BtoB SEO対策の始め方|戦略設計から施策実行まで解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/20

BtoB SEO対策の戦略設計とは

「SEO対策を始めたいけれど、BtoB企業ならではの進め方がわからない...」

BtoB企業のマーケティング担当者の中には、SEO施策を本格化したいものの、BtoC向けの情報が多く、BtoB特有の長い商談サイクルやニッチなキーワード戦略にどう対応すればよいか悩んでいる方が多いのではないでしょうか。

この記事では、BtoB SEO対策の始め方を、戦略設計から施策実行、効果測定まで体系的に解説します。

この記事のポイント:

  • BtoB SEO対策は戦略設計(ペルソナ・カスタマージャーニー分析)から始める
  • CVに近いキーワードとロングテールキーワードを優先的に攻める
  • 内部施策・コンテンツSEO・外部施策の3つに分類して進める
  • 成果が出るまで6ヶ月〜1年、中長期的な視点が必要
  • 営業部門と連携し、MQL・SQLへの貢献度を測定する

(1) BtoB SEO戦略の全体像

BtoB SEO対策とは、企業向けビジネス(B2B)に特化したSEO対策手法を指します。BtoB製品はBtoC製品と比べて高額で、検討期間が長く(3〜12ヶ月)、複数の意思決定者が関与するという特徴があります。

BtoB SEO戦略の全体像は以下の通りです。

  1. 戦略設計: ペルソナ設定、カスタマージャーニー分析、目標・KPI設定
  2. キーワード選定: CVに近いキーワード、ロングテールキーワードの抽出
  3. コンテンツ制作: 購買検討フェーズごとのコンテンツ作成
  4. 施策実行: 内部施策・コンテンツSEO・外部施策の実施
  5. 効果測定・改善: MQL・SQL貢献度の測定、PDCAサイクルの回転

BtoB SEO対策は中長期的な取り組みが必要で、短期的な成果を期待しすぎないことが重要です。

(2) 目標設定とKPI設計

BtoB SEO対策では、目標設定とKPI設計が成功の鍵を握ります。

主要なKPI:

  • オーガニック流入数: 検索エンジンからの訪問者数
  • MQL(Marketing Qualified Lead): マーケティング部門が獲得した見込み客
  • SQL(Sales Qualified Lead): 営業部門に引き渡せる見込み客
  • コンバージョン数: 問い合わせ・資料請求などの成果
  • 受注数・売上: 最終的なビジネス成果

検索ボリュームがBtoCと比べて圧倒的に少ないため、アクセス数の期待値を適切に設定することが重要です。例えば、検索ボリューム10〜100程度のキーワードでも、CVに近ければ十分な価値があります。

ペルソナ設定とカスタマージャーニー分析

BtoB SEO対策では、ペルソナ設定とカスタマージャーニー分析が戦略の土台となります。

(1) ターゲットペルソナの作成方法

ペルソナとは、ターゲットとなる顧客像を具体的に描いたものです。BtoBの場合、以下の項目を明確にすることが推奨されます。

ペルソナ設定の項目:

  • 役職・職種: マーケティング責任者、SEO担当者、経営者など
  • 企業規模: 従業員数、売上規模
  • 業種: IT、製造業、金融など
  • 課題・ニーズ: 何に困っているか、どんな情報を求めているか
  • 検索行動: どんなキーワードで検索するか、どんなコンテンツを読むか

営業部門が持つ顧客の声をヒアリングし、実際の顧客像を反映させることが効果的です。

(2) 購買検討フェーズの整理

BtoBの購買検討フェーズは、一般的に以下のように分類されます。

①認知・課題認識フェーズ

  • 顧客は自社の課題に気づき始めている段階
  • 検索例: 「マーケティング 効率化」「リード獲得 方法」
  • コンテンツ: 課題解決のヒント、業界トレンド、ハウツー記事

②情報収集・比較検討フェーズ

  • 解決策を探し、複数の選択肢を比較する段階
  • 検索例: 「MAツール 比較」「SEOコンサル 選び方」
  • コンテンツ: ツール比較記事、導入事例、費用相場

