なぜLPがWebマーケティングで重要なのか
Web広告を運用しているのに思うようにコンバージョンが獲得できない...そんな悩みを抱えているマーケティング担当者は少なくありません。
実は、広告のクリック率が高くても、遷移先のページ(ランディングページ)の質が低いと、せっかくの訪問者を取り逃がしてしまいます。逆に、LPを最適化することで、同じ広告予算でもコンバージョン率が2倍、3倍になることも珍しくありません。
この記事では、LP(ランディングページ)の基本概念から制作手順、改善手法まで、実務で使える知識を体系的に解説します。
この記事のポイント:
- LPはコンバージョン獲得に特化した縦長の1ページ構成のWebページ
- ファーストビューでターゲットが求める情報を明確に提示することが最も重要
- 制作費用の相場は平均55.4万円、中央値40万円(価格帯別にサービス内容が異なる)
- A/BテストとヒートマップでPDCAを回し、継続的に改善することが成果につながる
- 2024年はAIパーソナライゼーションと動画活用がトレンド
LP(ランディングページ)の基礎知識
(1) LPの定義:広義と狭義の違い
LP(ランディングページ)には、実は2つの意味があります。
広義のLP: Web広告や検索結果から訪問者が最初にアクセスするページ全般を指します。ホームページのトップページや商品詳細ページなど、どのページでも「最初の着地点」であればLPと呼べます。
狭義のLP: コンバージョン獲得に特化した縦長レイアウトのページを指します。一般的にWebマーケティングで「LP」と言う場合は、この狭義のLPを意味することが多いです。
この記事では、狭義のLP(コンバージョン特化型)を中心に解説します。
(出典: LISKUL「ランディングページ(LP)とは?10分でわかるLPの目的・メリット・作り方」)
(2) LPとホームページの役割の違い
LPとホームページ(Webサイト)は、目的と構造が大きく異なります。
LPの特徴:
- 目的: コンバージョン獲得に特化(購入、資料請求、問い合わせなど)
- 構造: 縦長の1ページ完結型、他ページへのリンクを最小限に
- 情報量: 必要な情報を1ページに集約、スクロールで読み進める設計
- 訴求: ターゲットを絞り込み、特定の行動を促す
ホームページの特徴:
- 目的: 情報提供・ブランディング・SEO
- 構造: 複数ページで構成、グローバルナビゲーションで回遊を促す
- 情報量: 網羅的な情報を複数ページに分散
- 訴求: 幅広いユーザーに対応、様々な情報ニーズに応える
Web広告と連携してコンバージョンを獲得したい場合は、ホームページではなくLPを用意することが推奨されます。
(3) LPの基本構成要素(ファーストビュー・ボディ・CTA)
LPは一般的に3つのエリアで構成されます。
1. ファーストビュー(First View)
ページを開いた瞬間に表示される最初の画面です。訪問者は3秒以内に「このページは自分に関係があるか」を判断すると言われており、ファーストビューが離脱率を左右します。
含めるべき要素:
- キャッチコピー(ターゲットの課題を端的に表現)
- メインビジュアル(商品・サービスのイメージ画像)
- CTAボタン(「資料請求」「無料相談」など)
- 権威付け要素(導入実績、受賞歴など)
2. ボディ(Body)
ファーストビューの下に続く本文エリアです。訪問者の疑問や不安を解消し、コンバージョンへの納得感を醸成します。
含めるべき要素:
- 課題の共感(ターゲットが抱える悩みを言語化)
- ソリューション提示(商品・サービスの特徴)
- メリット・ベネフィット(導入効果)
- 実績・事例(導入企業の声、データ)
- 料金プラン(価格の透明性)
- よくある質問(FAQ)
3. CTA(Call To Action)
訪問者に具体的な行動を促すボタンやフォームです。LPの最終目標はこのCTAのクリック・送信です。
効果的なCTAの条件:
- 視認性が高い(目立つ色・大きさ)
- 行動が明確(「今すぐ資料請求」「無料で相談する」)
- 複数箇所に配置(ファーストビュー、ボディの途中、最後)
(出典: LISKUL「【完全保存版】ランディングページの作り方と成果につなげるコツを紹介」)
成果につながるLP制作の7ステップ
LPを制作する際は、デザインよりも先に戦略設計を行うことが重要です。以下の7ステップで進めることが推奨されます。
(1) 目的・ターゲット・訴求ポイントの明確化
制作を始める前に、以下の3点を明確にします。
目的の設定:
- 資料請求を獲得したいのか
- 商品購入を促したいのか
- 無料相談の申し込みを増やしたいのか
- セミナー参加者を集めたいのか
目的によってLPの構成やCTAの文言が変わります。
ターゲットの明確化:
- 誰に向けたLPなのか(業種、役職、課題)
- ターゲットが抱える課題は何か
- どんな情報を求めているか
ターゲットが明確でないと、誰にも刺さらないLPになってしまいます。
訴求ポイントの整理:
- 競合と比較した際の強みは何か
- ターゲットにとって最も魅力的なベネフィットは何か
- どんな実績・権威性があるか
