メルマガ配信の始め方|B2B企業のメールマーケティング実践ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/16

メルマガを始めたいけれど、何から手をつければいいか分からない...

B2B企業のマーケティング担当者の中には、「メルマガ配信を始めたいが、ツールの選び方が分からない」「開封率が低くて効果が出ない」「そもそも今どきメルマガは効果があるのか」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

2024年の調査では、メルマガは依然として有効なマーケティング手法であり、LINEよりも購買に直結しやすいという結果も報告されています。メルマガ担当者への調査でも、直接的なコミュニケーションとコスト効率がトップのメリットとして挙げられています。

この記事では、メルマガ配信の基礎から、ツール選定、効果測定まで、B2B企業がメールマーケティングを実践するための具体的な手法を解説します。

この記事のポイント:

  • BCC送信は個人情報漏洩リスクがあり、専用の配信システムを使用することが推奨される
  • 平均開封率は約20%だが、業界や顧客との関係性により10-30%の幅がある
  • HTML形式とテキスト形式は用途に応じて使い分ける
  • 開封率向上には、簡潔で具体的な件名と配信タイミングの最適化が効果的
  • 到達率・開封率・クリック率・コンバージョン率をKPIとしてPDCAサイクルで改善する

1. B2B企業がメルマガ配信を行う意義

メルマガ(メールマガジン)は、企業が複数の受信者に対して定期的に情報を一斉配信するメールです。B2B企業がメルマガ配信を行う主な理由は、リードナーチャリングと顧客エンゲージメントの向上にあります。

メルマガ配信のメリット:

  • 直接的なコミュニケーション: 顧客のメールボックスに直接届くため、SNSのアルゴリズムに左右されない
  • コスト効率: 広告費用をかけずに既存のリード・顧客にアプローチできる
  • 関係性の構築: 定期的な情報提供で顧客との接点を維持できる
  • 行動追跡: 開封率やクリック率を計測し、顧客の関心度を把握できる

2024年のメールマーケティング担当者721名への調査では、直接的なコミュニケーション(44.6%)とコスト効率(42.7%)がトップのメリットとして挙げられています。「メルマガは時代遅れ」という声もありますが、依然として有効なマーケティング手法として活用されています。

B2B企業では特に、リードナーチャリング(見込み顧客の育成)において重要な役割を果たします。展示会やセミナーで獲得したリードに対して、段階的に情報を提供することで、商談につなげていくことが可能です。

2. メルマガ配信の基礎知識

メルマガ配信を始める前に、基本的な知識を押さえておきましょう。

(1) メルマガの種類:定期配信・ステップメール・セグメント配信

メルマガには、目的に応じた様々な配信方法があります。

定期配信(ニュースレター):

  • 週1回や月1回など、定期的に全体に配信するメール
  • 新着情報、ブログ更新、イベント告知などを配信
  • 顧客との継続的な接点を維持する目的

ステップメール:

  • ユーザーの登録日や特定の行動を起点に、段階的に自動配信されるメール
  • 例: 資料ダウンロード後、1日後→3日後→7日後と自動で配信
  • リードナーチャリングや顧客教育に効果的

セグメント配信:

  • 顧客属性(業種・企業規模・役職など)や行動履歴に基づいて配信対象を絞り込む
  • 関心度の高い層に絞って配信することで、開封率・クリック率を向上
  • MAツール(マーケティングオートメーション)との連携で実現しやすい

B2B企業では、リード獲得時に業種や企業規模などの属性情報を取得しておくと、セグメント配信の精度を高められます。

(2) HTML形式とテキスト形式の違いと使い分け

メルマガには、HTML形式とテキスト形式の2種類があります。

HTML形式:

  • 画像や装飾を含むデザイン性の高いメール
  • 視覚的なインパクトでクリック率を高めやすい
  • 開封率を計測できる(ピクセルタグによる計測)
  • 2024年調査では、上位50社のEC企業の61.5%がHTML形式のみで配信

テキスト形式:

  • 文字のみのシンプルなメール
  • 個人からのメールのような印象を与えやすい
  • 容量が小さく、表示崩れが起きにくい
  • 開封率の計測が難しい(ピクセルタグが使えないため)

使い分けの目安:

  • 商品・サービス紹介、キャンペーン告知: HTML形式が効果的
  • 個別フォロー、経営者メッセージ: テキスト形式が効果的
  • 両方に対応する「マルチパート配信」を採用するケースも一般的

