インサイドセールスとは?役割・メリット・導入ステップを徹底解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/8

営業効率化のためにインサイドセールス導入を検討しているが、何から始めればいい?

「営業の生産性を上げたい」「リードを有効活用できていない」——そんな課題を抱え、インサイドセールスの導入を検討している企業は増えています。しかし、従来型の営業との違いや組織設計の方法が分からず、導入に踏み切れないケースも多いのではないでしょうか。

スマートキャンプの調査によると、SaaS企業の約98%がインサイドセールスを導入しているというデータがあり、B2B営業においてインサイドセールスは今や標準的な手法になりつつあります。この記事では、インサイドセールスの基礎知識から導入ステップ、成功のポイントまで実践的に解説します。

この記事のポイント:

  • インサイドセールスは非対面で行う営業活動で、リードナーチャリング(顧客育成)が主な役割
  • SDR(反響型)とBDR(新規開拓型)の2種類があり、目的によって使い分ける
  • フィールドセールスとの役割分担を明確にすることが成功の鍵
  • 導入形態は分業型・独立型・協業型の3パターン
  • 成功企業は商談数を4〜5件から14件以上に増加させた事例も

なぜ今インサイドセールスが注目されているのか

インサイドセールスが注目されている背景には、以下のような市場環境の変化があります。

市場環境の変化:

  • 顧客の情報収集行動がオンライン化(購買前にWebで比較検討)
  • 働き方改革による効率的な営業活動へのニーズ
  • デジタルツール(MA、CRM、Web会議)の普及
  • 顧客獲得コスト(CAC)削減への圧力

インサイドセールス導入の効果:

  • 1日の営業件数を3件から8件に増加
  • 商談数を4〜5件から14件以上に増加
  • 受注率2倍以上の成果達成
  • 有効商談率2.5倍の改善

これらの成功事例が示すように、インサイドセールスは営業効率の大幅な改善を実現できる手法として、多くのB2B企業で導入が進んでいます。

インサイドセールスの基礎知識:定義・役割・種類

(1) インサイドセールスとは何か

インサイドセールスとは、電話・メール・Web会議などを活用し、非対面で行う営業活動およびそのポジションを指します。

インサイドセールスの主な役割:

  • リード(見込み顧客)への初回アプローチ
  • リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
  • 顧客の検討段階・ニーズの把握
  • 商談機会の創出とフィールドセールスへの引き継ぎ

従来の営業は1人で初回アプローチからクロージングまで担当することが一般的でしたが、インサイドセールスを導入することで、営業プロセスを分業化し、各段階の専門性と効率を高めることができます。

(2) SDR(反響型)とBDR(新規開拓型)の違い

インサイドセールスには、大きく分けて2つの種類があります。

SDR(Sales Development Representative):

  • 役割: 問い合わせ顧客への初回アプローチ
  • 別名: 反響型、PULL型、インバウンド型
  • 対象: 資料請求・問い合わせなど能動的にコンタクトしてきた見込み客
  • 特徴: 顧客の関心が高い状態からスタート

BDR(Business Development Representative):

  • 役割: 接点のない潜在顧客へのアプローチ
  • 別名: 新規開拓型、PUSH型、アウトバウンド型
  • 対象: まだ接点がない企業・担当者
  • 特徴: ターゲットを絞り込んでプロアクティブにアプローチ

自社の課題やリード獲得状況に応じて、SDRとBDRのどちらを強化すべきか、あるいは両方を組み合わせるかを検討しましょう。

(3) テレアポとの違い:目的はナーチャリング

インサイドセールスとテレアポは混同されがちですが、目的が異なります。

項目 テレアポ インサイドセールス
目的 アポイント獲得 顧客育成(ナーチャリング)
重視する指標 架電件数・アポ数 商談の質・受注率
アプローチ 量重視(数をこなす) 質重視(検討段階を見極める)
顧客理解 限定的 深い顧客理解
リード活用 一度きり 継続的なフォロー

テレアポは「アポを取ること」がゴールですが、インサイドセールスは「顧客の検討段階を把握し、適切なタイミングで商談につなげること」がゴールです。架電件数だけを追求するとテレアポと同じになってしまうため、質を重視したアプローチが重要です。

フィールドセールスとの違いと連携のポイント

(1) 役割分担:商談獲得まで vs クロージング

インサイドセールスとフィールドセールスは、営業プロセスを分担することで効率を高めます。

インサイドセールスの担当範囲:

  • 初回アプローチ(電話・メール)
  • リードの課題・ニーズのヒアリング
  • 検討段階の把握とナーチャリング
  • 商談機会の創出とトスアップ

フィールドセールスの担当範囲:

  • 商談(対面・Web会議)
  • 提案・見積もり
  • クロージング(受注獲得)
  • 契約・導入支援

KPIの設定例:

ポジション 主なKPI
インサイドセールス 架電件数、着電率、商談獲得数、商談獲得率
フィールドセールス 商談数、受注率、受注金額、リードタイム

役割を明確に分けることで、それぞれが専門性を発揮し、営業プロセス全体の効率が向上します。

(2) 分業型・独立型・協業型の3つの導入形態

インサイドセールスの導入形態は、主に3つのパターンがあります。

分業型(最も一般的):

  • インサイドセールスがリード育成・商談獲得を担当
  • フィールドセールスがクロージングを担当
  • 役割分担が明確で、専門性を発揮しやすい

独立型:

  • インサイドセールスが初回アプローチからクロージングまで担当
  • 低単価商材・短期商談に適切
  • フィールドセールスへの引き継ぎが不要

協業型:

  • インサイドセールスとフィールドセールスが一緒に商談を進める
  • 複雑な商材・長期商談に適切
  • 情報共有がスムーズ

自社の商材・商談プロセスに応じて、最適な導入形態を選択しましょう。

(3) 連携を成功させるKPI設計

インサイドセールスとフィールドセールスの連携を成功させるには、KPI設計が重要です。

連携を阻害する問題:

  • 「渡したリードが活用されていない」
  • 「商談の質が低い」
  • 「連携のタイミングが合わない」

解決策としてのKPI設計:

  • 共有KPI: 受注金額、パイプライン金額(チーム全体の成果)
  • 引き継ぎ基準: トスアップ条件を明確化(BANT条件など)
  • フィードバック: フィールドセールスからインサイドセールスへの商談結果共有

両者が共通のゴールを持ち、定期的に情報共有することで、連携がスムーズになります。

インサイドセールス導入のステップと体制設計

(1) 体制設計と人材要件

インサイドセールス導入のステップ:

  1. 目的・役割の明確化: SDR/BDR、分業型/独立型などを決定
  2. 体制設計: 人員配置、組織上の位置づけを決定
  3. 人材採用・育成: 必要なスキル・経験を持つ人材を確保
  4. ツール導入: MA、CRM、SFA、CTIなどを整備
  5. 運用開始: トライアル運用から本格稼働へ

インサイドセールスに求められるスキル:

  • コミュニケーション能力(電話・メール)
  • ヒアリング力(課題・ニーズを引き出す)
  • 論理的思考力(検討段階を判断する)
  • ツール活用スキル(MA、CRM、SFA)
  • 粘り強さ(継続的なフォロー)

導入初期はノウハウがないとスムーズに運用できないため、経験者の採用や外部委託(アウトソーシング)も検討しましょう。

(2) ツール活用(MA、CRM、SFA、CTI)

インサイドセールスを効率化するには、適切なツール活用が不可欠です。

主なツールとその役割:

ツール 役割 活用例
MA(マーケティングオートメーション) リード育成・スコアリング メール配信、行動履歴追跡
CRM(顧客関係管理) 顧客情報の一元管理 接触履歴、商談記録
SFA(営業支援) 営業活動の可視化 パイプライン管理、予実管理
CTI(電話連携) 電話業務の効率化 通話記録、ワンクリック発信

ツール活用のポイント:

  • 顧客情報を一元管理し、部署間で共有
  • リードの行動履歴を可視化し、最適なタイミングでアプローチ
  • 活動履歴を蓄積し、ナレッジとして活用

(3) 成功事例に学ぶ:商談数・受注率向上の実績

インサイドセールス導入で成果を上げた企業の事例を紹介します。

成功事例(HubSpot、電通B2Bの調査より):

成果指標 導入前 導入後 改善率
1日の営業件数 3件 8件 約2.7倍
商談数 4〜5件/月 14件以上/月 約3倍
受注率 2倍以上
有効商談率 2.5倍

成功企業の共通点:

  • マニュアル・トークスクリプトを整備
  • 成功事例を蓄積・共有する仕組み
  • マーケティング・フィールドセールスとの密な連携
  • KPIを設定し、PDCAを回す体制

導入時の注意点と失敗を避けるポイント

(1) よくある失敗パターン

失敗パターン1: テレアポと同じ運用をしてしまう

  • 架電件数のみを追求
  • 顧客の検討段階を無視したアプローチ
  • 質より量を重視

対策: ナーチャリングを目的としたKPI設計、トークスクリプトの整備

失敗パターン2: 役割分担が不明確

  • インサイドセールスとフィールドセールスの境界が曖昧
  • トスアップ基準が不明確
  • 責任の押し付け合い

対策: 役割・責任範囲を明文化、トスアップ条件を数値で定義

失敗パターン3: ツールだけ導入して放置

  • MA、CRMを導入したが活用されていない
  • データ入力が徹底されていない
  • 運用ルールが整備されていない

対策: 運用ルールの策定、定着支援(トレーニング・フォロー)

