DSP広告とは?仕組み・メリット・運用方法・主要サービスを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/20

DSP広告の運用に悩んでいませんか?

Web広告の効率化を目指す企業にとって、DSP広告(Demand Side Platform)は重要な選択肢です。「どんな仕組みで配信されるの?」「リスティング広告との違いは?」「自社に合ったDSPはどれ?」といった疑問を持つマーケティング担当者は少なくありません。

この記事では、DSP広告の基本的な仕組み、メリット・デメリット、運用方法、主要サービスの比較をB2B企業の実務担当者向けに解説します。

この記事のポイント:

  • DSP広告は複数の広告ネットワークを一元管理し、ターゲティング精度を高める仕組み
  • RTB(リアルタイムビッディング)により、1インプレッションごとに最適な広告を配信
  • 初期費用・最低出稿金額が高く、中小企業には導入ハードルがある
  • アルゴリズム型と手動調整型があり、運用体制に応じて選ぶのが適切
  • BtoB向けDSPは企業名・業種・役職など詳細なターゲティングが可能

1. DSP広告とは?基本概念と注目される背景

(1) DSP(Demand Side Platform)の定義

DSPは、広告主が効率的にターゲットへ広告を配信し、ROI(投資対効果)を最大化するための広告配信プラットフォームです。複数の広告ネットワークやアドエクスチェンジに接続し、Cookie情報(性別・年代・嗜好性・行動履歴)をもとに、興味関心の高いユーザーに広告を配信します。

(2) 従来のアドネットワーク・リスティング広告との違い

従来のアドネットワークは複数の広告媒体を束ねて配信する仕組みですが、DSPはさらに一元管理機能と自動最適化機能を備えています。

リスティング広告との主な違い:

  • リスティング広告: キーワード検索後のユーザーに配信(顕在層)
  • DSP広告: 課題認知前の潜在顧客にもアプローチ可能(潜在層)

リスティング広告は検索エンジンでキーワードを入力したユーザーに限定されますが、DSP広告はWebサイト閲覧中のユーザーにも広告を表示できます。

(3) プログラマティック広告市場の成長

プログラマティック広告(自動化された広告取引)の市場は拡大を続けています。従来は手動で広告枠を買い付けていましたが、DSPの登場により、リアルタイムでのオークションと自動最適化が可能になりました。

2. DSP広告の仕組み:RTB・SSP・DMPとの関係

(1) RTB(リアルタイムビッディング)の流れ

RTBは、1インプレッション(1回の広告表示)ごとにリアルタイムでオークションを行い、最高入札額の広告を配信する仕組みです。

RTBの処理フロー:

  1. ユーザーがWebサイトを訪問
  2. SSP(Supply Side Platform)が広告リクエストを送信
  3. 複数のDSPがリアルタイムで入札
  4. 最高入札額のDSPの広告が配信される
  5. ページに広告が表示される

このプロセスは数ミリ秒で完了し、ユーザーがページを開いた瞬間に最適な広告が表示されます。

(2) SSP(Supply Side Platform)との関係

SSPはメディア側が広告枠の販売を最適化するためのプラットフォームです。DSPが広告主側の仕組みであるのに対し、SSPはメディア側の仕組みで、RTBを通じて両者が接続されます。

DSPとSSPの役割:

  • DSP: 広告主が最適なユーザーに最適な価格で配信
  • SSP: メディアが広告枠を最高額で販売

(3) Cookie・ターゲティングデータの活用方法

DSPはCookie情報を活用し、以下のようなターゲティングを行います:

  • デモグラフィックターゲティング: 性別・年代・地域
  • 行動ターゲティング: 過去の閲覧履歴・検索履歴
  • リターゲティング: 自社サイト訪問者への再アプローチ
  • 類似ユーザーターゲティング: CV済みユーザーと似た属性のユーザー

(4) アドネットワークとの統合

DSPは複数のアドネットワークを統合し、一元管理できます。これにより、広告主は各ネットワークに個別に出稿する手間を省き、効率的に運用できます。

3. DSP広告のメリット・デメリット

(1) メリット①:ターゲティング精度の向上

DSPはCookie情報や行動履歴をもとに、興味関心の高いユーザーに広告を配信します。これにより、無駄な配信を減らし、CV(コンバージョン)率を向上させることが期待できます。

(2) メリット②:運用工数の削減と自動最適化

ターゲティング設定や入札価格を自動最適化機能で調整できるため、運用工数を削減できます。手動で入札調整を行う必要がなく、アルゴリズムが最適な配信を行います。

(3) メリット③:複数媒体の一元管理

複数の広告ネットワークを一元管理できるため、各ネットワークに個別にログインして管理する手間が省けます。レポートも一元化され、効果測定が効率化されます。

(4) デメリット①:初期費用・最低出稿金額の高さ

初期費用や運用手数料が高く、最低出稿金額が数十万円に及ぶため、中小企業には導入ハードルが高いのが実情です。

費用目安:

  • 最低出稿金額: 数十万円〜
  • 運用手数料: 広告費の20%前後

予算50万円以上が推奨されるケースが多く、少額で試したい場合はアドネットワークから始めるのが適切です。

(5) デメリット②:配信先の透明性

DSPサービスによっては広告の配信先が明確に開示されず、ブランドイメージを損ねるサイトに広告が表示される可能性があります。配信先レポートを確認し、必要に応じて除外設定を行うことが重要です。

(6) デメリット③:アルゴリズム型の調整範囲

アルゴリズム型は自動最適化される反面、運用者が手動で調整できる範囲が限られます。細かい調整を行いたい場合は、手動調整型のDSPを選ぶか、両者を併用するのが適切です。

