インサイドセールスとオンラインセールスの違いとは?特徴と使い分けを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/10

インサイドセールスとオンラインセールスの違いが分からない...

B2B企業の営業マネージャーや営業担当者の多くが、リモート営業の手法を整理したいと考えています。「インサイドセールスとオンラインセールスは何が違うのか」「どのように使い分ければいいのか」といった疑問は尽きません。

この記事では、インサイドセールスとオンラインセールスの違いを明確にし、両者の特徴・連携フロー・使い分けのポイントを解説します。

この記事のポイント:

  • インサイドセールスは案件創出・顧客育成が目的、オンラインセールスは商談・販売完結が目的
  • インサイドセールスでリード創出→オンラインセールスで商談という連携が効果的
  • MAツールやSFA/CRMと連携し、顧客情報・商談履歴を一元管理することで成果が向上する
  • 2021年の調査で約65%の企業がオンラインセールスを導入、リモート営業が定着
  • ツール選定は自社の業務規模・体制に合ったものを選ぶことが重要

1. インサイドセールスとオンラインセールスの混同が起きる理由

(1) どちらも非対面で行う営業活動

インサイドセールスとオンラインセールスは、どちらも「非対面で行う営業活動」という共通点があるため、しばしば混同されます。

両者の共通点:

  • 顧客を直接訪問せず、リモートで営業活動を行う
  • 電話、メール、Web会議ツール(Zoom、Teams等)を活用する
  • 移動時間・交通費を削減できる
  • 全国・全世界の顧客にアプローチできる

しかし、両者は「目的」と「営業プロセスの担当フェーズ」が大きく異なります。

(2) コロナ禍でリモート営業が普及した背景

2020年以降のコロナ禍により、対面営業が制限され、リモート営業が急速に普及しました。

コロナ禍による変化:

  • 対面商談が難しくなり、Web会議ツールが急速に普及
  • インサイドセールスとフィールドセールスの境界が曖昧に
  • 「オンライン営業」「リモートセールス」など類似用語が増加

この急激な環境変化により、各用語の定義が曖昧なまま使われるケースが増え、混同が生じやすくなっています。

(3) 約65%の企業がオンラインセールスを導入(2021年調査)

2021年の調査によると、約65%の企業がオンラインセールスを導入しており、特にIT・広告出版・コンサルティング業界で顕著です。

オンラインセールス導入の背景:

  • コロナ禍による対面営業の制限
  • Web会議ツールの普及と高機能化
  • 営業効率化・コスト削減のニーズ

リモート営業が定着する中で、インサイドセールスとオンラインセールスの違いを正しく理解し、使い分けることが重要になっています。

2. インサイドセールスとは:案件創出・顧客育成が目的

(1) インサイドセールスの定義と役割

インサイドセールスとは、電話やメール、Web会議など非対面で見込み客にアプローチし、商談機会を創出する営業手法です。

インサイドセールスの役割:

  • リード創出(見込み客の発掘)
  • リードナーチャリング(見込み客の購買意欲を中長期的に高める)
  • 商談機会の創出(フィールドセールスに引き渡す準備を整える)

インサイドセールスは、営業プロセスの「上流工程」を担当し、フィールドセールスにリードを引き渡すまでが主な業務範囲です。

(2) 電話やメール、Web会議で見込み客にアプローチ

インサイドセールスは、以下のような手法で見込み客にアプローチします。

主な手法:

  • 電話(架電): リードに直接電話をかけ、課題ヒアリングや資料送付の約束を取り付ける
  • メール: 定期的に有益な情報を提供し、関係性を構築する
  • Web会議: 初回ヒアリングや製品紹介を行い、商談に繋げる

架電でうまくいった会話やメルマガで反応が良かった内容をチーム内で共有し、トークスクリプトに反映することで、成果が向上すると言われています。

(3) リードナーチャリング:購買意欲を中長期的に高める

インサイドセールスの重要な役割の一つが、リードナーチャリング(見込み客の育成)です。

リードナーチャリングの活動:

  • 定期的なメール配信(業界動向、ノウハウ記事)
  • ウェビナーの案内・フォローアップ
  • ホワイトペーパーなど有益な資料の提供
  • リードの行動履歴(メール開封、資料DL、サイト閲覧)の記録

MAツール(マーケティングオートメーション)と連携してハウスリストの整理やスコアリングを行い、有効商談率を2〜3倍に向上させる企業も増加しています。

(4) フィールドセールスとの役割分担

インサイドセールスは、フィールドセールスと連携して営業プロセスを分業します。

役割分担の例:

  • インサイドセールス: リード創出・育成、初回ヒアリング、商談準備
  • フィールドセールス: 本格的な商談、提案書作成、クロージング、契約締結

顧客情報・商談履歴を一元管理し、スムーズに連携することで、営業活動の効率化と受注率向上が期待できます。

3. オンラインセールスとは:商談・販売完結が目的

(1) オンラインセールスの定義と役割

オンラインセールスとは、インターネットやデジタルツールを使って行うセールス活動全般を指します。フィールドセールスのデジタル版と考えるとわかりやすいでしょう。

オンラインセールスの役割:

  • 商談の実施(提案・プレゼンテーション)
  • クロージング(見積もり・契約条件の調整)
  • 販売完結(契約締結)

オンラインセールスは、営業プロセスの「下流工程」を担当し、商談から契約締結までを完結させることが主な業務範囲です。

(2) フィールドセールスのデジタル版:商談・クロージングが中心

オンラインセールスは、フィールドセールスが対面で行っていた商談・クロージングを、オンラインで完結させる手法です。

オンラインセールスの活動:

  • Web会議での商談(Zoom、Teams等)
  • オンラインでの提案書・見積もり提示
  • オンラインでの契約締結(電子契約)
  • アフターフォロー(導入支援、カスタマーサクセス)

対面営業と同様の商談プロセスを、すべてオンラインで行うことで、移動時間・交通費の削減と営業効率の向上が実現されます。

(3) オンライン商談の特徴:相手の表情や温度感が読み取りづらい

オンライン商談には、対面商談にはない特徴と注意点があります。

オンライン商談の特徴:

  • 画面越しのため、相手の表情や温度感が読み取りづらい
  • 通信環境によっては音声・映像が途切れる
  • 資料の共有は容易(画面共有機能)
  • 商談の録画・記録が可能

注意点:

  • 事前に資料やアジェンダを共有し、商談予定のリマインドメールを送付してキャンセルを防ぐ
  • オンライン上では信頼関係を築きにくい面があるため、フォローアップを丁寧に行う
  • オンラインならではのノウハウの確立や仕組み化が必要で、対面営業のやり方をそのまま適用できない

オンライン商談で成果を出すには、対面営業とは異なるスキル・ノウハウの習得が必要です。

4. 両者の違いと連携フロー

(1) 目的の違い:案件創出 vs 商談・販売完結

インサイドセールスとオンラインセールスの最大の違いは「目的」です。

目的の違い:

  • インサイドセールス: 案件創出・顧客育成(営業プロセスの上流)
  • オンラインセールス: 商談・販売完結(営業プロセスの下流)

インサイドセールスが「見込み客を育て、商談の準備を整える」のに対し、オンラインセールスは「商談を実施し、契約を締結する」ことを目指します。

(2) プロセスの違い:リード創出→顧客育成 vs 商談→クロージング

両者は営業プロセスの異なるフェーズを担当します。

営業プロセスの全体像:

  1. リード創出(インサイドセールス)
  2. 顧客育成(インサイドセールス)
  3. 初回ヒアリング(インサイドセールス)
  4. 商談準備(インサイドセールス)
  5. 本格的な商談(オンラインセールス or フィールドセールス)
  6. 提案・見積もり(オンラインセールス or フィールドセールス)
  7. クロージング(オンラインセールス or フィールドセールス)
  8. 契約締結(オンラインセールス or フィールドセールス)

インサイドセールスが1〜4を担当し、オンラインセールスが5〜8を担当するという分業が一般的です。

(3) 効果的な連携フロー:インサイドセールスでリード創出→オンラインセールスで商談

両者を連携させることで、営業活動の効率化と受注率向上が実現されます。

効果的な連携フロー:

  1. インサイドセールス: 架電・メール配信でリードを創出
  2. インサイドセールス: MAツールでリードの行動履歴を記録、スコアリング
  3. インサイドセールス: 商談準備が整ったリードをオンラインセールスに引き継ぎ
  4. オンラインセールス: Web会議で商談を実施
  5. オンラインセールス: 提案・見積もり・クロージング
  6. オンラインセールス: 電子契約で契約締結

この連携により、インサイドセールスが「質の高いリード」を創出し、オンラインセールスが効率的に商談を完結できるようになります。

(4) MAツール・SFA/CRMとの連携による情報一元管理

両者の連携を円滑にするには、MAツール・SFA/CRMによる情報一元管理が不可欠です。

連携すべきツール:

  • MAツール(例:HubSpot、Marketo): リード管理・育成、メール配信、スコアリング
  • SFA/CRM(例:Salesforce、Zoho CRM): 商談管理、顧客情報管理、営業活動の記録
  • Web会議ツール(例:Zoom、Teams): オンライン商談の実施

これらのツールを連携させることで、顧客情報・商談履歴を一元管理し、インサイドセールスからオンラインセールスへのスムーズな引き継ぎが可能になります。

5. インサイドセールスとオンラインセールスの使い分けと導入方法

(1) 使い分けのポイント:企業規模・商材・営業プロセスに応じて選択

インサイドセールスとオンラインセールスの使い分けは、企業規模・商材・営業プロセスに応じて選択します。

使い分けの例:

小規模企業(営業担当者10名以下):

  • インサイドセールスとオンラインセールスを兼務
  • 一人の営業担当者がリード創出から契約締結まで担当

中堅企業(営業担当者10〜50名):

  • インサイドセールスとフィールドセールスを分業
  • インサイドセールスがリード創出・育成を担当し、フィールドセールスが商談・クロージングを担当
  • 必要に応じてオンラインセールスも活用

大企業(営業担当者50名以上):

