名刺管理ツールは導入したけど、顧客関係の構築にまで活用できていますか?
B2B企業で名刺管理ツールを導入している方の中には、「名刺のデジタル化はできたが、それ以上の活用方法が分からない」という悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
Sansanは法人向け名刺管理サービスとして国内シェア84%を誇りますが、単なる名刺管理ツールにとどまらず、顧客関係構築やカスタマーサクセスにも活用できるビジネスデータベースとして進化しています。
この記事では、Sansanを活用したカスタマーサクセス・顧客関係構築の方法、Sansan自身のカスタマーサクセス事例、CRM連携のポイントを解説します。
この記事のポイント:
- Sansanは名刺管理だけでなく、顧客関係構築のためのビジネスデータベースとして活用できる
- Sansan自身のカスタマーサクセス部門は2012年から活動し、月次解約率0.5%以下を達成
- 人事異動・組織変更の自動検知、人脈可視化でカスタマーサクセスを効率化
- Salesforce、HubSpot等の主要CRMと連携し、顧客データを一元管理可能
- 2024年にはAI営業ロールプレイングなど新機能が追加されている
1. Sansanとカスタマーサクセスの関係性
(1) 名刺管理から顧客関係構築へ進化するSansan
Sansan株式会社が提供する「Sansan」は、名刺や企業情報、営業履歴を一元管理するビジネスデータベースです。法人向け名刺管理サービスとして国内シェア84%、1万社以上が導入しています。
Sansanの位置づけ:
- 単なる名刺管理ツールではなく、ビジネスデータベース
- 名刺データを起点とした顧客関係構築・営業活動支援
- 企業全体での顧客接点の可視化・共有
個人向け名刺管理アプリ「Eight」との違いは、組織全体での顧客データ活用を前提としている点です。営業担当者個人の名刺が組織の資産として共有され、カスタマーサクセス活動にも活用できます。
(2) カスタマーサクセスで月次解約率0.5%以下を実現
Sansan自身もカスタマーサクセスに力を入れており、月次解約率0.5%以下という業界トップクラスの実績を達成しています。
Sansanカスタマーサクセスの特徴:
- 2012年から活動を開始し、国内企業として早期に取り組んだ
- 約60名体制で1万社以上の顧客を支援
- 「カスタマーサクセス実行戦略」(翔泳社)を出版し、ノウハウを体系化
- 単なる支援ではなく「攻めの姿勢」で顧客のビジョン実現を支援
この実績は、Sansanが10年以上にわたって試行錯誤しながら確立したカスタマーサクセスのメソッドによるものです。
2. Sansanの基本機能と顧客関係構築への活用
(1) 名刺デジタル化と企業データベース(100万件以上)
Sansanの基盤となるのは、名刺のデジタル化機能と企業データベースです。
名刺デジタル化:
- AIと人力の共同入力により99%以上の精度を実現
- スキャナーやスマートフォンアプリで簡単に取り込み
- 重複した名刺の自動統合
企業データベース:
- 100万件以上の企業情報を搭載
- 企業の基本情報、業界、従業員数などを参照可能
- 名刺データと企業情報を紐付けて管理
(2) 人脈マップ・組織図・アラート機能
カスタマーサクセスや営業活動に特に有効なのが、以下の機能です。
人脈マップ:
- 自社の誰が、顧客企業の誰とつながっているかを可視化
- 組織全体の人脈ネットワークを把握
- アプローチすべきキーパーソンの発見
組織図:
- 顧客企業の組織構造を把握
- 役職や部署の関係性を可視化
- 意思決定者の特定に活用
アラート機能:
- 人事異動ニュースの自動配信
- 担当者の異動・退職を早期に検知
- 組織変更に対応したフォローアップが可能
(3) 2024年の新機能(AI営業ロールプレイング・AI人物プロフィール)
2024年には、AIを活用した新機能が追加されています。
AI営業ロールプレイング:
- 業界や難易度を指定するだけで商談演習が可能
- 対話型AIによるリアルな商談シミュレーション
- Sansan Innovation Summit 2024のアンケートで1位を獲得し、約2ヶ月で実装
AI人物プロフィール:
- 人物名と会社名を入力すると、経歴・職務・登壇情報などを自動収集
- 商談準備の時間を短縮
- 公開情報を効率的に収集・要約
AI企業分析:
- 導入サービスの検索
- 注力プロジェクトの分析
- 商談準備の効率化
※これらの機能は継続的にアップデートされています。最新情報は公式サイトでご確認ください。
3. Sansanのカスタマーサクセス事例と組織体制
(1) 2012年からの取り組みと60名体制での10,000社支援
Sansanのカスタマーサクセス部門は、2012年から活動を開始しました。国内企業としては早期に海外事例を参考にしながら、試行錯誤でベストプラクティスを確立してきました。
組織体制の変遷:
- 2012年: カスタマーサクセス活動開始
- 2020年時点: 約60名体制
- 現在: 1万社以上の顧客を支援
月次解約率0.5%以下(一部資料では0.60%)という実績は、この10年以上にわたる取り組みの成果です。
(2) テックタッチ「3つの矢」とハイタッチの組み合わせ
Sansanのカスタマーサクセスは、テックタッチとハイタッチを組み合わせた効率的なアプローチを取っています。
テックタッチ「3つの矢」:
- システムを活用したオンボーディング支援
- 顧客がステップでつまずいた際にCSM(カスタマーサクセスマネージャー)がスポット支援
- 自動化により多くの顧客を効率的にサポート
ハイタッチ:
- CSMによる1対1の手厚いサポート
- 大口顧客や導入初期の顧客に適用
