Salesforce Inboxとは?機能とメール営業効率化のメリット

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/26

メール営業の効率化とCRM連携を両立させたい

営業担当者にとって、メール対応とCRM入力は日々の業務の大きな時間を占めています。「メールを送るたびにSalesforceに記録するのが手間」「顧客情報を確認するためにCRMを開くのが面倒」という悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。

Salesforce Inboxは、Gmail/OutlookとSalesforceを連携し、メールinboxから離れずにCRM操作を可能にする生産性ツールです。Einstein(AI)による自動同期機能も搭載されており、メール営業の効率化を支援します。

この記事では、Salesforce Inboxの機能と活用メリット、導入時の注意点を具体的に解説します。

この記事のポイント:

  • Salesforce InboxはGmail/OutlookとSalesforceを連携し、メールinboxからCRM操作を可能にするツール
  • Einstein Activity Captureでメールとカレンダーイベントを自動同期
  • Quick-create、開封確認、空き時間挿入などの生産性向上機能を搭載
  • Gmail連携にはGoogle Workspace、Outlook連携にはOffice 365のライセンスが必要
  • 2024年2月にモバイルアプリが廃止され、新アドイン(AppSource/Chrome Web Store)への移行が必要

1. Salesforce Inboxが営業効率化で注目される理由

(1) メール営業の課題とCRM連携の重要性

営業担当者が日々直面するメール業務の課題には、以下のようなものがあります。

よくある課題:

  • メールを送受信するたびにCRMに手動で記録する手間
  • 顧客情報を確認するためにCRMとメールを行き来する時間のロス
  • 過去のやり取りを探すために複数のツールを検索する非効率
  • 商談進捗の更新がリアルタイムで反映されない

これらの課題を解決するために、メールクライアントとCRMの連携が重要になっています。Salesforce Inboxは、Gmail/Outlookの画面上でSalesforceの機能を利用できるようにすることで、これらの課題に対応します。

(2) 2024年時点での営業デジタル化のトレンド

営業活動のデジタル化が進む中で、ツール間の連携による業務効率化がより重要になっています。特に以下のようなトレンドが見られます。

主なトレンド:

  • 複数ツールの統合による操作負担の軽減
  • 自動データ入力によるCRM活用率の向上
  • AIを活用した営業活動の最適化
  • リモートワーク環境でのコラボレーション強化

Salesforce Inboxは、これらのトレンドに対応した生産性ツールとして位置づけられています。

(3) AIによる営業支援の進化

Salesforce InboxにはEinstein(AI)が組み込まれており、以下のような自動化機能を提供しています。

Einsteinの役割:

  • メールとカレンダーイベントの自動同期
  • 適切なSalesforceレコードへの自動関連付け
  • 関連情報の自動サーフェス(表示)
  • 営業活動の優先順位付けの支援

AIによる自動化により、営業担当者は手動入力の負担から解放され、本来の営業活動に集中できるようになります。

2. Salesforce Inboxとは何か

(1) Gmail/OutlookとSalesforceを連携する生産性ツール

Salesforce Inboxは、メール、カレンダー、CRMを1つのアプリケーションにまとめた生産性ツールです。GmailまたはOutlookのユーザーがSalesforceと連携することで、メールクライアントから離れずにCRM操作を実行できます。

対応メールクライアント:

  • Gmail(Google Workspace契約が必要)
  • Outlook(Office 365ライセンスが必要)

主な特徴:

  • メールinbox内でSalesforceの顧客情報を表示
  • 送受信メールを自動的にCRMレコードに関連付け
  • メールinboxから商談や連絡先を作成
  • Salesforceで作成したメールテンプレートを使用

(2) メールinboxから離れずにCRM操作を実現

Salesforce Inboxの最大の特徴は、メールinboxから離れずにCRM操作ができる点です。

具体的な操作例:

  • メールを開いた状態で、送信者の顧客情報(会社名、役職、過去の商談履歴など)を確認
  • メール送信後、自動的にSalesforceの該当レコードに記録
  • 新しいリードや商談をメール画面から直接作成
  • 過去のやり取りをSalesforceから即座に参照

これにより、画面の切り替えや手動入力の手間が削減され、営業活動の生産性が向上します。

(3) Einstein AIによる自動化機能

Einstein Activity Captureは、Salesforce Inboxの中核となる自動化機能です。

Einstein Activity Captureの機能:

  • メールの自動同期: 送受信メールをSalesforceに自動記録
  • カレンダー同期: 予定をSalesforceカレンダーと自動連携
  • 自動関連付け: メールを適切なリード、取引先責任者、商談に紐づけ
  • 行動の追跡: 顧客とのコミュニケーション履歴を自動蓄積

