ECサイト向けCRMの選び方|顧客管理で売上を伸ばす方法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/15

ECサイトの売上を伸ばしたいけれど、顧客管理がうまくできていない…

EC事業者やEC運営担当者の多くが、「新規顧客獲得に注力しているが、リピート率が低い」「顧客情報が散在していて管理できていない」という課題を抱えています。

新規顧客獲得には広告費がかかりますが、既存顧客のリピート購入は低コストで売上を伸ばせる重要な施策です。しかし、効果的な顧客管理ができていないと、せっかく獲得した顧客が一度きりの購入で離脱してしまいます。

この記事では、ECサイト向けCRMの基本から、主要機能、ツールの選び方、導入メリット、コスト・注意点まで、ECサイトの顧客管理で売上を伸ばす方法を解説します。

この記事のポイント:

  • EC CRMは顧客情報を一元管理し、セグメント分析、マルチチャネル配信、会員ランク管理、効果測定などを提供
  • 既存顧客のリピート率向上とファン化が不可欠で、パーソナライズドコミュニケーションでLTVを最大化
  • 2024年に87のCRMサービスが確認され、市場が拡大・多様化
  • 業務効率化、データに基づくマーケティング施策、「なんとなく」からの脱却が主なメリット
  • ツール導入だけでは効果が出ず、データに基づく施策実行とノウハウ習得が必須

1. ECサイトにCRMが必要な理由

まず、なぜECサイトにCRMが必要なのかを理解しましょう。

(1) EC CRM(eコマース顧客管理)とは何か

EC CRM(eコマース顧客管理)とは、ECサイトにおける顧客情報を管理し、関係性を強化するシステムです。

EC CRMの役割:

  • 顧客情報の一元管理: 年齢、住所、購入履歴、決済情報などを統合管理
  • 顧客の見える化: 瞬時に情報を取り出せるようにし、顧客の状態を可視化
  • 関係性の強化: 顧客一人ひとりに最適化されたコミュニケーションで、リピート率向上とファン化を実現

一般的なCRMとの違い:

  • EC特化の機能: 購買履歴分析、カート放棄対策、会員ランク管理など、EC特有の施策に対応
  • ECプラットフォーム連携: Shopify、EC-CUBE、BASE、楽天市場などとのシームレスな連携
  • リピート購入重視: 新規顧客獲得よりも既存顧客のLTV(顧客生涯価値)最大化に注力

(2) 既存顧客のリピート率向上とファン化の重要性

ECサイトの売上を伸ばすには、新規顧客獲得だけでなく、既存顧客のリピート率向上とファン化が不可欠です。

新規顧客獲得 vs リピート購入のコスト比較:

  • 新規顧客獲得コスト: 広告費、SEO対策費など高額
  • リピート購入促進コスト: メール配信、クーポン発行など低コスト
  • 一般的に、既存顧客への販促は新規顧客の1/5のコストで済むと言われている

リピート率向上の重要性:

  • 一度購入した顧客が再度購入する割合を高めることで、安定的な売上を確保
  • ファン化(ロイヤルカスタマー化)により、口コミやSNSでの自発的な拡散も期待

顧客一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズドコミュニケーション:

  • 一斉配信メールではなく、顧客の購買履歴や行動履歴に基づいた最適なメッセージを送信
  • 例: 「化粧品Aを購入した顧客には、同じシリーズのBを紹介」「カート放棄した顧客にリマインドメール」

パーソナライズドコミュニケーションが2024年のEC業界で重視される傾向にあります。

(3) 2024年のEC市場動向(売上の21.2%)

2024年、世界のEコマース売上が小売売上高の21.2%を占める見込みです。

EC市場の拡大:

  • オンライン購入が一般化し、ECサイトの競争が激化
  • 新規顧客獲得コストが年々上昇
  • 既存顧客のリピート率向上が、競争力の源泉に

2024年のEC業界CRMカオスマップ:

  • 87のCRMサービスが確認され、市場の拡大と多様化が顕著
  • EC特化のCRMツールが増加し、選択肢が豊富に

コンポーザブルコマース統合:

  • 必要な機能を組み合わせて最適なECシステムを構築するアプローチが普及
  • CRMから支払い・配送プロバイダーまで最適なシステムを選択可能に

このような市場動向の中、CRMを活用した既存顧客のリピート率向上が、ECサイトの成長戦略として重要性を増しています。

2. EC CRMの主要機能と活用シーン

EC CRMの主要機能と、具体的な活用シーンを見ていきましょう。

(1) 顧客データ管理と一元化

EC CRMの基本機能は、顧客情報の一元管理です。

管理できる情報:

  • 基本情報: 氏名、年齢、性別、住所、電話番号、メールアドレス
  • 購買情報: 購入履歴、購入金額、購入頻度、最終購買日
  • 決済情報: 決済方法、クレジットカード情報(セキュアに管理)
  • 行動情報: サイト訪問履歴、閲覧ページ、カート放棄履歴
  • コミュニケーション履歴: メール開封・クリック、問い合わせ履歴

一元管理のメリット:

  • 散在していた情報(Excel、メモ、各種ツール)を統合し、業務効率化
  • 瞬時に顧客情報を取り出せるようにし、対応スピード向上
  • 部門間(マーケティング、営業、カスタマーサポート)での情報共有

(2) セグメント分析と顧客抽出(RFM分析・LTV分析・ファネル分析)

セグメント分析は、顧客を属性や行動履歴に基づいて分類し、各セグメントに最適化されたメッセージを送信する手法です。

主な分析手法:

RFM分析:

  • Recency(最終購買日): 最近購入した顧客ほど、リピート購入の可能性が高い
  • Frequency(購買頻度): 頻繁に購入する顧客ほど、ロイヤルティが高い
  • Monetary(購買金額): 高額購入者ほど、LTVが高い
  • 例: 「最近購入していない優良顧客(R低・F高・M高)」を抽出し、リテンション施策を実施

LTV分析:

  • 顧客が生涯を通じて企業にもたらす利益の総額を分析
  • LTVの高い顧客セグメントを特定し、重点的にアプローチ

ファネル分析:

  • 顧客の購買プロセスを段階的に分析し、離脱ポイントを特定
  • 例: 「カート追加 → カート放棄」の離脱率が高い場合、カート放棄対策を強化

活用シーン:

  • 「購入頻度が高く、LTVも高い顧客」にVIP向け限定商品を案内
  • 「最近購入していないが、過去には頻繁に購入していた顧客」に復帰促進クーポンを配信

(3) マルチチャネル配信(メール・LINE・SMS・Webポップアップ)

マルチチャネル配信は、複数のチャネルでメッセージを配信し、顧客との接点を最大化する機能です。

主な配信チャネル:

  • メール: 最も一般的な配信手段。長文コンテンツ、詳細な商品紹介に適する
  • LINE: 開封率が高い(メールの3〜5倍)。タイムリーな情報配信に適する
  • SMS: 確実に届く(開封率95%以上)。重要な通知(発送完了、クーポン期限など)に適する
  • Webポップアップ: サイト訪問時にリアルタイムで表示。クーポン配布、新商品案内に適する

配信の最適化:

  • 顧客の好みに応じてチャネルを使い分け(LINEを好む顧客にはLINEで配信)
  • タイミングを最適化(過去のデータから開封率の高い時間帯を特定)

活用シーン:

  • 「カート放棄した顧客」にメールでリマインド → 未開封の場合、3日後にLINEで再通知
  • 「誕生日の顧客」にSMSでバースデークーポンを配信

(4) 会員ランク管理と差別化施策

会員ランク管理は、購入履歴に基づいて顧客をランク付けし、ランク別に施策を実施する管理手法です。

会員ランクの設定例:

  • ブロンズ: 累計購入金額1万円未満
  • シルバー: 累計購入金額1〜5万円
  • ゴールド: 累計購入金額5〜10万円
  • プラチナ: 累計購入金額10万円以上

