B2Bとは?B2Cとの違いとビジネスモデルの特徴を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/16

「B2B」という言葉、正しく理解できていますか?

ビジネスシーンで頻繁に登場する「B2B」という用語。新規事業の検討や、マーケティング戦略の立案において、B2Bの本質的な特徴を理解することは非常に重要です。

しかし、「B2BとB2Cの違いがよく分からない」「B2Bビジネスの成功に何が必要なのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、B2Bの基本概念からB2Cとの違い、ビジネスモデルの特徴、そして成功に必要な要素まで、体系的に解説します。

この記事のポイント:

  • B2B(Business to Business)は企業間取引を指し、法人や事業者を対象とした商材を扱うビジネス形態
  • B2Bは購買決定に複数のステークホルダーが関与し、検討期間が長いのが特徴
  • B2B企業の購買プロセスの57%は営業担当者に会う前に終わっていると言われる
  • 世界のB2B eコマース市場は2024年に19.34兆ドル、2030年には47.54兆ドルに達すると予測されている

1. B2Bとは何か:企業間取引の基本を理解する

(1) B2B(Business to Business)の定義

B2B(Business to Business)とは、企業間取引を表すビジネス形態です。法人や事業者を対象とした商材を扱い、一般消費者ではなく企業がお客様となります。

B2Bの基本的な特徴:

  • 取引相手が企業・法人・事業者
  • 取引額が比較的大きい
  • 購買決定に複数のステークホルダーが関与
  • 検討期間が長い(数週間〜数ヶ月)
  • 長期的な関係構築が重視される

(2) B2Bビジネスの代表例

製造業・卸売業:

  • 部品メーカー → 完成品メーカー
  • 卸売業者 → 小売業者
  • 原材料供給 → 製造業

B2B SaaS(ソフトウェア):

  • 会計ソフト(企業向け)
  • CRM・SFA(営業支援システム)
  • MAツール(マーケティングオートメーション)

専門サービス:

  • 経営コンサルティング
  • 広告代理店
  • システムインテグレーター

2. B2BとB2Cの違い:購買プロセス・取引額・意思決定者の比較

(1) 購買決定プロセスの違い(複数ステークホルダー vs 個人)

B2BとB2Cの最も大きな違いは、購買決定プロセスです。

B2Bの購買決定プロセス:

  • 購買決定に複数のステークホルダーが関与(平均6〜10人と言われる)
  • 各ステークホルダーの立場(経営、現場、IT、財務等)が異なる
  • 検討期間が長い(数週間〜数ヶ月、大規模案件は1年以上も)
  • 合理的・論理的な判断が求められる

B2Cの購買決定プロセス:

  • 個人で購買決定(家族と相談するケースも)
  • 検討期間は短い(即決〜数日)
  • 感情的・衝動的な購買も多い

(2) 取引額・契約期間の違い

B2B:

  • 1件あたりの取引額が大きい(数十万円〜数億円)
  • 契約期間が長い(年間契約、複数年契約)
  • 継続的な取引関係が前提

B2C:

  • 1件あたりの取引額は比較的小さい(数百円〜数十万円)
  • 都度購入が多い
  • 継続購入は顧客のロイヤルティに依存

(3) マーケティングアプローチの違い

B2Bマーケティングの特徴:

  • 購買プロセスの57%は営業担当者に会う前に終わっていると言われる
  • デジタルマーケティング(コンテンツマーケティング、SEO、ウェビナー等)の重要性が高い
  • リードの創出→ナーチャリング→商談という長いプロセス
  • ABM(アカウントベースドマーケティング)の活用

B2Cマーケティングの特徴:

  • 認知→興味→購買という比較的短いプロセス
  • マス広告、SNS広告、インフルエンサーマーケティング
  • 即時の購買促進が重視される
観点 B2B B2C
意思決定者 複数(6〜10人) 個人
検討期間 長い(数週間〜数ヶ月) 短い(即決〜数日)
取引額 大きい(数十万円〜数億円) 小さい(数百円〜数十万円)
判断基準 合理的・論理的 感情的・衝動的も
マーケティング リード獲得→ナーチャリング 認知→購買促進