3. メルマガ配信ツールの選び方

メルマガ配信には、専用の配信ツール(メルマガスタンド、メール配信システム)を使用することが推奨されます。

BCCでの一斉送信を避けるべき理由:

  • TO/CCで誤送信した場合、全受信者のメールアドレスが公開され、個人情報漏洩につながる
  • 配信数が多いとスパムフィルターに引っかかりやすい
  • 開封率やクリック率の計測ができない
  • 配信停止の管理が煩雑になる

(1) 必要な機能:リスト管理・HTMLエディタ・配信スケジューリング

メルマガ配信ツールを選ぶ際に確認すべき主な機能は以下の通りです。

基本機能:

  • リスト管理: 配信先のメールアドレスを管理し、登録・削除・セグメント分けが可能
  • HTMLエディタ: コーディング不要でHTMLメールを作成できるエディタ
  • 配信スケジューリング: 指定した日時に自動配信する機能
  • 配信停止対応: ワンクリックで配信停止できるリンクの自動挿入

計測・分析機能:

  • 開封率・クリック率・コンバージョン率の計測
  • A/Bテスト機能(件名や配信時間の比較検証)
  • レポート・ダッシュボード

連携機能:

  • CRM/SFAとの連携(顧客情報の同期)
  • MAツールとの連携(自動配信シナリオの構築)
  • Google Analyticsとの連携(Webサイト上の行動追跡)

(2) 無料ツールと有料ツールの比較

メルマガ配信ツールには、無料プランと有料プランがあります。

無料ツールの特徴:

  • 配信数や登録リスト数に制限がある(月数百〜数千通程度)
  • 一部機能が制限されている(セグメント配信、A/Bテストなど)
  • 少量配信でまずは試したい場合に適している
  • 例: 一部サービスでは無料プランで月1,000通程度まで配信可能

有料ツールの特徴:

  • 月額2,000〜5,000円程度から利用可能
  • セグメント配信、ステップメール、詳細な効果測定機能が充実
  • サポート体制が充実しているケースが多い
  • 配信数や登録リスト数の上限が大きい、または従量課金制

選定のポイント:

  • まずは無料プランで機能を試し、本格運用時に有料プランへ移行する流れが一般的
  • 企業規模や配信頻度に合わせて、コストパフォーマンスを比較する
  • ツールの公式サイトで最新の料金・機能を確認する(変更される可能性があるため)

4. 効果を高めるコンテンツ作成と配信設計

ツールを導入したら、効果的なメルマガを作成・配信するための実践ノウハウを押さえましょう。

(1) 開封率を上げる件名の書き方

開封率に最も影響するのが「件名(タイトル)」です。受信トレイで目に留まり、開封したくなる件名を作成することが重要です。

効果的な件名のポイント:

  • 簡潔さ: 20〜30文字程度に収める(スマートフォンで表示が切れないように)
  • 具体性: 何が得られるか明確に伝える(「マーケティング情報」より「開封率を2倍にする5つの方法」)
  • 希少性・限定性: 「先着100名」「期間限定」などのキーワードで興味を引く
  • パーソナライズ: 受信者の名前や会社名を差し込む(ツールの機能で対応可能)

避けるべき件名:

  • スパムフィルターに引っかかりやすいキーワード(「無料」「今すぐ」「お得」の乱用)
  • 内容と一致しない誇大な表現
  • 記号や絵文字の過度な使用

(2) 配信タイミングの最適化と頻度の調整

配信のタイミングと頻度も、開封率・クリック率に影響します。

B2Bメルマガに適した配信タイミング:

  • 曜日: 火曜〜木曜が開封率が高い傾向があると言われている
  • 時間帯: 出勤後(9:00〜10:00)やランチ後(13:00〜14:00)が効果的とされている
  • ただし、業界や配信内容によって最適な時間は異なるため、A/Bテストで検証することを推奨

配信頻度の目安:

  • 週1回程度が一般的(頻度が高すぎると解除率が上がる)
  • 月1回未満だと顧客との接点が薄れやすい
  • セグメントごとに頻度を変える(関心度の高い層には多め、低い層には控えめ)

注意点:

  • 配信頻度が高すぎると、迷惑メールとして報告されるリスクがある
  • 配信停止が増えた場合は、頻度や内容を見直す

5. 効果測定とKPIの改善

メルマガ配信は「送って終わり」ではなく、効果測定と改善を繰り返すことが重要です。

(1) 到達率・開封率・クリック率・コンバージョン率の計測

メルマガの効果を測定する主なKPIは以下の4つです。

到達率:

  • 配信したメールのうち、受信者のメールサーバーに届いた割合
  • 計算式: 到達数 ÷ 配信数 × 100%
  • 目安: 95%以上が理想(低い場合はリストのクリーニングが必要)

開封率:

  • 到達したメールのうち、開封されたメールの割合
  • 計算式: 開封数 ÷ 到達数 × 100%
  • 目安: 約20%が平均(業界や顧客との関係性により10〜30%の幅がある)

クリック率:

  • 配信したメールのうち、本文内のリンクがクリックされた割合
  • 計算式: クリック数 ÷ 配信数 × 100%
  • 目安: 2〜5%程度が一般的

コンバージョン率:

  • クリック後に目標アクション(資料ダウンロード、問い合わせなど)に至った割合
  • 最終的なメルマガの成果を示す指標

(2) PDCAサイクルによる継続的な改善

メルマガの効果を高めるには、PDCAサイクル(Plan→Do→Check→Act)で継続的に改善することが重要です。

Plan(計画):

  • 配信目的とKPIを設定する
  • ターゲットセグメントを決定する
  • 件名、本文、配信日時を設計する

Do(実行):

  • 設計に基づいてメルマガを作成・配信する
  • 可能であればA/Bテストを実施する

Check(確認):

  • 到達率、開封率、クリック率、コンバージョン率を計測する
  • 過去の配信結果と比較する
  • A/Bテストの結果を分析する

Act(改善):

  • 数値が低い要因を特定し、改善策を検討する
  • 効果が高かった施策を次回以降に展開する
  • リストのクリーニング(配信停止者の除去、無効アドレスの削除)を実施する

6. まとめ:メルマガ配信で成果を出すためのポイント

メルマガ配信は、B2B企業にとって有効なマーケティング手法です。専用の配信ツールを使用し、開封率を高める件名の工夫、適切な配信タイミングの設計、効果測定に基づく改善を継続することで、成果を出すことができます。

次のアクション:

  • 配信目的を明確にする(リードナーチャリング、顧客エンゲージメント向上など)
  • 無料プランで配信ツールを試し、自社に合ったものを選定する
  • 件名と配信タイミングのA/Bテストを実施し、最適解を見つける
  • 月次で到達率・開封率・クリック率を確認し、改善を続ける

法規制(特定電子メール法など)に基づくオプトイン取得、配信停止対応も忘れずに行いましょう。

よくある質問:

Q: メルマガの平均開封率はどのくらいですか? A: 約20%が平均と言われています。ただし、業界や顧客との関係性により10〜30%の幅があります。2024年の調査では、メルマガはLINEよりも購買に直結しやすいという結果も報告されており、依然として有効なマーケティング手法です。

Q: BCCで一斉送信してはいけない理由は? A: TO/CCで誤送信した場合、全受信者のメールアドレスが公開され、個人情報漏洩につながるリスクがあります。また、配信数が多いとスパムフィルターに引っかかりやすく、開封率やクリック率の計測もできません。専用の配信システムを使用することが推奨されます。

Q: 無料のメルマガ配信ツールでも十分ですか? A: 無料ツールは配信数や登録リスト数に制限があり、一部機能(セグメント配信、A/Bテストなど)が制限されていることが多いです。少量配信で試す場合には適していますが、本格運用する場合は月額2,000〜5,000円程度から利用できる有料プランへの移行を検討することをお勧めします。

よくある質問

Q1メルマガの平均開封率はどのくらいですか?

A1約20%が平均と言われています。ただし、業界や顧客との関係性により10〜30%の幅があります。2024年の調査では、メルマガはLINEよりも購買に直結しやすいという結果も報告されており、依然として有効なマーケティング手法です。

Q2BCCで一斉送信してはいけない理由は?

A2TO/CCで誤送信した場合、全受信者のメールアドレスが公開され、個人情報漏洩につながるリスクがあります。また、配信数が多いとスパムフィルターに引っかかりやすく、開封率やクリック率の計測もできません。専用の配信システムを使用することが推奨されます。

Q3無料のメルマガ配信ツールでも十分ですか?

A3無料ツールは配信数や登録リスト数に制限があり、一部機能が制限されていることが多いです。少量配信で試す場合には適していますが、本格運用する場合は月額2,000〜5,000円程度から利用できる有料プランへの移行を検討することをお勧めします。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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