ランク別の差別化施策:

  • ブロンズ: 定期的な商品紹介メール
  • シルバー: 会員限定セール案内
  • ゴールド: 送料無料、ポイント2倍
  • プラチナ: VIP限定商品、専任サポート

活用シーン:

  • 上位ランクの顧客には特別感を与え、ロイヤルティ向上
  • 下位ランクの顧客には、ランクアップの incentive を提示し、購買意欲を高める

(5) 効果測定(開封率・クリック率・クーポン利用率)

CRMツールは、施策の効果を細かく測定できます。

測定できる指標:

  • メール開封率: メールが開封された割合(EC業界平均: 15〜25%)
  • クリック率: メール内のリンクがクリックされた割合(EC業界平均: 2〜5%)
  • コンバージョン率: クリック後に購入に至った割合
  • クーポン利用率: 配布したクーポンが利用された割合
  • 売上の動き: 施策実施前後の売上変化

効果測定の活用:

  • データに基づく意思決定で「なんとなく」から脱却
  • 効果の高い施策を特定し、予算を集中
  • A/Bテスト(件名、配信時間、クーポン額などを比較)で最適化

活用シーン:

  • 「メールAの開封率が低い」→ 件名を変更してA/Bテスト
  • 「クーポンBの利用率が高い」→ 次回も同じ設定で配信

3. EC向けCRMツールの選び方と比較ポイント

EC向けCRMツールの選び方と、主要ツールの比較ポイントを解説します。

(1) 2024年CRMサービスカオスマップ(87サービス)

2024年のEC業界CRMサービスカオスマップで87サービスが確認されており、市場の拡大と多様化が顕著です。

市場の特徴:

  • EC特化のCRMツールが増加
  • 機能の多様化(基本的な顧客管理から、AI活用の高度な分析まで)
  • 価格帯も幅広い(無料プランから、月額数十万円まで)

選択肢が多いメリット・デメリット:

  • メリット: 自社の要件に最適なツールを選べる
  • デメリット: 比較検討に時間がかかる、選定ミスのリスク

(2) 主要ツールの比較(うちでのこづち・カスタマーリングス・ecbeing等)

実績豊富な主要ツールを公平に比較します。

うちでのこづち:

  • 導入実績: 800社以上(業界トップクラス)
  • 特徴: EC・通販特化、シナリオ配信、セグメント分析が強み
  • 適した企業: 中堅〜大手EC事業者、通販企業

カスタマーリングス:

  • 導入実績: 700社以上
  • 特徴: データ分析が強み、マーケティングオートメーション機能も充実
  • 適した企業: データドリブンな施策を重視する企業

ecbeing:

  • 導入実績: EC業界実績No.1
  • 特徴: ECプラットフォームとCRMが一体化、リピーター獲得施策に強み
  • 適した企業: 大規模ECサイト、総合的なECシステムを求める企業

その他の主要ツール:

  • Salesforce Marketing Cloud(グローバル展開、高機能)
  • HubSpot(中小企業向け、無料プランあり)
  • Zoho CRM(コストパフォーマンス重視)

※上記は例示であり、自社の規模・予算・要件に応じて比較検討が推奨されます。

(3) ECプラットフォーム(Shopify・EC-CUBE)との連携性

CRMツール選定時は、自社が使用しているECプラットフォームとの連携性が重要です。

主なECプラットフォーム:

  • Shopify: 世界最大級のECプラットフォーム、豊富なアプリ連携
  • EC-CUBE: 国産オープンソース、カスタマイズ性が高い
  • BASE: 小規模EC向け、初期費用0円
  • 楽天市場・Yahoo!ショッピング: モール型EC

連携性の確認ポイント:

  • APIまたは標準連携機能があるか
  • データ同期の頻度(リアルタイム、1日1回など)
  • 連携にかかる追加コスト

活用シーン:

  • Shopify + HubSpot: 中小企業向け、低コストで導入可能
  • EC-CUBE + うちでのこづち: 中堅企業向け、EC特化の高度な施策が可能