手動入力の手間を大幅に削減し、CRMデータの正確性と網羅性を向上させます。

3. 主な機能とメール営業への効果

(1) Einstein Activity Capture(自動同期)

機能概要: メールとカレンダーイベントを自動的にSalesforceに同期し、適切なレコードに関連付けます。

メール営業への効果:

  • 手動でのメール記録作業が不要になる
  • 顧客とのコミュニケーション履歴が自動的に蓄積される
  • 担当者変更時にも過去のやり取りを確認できる
  • CRMデータの入力漏れを防止

活用のポイント: Einstein Activity Captureは自動で動作するため、特別な操作は不要です。ただし、同期の対象となるメールの範囲(送信者ドメインなど)は設定で調整できます。

(2) Quick-create(商談・連絡先の迅速追加)

機能概要: メールinboxから離れずに、パイプラインに商談や連絡先を追加できる機能です。

メール営業への効果:

  • 新規リードを獲得したらその場でSalesforceに登録
  • 商談化のタイミングでCRMを開かずに商談を作成
  • 情報入力の遅延を防止し、データの鮮度を維持

活用のポイント: 見込み客からの問い合わせメールを受信した際、すぐにリード登録を行うことで、フォローアップの漏れを防ぐことができます。

(3) 開封確認と空き時間挿入機能

開封確認(Read Receipts): 顧客がメールを開封したタイミングを追跡できる機能です。

メール営業への効果:

  • 顧客がメールを読んだタイミングでフォローアップ
  • 反応がない顧客への再アプローチの判断材料に
  • 提案書や見積書の開封状況を確認

空き時間挿入(Insert Availability): 自分のカレンダーの空き時間をメールに挿入し、顧客がワンクリックでミーティングを予約できる機能です。

メール営業への効果:

  • 日程調整のやり取りを削減
  • 商談獲得までの時間を短縮
  • 顧客の予約アクションを促進

(4) Salesforceメールテンプレートの活用

機能概要: Salesforceで作成したメールテンプレートをGmail/Outlookで使用できます。

メール営業への効果:

  • 定型メール(初回アプローチ、フォローアップなど)の作成時間を短縮
  • チーム全体で統一されたメッセージを使用
  • 効果の高いテンプレートを共有・横展開

活用のポイント: テンプレートはSalesforceで一元管理できるため、更新があった場合も全員が最新版を使用できます。

4. Gmail・Outlook連携の活用メリット

(1) Outlook連携の設定方法と実務効果

連携要件:

  • Office 365のライセンスが必要
  • Microsoft AppStoreから新しいSalesforceアドインをインストール

実務上のメリット:

  • Outlookの画面上でSalesforceの顧客情報を確認・編集
  • 送受信メールを関連リード・取引先責任者に自動紐づけ
  • Outlookから直接Salesforceのレポートやダッシュボードを参照

(2) Gmail連携の要件(Google Workspace)と活用方法

連携要件:

  • Google Workspace(旧 G Suite)の契約が必要
  • Chrome Web Storeから新しいSalesforceアドインをインストール

実務上のメリット:

  • Gmailの画面上でSalesforceの顧客情報を表示
  • 日々のメール連絡を顧客情報と紐づけて管理
  • Google カレンダーとSalesforceカレンダーを同期

(3) メール記録の自動化とデータ参照の効率化

メール記録の自動化: 送受信メールがEinstein Activity Captureにより自動的にSalesforceに記録されます。これにより、営業担当者は手動でのCRM入力から解放されます。

データ参照の効率化: メールを開いた状態で、送信者に関する以下の情報を即座に確認できます。

  • 会社情報、役職、連絡先
  • 過去の商談履歴
  • 直近の問い合わせ・サポート履歴
  • 関連する商談の進捗状況

(4) 営業チームの生産性向上事例

期待される効果:

  • CRM入力時間の削減によるセールス活動時間の増加
  • 顧客情報へのアクセス時間短縮による対応スピード向上
  • データ入力漏れの防止によるCRM活用率の向上
  • 営業チーム全体での情報共有の促進

具体的な数値効果は企業や運用方法によって異なりますが、手動入力作業の削減と情報アクセスの効率化による生産性向上が期待できます。

5. 導入時の注意点とコスト

(1) 2024年2月のモバイルアプリ廃止対応

重要な変更点: Salesforce Inboxのモバイルアプリは2024年2月1日に廃止されました。従来のInboxモバイルアプリを使用していた場合は、新しいアクセス方法への移行が必要です。

影響:

  • 従来のInboxモバイルアプリは使用不可
  • 従来のOutlookアドインとChrome拡張機能も廃止

モバイルでSalesforce Inboxを利用していた場合は、新しいアドインへの移行計画を立てる必要があります。

(2) 新アドイン(AppSource・Chrome Web Store)への移行

新しいアクセス方法:

  • Outlook: Microsoft AppSourceから新しいSalesforceアドインをインストール
  • Gmail: Chrome Web Storeから新しいSalesforceアドインをインストール

移行のポイント:

  • 既存ユーザーは新アドインのインストールが必要
  • 設定や連携内容は基本的に引き継がれる
  • IT管理者による一括配布も可能(Enterprise環境)

(3) ライセンス要件(Google Workspace・Office 365)

Gmail連携の場合:

  • Google Workspace(旧 G Suite)の契約が必須
  • 無料のGmailアカウントでは利用不可

Outlook連携の場合:

  • Office 365のライセンスが必須
  • Outlook.com(無料版)では利用不可

導入前に、自社のメール環境がこれらの要件を満たしているか確認が必要です。

(4) 料金体系(月額25ドル)と費用対効果

料金:

  • Inboxライセンス: 年間請求でユーザーあたり月額25ドル(2024年時点)

費用対効果の観点:

  • 営業担当者1人あたりのCRM入力時間削減
  • データ入力漏れ防止によるCRM活用率向上
  • 商談獲得までのリードタイム短縮

※料金は執筆時点(2024年)の情報です。最新の料金体系はSalesforce公式サイトでご確認ください。

注意事項: 「Salesforce for Outlook」は2027年12月に廃止予定ですが、現在のOutlook連携機能(Salesforce Inbox)は継続して提供されます。

6. まとめ:Salesforce Inbox活用の成功要因

Salesforce Inboxは、Gmail/OutlookとSalesforceを連携し、メール営業の効率化を支援する生産性ツールです。

成功のポイント:

  • Einstein Activity Captureによる自動同期を活用し、手動入力の負担を削減
  • Quick-createで商談・連絡先をその場で作成し、データの鮮度を維持
  • 開封確認で適切なフォローアップタイミングを把握
  • 空き時間挿入で日程調整の手間を削減

導入前の確認事項:

  • Gmail連携にはGoogle Workspace、Outlook連携にはOffice 365が必要
  • 2024年2月以降は新アドイン(AppSource/Chrome Web Store)経由でアクセス
  • 料金は年間請求でユーザーあたり月額25ドル(2024年時点)

次のアクション:

  • 自社のメール環境(Google Workspace/Office 365)を確認
  • 営業チームのメール業務における課題を整理
  • Salesforce Trailheadで機能の詳細を学習
  • 小規模なトライアルで効果を検証

※この記事は2024年時点の情報に基づいています。機能・料金の最新情報はSalesforce公式サイトでご確認ください。

よくある質問:

Q: Salesforce Inboxとは何? A: Gmail/OutlookとSalesforceを連携し、メールinboxから離れずにCRM操作を可能にする生産性ツールです。Einstein(AI)による自動同期機能を搭載しており、メールとカレンダーイベントを自動的にSalesforceに記録します。

Q: どのメールクライアントに対応している? A: Gmail(Google Workspace必須)とOutlook(Office 365必須)に対応しています。2024年2月以降は、Microsoft AppStoreまたはChrome Web Storeからインストールした新しいSalesforceアドインを使用してアクセスします。

Q: 2024年の変更で何が影響する? A: Inboxモバイルアプリが2024年2月1日に廃止されました。従来のOutlookアドインとChrome拡張機能も廃止され、新しいSalesforceアドイン(Microsoft AppSource・Chrome Web Store)への移行が必要です。

Q: 料金はどのくらい? A: 年間請求でユーザーあたり月額25ドルです(2024年時点)。営業チームの時間節約、活動の自動記録、CRMインサイトの提供により費用対効果を実現します。最新の料金はSalesforce公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1Salesforce Inboxとは何?

A1Gmail/OutlookとSalesforceを連携し、メールinboxから離れずにCRM操作を可能にする生産性ツールです。Einstein(AI)による自動同期機能を搭載しており、メールとカレンダーイベントを自動的にSalesforceに記録します。

Q2どのメールクライアントに対応している?

A2Gmail(Google Workspace必須)とOutlook(Office 365必須)に対応しています。2024年2月以降は、Microsoft AppStoreまたはChrome Web Storeからインストールした新しいSalesforceアドインを使用してアクセスします。

Q32024年の変更で何が影響する?

A3Inboxモバイルアプリが2024年2月1日に廃止されました。従来のOutlookアドインとChrome拡張機能も廃止され、新しいSalesforceアドイン(Microsoft AppSource・Chrome Web Store)への移行が必要です。

Q4料金はどのくらい?

A4年間請求でユーザーあたり月額25ドルです(2024年時点)。営業チームの時間節約、活動の自動記録、CRMインサイトの提供により費用対効果を実現します。最新の料金はSalesforce公式サイトでご確認ください。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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