BtoB向けMAツール比較|選定基準と導入ステップを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/12

BtoB向けのMAツール、どれを選べばいい?

B2B企業のマーケティング責任者・担当者にとって、MAツールの選定は重要な意思決定です。しかし、「HubSpot、Marketo、Pardot...どれが自社に合うのか分からない」「導入してもうまく活用できるか不安」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

BtoB向けのMAツール選定では、長期的なリード育成、ABM対応、CRM・SFA連携など、BtoC向けとは異なる要件を押さえる必要があります。この記事では、BtoB向けMAツールの選定基準、主要ツールの比較、導入ステップを解説します。

この記事のポイント:

  • 日本のMA市場は2024年に約612億円、2033年には1,272億円規模に成長予測
  • BtoB向けMAはスコアリング・ABM・長期ナーチャリング機能が重要
  • HubSpot、Marketo、Pardot、SATORIなど主要ツールの特徴を比較
  • リード数・予算・CRM/SFA連携性で選定
  • MA導入だけでなく、運用体制の構築と継続的な改善が成功の鍵

BtoB企業にMAツールが必要な理由と市場動向

(1) BtoBマーケティングの課題(長期商談・複数意思決定者)

BtoBビジネスでは、以下のような特有の課題があります。

BtoBマーケティングの課題:

  • 長期商談: 検討期間が数ヶ月〜1年以上に及ぶ
  • 複数の意思決定者: 担当者・管理職・経営層など複数の関係者が関与
  • 高額商材: 導入コストが高く、慎重な意思決定が求められる
  • リードの分散管理: リード情報が営業・マーケティング部門に分散し、一元管理が困難

これらの課題に対応するため、リードを長期的に育成し、適切なタイミングで営業に引き渡す仕組みが必要です。MAツールはこのプロセスを自動化します。

(2) MA市場の成長(2024年612億円→2033年1,272億円予測)

MAツール市場は急速に成長しています。

市場規模:

  • 日本: 2024年に約612億円、2033年には1,272億円に達すると予測(CAGR 8.5%)
  • グローバル: 2024年に69.5億ドル、2030年までに135億ドルに達する見込み

この成長は、デジタルマーケティングの普及、リモートワークの拡大、データドリブン経営の重要性増大によるものです。

(3) MAツール導入のメリット

主なメリット:

  • 業務効率化: リード管理・メール配信・スコアリングを自動化
  • 営業連携の強化: 購買確度の高いリードを自動的に営業に通知
  • ROI向上: マーケティング活動の効果を可視化し、最適化
  • 長期的なリード育成: 見込み顧客との関係性を深め、商談化率を向上

BtoB向けMAツールの基礎知識と機能

(1) MAツールとは何か(リード獲得・育成・選別の自動化)

マーケティングオートメーション(MA)ツールは、見込み顧客(リード)の獲得・育成・選別を自動化するツールです。

MAツールの主な機能:

  • リード管理: 見込み顧客の情報を一元管理
  • メール配信: セグメント別・行動トリガー別に自動配信
  • スコアリング: リードの興味関心度・購買可能性を数値化
  • Web行動追跡: Webサイト訪問・資料ダウンロードなどの行動を記録
  • レポーティング: マーケティング活動の効果を可視化

(2) BtoB向けに重要な機能(スコアリング・ABM・長期ナーチャリング)

BtoB向けMAツールでは、以下の機能が特に重要です。

BtoB特有の重要機能:

  • リードスコアリング: 企業規模・役職・行動履歴に基づいてスコアを算出
  • ABM(アカウントベースドマーケティング): 特定の企業(アカウント)に対するターゲット施策
  • 長期ナーチャリング: 数ヶ月〜1年以上にわたるリード育成シナリオ
  • 企業情報の紐付け: 個人リードと企業情報(企業規模・業種等)を連携

(3) CRM・SFAとの違いと連携

MAツール、CRM、SFAの違い:

  • MA: マーケティング活動の自動化(リード獲得・育成・選別)
  • CRM: 顧客関係管理(既存顧客との関係性強化)
  • SFA: 営業活動の効率化(案件管理・商談管理)

MAツールは、CRM・SFAと連携することで効果を最大化できます。MAで購買確度の高いリードを選別し、SFAに自動転送することで、マーケティングと営業のシームレスな協働が実現します。

MAツール選定の比較軸とポイント

(1) リード数と予算に応じた選定

リード数・予算別の選定基準:

  • 月間リード数50件未満: Excel・CRMでの手動管理でも十分(MAは不要)
  • 月間リード数50〜200件: HubSpot無料プラン、SATORI等の低価格ツール
  • 月間リード数200件以上: HubSpot有料プラン、Marketo、Pardot等の本格的なツール

予算の目安:

  • 低予算(月額数万円): HubSpot無料〜Starter、SATORI
  • 中予算(月額10〜30万円): HubSpot Professional、SATORI上位プラン
  • 高予算(月額30万円以上): Marketo、Pardot、HubSpot Enterprise

(2) CRM・SFAとの連携性

MAツールを選定する際は、既存のCRM・SFAとの連携性を確認することが重要です。

主な連携パターン:

  • Salesforce(SFA・CRM)× Pardot(MA): 同じSalesforce製品で連携がスムーズ
  • Salesforce × Marketo: API連携で豊富な実績
  • HubSpot(MAとCRMが統合): 初めから一体型

既存システムとの相性を事前に確認し、導入後のデータ連携コストを抑えることが推奨されます。

(3) カスタマイズ性とサポート体制

確認すべきポイント:

  • カスタマイズ性: 自社の業務フローに合わせた設定が可能か
  • サポート体制: 日本語サポートの有無、オンボーディング支援の内容
  • トレーニング: 運用担当者向けのトレーニングプログラムの充実度