(4) B2B ECとB2C ECの違い

B2B ECとB2C ECでは、CRMに求められる機能が異なります。

B2C EC(消費者向け):

  • 顧客数: 多い(数千〜数万人)
  • 購買サイクル: 短い(衝動買いあり)
  • 重視する機能: セグメント配信、リピート購入促進、会員ランク管理
  • 施策例: クーポン配信、ポイントキャンペーン、新商品紹介

B2B EC(企業向け):

  • 顧客数: 少ない(数十〜数百社)
  • 購買サイクル: 長い(稟議・承認プロセスあり)
  • 重視する機能: 取引履歴管理、見積管理、複数担当者対応
  • 施策例: 定期発注サポート、大口取引割引、専任サポート

自社がB2B ECかB2C ECかによって、CRMツールの選定基準が変わります。

4. CRM導入のメリットと効果測定

CRM導入により得られる具体的なメリットを見ていきましょう。

(1) 顧客情報の一元管理で業務効率化とコスト削減

CRM導入の最も基本的なメリットは、顧客情報の一元管理による業務効率化です。

導入前の課題:

  • 顧客情報が散在(Excel、メモ、各種ツール、紙の顧客カードなど)
  • 必要な情報を探すのに時間がかかる
  • データの重複・不整合が発生
  • 部門間での情報共有が困難

導入後の改善:

  • 顧客情報が一箇所に集約され、瞬時にアクセス可能
  • データ検索・抽出の工数削減(月10〜20時間削減の事例あり)
  • データ入力の自動化(フォームからの情報が自動登録)
  • 部門間での情報共有がスムーズに

(2) パーソナライズドコミュニケーションでリピート率向上

CRMを活用したパーソナライズドコミュニケーションで、リピート率を向上できます。

一斉配信との違い:

  • 一斉配信: すべての顧客に同じメッセージ → 開封率・クリック率が低い
  • パーソナライズド配信: 顧客の属性・購買履歴に基づいた最適なメッセージ → 開封率・クリック率が高い

具体的な施策:

  • 「商品Aを購入した顧客」に「商品Aと相性の良いBをおすすめ」
  • 「最近購入していない優良顧客」に「お久しぶりですクーポン」
  • 「誕生日の顧客」に「バースデークーポン」

効果の目安:

  • リピート率: 10〜20%向上(導入企業の事例)
  • メール開封率: 2〜3倍向上(パーソナライズド vs 一斉配信)

(3) データに基づく意思決定で「なんとなく」から脱却

CRMツールは、データに基づく意思決定を可能にします。

「なんとなく」の意思決定の問題:

  • 勘や経験に頼り、効果検証ができない
  • 失敗しても原因が特定できない
  • 成功パターンを再現できない

データに基づく意思決定:

  • 施策ごとの効果を数値で測定(開封率、クリック率、売上など)
  • A/Bテストで最適な施策を特定
  • 成功パターンを横展開

活用例:

  • 「メールAの開封率15%、メールBの開封率25%」→ Bの件名パターンを採用
  • 「クーポン10%offは利用率20%、クーポン500円offは利用率30%」→ 500円off を主力施策に

(4) 導入実績(うちでのこづち800社以上・カスタマーリングス700社以上)

主要CRMツールの導入実績を見ると、多くの企業が効果を実感していることがわかります。

うちでのこづち: 800社以上

  • EC・通販業界で幅広く利用
  • リピート率向上、LTV最大化の実績多数

カスタマーリングス: 700社以上

  • データ分析に強みを持ち、マーケティング施策の最適化に貢献

ecbeing: EC業界実績No.1

  • 大規模ECサイトでの導入が多い

※導入実績は企業規模・商材・運用体制により結果が異なるため、自社の状況に応じた試算が必要です。

5. 導入時のコスト・準備と注意点

CRM導入時のコスト、準備、注意点について解説します。

(1) 導入・運用コストの目安

CRMツールの導入・運用コストは、ツールの種類や企業規模により大きく変動します。

コストの構成:

  • 初期費用: システム設定、データ移行、カスタマイズなど(0円〜数十万円)
  • 月額費用: ツール利用料、サポート費用など(数万円〜数十万円)
  • 運用コスト: 担当者の人件費、コンテンツ作成費用など

費用対効果の検証が必須:

  • CRM導入により増加する売上(リピート率向上、LTV増加)
  • CRM導入により削減されるコスト(業務効率化、人件費削減)
  • ROI(投資対効果)を試算し、導入判断

コスト削減のポイント:

  • 無料プランや低コストプランから開始し、効果を確認してから本格導入
  • 過度なカスタマイズを避け、標準機能を活用
  • 段階的に機能を拡大(最初はメール配信のみ、次にセグメント分析追加など)

(2) 効果的な活用に必要な顧客データ蓄積期間

CRMツールを効果的に活用するには、一定期間の顧客データ蓄積が必要です。

データ蓄積が必要な理由:

  • セグメント分析やRFM分析には、購買履歴のデータが必要
  • LTV分析には、長期間の購買データが必要
  • A/Bテストには、統計的に意味のあるサンプル数が必要

蓄積期間の目安:

  • 最低3ヶ月〜6ヶ月のデータ蓄積が推奨
  • 理想的には1年以上のデータがあると、季節変動も含めた分析が可能

導入初期の活用方法:

  • まずは基本的な顧客情報の一元管理から開始
  • データが蓄積されるまでは、シンプルな施策(一斉配信、クーポン配布など)を実施
  • データが蓄積されたら、セグメント配信、RFM分析などの高度な施策に移行

(3) データ分析や施策実行のノウハウ習得

CRMツールを使いこなすには、データ分析や施策実行のノウハウ習得が必要です。

必要なスキル:

  • CRMツールの操作方法(設定、セグメント作成、メール配信など)
  • データ分析スキル(RFM分析、LTV分析、効果測定など)
  • マーケティング知識(顧客セグメンテーション、パーソナライゼーションなど)
  • ライティングスキル(メール件名、本文作成)

ノウハウ習得の方法:

  • CRMツールベンダーの公式トレーニングを活用
  • 公式ドキュメント・ヘルプセンターを熟読
  • ユーザーコミュニティに参加し、事例を学ぶ
  • 外部セミナー・勉強会に参加

運用体制の構築:

  • 専任担当者を配置(中堅企業以上は推奨)
  • 小規模企業では兼任でも可能だが、一定の時間確保が必要
  • 導入初期はベンダーのサポートを積極的に活用

(4) ツール導入だけでは効果が出ない点

重要な注意点として、ツール導入だけでは効果が出ず、データに基づく施策実行が必須です。

よくある失敗:

  • CRMツールを導入しただけで満足し、施策を実行しない
  • データ分析をせず、一斉配信メールのみ継続
  • 効果測定をしないため、改善サイクルが回らない

成功のポイント:

  • CRMツールは「手段」であり、「目的」はリピート率向上・LTV最大化
  • データに基づく施策を継続的に実行
  • 効果測定 → 改善仮説の立案 → 施策実行 → 効果測定のPDCAサイクルを回す

推奨される運用フロー:

  1. 顧客データの蓄積・整備
  2. セグメント分析(RFM分析、LTV分析など)
  3. セグメント別の施策設計
  4. 施策実行(メール配信、クーポン配布など)
  5. 効果測定(開封率、クリック率、売上など)
  6. 改善仮説の立案(どの施策を強化すべきか)
  7. 再度施策実行(PDCAサイクル)

6. まとめ:ECサイトのCRM活用成功ポイント

ECサイト向けCRMを効果的に活用するためのポイントをまとめます。

成功のポイント:

  • 顧客情報の一元管理: 散在する情報を統合し、業務効率化
  • セグメント分析: RFM分析、LTV分析で顧客を深く理解
  • パーソナライズド配信: 顧客一人ひとりに最適化されたメッセージで、リピート率向上
  • 効果測定と改善: データに基づくPDCAサイクルで、継続的に最適化
  • ツール選定: 自社のECプラットフォーム、規模、予算に合ったツールを選ぶ