  • インサイドセールス、オンラインセールス、フィールドセールスを完全に分業
  • 各担当が専門性を高め、効率的に営業プロセスを進める

(2) 導入時の注意点:対面営業のやり方をそのまま適用できない

インサイドセールス・オンラインセールスの導入には、対面営業とは異なるノウハウが必要です。

導入時の注意点:

  • 対面営業のやり方をそのまま適用できない
  • オンライン商談特有の信頼関係構築の方法を確立する
  • トークスクリプト・資料を最適化する
  • 営業担当者のトレーニングを実施する

効果が表れるまで時間がかかるため、途中でやめず、中長期的な視点で取り組むことが重要です。

(3) ツール選定:業務規模・体制に合ったものを選ぶ

ツール選定は、自社の業務規模・体制に合ったものを選ぶことが重要です。

ツール選定のポイント:

  • 高機能なツールを導入しても使いこなせなければ意味がない
  • 自社の営業プロセスに必要な機能を洗い出す
  • 既存システム(会計ソフト、営業管理システム等)との連携可否を確認
  • 無料トライアルで操作性を確認してから導入する

※ツール選定については、複数のツールを公平に比較し、メリット・デメリットを考慮して選択してください。

(4) 成功パターン:トークスクリプト共有、事前資料送付、リマインドメール

インサイドセールス・オンラインセールスで成果を出すには、以下のような成功パターンがあります。

成功パターン:

  • トークスクリプト共有: 架電でうまくいった会話をチーム内で共有し、標準化する
  • 事前資料送付: 商談前に資料やアジェンダを共有し、商談の質を高める
  • リマインドメール: 商談予定のリマインドメールを送付し、キャンセルを防ぐ
  • フォローアップ: 商談後は迅速にフォローアップし、次のアクションを明確にする

これらの成功パターンを実践することで、有効商談率の向上と受注率アップが期待できます。

6. まとめ:自社に最適な営業スタイルの選択

インサイドセールスとオンラインセールスは、どちらも非対面で行う営業活動ですが、目的と営業プロセスの担当フェーズが異なります。

まとめ:

  • インサイドセールス: 案件創出・顧客育成が目的(営業プロセスの上流)
  • オンラインセールス: 商談・販売完結が目的(営業プロセスの下流)
  • 連携フロー: インサイドセールスでリード創出→オンラインセールスで商談が効果的
  • ツール活用: MAツール・SFA/CRMと連携し、顧客情報を一元管理
  • 使い分け: 企業規模・商材・営業プロセスに応じて選択

次のアクション:

  • 自社の営業プロセスを整理し、インサイドセールス・オンラインセールスの役割分担を明確にする
  • MAツール・SFA/CRMの導入を検討し、顧客情報の一元管理を実現する
  • トークスクリプト・資料を最適化し、営業担当者のトレーニングを実施する
  • 成功パターン(事前資料送付、リマインドメール等)を実践し、有効商談率の向上を目指す

自社に最適な営業スタイルを選択し、インサイドセールスとオンラインセールスを効果的に活用することで、営業活動の効率化と受注率向上を実現しましょう。

よくある質問

Q1インサイドセールスとオンラインセールスの違いは何ですか?

A1インサイドセールスは案件創出・顧客育成が目的で、営業プロセスの上流(リード創出・育成)を担当します。一方、オンラインセールスは商談・販売完結が目的で、営業プロセスの下流(商談・クロージング)を担当します。前者はリード創出フェーズ、後者はクロージングフェーズと覚えるとわかりやすいです。

Q2インサイドセールスとフィールドセールスの役割分担はどうすればよいですか?

A2インサイドセールスがリード創出・育成を担当し、商談準備が整ったリードをフィールドセールスに引き継ぎます。フィールドセールスは本格的な商談・提案・クロージングを担当します。MAツールやSFA/CRMで顧客情報・商談履歴を一元管理し、スムーズに連携することが重要です。

Q3オンライン商談で信頼関係を築くにはどうすればよいですか?

A3事前に資料やアジェンダを共有し、商談予定のリマインドメールを送付してキャンセルを防ぎます。オンライン上では相手の表情や温度感が読み取りづらいため、商談後は迅速にフォローアップし、次のアクションを明確にすることが重要です。対面営業とは異なるノウハウの確立や仕組み化が必要です。

Q4どのようなツールを導入すればよいですか?

A4MAツール(リード管理・育成、例:HubSpot、Marketo)、SFA/CRM(商談管理・顧客情報管理、例:Salesforce、Zoho CRM)、Web会議ツール(Zoom、Teams等)が基本セットです。高機能なツールを導入しても使いこなせなければ意味がないため、自社の業務規模・体制に合ったものを選んでください。

Q5インサイドセールス導入で期待できる効果は何ですか?

A5MAツールと連携してハウスリストの整理やスコアリングを行い、リードの優先順位をつけることで、有効商談率が2〜3倍に向上する企業もあります。また、インサイドセールスがリード創出・育成を担当することで、フィールドセールスは商談・クロージングに集中でき、営業活動全体の効率化が実現されます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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