HubSpot無料版の始め方|登録手順と初期設定ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/6

HubSpot無料版を始めたいけれど、本当に無料で十分な機能が使えるの?

マーケティング活動を効率化したいと考えているB2B企業の多くが、MAツール導入のコストに悩んでいます。「まずは試してみたいけれど、初期費用が気になる」「無料版と有料版の違いが分からない」といった疑問は尽きません。

この記事では、HubSpot無料版でできること、アカウント登録から初期設定までの手順、有料版との違い、導入時の注意点を解説します。

この記事のポイント:

  • HubSpot無料版は最大100万件のコンタクト管理、月2,000通のメール配信が可能で、小規模企業には十分な機能がある
  • 永久無料で利用可能(クレジットカード登録不要)、アカウント作成から5分程度で利用開始できる
  • 無料版の制約は、ユーザー数5名まで、HubSpotロゴ表示、高度な自動化機能の制限など
  • 月間リード獲得数が100件以上、メール送信数が2,000通を超えると有料版への移行が推奨される
  • 有料プランは個別に選択可能(Marketing Hub、Sales Hub、Service Hubを必要に応じて追加)

1. HubSpot無料版とは?MAツールを無料で始められる理由

HubSpotは、世界的に利用されているCRM・MAツールで、無料版を提供することで多くの企業がマーケティング活動を効率化しています。

(1) HubSpotの概要とMA市場での位置づけ

HubSpotは、CRM(顧客関係管理)とMA(マーケティングオートメーション)を統合したプラットフォームです。営業活動の効率化(Sales Hub)、マーケティングキャンペーン管理(Marketing Hub)、カスタマーサービス(Service Hub)の3つの主要機能を提供しています。

日本国内のMA市場の動向(2024年):

  • MA市場規模(BtoB市場)は約612億円(2024年)で、2033年には約1,272億円まで拡大する見込み
  • 上場企業の9%がMA導入済み、導入率は約30%に達している
  • BtoC企業だけでなく、中小企業にも導入が拡大中

HubSpotは、この成長市場で世界的に高いシェアを持つツールの一つです。

(2) なぜ無料版を提供しているのか(ビジネスモデル)

HubSpotが無料版を提供する理由は、「フリーミアム」モデルを採用しているためです。

フリーミアムモデルの仕組み:

  • 基本機能を永久無料で提供し、多くの企業に利用してもらう
  • 企業が成長し、より高度な機能が必要になった段階で有料プランにアップグレード
  • 有料プランの収益で事業を継続・成長させる

無料版でも、基本的な顧客管理・メール配信・フォーム作成など、小規模企業が必要とする機能は十分に利用できます。HubSpotは「まず使ってみて、価値を実感してから有料版を検討してもらう」というアプローチを取っています。

2. HubSpot無料版でできること(機能と制約の全容)

HubSpot無料版は、基本的なマーケティング活動と顧客管理をカバーする機能が揃っています。

(1) 顧客管理機能(最大100万件のコンタクト、カスタムプロパティ10件)

HubSpot無料版では、最大100万件のコンタクト(顧客・見込み客の情報)を登録できます。

顧客管理の主要機能:

  • コンタクト情報の一元管理(名前、メールアドレス、電話番号、企業名など)
  • カスタムプロパティ10件まで(業種、従業員数、導入予定時期など、独自の項目を追加可能)
  • 動的リスト5件まで(条件に基づいて自動更新されるリスト)
  • 静的リスト25件まで(手動で管理する固定リスト)

例えば、「業種が製造業で、従業員数が100人以上の企業」といった条件で動的リストを作成し、ターゲットを絞ったメール配信が可能です。

(2) メール配信(月2,000通、HubSpotロゴ付き)

HubSpot無料版では、月2,000通までのメール配信が可能です。

メール配信の主要機能:

  • HTMLメールのテンプレート作成
  • パーソナライゼーション(受信者の名前や企業名を自動挿入)
  • 開封率・クリック率の分析
  • A/Bテスト(件名や本文を複数パターンで比較)

制約:

  • 月2,000通までの送信制限(リスト全体が2,000件を超える場合、全員に送れない)
  • HubSpotロゴがメールに自動的に表示される(ブランディングに影響する可能性がある)

月間リード数が100件未満の企業であれば、2,000通の制限でも十分なケースが多いです。

(3) フォーム作成とポップアップ機能

無料版では、Webサイトに設置するフォーム(問い合わせフォーム、資料請求フォームなど)を作成できます。

フォーム機能:

  • 標準フォーム・ポップアップフォームの作成
  • 入力項目のカスタマイズ(名前、メール、電話、業種など)
  • 送信後の自動メール(サンクスメール)設定
  • フォーム送信データを自動的にコンタクトとして登録

ポップアップ機能を使うと、サイト訪問者に資料ダウンロードやニュースレター登録を促すことができます。

(4) ミーティング予約とチャット機能

無料版では、ミーティング予約機能とチャット機能が利用できます。

ミーティング予約機能:

  • Googleカレンダー・Outlookと連携(1カレンダーまで)
  • 営業担当者の空き時間を自動的に表示
  • 見込み客が自分で都合の良い時間を選んで予約可能

チャット機能:

  • Webサイトにチャットウィジェットを設置
  • Facebook Messengerとの連携
  • リアルタイムでの顧客対応

これにより、営業担当者とのミーティング調整の手間が削減され、見込み客の離脱を防げます。

(5) 無料版の制約(ユーザー数5名まで、動的リスト5件、静的リスト25件)

HubSpot無料版には、以下の制約があります。

主要な制約:

  • ユーザー数: 最大5名まで(6名以上で利用する場合は有料版が必要)
  • 動的リスト: 5件まで(条件に基づいて自動更新されるリスト)
  • 静的リスト: 25件まで(手動で管理する固定リスト)
  • カスタムプロパティ: 10件まで(独自の項目)
  • HubSpotロゴ: メールやフォームに自動的に表示される(削除は有料版のみ)
  • カスタマーサポート: ナレッジベースとコミュニティーのみ(チャット・メール・電話サポートは有料版のみ)

小規模企業やスタートアップであれば、これらの制約内で十分な成果を上げられるケースが多いです。

3. アカウント登録から初期設定まで(5つのステップ)

HubSpot無料版のアカウント登録から初期設定までの手順を解説します。

(1) ステップ1:公式サイトからアカウント作成

HubSpot公式サイト(https://www.hubspot.jp/)にアクセスし、「無料で始める」ボタンをクリックします。

アカウント作成の手順:

  1. メールアドレスを入力
  2. パスワードを設定
  3. 企業名・業種・従業員数などの基本情報を入力

クレジットカード登録は不要で、数分でアカウント作成が完了します。

(2) ステップ2:基本情報の入力とプロフィール設定

アカウント作成後、プロフィール設定を行います。

プロフィール設定の内容:

  • 企業のロゴ・カラーテーマ設定
  • タイムゾーン・通貨設定(日本円、JST)
  • 通知設定(メール通知のオン/オフ)

これにより、HubSpot内の表示が自社のブランドに合ったデザインになります。

(3) ステップ3:コンタクト情報のインポート

既存の顧客リスト(Excel、CSVファイル)をインポートします。

インポート手順:

  1. HubSpotの「コンタクト」メニューから「インポート」を選択
  2. CSVファイルをアップロード
  3. ファイルの列(名前、メール、電話など)をHubSpotのプロパティにマッピング
  4. インポート実行

インポートにより、既存の顧客データをHubSpotで一元管理できるようになります。

(4) ステップ4:メール・フォーム設定

メールテンプレートとフォームを作成します。

メール設定:

  1. 「マーケティング」→「Eメール」からテンプレート作成
  2. 件名・本文・デザインを設定
  3. パーソナライゼーション({名前}、{企業名}など)を挿入

フォーム設定:

  1. 「マーケティング」→「フォーム」から新規作成
  2. 入力項目を追加(名前、メール、電話、業種など)
  3. 送信後のサンクスメール設定
  4. Webサイトに埋め込むコードを取得

フォームをWebサイトに設置することで、自動的にリード情報が収集されます。

(5) ステップ5:チームメンバーの招待と権限設定

チームメンバーをHubSpotに招待し、権限を設定します。

招待手順:

  1. 「設定」→「ユーザーとチーム」から「ユーザーを追加」
  2. メンバーのメールアドレスを入力
  3. 権限レベルを設定(管理者、営業担当者、閲覧のみなど)

無料版では最大5名まで招待できるため、マーケティング・営業・カスタマーサポートの担当者を含めることが可能です。

4. 無料版と有料版の違い(アップグレードのタイミング)