訴求ポイントが不明確だと、訪問者は「他社と何が違うのか」が分からず、コンバージョンに至りません。
(2) 構成案の作成とワイヤーフレーム設計
目的・ターゲット・訴求ポイントが決まったら、LPの構成案を作成します。
構成案の例(BtoB SaaS向けLP):
- ファーストビュー(課題共感型キャッチコピー + CTA)
- 課題の提示(ターゲットが抱える悩みを3-5個列挙)
- ソリューション提示(商品・サービスの概要)
- 3つの特徴(他社と差別化できるポイント)
- 導入効果(具体的な数値・事例)
- 導入企業の声(ロゴ + 導入実績)
- 料金プラン(3段階のプラン比較表)
- よくある質問(FAQ 3-5問)
- CTA(最終的な行動喚起)
構成案ができたら、ワイヤーフレーム(配置図)を作成します。PowerPointやFigma、Adobe XDなどのツールで、各要素の配置を可視化します。
(3) デザイン・コーディング・公開の流れ
ワイヤーフレームができたら、デザインとコーディングに進みます。
デザインのポイント:
- ターゲット企業のトンマナ(トーン&マナー)に合わせる
- 視線の流れを意識したレイアウト(Z型、F型)
- モバイル対応(レスポンシブデザイン)
- 読み込み速度の最適化(画像の圧縮)
コーディング:
- HTML/CSS/JavaScriptで実装
- ノーコードツール(STUDIO、ペライチ、Wix等)も選択肢
- Googleアナリティクス等の計測タグを設置
公開前のチェック:
- 各デバイス(PC、スマホ、タブレット)で表示確認
- フォームの動作テスト
- リンク切れチェック
- 表示速度測定(PageSpeed Insights等で確認)
公開後は、効果測定とPDCAサイクルを回して継続的に改善していきます。
(出典: LISKUL「【完全保存版】ランディングページの作り方と成果につなげるコツを紹介」)
LP制作の費用相場と外注・内製の判断基準
(1) 価格帯別のサービス内容(10万円以下〜60万円以上)
LP制作を外注する場合、費用相場は以下の通りです。
調査データ:
- 平均費用: 55.4万円
- 中央値: 40万円
- 約75%が60万円以下
(出典: Web幹事「LP(ランディングページ)の制作費用と料金相場を徹底解説」)
価格帯別のサービス内容:
10万円以下:
- テンプレートを使用したデザインのみ
- 戦略設計やコンサルティングは含まれない
- 納期は1-2週間程度
- ノーコードツールで制作されることが多い
10万円〜30万円:
- オリジナルデザインの制作
- 基本的なコンテンツ構成の提案
- レスポンシブ対応
- 納期は2-4週間程度
30万円〜60万円:
- 戦略設計込み(ターゲット分析、競合調査、訴求ポイント設計)
- オリジナルデザイン + 高品質なコーディング
- Googleアナリティクス等の計測設定
- 納期は1-2ヶ月程度
60万円以上:
- 本格的なマーケティング戦略設計
- 公開後の改善サポート(A/Bテスト、LPO)
- 広告運用との連携サポート
- 納期は2-3ヶ月程度
予算を決める際は、「デザインだけで良いのか」「戦略設計も必要なのか」を明確にすることが重要です。
(2) 外注と内製のメリット・デメリット比較
LP制作を外注するか、自社で内製するかは、予算とリソース次第です。
外注のメリット:
- プロの戦略設計・デザインが得られる
- 自社リソースを使わずに済む
- 最新のトレンドや事例を反映できる
- 短期間で高品質なLPが完成する
外注のデメリット:
- コストがかかる(平均40-55万円)
- 修正に時間がかかる(都度依頼が必要)
- 社内にノウハウが蓄積されにくい
内製のメリット:
- コストを抑えられる(ツール利用料のみ)
- 修正が迅速にできる
- 社内にノウハウが蓄積される
- A/Bテストを自由に実施できる
内製のデメリット:
- 戦略設計のスキルが必要
- デザイン・コーディングの工数がかかる
- 初期のクオリティが外注より低い可能性
判断基準:
- 予算30万円以上あるなら、戦略設計込みの外注を推奨
- 予算が限られている場合や、継続的にLPを作成する場合は内製も選択肢
- ノーコードツール(STUDIO、ペライチ、Wix等)を使えば、コーディング不要で内製可能
最初は外注でプロの構成を学び、2本目以降は内製に切り替える企業も多いです。
LPO(ランディングページ最適化)の実践手法
LPは公開して終わりではありません。効果測定と改善(LPO: Landing Page Optimization)を継続的に行うことで、コンバージョン率が大きく向上します。
(1) A/Bテストによる効果検証の進め方
A/Bテストとは、2つのバージョンのLPを比較して、どちらがより高いコンバージョン率を達成するかを検証する手法です。
A/Bテストの進め方:
仮説を立てる
- 「ファーストビューのキャッチコピーを変更すると、CVRが向上するのではないか」
- 「CTAボタンの色を赤から緑に変えると、クリック率が上がるのではないか」
テスト対象を決める
