に進める

広告品質が高いと、入札額が同じでも配信が有利になります。

品質向上のポイント:

  • クリエイティブの改善(視認性、訴求力)
  • ランディングページの最適化(読み込み速度、内容の一致)
  • ユーザーにとって価値のある広告を配信

(3) 競合が多い業界では入札単価が高騰しやすい

転職・金融・不動産など競合が多い業界では、入札単価が高くなりやすい傾向があります。

対策:

  • ニッチなターゲティングで競合を避ける
  • 配信時間帯の調整(競合が少ない時間帯を狙う)
  • 独自のクリエイティブで差別化

(4) 効果測定と改善サイクルの構築

測定すべき指標:

  • インプレッション数(表示回数)
  • クリック率(CTR)
  • コンバージョン率(CVR)
  • 顧客獲得単価(CPA)

改善サイクル:

  1. データを収集・分析
  2. 課題を特定
  3. 改善施策を実施
  4. 効果を検証
  5. 繰り返し

(5) 代理店依頼時のコスト増加に注意

代理店に依頼する場合は、手数料を含めた総コストで予算を設計する必要があります。

確認事項:

  • 手数料率(一般的に広告費の20%)
  • 最低手数料の有無
  • レポート・改善提案の頻度
  • 契約期間・解約条件

6. まとめ:効果的なSNS広告予算の配分方法

SNS広告は1日100円から始められますが、ビジネス成果を出すためには適切な予算設計が不可欠です。

予算設計のポイント:

  • テスト運用は月10万円前後から開始
  • 本格運用は月20〜50万円が目安
  • 課金方式は目的に応じて選択(認知→CPM、誘導→CPC)
  • 代理店手数料(広告費の20%)を含めた総コストで計画
  • 少額テストで効果を検証し、成功パターンに予算を集中

プラットフォーム選定の目安:

プラットフォーム 月額相場 向いている目的
Facebook/Instagram 3〜10万円 BtoB向けリード獲得
X(旧Twitter) 10〜30万円 情報拡散、認知度向上
LINE 10〜50万円 BtoC、友だち追加
YouTube 10〜50万円 動画による商品紹介

次のアクション:

  • 広告の目的(認知、誘導、獲得)を明確にする
  • 月額予算と期待するKPI(CPA、リード数)を設定
  • テスト運用で効果を検証してから本格運用に移行
  • 効果測定を継続し、PDCAサイクルを回す

※この記事は2024-2025年時点の情報です。各プラットフォームの料金は変動する可能性があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

よくある質問:

Q: SNS広告の最低出稿金額はいくら? A: Facebook・Instagram・Xは1日100円から出稿可能です。ただし、ビジネスとして成果を出すには月20〜30万円が推奨されます。少額すぎる予算では十分なデータが取れず、改善サイクルが回せません。

Q: SNS広告で効果が出る月額予算の目安は? A: テスト運用なら月10万円前後、本格運用なら月20〜50万円が相場です。業界・競合状況により変動しますが、多くの企業は月30〜50万円を出稿費にあてています。少額でスタートし、効果を見て予算を増やすのが一般的です。

Q: 代理店に依頼する場合の手数料はいくら? A: 一般的に広告費の20%程度が相場です。例えば広告費30万円なら手数料6万円が追加で発生し、総コストは36万円になります。インハウス運用なら手数料は不要ですが、ノウハウや工数が必要になります。

Q: BtoB企業に向いているSNS広告は? A: LinkedInがBtoB特化で効果的ですが費用は高めです。Facebook・Instagramもターゲティング精度が高くBtoB向けに活用できます。X(旧Twitter)は情報拡散に強みがあります。予算に応じて複数媒体をテストするのがお勧めです。

よくある質問

Q1SNS広告の最低出稿金額はいくら?

A1Facebook・Instagram・Xは1日100円から出稿可能です。ただし、ビジネスとして成果を出すには月20〜30万円が推奨されます。少額すぎる予算では十分なデータが取れず、改善サイクルが回せません。

Q2SNS広告で効果が出る月額予算の目安は?

A2テスト運用なら月10万円前後、本格運用なら月20〜50万円が相場です。業界・競合状況により変動しますが、多くの企業は月30〜50万円を出稿費にあてています。少額でスタートし、効果を見て予算を増やすのが一般的です。

Q3代理店に依頼する場合の手数料はいくら?

A3一般的に広告費の20%程度が相場です。例えば広告費30万円なら手数料6万円が追加で発生し、総コストは36万円になります。インハウス運用なら手数料は不要ですが、ノウハウや工数が必要になります。

Q4BtoB企業に向いているSNS広告は?

A4LinkedInがBtoB特化で効果的ですが費用は高めです。Facebook・Instagramもターゲティング精度が高くBtoB向けに活用できます。X(旧Twitter)は情報拡散に強みがあります。予算に応じて複数媒体をテストするのがお勧めです。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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