特に初めてMAツールを導入する場合は、サポート体制が充実しているツールを選ぶことが成功の鍵です。

(4) 企業規模別の適合性

企業規模別の推奨ツール:

  • 小規模企業(従業員50人未満): HubSpot無料〜Starter、SATORI
  • 中堅企業(従業員50〜500人): HubSpot Professional、Marketo、Pardot
  • 大企業(従業員500人以上): Marketo、Pardot、HubSpot Enterprise

主要BtoB向けMAツールの比較

(1) HubSpot(機能・料金・特徴)

特徴:

  • MAとCRMが統合された一体型プラットフォーム
  • 無料プランあり(基本機能を試せる)
  • 中小企業に人気、使いやすさに定評

料金(2024年11月時点):

  • 無料プラン: 基本機能のみ
  • Starter: 月額約2万円〜
  • Professional: 月額約10万円〜
  • Enterprise: 月額約40万円〜

(2) Marketo(機能・料金・特徴)

特徴:

  • Adobe傘下の高機能MAツール
  • 大企業向け、ABM機能が充実
  • カスタマイズ性が高く、複雑なシナリオに対応

料金(2024年11月時点):

  • 月額約30万円〜(リード数・機能により変動)

(3) Pardot(機能・料金・特徴)

特徴:

  • Salesforce傘下のMAツール
  • Salesforce(SFA・CRM)との連携がスムーズ
  • BtoB企業に特化した機能

料金(2024年11月時点):

  • Growth: 月額約15万円〜
  • Plus: 月額約30万円〜
  • Advanced: 月額約50万円〜

(4) SATORI・その他国内ツール

SATORI:

  • 国内ベンダー、日本語サポートが充実
  • 匿名リードの追跡機能(Cookie情報活用)
  • 中小企業向け、比較的低価格

その他国内ツール:

  • List Finder、Kairos3、b→dashなど
  • 国内企業向けに特化した機能・サポート

(5) シェアランキングと選定のポイント

2024年ITトレンド年間ランキングでは、List Finderが1位を獲得しています。ただし、シェア1位のツールが必ずしも自社に最適とは限りません。リード数・予算・CRM/SFA連携性・運用体制を総合的に判断することが重要です。

※料金は2024年11月時点の情報です。最新の料金・機能は各社公式サイトをご確認ください。

MAツール導入を成功させるステップと活用事例

(1) 導入前の準備(運用体制・KPI設定)

導入前に準備すべきこと:

  • 運用担当者の決定(最低1名、できれば2〜3名)
  • KPIの設定(リード獲得数、スコアリング数、商談化率等)
  • リードスコアリング基準の設計
  • 既存CRM・SFAとの連携計画

(2) 段階的導入のステップ

推奨される導入ステップ:

  1. Phase 1: メール配信・リード管理の基本機能を導入
  2. Phase 2: Webトラッキング・スコアリング機能を追加
  3. Phase 3: CRM・SFA連携、高度なシナリオ設定

段階的に導入することで、運用担当者の学習コストを抑え、効果を測定しながら拡張できます。

(3) BtoB企業の活用事例5選

活用事例の概要:

  • 製造業: 展示会で獲得したリードを長期育成し、商談化率30%向上
  • SaaS企業: 無料トライアル登録者をスコアリングし、営業効率2倍
  • コンサルティング: ホワイトペーパーダウンロード者へのナーチャリングで受注率20%向上
  • IT企業: ABM施策により、ターゲット企業への商談化率50%達成
  • 人材サービス: メール配信の自動化により、マーケティング担当者の工数を50%削減

(4) よくある失敗パターンと対策

失敗パターン:

  • 導入しただけで活用されない(運用体制が未整備)
  • スコアリング基準が不適切(営業が対応できないリードが大量発生)
  • リード数が少なく効果が限定的

対策:

  • 運用担当者を明確にし、定期的な振り返りを実施
  • 営業部門と連携してスコアリング基準を調整
  • まずWeb集客施策でリード数を増やす

まとめ:自社に最適なMAツールを選ぶために

BtoB向けMAツールの選定では、リード数・予算・CRM/SFA連携性・運用体制を総合的に判断することが重要です。

主なポイント:

  • 月間リード数50件以上であればMA導入の効果が見込める
  • HubSpot、Marketo、Pardot、SATORIなど主要ツールの特徴を比較
  • 既存CRM・SFAとの連携性を事前に確認
  • 段階的に導入し、効果測定しながら拡張
  • MA導入だけでなく、運用体制の構築と継続的な改善が成功の鍵

次のアクション:

  • 自社のリード数・予算・導入目的を整理する
  • 3〜5社の公式サイトで料金・機能を比較する
  • 無料トライアル・デモで実際に操作感を試す
  • 営業部門と連携してスコアリング基準を設計する

自社に最適なMAツールを選定し、BtoBマーケティングの効率化と成果最大化を実現しましょう。

よくある質問

Q1BtoB企業にとってMAツールが必要な理由は?

A1長期商談や複数意思決定者に対応するため、リードを長期的に育成し、適切なタイミングで営業に引き渡す仕組みが必要です。MAツールはこのプロセスを自動化し、業務効率化と商談化率向上を実現します。

Q2MAツール導入時の費用はどれくらいかかりますか?

A2ツールにより異なりますが、月額数万円〜数十万円が一般的です。HubSpotは無料プランあり、Marketo・Pardotは月額30万円〜。リード数や必要機能により変動します。最新の料金は各社公式サイトでご確認ください。

Q3リード数が少ない場合でもMAツールは有効ですか?

A3月間リード数が50件以上であれば効果が見込めます。それ以下の場合はExcelやCRMでの手動管理でも十分な場合があります。まずWeb集客施策でリード数を増やすことを推奨します。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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