- 一度に複数の要素を変更すると、何が効果を生んだのか分からなくなるため、1つずつテストする
- 優先度が高い要素: ファーストビュー、CTAボタン、価格表示
ツールを使って実施
- Google Optimize(無料)
- Optimizely(有料、高機能)
- VWO(有料)
統計的有意性を確認
- 一定のサンプル数(訪問者数)が必要
- 通常、各バージョンに100CV以上のデータがあることが望ましい
勝者を採用し、次のテストへ
- 効果があったバージョンを本番環境に適用
- 次の改善ポイントでA/Bテストを繰り返す
小規模な改善でも、1-2週間で効果が確認できることが多いです。
(出典: ニジボックス「LPOとは?コンバージョンを最大化させるLP改善手法を解説!」)
(2) ヒートマップを活用したユーザー行動分析
ヒートマップとは、ユーザーのクリック位置やスクロール深度を可視化するツールです。LPのどこがよく見られているか、どこで離脱しているかが一目で分かります。
主なヒートマップの種類:
1. クリックヒートマップ
- ユーザーがクリックした場所を色で表示
- CTAボタン以外の場所がクリックされている場合、デザインの見直しが必要
2. スクロールヒートマップ
- ページのどこまでスクロールされたかを表示
- 50%のユーザーが到達していないエリアは、構成を見直す必要がある
3. アテンションヒートマップ
- ユーザーが長く滞在したエリアを表示
- 重要な情報が読まれているか、逆に不要な要素が注目を奪っていないかを確認
代表的なヒートマップツール:
- Mouseflow(有料、多機能)
- Hotjar(無料プランあり)
- Microsoft Clarity(完全無料)
ヒートマップで得られたデータをもとに、ファーストビューの改善やCTAボタンの配置変更を行うことで、CVRが向上します。
(3) 2024年のLPトレンド(AI・動画・UGC)
2024年のLP制作では、以下のトレンドが注目されています。
1. AIパーソナライゼーション
訪問者のニーズに合わせて、動的にコンテンツを変更する手法です。
- 初回訪問者には基本情報を表示
- 再訪問者には具体的な導入事例を表示
- 特定の広告経由の訪問者には、その広告に関連した訴求を強調
AIパーソナライゼーションを導入することで、CVRが1.5倍〜2倍になる事例もあると言われています。
2. ファーストビューでの動画活用
静止画ではなく、ファーストビューに動画を配置することで、訪問者の関心を引きつけます。
- 商品デモ動画(30秒〜1分)
- 導入企業のインタビュー動画
- アニメーションで訴求ポイントを表現
動画を使うことで滞在時間が伸び、CVRが向上する傾向があります。ただし、読み込み速度が遅くならないよう最適化が必要です。
3. UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用
UGCとは、レビュー、口コミ、体験談など、ユーザーが生成したコンテンツです。
- 導入企業の担当者インタビュー
- SNS上でのポジティブな投稿の引用
- 実際の利用画面のスクリーンショット
UGCは「企業が言っていること」ではなく「実際に使った人の声」として信頼性が高く、購買意欲を後押しします。
(出典: 株式会社DEAP「コンバージョン爆上げ!2024年最新のLP制作トレンドと取り入れるべき戦略」)
ただし、これらのトレンドは技術的要件が高く、導入コストと効果のバランスを検討する必要があります。まずは基本的なLP制作とLPOのPDCAサイクルを確立してから、トレンドの導入を検討することが推奨されます。
まとめ:成果を出すLPに必要な3つの条件
LP(ランディングページ)は、Web広告と連携してコンバージョンを獲得するための重要な施策です。成果を出すLPには、以下の3つの条件が必要です。
1. 戦略設計が明確であること
- 目的・ターゲット・訴求ポイントを明確にする
- デザインよりも先に構成案を作成する
- ファーストビューでターゲットが求める情報を提示する
2. 適切な予算とリソースを確保すること
- 戦略設計込みで外注する場合は30万円以上の予算が望ましい
- 内製する場合は、ノーコードツールを活用する
- 継続的に改善するためのリソースを確保する
3. PDCAサイクルを回すこと
- 公開後はA/Bテストとヒートマップで効果検証
- CVR、滞在時間、クリック率を定期的に確認
- 小さな改善を積み重ねることで、CVRが2倍、3倍になる
次のアクション:
- 自社のLP制作の目的を明確にする
- 予算と内製・外注の方針を決める
- 複数の制作会社から見積もりを取る(外注の場合)
- ノーコードツールの無料プランで試作してみる(内製の場合)
- 公開後はGoogleアナリティクスで効果測定を開始する
LPは「作って終わり」ではなく、継続的に改善していくことが重要です。小さな改善を積み重ねて、自社のコンバージョン獲得を最大化していきましょう。
※この記事の情報は2025年1月時点のものです。LP制作の費用や最新トレンドは変動する可能性があるため、公式サイトや制作会社で最新情報をご確認ください。