3. B2Bビジネスモデルの特徴と主要業種

(1) B2B SaaSモデル(サブスクリプション型)

B2B SaaSとは、サブスクリプション型でソフトウェアをクラウドサービスとして提供するビジネスモデルです。

B2B SaaSの特徴:

  • 月額・年額課金(サブスクリプション)
  • クラウドで提供(インストール不要)
  • 継続利用による収益の積み上げ(ストック型ビジネス)
  • 顧客がいつでも解約できるため、カスタマーサクセスが重要

重要な指標:

  • MRR(Monthly Recurring Revenue): 月次経常収益
  • ARR(Annual Recurring Revenue): 年次経常収益
  • チャーンレート: 解約率
  • LTV(顧客生涯価値): 1顧客から得られる総収益

(2) 製造業・卸売業のB2Bモデル

製造業・卸売業は、伝統的なB2Bビジネスの代表例です。

特徴:

  • 原材料・部品・完成品の企業間取引
  • 大量発注・大口契約が多い
  • 長期的な取引関係・信頼関係が重視される
  • EDI(電子データ交換)やB2B eコマースの活用が進む

(3) 専門サービス(コンサルティング・代理店)

専門知識やスキルを提供するB2Bサービスも主要なカテゴリです。

代表例:

  • 経営コンサルティング
  • ITコンサルティング・システム開発
  • 広告代理店・マーケティング支援
  • 法務・会計・人事などの専門サービス

特徴:

  • 人的サービスが中心
  • プロジェクト型・リテイナー型の契約
  • 専門性・実績が選定基準となる

4. B2Bマーケティングの成功に必要な3つのステップ

(1) 環境分析と戦略立案

B2Bマーケティングは「環境分析」「戦略立案」「施策の実施と改善」の3つのステップで実践することが推奨されています。

環境分析:

  • 市場分析(市場規模、成長率、トレンド)
  • 競合分析(競合の強み・弱み、ポジショニング)
  • 自社分析(強み・弱み、リソース)

戦略立案:

  • ターゲット企業の明確化(ペルソナ設計)
  • バリュープロポジションの策定
  • チャネル戦略の決定

(2) リード創出からナーチャリングまで

B2Bマーケティングでは、リードの創出からナーチャリング(育成)、商談化までのプロセスを設計することが重要です。

プロセス:

  1. リード創出: コンテンツマーケティング、SEO、広告、展示会、ウェビナーなどで見込み客を獲得
  2. リードナーチャリング: メール、コンテンツ、セミナーなどで関係を構築し、購買意欲を高める
  3. リードクオリフィケーション: MQL(マーケティング部門が商談化可能と判断したリード)→ SQL(営業部門が商談化可能と判断したリード)へ
  4. 商談・受注: 営業部門による提案・クロージング

(3) 効果測定とKPI管理

B2Bマーケティングの効果測定では、以下のKPIを追跡することが一般的です。

主要KPI:

  • リード数(獲得したリードの総数)
  • MQL数(マーケティング承認リード数)
  • SQL数(営業承認リード数)
  • 商談化率(リード→商談への転換率)
  • 受注率(商談→受注への転換率)
  • LTV(顧客生涯価値)

ROI(投資対効果)は6ヶ月〜1年で評価するのが一般的と言われています。

5. 2024年以降のB2Bトレンドと市場規模

(1) 世界のB2B市場規模

世界のB2B eコマース市場は急速に拡大しています。

市場規模予測:

  • 2024年: 19.34兆ドル
  • 2030年: 47.54兆ドル(予測)

※市場規模や統計データは予測を含むため、最新の公式発表を確認することを推奨します。

(2) AI活用・ショート動画・B2Bインフルエンサーマーケティング

2024年以降のB2Bマーケティングでは、以下のトレンドが注目されています。

AI活用:

  • 生成AIによるコンテンツ作成の効率化
  • 予測分析によるリードスコアリング
  • チャットボットによるカスタマーサポート

ショート動画:

  • ショート動画を利用しているマーケターの90%が2024年も引き続き投資を継続しているという調査データがある
  • 製品デモ、ノウハウ解説、事例紹介などで活用

B2Bインフルエンサーマーケティング:

  • 2024年、マーケターの75%がB2Bインフルエンサーマーケティングを積極活用
  • 93%がキャンペーン拡大を計画しているという調査データがある
  • 業界専門家、アナリスト、実務家による発信が影響力を持つ

(3) パーソナライゼーションとABMの進化

パーソナライゼーション:

  • 個別企業のニーズに合わせたコンテンツ提供
  • 閲覧履歴・行動データに基づくレコメンド

ABM(アカウントベースドマーケティング):

  • 特定の企業(アカウント)をターゲットにしたマーケティング
  • マーケティングと営業の連携強化
  • データを活用した精度の高いターゲティング

6. まとめ:B2Bビジネス成功のポイント

B2Bビジネスの成功には、B2Bならではの特性を理解し、それに適したアプローチをとることが重要です。

B2Bビジネス成功のポイント:

  • 複数ステークホルダーへの対応(各立場のニーズを理解)
  • 長期的な関係構築(検討期間が長い分、信頼関係が重要)
  • デジタルマーケティングの活用(購買プロセスの57%は営業前に終わる)
  • 顧客成功(カスタマーサクセス)への投資(特にB2B SaaS)
  • データに基づくKPI管理(リード数、MQL、SQL、商談化率など)

次のアクション:

  • 自社のB2Bビジネスの現状を整理する(ターゲット、バリュー、チャネル)
  • 購買プロセスを可視化する(どこで接点を持ち、どう育成するか)
  • KPIを設定し、効果測定の仕組みを構築する
  • 最新トレンド(AI活用、ショート動画、ABM)の導入を検討する

B2Bビジネスは検討期間が長く、成果が出るまで時間がかかる傾向がありますが、一度構築した顧客との関係は長期的な収益につながります。本記事の内容を参考に、自社のB2B戦略を見直してみてはいかがでしょうか。

よくある質問:

Q: B2B2Cとは何ですか? A: B2B2C(Business to Business to Consumer)とは、企業が別の企業を介して消費者に商品・サービスを提供するモデルです。ECプラットフォーム(楽天市場、Amazon等)が代表例で、プラットフォームを運営する企業が出店企業と消費者の間を仲介します。

Q: B2BとB2Cで営業手法はどう違いますか? A: B2Bは長期的な関係構築が重要で、複数のステークホルダー(経営、現場、IT、財務等)への提案が必要です。インサイドセールスとフィールドセールスを組み合わせるケースが多いです。B2Cは即時購入を促すマーケティング(広告、キャンペーン等)が中心で、個人への訴求が主となります。

Q: B2B SaaSで重要な指標は何ですか? A: MRR(月次経常収益)、ARR(年次経常収益)、チャーンレート(解約率)、LTV(顧客生涯価値)が主要指標です。これらの指標を追跡し、顧客獲得コスト(CAC)とのバランスを見ながら事業を成長させることが重要です。

Q: B2Bマーケティングの効果測定はどうすればよいですか? A: リード数、MQL数、SQL数、商談化率、受注率を追跡します。B2Bは購買サイクルが長いため、ROIは6ヶ月〜1年で評価するのが一般的です。短期的な成果だけでなく、長期的な視点での効果測定が重要です。

よくある質問

Q1B2B2Cとは何ですか?

A1企業が別の企業を介して消費者に商品・サービスを提供するモデルです。ECプラットフォーム(楽天市場、Amazon等)が代表例で、プラットフォーム企業が出店企業と消費者の間を仲介します。

Q2B2BとB2Cで営業手法はどう違いますか?

A2B2Bは長期的な関係構築が重要で、複数ステークホルダーへの提案が必要です。B2Cは即時購入を促すマーケティングが中心で、個人への訴求が主となります。

Q3B2B SaaSで重要な指標は何ですか?

A3MRR(月次経常収益)、ARR(年次経常収益)、チャーンレート(解約率)、LTV(顧客生涯価値)が主要指標です。顧客獲得コストとのバランスを見ながら事業を成長させます。

Q4B2Bマーケティングの効果測定はどうすればよいですか?

A4リード数、MQL数、SQL数、商談化率、受注率を追跡します。購買サイクルが長いため、ROIは6ヶ月〜1年で評価するのが一般的です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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