マルケトのデータベース管理|リード管理とデータクレンジングの基本

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/15

Marketoを導入したけれど、データベース管理がうまくいかない...

B2B企業のマーケティング担当者の多くが、Marketo導入後にデータベース管理の課題に直面しています。「重複リードが増えてきた」「データの品質が低下している」「セグメンテーションがうまくできない」といった悩みは尽きません。

この記事では、Marketoのデータベース管理の基礎知識から、リード管理の実践手法、データクレンジングのベストプラクティスまで、実務で直面する課題と対処法を解説します。

この記事のポイント:

  • Marketoのデータベースは24〜32時間ごとに自動更新され、総ユーザー数・マーケタブルユーザー・上位5獲得元を確認できる
  • スマートリスト(動的リスト)と静的リスト(固定メンバー)を使い分けることで、効果的なセグメンテーションを実現
  • Gartner調査によると、データ品質の低さがビジネスイニシアチブ失敗の40%の原因
  • 30日ごとのスマートキャンペーン見直しで、古いリード・重複リードを削除してデータベースを健全に保つ
  • 外部ツール連携(Salesforce、kintone等)により、部門間でリード情報をスムーズに共有可能

1. マルケトのデータベース管理とは?重要性と課題

Marketo(マルケト)は、Adobe社が提供するBtoB向けマーケティングオートメーション(MA)プラットフォームです。リード・顧客情報を一元管理し、セグメント化・スコアリング・ナーチャリングを実行することで、マーケティング活動を効率化します。

しかし、導入後に多くの企業が直面する課題があります:

よくある課題:

  • 重複リードの蓄積(同一顧客が複数のレコードで登録される)
  • データ品質の低下(古い情報、誤入力、虚偽データ)
  • セグメンテーションの困難(属性データ不足、表記ゆれ)
  • データベース容量の肥大化(料金プランの上限を超える追加コスト)

Gartner調査によると、データ品質の低さがビジネスイニシアチブ失敗の40%の原因になっています。定期的なデータクレンジングと適切なデータベース管理が不可欠です。

2. マルケトデータベースの基礎知識(構造・機能・ダッシュボード)

Marketoのデータベースを効果的に活用するための基礎知識を解説します。

(1) データベースダッシュボードの見方(24〜32時間ごとの自動更新)

Marketoのデータベースダッシュボードは、24〜32時間ごとに自動更新され、以下の主要指標を確認できます:

主要指標:

  • 総ユーザー数(Total People):データベースに登録されている全リード数
  • マーケタブルユーザー(Marketable People):メール配信可能な状態のユーザー数
  • 上位5つの獲得元(Top 5 Acquisition Sources):リードがどこから獲得されたかのランキング

(2) 総ユーザー数・マーケタブルユーザー・上位5獲得元の確認

総ユーザー数の確認:

  • データベース全体のリード数を把握
  • 料金プランの上限と比較し、追加コストのリスクを評価

マーケタブルユーザーの確認:

  • メール配信可能なユーザー数(有効なメールアドレス、配信停止していない等)
  • メールキャンペーンの対象となる実質的なリード数

上位5獲得元の確認:

  • どのチャネル(Webサイト、ウェビナー、展示会等)からリードが多く獲得されているか
  • 効果的なチャネルに投資を集中する判断材料

(3) スマートリスト(動的リスト)vs.静的リスト(固定メンバー)

Marketoでは、2種類のリストを使い分けることが重要です:

スマートリスト(Smart List):

  • 条件に基づいて動的に更新されるリスト
  • 条件を満たすリードが自動的に追加・除外される
  • 用途:セグメンテーション、ターゲティング、自動化されたキャンペーン
  • 例:「過去30日以内にWebサイトを3回以上訪問したリード」

静的リスト(Static List):

  • 固定メンバーで構成されるリスト
  • 手動でメンバーを追加・削除する
  • 用途:特定のイベント参加者リスト、手動で選定したVIPリスト
  • 例:「2024年11月展示会参加者リスト」