(2) マーケティング・フィールドセールスとの連携不足への対策

連携不足が引き起こす問題:

  • リードの受け渡しでボトルネックが発生
  • マーケティングが獲得したリードが活用されない
  • フィールドセールスが商談の背景を理解していない

対策:

  • 定期ミーティング: 週次・月次でリード状況・商談結果を共有
  • 共通ツール: MA、CRM、SFAで情報を一元管理
  • 共通KPI: パイプライン金額など、チーム全体の成果指標を設定
  • フィードバック: 商談結果をインサイドセールスにフィードバック

部門間の壁を取り払い、「1つのチーム」として機能させることが成功の鍵です。

まとめ:成功するインサイドセールス組織の作り方

インサイドセールスは、営業効率の大幅な改善を実現できる手法として、多くのB2B企業で導入が進んでいます。成功するインサイドセールス組織を作るためのポイントをまとめます。

成功の鍵:

  1. 目的の明確化: SDR/BDR、分業型/独立型など、自社に合った形態を選択
  2. 役割分担: インサイドセールスとフィールドセールスの責任範囲を明確化
  3. KPI設計: 量だけでなく質を重視した指標を設定
  4. ツール活用: MA、CRM、SFAで情報を一元管理・共有
  5. 連携強化: マーケティング・フィールドセールスとの定期的な情報共有

次のアクション:

  • 自社の営業プロセスと課題を整理
  • SDR/BDR、分業型/独立型など導入形態を検討
  • 必要な人材・ツールを洗い出し
  • スモールスタートでトライアル運用を開始
  • 成果を測定しながら段階的に拡大

インサイドセールスは導入して終わりではなく、継続的な改善で効果を最大化します。まずは小規模でスタートし、ノウハウを蓄積しながら組織を拡大していくことをお勧めします。

よくある質問:

Q: インサイドセールスとテレアポの違いは何ですか? A: テレアポはアポイント獲得が目的で、架電件数を重視します。一方、インサイドセールスはリードナーチャリング(顧客育成)が目的で、顧客の検討段階を見極めてから商談につなげます。質を重視したアプローチが特徴です。

Q: インサイドセールスに必要なツールは何ですか? A: MA(マーケティングオートメーション)、CRM、SFA、CTI(電話連携)が代表的です。顧客情報を一元管理し、マーケティング・フィールドセールスと情報共有することで成果が向上します。

Q: インサイドセールスのKPIはどう設定すべきですか? A: 架電件数、着電率、商談数、商談獲得率が一般的です。フィールドセールスは受注率・受注金額をKPIとし、役割を明確に分けることが成功のポイントです。

Q: SDRとBDRの違いは何ですか? A: SDR(反響型)は問い合わせ顧客への対応を担当し、BDR(新規開拓型)は接点のない潜在顧客へのアプローチを担当します。自社のリード獲得状況に応じて使い分けます。

Q: インサイドセールスの導入にどのくらいの期間がかかりますか? A: 体制設計から運用開始まで3〜6ヶ月が一般的です。導入初期はノウハウがないとスムーズに運用できないため、経験者の採用や外部委託も検討しましょう。

よくある質問

Q1インサイドセールスとテレアポの違いは何ですか?

A1テレアポはアポイント獲得が目的で架電件数を重視します。インサイドセールスはリードナーチャリング(顧客育成)が目的で、顧客の検討段階を見極めてから商談につなげる質重視のアプローチです。

Q2インサイドセールスに必要なツールは何ですか?

A2MA(マーケティングオートメーション)、CRM、SFA、CTI(電話連携)が代表的です。顧客情報を一元管理し、部署間で共有することで成果が向上します。

Q3インサイドセールスのKPIはどう設定すべきですか?

A3架電件数、着電率、商談数、商談獲得率が一般的です。フィールドセールスは受注率・受注金額をKPIとし、役割を明確に分けることが成功のポイントです。

Q4SDRとBDRの違いは何ですか?

A4SDR(反響型)は問い合わせ顧客への対応を担当します。BDR(新規開拓型)は接点のない潜在顧客へのアプローチを担当。自社のリード獲得状況に応じて使い分けます。

Q5インサイドセールスの導入にどのくらいの期間がかかりますか?

A5体制設計から運用開始まで3〜6ヶ月が一般的です。導入初期はノウハウがないため、経験者の採用や外部委託も検討しましょう。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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