- 顧客のビジョン実現に向けた「企業変革コンサルタント」的なアプローチ
(3) 成長フェーズ別の組織化(創業期・成長期・拡大期)
Sansanの事例では、カスタマーサクセスの組織体制は企業の成長フェーズに応じて最適化する必要があると提唱しています。
| フェーズ | 契約数の目安 | 組織体制 |
|---|---|---|
| 創業期 | 〜100社 | 少人数でハイタッチ中心 |
| 成長期 | 〜1,000社 | ハイタッチ・ロータッチCSM組織 |
| 拡大期 | 1,000社以上 | テックタッチ・ロータッチ・ハイタッチの組み合わせ |
固定的な組織では顧客数の増加に対応しきれないため、定期的な見直しと最適化が重要です。
4. カスタマーサクセス活用の具体的な方法
(1) 既存顧客の組織変更検知・キーパーソン追跡
カスタマーサクセス部門にとって、顧客企業の人事異動や組織変更の把握は重要な業務です。Sansanを活用することで、これらを効率的に検知できます。
活用方法:
- 人事異動ニュースの自動配信を有効化
- 担当者の異動・退職を早期に検知
- 後任者への引き継ぎフォローをタイムリーに実施
- キーパーソンの昇進・部署異動を追跡
担当者が異動した際に気づくのが遅れると、顧客との関係が希薄になり解約リスクが高まります。早期検知により、適切なフォローアップが可能になります。
(2) アップセル・クロスセル機会の発見
Sansanのデータを活用することで、既存顧客へのアップセル・クロスセル機会を発見できます。
活用のポイント:
- 顧客企業内の他部署・他拠点の担当者を把握
- 人脈マップで接点のある担当者を可視化
- 組織図から新規アプローチ先を特定
- 企業データベースで顧客の事業拡大・組織変更を把握
(3) 人脈可視化による顧客接点の最大化
組織全体の人脈を可視化することで、顧客との接点を最大化できます。
活用シーン:
- 自社の誰が顧客のキーパーソンとつながっているかを把握
- 担当者以外の人脈を活用した関係強化
- 過去の名刺交換履歴から関係者を特定
- 顧客企業との接点の多い社員を把握
これにより、担当者だけでなく組織全体で顧客との関係を構築・維持できます。
5. CRM連携とデータ統合のポイント
(1) Salesforce・HubSpot等との連携方法
Sansanは、主要なSFA・CRM・MAツールとの連携機能を提供しています。
連携可能な主なツール:
- Salesforce
- HubSpot
- Marketo
- Microsoft Dynamics 365
- その他、各種SFA・CRM・MAツール
連携のメリット:
- 名刺データをCRMに自動同期
- 顧客情報の二重入力を削減
- 最新の名刺情報でCRMデータを更新
- 営業活動と名刺データの紐付け
(2) 外部SFA・CRM・MAとのデータ同期
データ連携を効果的に行うためのポイントは以下の通りです。
連携設計のポイント:
| 項目 | 検討内容 |
|---|---|
| 同期のタイミング | リアルタイム同期か、定期バッチ同期か |
| 同期の方向 | Sansan→CRMの一方向か、双方向か |
| マッチングルール | メールアドレス、会社名+氏名など |
| 重複処理 | 既存レコードとの重複をどう扱うか |
注意点:
- 連携設定は一度決めたら終わりではなく、運用しながら調整が必要
- データの整合性を保つため、マスターデータの管理ルールを明確に
- 連携の詳細は公式サイトやサポートに確認することをお勧めします
6. まとめ:Sansanを活用した顧客関係構築の次のステップ
Sansanは、名刺管理だけでなく、カスタマーサクセスや顧客関係構築にも活用できるビジネスデータベースです。人事異動の自動検知、人脈可視化、CRM連携などの機能を活用することで、既存顧客との関係強化やアップセル・クロスセル機会の発見が可能になります。
Sansan自身のカスタマーサクセス部門は、2012年から10年以上の取り組みで月次解約率0.5%以下を達成しており、テックタッチとハイタッチを組み合わせた効率的なアプローチが参考になります。
次のアクション:
- 現在のSansanの活用状況を棚卸しする(名刺管理のみか、他機能も活用しているか)
- 人事異動アラートやCRM連携を有効化する
- カスタマーサクセス部門でのSansan活用ルールを策定する
- 2024年に追加されたAI機能を試してみる
※この記事は2024年時点の情報に基づいています。機能・料金の詳細は公式サイトで最新情報をご確認ください。
よくある質問:
Q: SansanとEightの違いは何ですか? A: Sansanは法人向け名刺管理・ビジネスデータベース(国内シェア84%)で、組織全体での顧客データ活用を前提としています。Eightは個人向け名刺管理アプリです。カスタマーサクセスや営業活動での組織的な活用にはSansanが適しています。
Q: Sansanでカスタマーサクセスをどう活用できますか? A: 既存顧客の人事異動・組織変更の自動検知、キーパーソン追跡、人脈マップによる接点可視化、アップセル・クロスセル機会の発見に活用できます。担当者異動の早期検知により、適切なフォローアップが可能になります。
Q: Sansanの解約率が低い理由は? A: 2012年から10年以上のカスタマーサクセス活動、テックタッチ「3つの矢」とハイタッチの組み合わせ、約60名体制での手厚いサポート、顧客のビジョン実現を支援する姿勢が要因です。
Q: SansanはCRMと連携できますか? A: Salesforce、HubSpotなど主要なSFA・CRM・MAと連携可能です。名刺データを自動同期し、顧客データの一元管理・営業活動への活用ができます。連携設定の詳細は公式サイトでご確認ください。