使い分けのポイント:

  • 継続的なセグメンテーションにはスマートリスト
  • 一時的な特定グループには静的リスト

(4) データベース容量と料金プランの関係

Marketoの料金プランは、データベースサイズに応じて課金されます:

容量管理のポイント:

  • 料金プランごとにデータベース容量の上限が設定されている
  • 上限を超えると追加コストが発生する可能性
  • 古いリード・重複リードの蓄積により、無駄なコストが発生するリスク
  • 定期的なデータクレンジングでコスト最適化

※最新の料金プランは、Adobe公式サイトをご確認ください。(この記事は2025年12月時点の情報です)

3. 効果的なリード管理の実践手法

Marketoのデータベースを活用した、効果的なリード管理の手法を解説します。

(1) リードスコアリング:購買意欲の数値化

リードスコアリングは、リードの活動や属性に基づいてポイントを付与し、購買意欲を数値化する手法です:

スコアリングの基準例:

  • Webサイト訪問:+5点
  • 資料ダウンロード:+10点
  • 価格ページ閲覧:+15点
  • 役職(部長以上):+10点
  • 企業規模(従業員500人以上):+10点

活用方法:

  • スコアが一定以上のリードを営業部門に引き渡し
  • スコアに応じたナーチャリングコンテンツの出し分け

(2) リードナーチャリング:段階的なコンテンツ提供

リードナーチャリングは、見込み客に対して教育的なコンテンツを段階的に提供し、購買意欲を高めて商談化につなげる活動です:

ナーチャリングの段階:

  1. 認知段階:業界トレンド・課題解決のヒント
  2. 検討段階:ソリューション比較・導入事例
  3. 決定段階:詳細な製品資料・無料トライアル案内

Marketoでの実装:

  • スマートキャンペーンでステージごとにメール自動配信
  • リードスコアに応じてコンテンツを出し分け

(3) セグメンテーション:企業属性・行動データによる分類

効果的なセグメンテーションにより、ターゲティング精度が向上します:

セグメンテーションの軸:

  • 企業属性:業種、従業員数、売上規模、地域
  • 役職・部門:経営層、マーケティング部門、営業部門、開発部門
  • 行動データ:Webサイト訪問回数、資料ダウンロード履歴、メール開封率

外部データ連携による強化:

  • 「どこどこJP for Marketo」等の外部サービスを活用
  • 企業属性データ約80項目(業種・従業員数・売上規模等)を自動付与
  • ストーリー約1,000項目(企業の特性・ニーズ等)でセグメンテーション精度を向上

(4) 匿名リードと既知リードの使い分け

Marketoでは、リードを匿名リードと既知リードに分類します:

匿名リード(Anonymous Lead):

  • 個人情報を入力していないWebサイト訪問者
  • Cookieでトラッキングされるが、メール配信はできない
  • 用途:Web行動データの蓄積、リードスコアリングの準備

既知リード(Known Lead):

  • フォーム送信等で個人情報を入力したユーザー
  • メール配信可能、リードナーチャリング対象
  • 用途:メールキャンペーン、スコアリング、ナーチャリング

匿名→既知への転換:

  • 魅力的なコンテンツ(ホワイトペーパー、ウェビナー等)でフォーム送信を促進
  • 匿名時の行動データを既知リードに引き継ぎ、精度の高いスコアリングを実現

4. データクレンジングと品質維持のベストプラクティス

データベースの品質を維持するための実践的な手法を解説します。

(1) 30日ごとのスマートキャンペーン見直し

データベースの健全性を保つため、30日ごとにスマートキャンペーンを見直しましょう:

見直しポイント:

  • 古いリードの検出(過去6ヶ月以上活動なし)
  • 重複リードの検出(同一メールアドレス、同一氏名等)
  • 無効なメールアドレス(バウンス履歴のあるリード)
  • 配信停止リストの更新

自動化の方法:

  • スマートキャンペーンで「過去6ヶ月活動なし」を条件に設定
  • 30日ごとに自動実行し、対象リードをレポート
  • 手動で削除・マージの判断

(2) 古いリード・重複リードの検出と削除(マージ機能)

Marketoの重複検出機能を活用し、データベースをクリーンに保ちましょう:

重複リードの検出方法:

  • Marketoの重複検出機能(Find Duplicates)を使用
  • メールアドレス、氏名、電話番号等で重複を検出

マージ機能の活用:

  • 重複したリードを1つに統合(マージ)
  • 活動履歴・スコア・カスタムフィールド値を引き継ぎ
  • 削除前にデータをバックアップ

注意点:

  • マージは元に戻せないため、慎重に実施
  • 重複の原因(フォーム設定、外部連携等)を特定し、再発防止策を講じる

(3) データ標準化:オープンテキスト→ピックリスト変換

データ標準化を徹底し、表記ゆれを防ぎます:

よくある表記ゆれ:

  • 会社名:「株式会社〇〇」「(株)〇〇」「〇〇Co., Ltd.」
  • 業種:「IT」「情報通信業」「システムインテグレーション」
  • 地域:「東京都」「東京」「Tokyo」

標準化の方法:

  • オープンテキストフィールドをプルダウン(ピックリスト)に変換
  • 入力時に選択肢を提示し、誤入力や虚偽データを排除
  • 既存データは手動または一括変換で統一

メリット:

  • 分析精度の向上(同一情報をまとめて集計可能)
  • セグメンテーションの効率化
  • レポートの信頼性向上

(4) Gartner調査:データ品質の低さがビジネス失敗の40%の原因

Gartner調査によると、データ品質の低さがビジネスイニシアチブ失敗の40%の原因になっています。データ品質の重要性を認識し、継続的なクレンジングを実施しましょう:

データ品質低下のリスク:

  • ターゲティング精度の低下→無駄なマーケティング費用
  • リードスコアの信頼性低下→営業部門への誤った引き渡し
  • 分析・レポートの不正確性→誤った経営判断

品質維持の習慣:

  • 30日ごとのデータクレンジング
  • データ標準化ルールの徹底
  • データインポート前の事前確認(フィールド設定、マッピング確認)

※出典: Gartner「Data Quality Market Survey」(Digital Pi社ブログで引用)

5. 外部ツール連携とデータ活用の高度化

Marketoと外部ツールを連携させることで、データ活用を高度化できます。

(1) Salesforce連携:営業部門とのデータ同期

MarketoとSalesforceを連携させることで、マーケティング部門と営業部門のデータをシームレスに同期できます:

連携のメリット:

  • リードスコアが一定以上のリードを自動的にSalesforceに引き渡し
  • 営業活動の結果(商談化、受注等)をMarketoに反映
  • マーケティング施策のROI(投資対効果)を正確に測定

注意点:

  • データインポート時にMarketoのフィールドが未準備だとインポート失敗
  • 事前のフィールド設定とマッピング確認が必要
  • データ同期のルール(どのタイミングで同期するか)を明確化

(2) kintone・BIツール・ETLツール連携:部門間データ共有

Marketoと他のツールを連携させることで、部門間でリード情報をスムーズに共有できます:

連携可能なツール:

  • kintone:業務アプリ構築ツール、営業・CS部門との情報共有
  • BIツール(Tableau、Power BI等):高度な分析・可視化
  • ETLツール(HULFT等):複数システム間のデータ連携

活用例:

  • マーケティング部門(Marketo)→営業部門(kintone)へのリード引き渡し
  • Marketoのデータを抽出し、BIツールで高度な分析
  • ETLツールで複数システムのデータを統合し、全社的なデータ活用

(3) CDP連携:オンライン・オフラインデータ統合

CDP(カスタマーデータプラットフォーム)と連携することで、複数のデータソースを統合できます:

CDP連携のメリット:

  • Marketoのオンライン行動データ+ECサイト会員DB+営業部門オフラインデータを統合
  • 顧客の統一プロファイルを構築し、顧客像を明確化
  • ワンツーワン顧客対応の精度向上

活用例:

  • オンライン(Webサイト訪問履歴)+オフライン(展示会参加履歴)を統合
  • ECサイトの購買履歴とMarketoのメール開封履歴を組み合わせてセグメンテーション

(4) 企業情報データベース活用(約80項目の企業属性・約1,000項目のストーリー)

外部の企業情報データベースを活用することで、セグメンテーション精度を大幅に向上できます:

企業属性データ(約80項目):

  • 業種、従業員数、売上規模、設立年、本社所在地等
  • Marketoのリードに自動付与し、セグメンテーションに活用

ストーリーデータ(約1,000項目):

  • 企業の特性・ニーズ・課題等の詳細情報
  • より精緻なターゲティング・パーソナライゼーションを実現

活用例:

  • 「製造業、従業員500人以上、東京本社」のリードにターゲティング
  • 「DX推進中の企業」に特化したコンテンツ配信

※「どこどこJP for Marketo」等の外部サービスを活用することで、企業情報の自動付与が可能です。

6. まとめ:データベース管理を成功させるポイント

Marketoのデータベース管理は、リード管理・ナーチャリング・ROI測定の基盤です。適切な管理により、マーケティング活動の効率化と成果の最大化を実現できます。

成功のポイント:

  • データベースダッシュボードで総ユーザー数・マーケタブルユーザー・上位5獲得元を定期確認
  • スマートリスト(動的リスト)と静的リスト(固定メンバー)を使い分け
  • 30日ごとのスマートキャンペーン見直しで、古いリード・重複リードを削除
  • データ標準化を徹底し、表記ゆれを防ぐ
  • 外部ツール連携(Salesforce、kintone、CDP等)でデータ活用を高度化

次のアクション:

  • データベースダッシュボードで現状を把握する
  • 重複リード・古いリードをリストアップする
  • 30日ごとのデータクレンジングをスケジュール化する
  • 外部ツール連携の可能性を検討する(Salesforce、CDP等)
  • Adobe公式ドキュメント・技術セッション(2024年最新)で最新のベストプラクティスを学ぶ

データベース管理を継続的に改善し、マーケティング活動の成果を最大化しましょう。

よくある質問

Q1Marketoのデータベースとは何か?

A1リード・顧客情報を一元管理し、セグメント化・スコアリング・ナーチャリングを実行するプラットフォームです。ダッシュボードで総ユーザー数・マーケタブルユーザー・上位5獲得元を24〜32時間ごとに自動更新して確認できます。

Q2静的リストとスマートリストの違いは?

A2静的リストは固定メンバーで手動で追加・削除します。スマートリストは条件に基づいて動的に更新され、条件を満たすリードが自動的に追加・除外されます。継続的なセグメンテーション・ターゲティングにはスマートリストが有効です。

Q3重複リードはどう対処するか?

A3Marketoの重複検出機能で見つけてマージ、または削除します。30日ごとのスマートキャンペーン見直しで定期的にクレンジングすることが推奨されます。古いリード・重複リードが蓄積すると、料金プランの上限を超えて追加コストが発生するリスクがあります。

Q4データ品質はなぜ重要?

A4Gartner調査によると、データ品質の低さがビジネスイニシアチブ失敗の40%の原因になっています。データ標準化を怠ると、同一情報が異なる表記(株式会社、(株)、Co., Ltd.等)で登録され、分析精度が低下します。定期的なデータクレンジングが不可欠です。

Q5外部データ連携でどんな情報を追加できるか?

A5企業属性データ約80項目(業種・従業員数・売上規模等)、ストーリー約1,000項目(企業の特性・ニーズ等)を自動付与可能です。「どこどこJP for Marketo」等の外部サービスを活用し、セグメンテーション・ターゲティング精度を向上できます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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