③意思決定・導入フェーズ

  • 具体的な製品・サービスを選定する段階
  • 検索例: 「HubSpot 料金」「〇〇(企業名) 評判」
  • コンテンツ: 製品詳細ページ、料金表、導入サポート情報

(3) カスタマージャーニーマップの活用

カスタマージャーニーマップとは、顧客が購買に至るまでのプロセスを可視化したものです。各フェーズで顧客が抱える疑問や検索キーワードを整理し、それに対応するコンテンツを設計します。

これにより、製品中心のコンテンツだけでなく、顧客の情報収集段階に対応したコンテンツも提供できるようになります。

キーワード選定の具体的手順

BtoB SEO対策では、キーワード選定が成果を左右します。

(1) CVに近いキーワードの抽出

「CVに近いキーワード」とは、コンバージョン(成約・問い合わせ)につながりやすいキーワードです。

CVに近いキーワードの例:

  • 「〇〇ツール 比較」
  • 「〇〇ツール 料金」
  • 「〇〇ツール 導入事例」
  • 「〇〇サービス 評判」

これらのキーワードは検索ボリュームが少なくても、問い合わせや資料請求につながりやすいため、優先的に取り組むと成果が出やすいと言われています。

(2) ロングテールキーワード戦略

ロングテールキーワードとは、検索ボリュームは少ないが、具体的でCVに近いキーワードです。

例えば、「SEO」(月間検索ボリューム数万)ではなく、「BtoB SEO対策 始め方」(月間検索ボリューム100未満)のような具体的なキーワードを狙います。

BtoBでは検索ボリュームが少ないため、検索ボリューム10〜100程度のキーワードでもコンテンツ制作する価値があるとされています。

(3) キーワード優先度の決定方法

キーワードの優先度は以下の基準で決定することが推奨されます。

優先度の判断基準:

  1. CVへの近さ: 問い合わせ・資料請求につながりやすいか
  2. 検索ボリューム: ある程度の流入が見込めるか(10以上が目安)
  3. 競合状況: 上位表示が現実的か(競合が強すぎないか)
  4. 自社の強み: 自社が提供できる価値ある情報か

CVに近いキーワードとロングテールキーワードから優先的に取り組み、徐々にボリュームの大きいキーワードに挑戦するのが一般的です。

コンテンツ制作と最適化

(1) コンテンツマーケティングとの連携

BtoB SEO対策は、コンテンツマーケティングと密接に連携します。

効果的なコンテンツ戦略:

  • 顧客の課題解決コンテンツ: 製品紹介だけでなく、初期段階の疑問に答える
  • 無料ツールやテンプレート提供: HubSpot式のインバウンドマーケティング
  • 導入事例・ホワイトペーパー: 信頼性を高めるコンテンツ
  • FAQ・用語集: 基礎的な疑問に答えるコンテンツ

2025年のアルゴリズム変動により、読者と信頼関係を築くコンテンツが重視されるようになっています。単なる情報提供ではなく、読者の課題解決に寄り添う姿勢が求められます。

(2) 内部施策・コンテンツSEO・外部施策の実践

BtoB SEO対策は、以下の3つに分類して進めることが推奨されます。

①内部施策(テクニカルSEO)

  • サイト構造の最適化(サイトマップ設計)
  • タイトルタグ・メタディスクリプションの最適化
  • 内部リンク構造の改善
  • ページ表示速度の改善
  • モバイル対応

BtoBでは指名検索(企業名+サービス名)が多いため、コーポレートサイトの構造最適化が成果に直結しやすいという特徴があります。

②コンテンツSEO

  • キーワードに対応した記事制作
  • 既存コンテンツのリライト・更新
  • ユーザーの検索意図に合ったコンテンツ設計

③外部施策

  • 質の高い被リンク獲得
  • プレスリリース配信
  • 業界メディアへの寄稿

外部施策は時間がかかるため、まずは内部施策とコンテンツSEOに注力するのが効率的です。

(3) 制作体制と予算配分

コンテンツ制作の体制は、内製・外注・ハイブリッド型の3パターンがあります。

内製の場合:

  • 月20〜50万円相当の人件費
  • 月10記事以上作れる体制が理想

外注の場合:

  • 月30〜100万円が相場
  • 戦略設計からコンテンツ制作まで一括依頼可能

ハイブリッド型:

  • 戦略設計は外注、コンテンツ制作は内製
  • 初期は外注でノウハウ蓄積、段階的に内製化

予算配分の目安は、**コンテンツ制作60〜70%、テクニカルSEO20%、戦略設計10%、効果測定10%**です。

効果測定と継続的改善

(1) MQL・SQLへの貢献度測定

BtoB SEO対策の成果は、最終的にMQL・SQLへの貢献度で評価します。

測定すべき指標:

  • オーガニック流入からのMQL数
  • オーガニック流入からのSQL数
  • 受注に至ったオーガニック経由のリード
  • コンバージョン率(流入→MQL→SQL→受注)

営業部門との連携が不可欠です。週次でリード情報を共有し、MQL・SQLの定義を営業と合意することが推奨されます。

(2) PDCAサイクルによる継続的改善

BtoB SEO対策は、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善します。

PDCAの具体例:

  • Plan(計画): キーワード選定、コンテンツ企画
  • Do(実行): コンテンツ制作・公開
  • Check(評価): 流入数・順位・CV数の測定
  • Act(改善): 低パフォーマンス記事のリライト、新規キーワード追加

施策の効果測定には時間がかかるため、早期に諦めず継続することが重要です。一般的に、施策開始3ヶ月後から流入増加の兆しが見え、6ヶ月後にMQL・SQLへの貢献を評価開始できるようになります。

※競合状況や業界によって成果が出るまでの期間が異なることに注意してください。(この記事は2025年12月時点の情報です)

まとめ:BtoB SEO対策を始める際のポイント

BtoB SEO対策は、戦略設計から施策実行、効果測定まで体系的に進めることが重要です。BtoC向けSEOとは異なり、長い商談サイクル、ニッチなキーワード、営業部門との連携など、BtoB特有の要素を考慮する必要があります。

BtoB SEO対策を始める際のポイント:

  • ペルソナ設定とカスタマージャーニー分析で戦略の土台を固める
  • CVに近いキーワードとロングテールキーワードを優先的に攻める
  • 内部施策・コンテンツSEO・外部施策の3つを計画的に実施
  • 6ヶ月〜1年の中長期的視点で取り組む
  • 営業部門と連携し、MQL・SQLへの貢献度を測定する

次のアクション:

  • ターゲットペルソナとカスタマージャーニーマップを作成する
  • CVに近いキーワード20〜30個をリストアップする
  • 内製・外注・ハイブリッド型のどれで進めるか決定する
  • 営業部門と定期的な情報交換の場を設定する
  • 小規模で開始し、成果を見ながら段階的に拡大する

BtoB SEO対策を通じて、新規顧客獲得とリード育成を加速させましょう。

よくある質問

Q1BtoB SEOで成果が出るまでの期間はどれくらいか?

A1一般的に6ヶ月〜1年が目安です。新規ドメインなら1年以上かかる場合もあります。BtoBは商談サイクルが長く(3〜12ヶ月)、流入から受注まで時間がかかります。施策開始3ヶ月後から流入増加の兆しが見え、6ヶ月後にMQL・SQLへの貢献を評価開始できるようになります。

Q2SEO予算の適切な配分はどうすればよいか?

A2全体予算の配分目安は、キーワード調査・戦略設計10%、コンテンツ制作60〜70%、テクニカルSEO20%、効果測定・改善10%です。内製なら月20〜50万円相当の人件費、外注なら月30〜100万円が相場です。小規模で開始し、成果を見て段階的に拡大するのが推奨されます。

Q3内製と外注、どちらを選ぶべきか?

A3判断基準は、(1)社内リソース、(2)専門知識、(3)予算です。月10記事以上作れる体制なら内製、それ以下なら外注が効率的です。ハイブリッド型(戦略は外注、制作は内製)も有効です。まずは外注でノウハウを蓄積し、段階的に内製化するのが理想的です。

Q4営業部門とどう連携すればよいか?

A4(1)週次でリード情報を共有、(2)営業が持つ顧客の声をコンテンツに反映、(3)MQL・SQLの定義を営業と合意、(4)受注事例を記事化することが推奨されます。営業の協力なしではBtoB SEOの成果を最大化できません。定期的な情報交換の場を設定しましょう。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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