HubSpotには無料版と複数の有料プランがあり、企業の成長に応じて段階的にアップグレードできます。

(1) 機能面の違い(自動化・カスタマーサポート・HubSpotロゴ)

無料版と有料版の主な違いは以下の通りです。

無料版の機能:

  • 顧客管理(最大100万件)
  • 月2,000通のメール配信(HubSpotロゴ付き)
  • フォーム作成、ミーティング予約、チャット機能
  • 基本的なレポート機能

有料版の追加機能:

  • 高度な自動化機能: ワークフロー(リード育成の自動化)、リードスコアリング(見込み客の関心度を数値化)
  • カスタムレポート作成: 独自のKPIダッシュボード作成
  • HubSpotロゴの削除: メール・フォームからHubSpotロゴを削除可能
  • カスタマーサポート: チャット・メール・電話サポート
  • 高度なSEOツール: コンテンツ最適化、競合分析

有料版では、「マーケティング・営業活動の可視化と管理」だけでなく、「自動化と最大化」が実現できます。

(2) 有料プランの種類(Marketing Hub、Sales Hub、Service Hub)

HubSpotの有料プランは、機能群(Hub)ごとに個別に選択できます。

主要な有料プラン:

  • Marketing Hub: マーケティング活動の自動化(メールキャンペーン、ランディングページ作成、SEOツール)
  • Sales Hub: 営業活動の効率化(商談管理、パイプライン可視化、メール追跡)
  • Service Hub: カスタマーサポートの効率化(チケット管理、ナレッジベース、顧客フィードバック収集)
  • Content Hub: コンテンツ管理(Webサイト構築、ブログ管理)
  • Operations Hub: データ統合・自動化(他ツールとの連携、データクリーニング)

必要なHubだけを選択することで、コストを最適化できます。

(3) アップグレードすべきタイミング(リード獲得拡大、メール送信数不足、高度な自動化が必要)

以下のような状況になった場合、有料版へのアップグレードが推奨されます。

アップグレードのタイミング:

  • メール送信数が月2,000通を超える: より大規模なメールキャンペーンが必要
  • 月間リード獲得数が100件以上: リード育成の自動化(ワークフロー)が必要
  • ユーザー数が6名以上: チームが拡大し、より多くのメンバーでの利用が必要
  • 高度な自動化が必要: リードスコアリング、商談成約率の向上を目指したい
  • HubSpotロゴの削除: ブランディング上、自社ロゴのみを表示したい

通常、企業が成長し、月間リード獲得数が100件以上になった段階で、有料版への移行を検討するケースが多いです。

(4) 2024年3月の価格改定(シートベースモデル)

2024年3月5日から、HubSpotは新しいシートベースの価格モデルを導入しました。

新しい価格モデルの特徴:

  • ユーザー数(シート数)に応じて料金が変動
  • より柔軟な料金体系で、必要な機能だけを選択可能
  • 無料版は引き続き永久無料で利用可能

有料版への移行を検討する際は、公式サイト(https://www.hubspot.jp/pricing/crm)で最新の料金プランを確認することが推奨されます。

5. 実際の活用事例と導入時の注意点

HubSpot無料版は、小規模企業・スタートアップを中心に多くの企業が活用しています。

(1) 小規模企業・スタートアップの活用事例

活用事例1: B2B SaaS企業(従業員10名)

  • 月間リード獲得数: 50件
  • 無料版で顧客情報を一元管理し、月1回のニュースレター配信
  • フォーム経由でのリード獲得を自動化
  • 成果: リード管理の工数を50%削減、商談化率が20%向上

活用事例2: コンサルティング企業(従業員5名)

  • ミーティング予約機能を活用し、営業担当者の調整工数を削減
  • チャット機能でWebサイト訪問者とリアルタイム対話
  • 成果: ミーティング設定時間を70%削減、問い合わせ率が15%向上

これらの事例では、無料版でも十分な成果を上げています。

(2) 無料版で実現できるマーケティング施策の範囲

無料版で実現できる主なマーケティング施策は以下の通りです。

実現可能な施策:

  • 顧客情報の一元管理(スプレッドシートからの脱却)
  • 月1-2回のニュースレター配信(月2,000通以内)
  • Webサイトへのフォーム設置とリード獲得
  • 営業担当者とのミーティング予約の自動化
  • チャットでの問い合わせ対応

無料版では難しい施策:

  • 大規模なメールキャンペーン(月2,000通を超える配信)
  • リード育成の自動化(ステップメール、リードスコアリング)
  • 高度なパーソナライゼーション(行動履歴に基づくコンテンツ出し分け)
  • カスタムレポート作成(独自のKPIダッシュボード)

無料版は「マーケティング・営業活動の可視化と管理」には十分ですが、「自動化と最大化」には有料版が必要です。

(3) 導入時の注意点(HubSpotロゴ表示、メール送信数制限、サポートの制約)

HubSpot無料版を導入する際、以下の点に注意してください。

注意点:

  • HubSpotロゴ表示: メール・フォームにHubSpotロゴが自動的に表示されるため、ブランディングに影響する可能性がある
  • メール送信数制限: 月2,000通を超えると配信できないため、リスト全体が2,000件を超える場合は計画的な配信が必要
  • カスタマーサポート: ナレッジベースとコミュニティーのみで、チャット・メール・電話サポートは有料版のみ
  • 機能制限: 高度な自動化機能やカスタムレポート作成は利用できない

特にメール送信数の制限は、企業の成長に伴って早期に上限に達する可能性があるため、リード獲得計画と合わせて検討することが重要です。

6. まとめ:HubSpot無料版を始めるべき企業と次のアクション

HubSpot無料版は、永久無料で利用可能なCRM・MAツールで、小規模企業やスタートアップが基本的なマーケティング活動を効率化するには十分な機能があります。

HubSpot無料版が向いている企業:

  • 従業員5-20名の小規模企業・スタートアップ
  • MAツールを初めて導入する企業(まず試してみたい)
  • 月間リード獲得数50件以下、メール配信数2,000通以下の企業
  • 初期費用を抑えてCRM・MAツールを導入したい企業

導入判断のポイント:

  • 月間リード獲得数とメール配信数の見込み(2,000通以内に収まるか)
  • ユーザー数(5名以内か)
  • 必要な機能(基本的な顧客管理・メール配信で十分か、高度な自動化が必要か)

次のアクション:

  • HubSpot公式サイト(https://www.hubspot.jp/)で無料アカウントを作成する
  • 既存の顧客リストをインポートし、実際に操作してみる
  • フォームを作成し、Webサイトに設置する
  • メールテンプレートを作成し、ニュースレター配信を試す
  • 月間リード獲得数が増えたら、有料版へのアップグレードを検討する

HubSpot無料版は、クレジットカード登録不要で永久無料です。まずは実際に使ってみて、自社のマーケティング活動に合うかを確認してみましょう。

よくある質問

Q1HubSpot無料版と有料版の主な違いは何ですか?

A1無料版は最大5ユーザー、月2,000通のメール配信(HubSpotロゴ付き)、基本的な顧客管理が可能です。有料版では高度な自動化機能(ワークフロー、リードスコアリング)、カスタムレポート作成、チャット・メール・電話サポート、HubSpotロゴの削除が可能になります。無料版は「可視化と管理」、有料版は「自動化と最大化」が特徴です。

Q2無料版でどこまでマーケティング施策を実行できますか?

A2基本的な顧客管理、月2,000通のメール配信、フォーム作成、ミーティング予約、チャット機能は利用可能です。月1-2回のニュースレター配信やWebサイトへのフォーム設置によるリード獲得には十分ですが、大規模キャンペーンや高度な自動化(ステップメール、リードスコアリング)には制限があります。

Q3無料版から有料版にアップグレードするタイミングは?

A3メール送信数が月2,000通を超える、月間リード獲得数が100件以上になる、ユーザー数が6名以上必要になる、高度な自動化機能(ワークフロー、リードスコアリング)が必要になった時が推奨されます。通常、企業の成長に伴い月間リード獲得数が100件を超えた段階で有料版への移行を検討するケースが多いです。

Q4HubSpot無料版の利用に期限はありますか?

A4永久無料で利用可能です。クレジットカード登録も不要で、いつでも有料プランにアップグレードできますが、強制的に有料化されることはありません。期限や使用制限(試用期間など)もないため、安心して長期利用できます。

Q5どのような企業にHubSpot無料版が適していますか?

A5従業員5-20名の小規模企業・スタートアップ、MAツールを初めて導入する企業が最適です。月間リード獲得数50件以下、メール配信数2,000通以下の企業であれば、無料版で十分な成果が期待できます。初期費用を抑えてCRM・MAツールを導入したい企業にも適しています。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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