次のアクション:

  1. 自社のリピート率、LTVの現状を把握
  2. 顧客管理の課題を整理(情報の散在、セグメント未実施など)
  3. 複数のCRMツールを比較(うちでのこづち、カスタマーリングス、ecbeingなど)
  4. 無料プランまたはトライアルで試す
  5. 効果を確認してから本格導入を判断

重要な注意点:

  • 導入・運用コストがかかり、費用対効果の検証が必要
  • 効果的な活用には一定期間の顧客データ蓄積が必要
  • データ分析や施策実行のノウハウ習得に時間がかかる
  • ツール導入だけでは効果が出ず、データに基づく施策実行が必須

2024年のEC市場では、既存顧客のリピート率向上とファン化が不可欠という認識が広がっています。CRMを活用したパーソナライズドコミュニケーションで、LTV(顧客生涯価値)を最大化し、ECサイトの売上を伸ばしましょう。

CRMツールの機能や料金プランは変更される可能性があるため、最新情報は各ベンダー公式サイトでご確認ください。(この記事は2024年時点の情報です)

よくある質問

Q1EC CRM(eコマース顧客管理)とは何ですか?

A1ECサイトにおける顧客情報(年齢、住所、購入履歴、決済情報など)を一元管理し、関係性を強化するシステムです。主な機能として、顧客データ管理、セグメント分析・顧客抽出、マルチチャネル配信(メール・LINE・SMS・Webポップアップ)、会員ランク管理、効果測定(開封率・クリック率・クーポン利用率)などがあります。購買履歴分析やカート放棄対策など、EC特有の施策に対応しています。

Q2ECサイトにCRMが必要な理由は何ですか?

A2既存顧客のリピート率向上とファン化が不可欠だからです。新規顧客獲得には広告費など高額なコストがかかりますが、既存顧客への販促は約1/5のコストで済むと言われています。顧客一人ひとりのニーズに合わせたパーソナライズドコミュニケーションにより、LTV(顧客生涯価値)を最大化し、安定的な売上を確保できます。2024年、世界のEコマース売上が小売売上高の21.2%を占める見込みで、競争激化の中、CRMによる既存顧客管理が重要性を増しています。

Q3CRM導入で得られる具体的なメリットは何ですか?

A3主なメリットは3つあります。(1)顧客情報の一元管理により業務効率化とコスト削減(データ検索・抽出の工数を月10〜20時間削減の事例あり)、(2)パーソナライズドコミュニケーションでリピート率10〜20%向上・メール開封率2〜3倍向上、(3)データに基づく意思決定で「なんとなく」から脱却し、A/Bテストによる施策最適化が可能になります。効果測定により、成功パターンを特定し、横展開できます。

Q4どんなCRMツールがあり、どう選ぶべきですか?

A42024年のEC業界CRMカオスマップで87サービスが確認されています。主要ツールとして、うちでのこづち(800社以上導入、EC・通販特化)、カスタマーリングス(700社以上導入、データ分析に強み)、ecbeing(EC業界実績No.1、ECプラットフォームとCRMが一体化)などがあります。選定時は、ECプラットフォーム(Shopify・EC-CUBE)との連携性、B2B/B2C対応、コスト、機能を比較検討することが推奨されます。

Q5CRM導入にかかるコストはどれくらいですか?

A5ツールや機能により大きく変動します。初期費用は0円〜数十万円、月額費用は数万円〜数十万円が一般的です。費用対効果の検証が必須で、CRM導入により増加する売上(リピート率向上、LTV増加)と削減されるコスト(業務効率化)を試算してROIを判断します。効果的な活用には3ヶ月〜6ヶ月以上の顧客データ蓄積が必要で、データ分析や施策実行のノウハウ習得にも時間がかかります。ツール導入だけでは効果が出ず、データに基づく施策実行が必須です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。