安価なCRMツール選定ガイド|低コストで始める顧客管理の実践方法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/14

安価なCRMが注目される背景と導入メリット

「CRMを導入したいが予算が限られている」「無料や安価なツールで顧客管理を始めたい」――中小企業やスタートアップの営業担当者・経営者から多く寄せられる相談です。

CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)は、顧客情報を一元管理し、営業・マーケティング・カスタマーサポートを効率化するシステムです。従来は大企業向けの高額なシステムでしたが、近年はクラウド型CRMの普及により、月額数百円から、あるいは無料で利用できる選択肢が増えています。

この記事では、安価なCRMの費用相場、無料・低価格プランの比較、選定時のチェックポイント、導入時の注意点までを詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • CRM費用相場は月額約4,200円、初期費用は約25,000円だが、クラウド型なら数百円から利用可能
  • 無料CRMも豊富にあり、HubSpot(ユーザー無制限)、Zoho CRM(3ユーザーまで)などが代表的
  • 価格だけでなく長期的な費用対効果を重視し、自社の課題に必要な機能があるか確認する
  • 多くのクラウド型CRMツールは無料トライアルを提供しており、使い勝手や自社との相性を事前に確認できる
  • 無料CRMには利用人数、データ容量、機能、サポートに制限があるため注意が必要

安価なCRMが注目される背景と導入メリット

(1) 中小企業におけるCRM導入の重要性

B2B営業において、顧客情報の適切な管理は競争力を左右する重要な要素です。中小企業においても以下の理由でCRM導入が重要視されています:

営業活動の属人化解消:

  • 顧客情報がExcelや個人のメモに分散していると、担当者変更時に情報が引き継がれない
  • CRMで一元管理することで、誰がどの顧客を担当しているかが明確になる

営業機会の損失防止:

  • フォローアップ漏れ、商談状況の把握不足により、受注機会を逃すリスクを軽減
  • リマインダー機能や案件管理機能で、適切なタイミングでアプローチできる

データに基づく意思決定:

  • 売上予測、顧客分析、営業パフォーマンスの可視化により、経営判断の精度が向上
  • どの施策が効果的かをデータで把握できる

(2) クラウド型CRMの普及と低価格化

2024年時点で、中小企業向けに月額1,000円前後から利用できる安価なCRMが増加しています。背景には以下の要因があります:

クラウド型CRMが主流:

  • 自社サーバーを持たず、インターネット経由で利用するため初期費用が安い
  • システム管理が不要で、IT担当者がいなくても導入・運用が可能

サブスクリプション型の料金体系:

  • 月額課金制により、初期投資を抑えて小規模からスタートできる
  • ユーザー数や機能に応じて段階的に拡張できる

無料プランの充実:

  • ユーザー無制限のHubSpot CRMや、3ユーザーまで無料のZoho CRMなど、充実した選択肢がある
  • 小規模チームや創業期のスタートアップでも気軽に導入できる

CRMの費用相場と価格帯別の選択肢

(1) CRMの費用相場(初期費用・月額費用)

CRMツールの費用相場は以下の通りです(2024年時点):

初期費用:

  • オンプレミス型(自社サーバー構築): 数十万円〜数百万円
  • クラウド型: 0円(初期費用なしが一般的)

月額費用:

  • 無料プラン: 0円(機能・ユーザー数に制限あり)
  • 低価格プラン: 月額1,000円前後〜
  • 標準プラン: 月額4,200円前後(相場)
  • 上位プラン: 月額10,000円以上

※料金プランは変更される可能性があるため、公式サイトで最新情報を確認してください。

(2) 無料プラン・月額1,000円前後・月額5,000円前後の違い

無料プラン:

  • メリット: コストゼロで導入可能、基本的な顧客管理機能を利用できる
  • デメリット: ユーザー数・データ容量・機能に制限がある、サポートが限定的
  • 適した企業: 創業期のスタートアップ、営業チーム5人以下、まずは試したい企業

月額1,000円前後:

  • メリット: 無料プランより機能が充実、ユーザー数制限が緩い
  • デメリット: 高度な分析機能やカスタマイズには制約がある
  • 適した企業: 営業チーム10人前後、予算が限られているが基本機能を確実に使いたい企業

月額5,000円前後:

  • メリット: SFA(営業支援)機能、詳細な分析レポート、API連携などが充実
  • デメリット: コストが高くなる、機能が多すぎて使いこなせないリスク
  • 適した企業: 営業チーム20人以上、本格的なCRM活用を目指す企業

安価なCRMツールの比較(無料・低価格プラン)

(1) 無料CRMの代表例と機能制限

HubSpot CRM:

  • 料金: 無料(ユーザー無制限)
  • 主な機能: 顧客管理、取引管理、メール追跡、レポート機能
  • 制限: 高度な分析機能、ワークフロー自動化は有料プランが必要
  • 適した企業: 営業チーム規模に関わらず、まずは無料で始めたい企業