4. DSP広告の運用方法と主要サービス比較

(1) アルゴリズム型と手動調整型の使い分け

DSPには大きく分けて2つのタイプがあります:

アルゴリズム型:

  • 自動最適化機能が強力
  • 運用工数が少ない
  • 手動調整の余地が限定的

手動調整型:

  • 入札価格・ターゲティングを細かく調整可能
  • 運用工数がかかる
  • 経験豊富な運用者向け

広告の目的や運用体制に応じて使い分けるのが適切です。運用リソースが限られている場合はアルゴリズム型、細かい調整を行いたい場合は手動調整型を選びます。

(2) 課金方式(CPA・CPM・CPC)

DSPの課金方式は主に以下の3つです:

  • CPA(Cost Per Acquisition): 獲得単価、1件のCVごとに課金
  • CPM(Cost Per Mille): インプレッション課金、1,000回表示ごとに課金
  • CPC(Cost Per Click): クリック課金、1クリックごとに課金

CVを重視する場合はCPA、認知度向上を目的とする場合はCPMが適切です。

(3) 国内主要DSPサービスの特徴・料金比較

国内で利用されている主要DSPサービスの特徴を比較します:

主要DSP例:

  • Google Display & Video 360(旧DoubleClick Bid Manager)
  • Yahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)
  • FreakOut
  • MicroAd BLADE
  • logicad

各サービスの料金・最低出稿金額・サポート体制は異なるため、公式サイトで最新情報を確認することが推奨されます。

(4) サービス選定のポイント

DSPを選定する際は、以下のポイントを確認します:

  • 予算: 最低出稿金額・運用手数料
  • ターゲティング機能: 自社の目的に合った機能があるか
  • サポート体制: 日本語サポート・運用支援の有無
  • 配信先: 配信先の透明性・レポート機能
  • 連携機能: SFA/CRM・MAツールとの連携

※DSPサービスの仕様や料金は変更される可能性があるため、執筆時点(2025年11月)の情報です。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。

5. B2B企業のDSP広告活用ポイント

(1) BtoB向けターゲティング(企業名・業種・役職)

2024年にはBtoB向けDSPが普及し、企業名・業種・部署・役職など詳細なターゲティングが可能になりました。

BtoB向けターゲティング例:

  • 特定企業のIPアドレスに広告配信
  • 製造業・IT業界など業種で絞り込み
  • 経営層・マネージャー層など役職で絞り込み

これにより、従来のリスティング広告では難しかった、ターゲット企業の意思決定者に直接アプローチできます。

(2) 潜在顧客へのアプローチ事例

DSP広告はリスティング広告と異なり、課題認知前の潜在顧客にもアプローチできます。

活用例:

  • 業界メディアを閲覧中のユーザーに広告配信
  • 競合サイトを訪問したユーザーにリターゲティング
  • ホワイトペーパーをダウンロードしたユーザーに再アプローチ

これにより、将来的な顧客候補を早期に認知させ、育成していくことが可能です。

(3) 2024年の最新動向(BtoB特化DSP)

2024年にはBtoB特化DSPが複数リリースされ、BtoB企業のデジタルマーケティングに新たな選択肢が加わりました。

2024年の動向:

  • Supership「ScaleOut DSP」がディスプレイ広告取り扱いを終了し、インストリーム広告・音声広告に特化(2024年9月)
  • 訪日インバウンド向けDSP「WABITABI」がリリース(2024年5月)

これらの動向により、特定の目的・ターゲットに最適化されたDSPが増えています。

6. まとめ:DSP広告導入の判断基準

DSP広告は、複数の広告ネットワークを一元管理し、ターゲティング精度を高める強力なツールです。ただし、初期費用・最低出稿金額が高く、中小企業には導入ハードルがあります。

導入を検討すべき企業:

  • リスティング広告で一定の成果が出ている
  • 月間広告予算が50万円以上ある
  • 潜在顧客へのアプローチを強化したい
  • BtoB向けに特定企業・役職をターゲティングしたい

次のアクション:

  • 自社の予算と目的を明確にする
  • 主要DSPサービスの公式サイトで最新情報を確認する
  • アルゴリズム型と手動調整型のどちらが適切か判断する
  • 配信先の透明性・レポート機能を確認する

自社の予算・目的に合ったDSPで、広告運用の効率化とROI向上を目指しましょう。

よくある質問

Q1DSP広告の費用はどのくらいかかりますか?

A1最低出稿金額は数十万円〜、運用手数料は広告費の20%前後が目安です。中小企業には初期ハードルが高いため、予算50万円以上が推奨されます。詳細な料金は各DSPサービスの公式サイトでご確認ください。

Q2DSPとSSPの違いは何ですか?

A2DSPは広告主が効率的に広告配信を行うプラットフォーム、SSPはメディアが広告枠の販売を最適化するプラットフォームです。RTB(リアルタイムビッディング)で両者が接続され、リアルタイムでオークションが行われます。

Q3中小企業でもDSP広告は効果がありますか?

A3リスティング広告で成果が出ている企業なら効果が期待できます。ただし最低出稿金額が高いため、まずは少額で試せるアドネットワークから始めるのが推奨されます。予算50万円以上ある場合にDSPの導入を検討するのが適切です。

Q4アルゴリズム型と手動調整型のどちらを選ぶべきですか?

A4運用リソースが限られている場合はアルゴリズム型、細かい調整を行いたい場合は手動調整型が適切です。広告の目的や運用体制に応じて使い分けるか、両者を併用する方法もあります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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