Zoho CRM:

  • 料金: 無料(3ユーザーまで)
  • 主な機能: リード管理、取引管理、レポート、メール連携
  • 制限: 4人目以降は有料、ストレージ制限あり
  • 適した企業: 小規模チーム(3人以下)、コストを抑えたい企業

無料CRMの注意点:

  • ユーザー数が増えると有料プランへの移行が必要
  • データ容量に制限があるため、大量の顧客データには不向き
  • サポートが限定的(メールのみ、回答に時間がかかるなど)

(2) 月額1,000円台から使える低価格CRM

Zoho CRM(有料プラン):

  • 料金: 月額1,680円〜(1ユーザー)
  • 主な機能: リードスコアリング、ワークフロー自動化、カスタムレポート
  • 特徴: 多機能ながら低価格、カスタマイズ性が高い

kintone:

  • 料金: 月額780円〜(1ユーザー)
  • 主な機能: 顧客管理アプリ作成、案件管理、タスク管理
  • 特徴: ノーコードでアプリを自作できる柔軟性、日本企業に強い

その他の選択肢:

  • CRMツールは多数あり、業種・業務に特化したものも存在します
  • 公式サイトで料金プランと機能を確認し、3〜5社を比較することをおすすめします

(3) 各ツールの特徴と適した企業規模

HubSpot CRM:

  • 特徴: マーケティング・営業・カスタマーサポートを統合管理
  • 適した企業規模: スタートアップ〜中堅企業(営業チーム1〜50人)

Zoho CRM:

  • 特徴: 高いカスタマイズ性、多様な業種に対応
  • 適した企業規模: 小規模〜中堅企業(営業チーム3〜30人)

kintone:

  • 特徴: CRM以外の業務アプリも作成可能、柔軟性が高い
  • 適した企業規模: 小規模〜中堅企業(全社で10〜100人)

※各ツールの料金プランは変更される可能性があります。最新情報は公式サイトをご確認ください。

安価なCRM選定のチェックポイント

(1) 価格だけでなく長期的な費用対効果を重視

安価なCRMを選ぶ際、価格だけに注目すると以下のリスクがあります:

  • 必要な機能が不足していて、結局使わなくなる
  • ユーザー数が増えた際の追加費用が予想以上に高額
  • サポート体制が不十分で、トラブル時に解決できない

費用対効果を重視するポイント:

  • 自社の課題(営業の属人化解消、商談管理の効率化など)に必要な機能があるか確認
  • 導入後1年間の総コスト(初期費用 + 月額費用 × 12ヶ月 + カスタマイズ費用)を試算
  • ROI(投資対効果)の目安: 営業効率が何%向上すれば元が取れるか、を明確にする

(2) 必要な機能・拡張性・サポート体制の確認

必要な機能のチェックリスト:

  • 基本機能: 顧客情報管理、取引管理、活動履歴
  • 営業支援機能: 商談フェーズ管理、売上予測、レポート機能
  • 連携機能: メール、カレンダー、名刺管理ツール、MAツールとの連携
  • モバイル対応: スマートフォンアプリの有無、外出先での利用可否

拡張性の確認:

  • ユーザー数が増えた際に柔軟にプラン変更できるか
  • 機能追加(カスタムフィールド、API連携)が可能か

サポート体制:

  • 日本語サポートの有無(海外ツールは要確認)
  • サポート窓口(メール、チャット、電話)
  • オンボーディング支援(初期設定・運用立ち上げ支援)の有無

(3) 無料トライアルでの事前検証

多くのクラウド型CRMツールは無料トライアル(14日〜30日間)を提供しています。以下を事前に確認しましょう:

操作性:

  • 直感的に操作できるか、ITスキルが低い営業担当者でも使いこなせるか
  • 画面遷移の速度、レスポンスは快適か

実務での適合性:

  • 自社の営業プロセスに合っているか
  • 既存の顧客データをインポートして実際に運用してみる

チームでの試用:

  • 営業担当者全員に試してもらい、フィードバックを集める
  • 実際に使う人の意見を反映させることで、導入後の定着率が向上する

導入時の注意点とコスト削減のポイント

(1) 無料CRMの制限(ユーザー数・データ容量・機能)

無料CRMには以下の制限があります:

ユーザー数制限:

  • Zoho CRM: 3ユーザーまで無料
  • HubSpot CRM: ユーザー無制限だが、一部機能は有料プランが必要

データ容量制限:

  • 顧客レコード数、添付ファイルのサイズに上限がある
  • 長期運用すると容量不足になるリスク

機能制限:

  • 高度な分析機能、ワークフロー自動化、カスタムレポートは有料プランのみ
  • API連携が制限されることもある

サポート制限:

  • メールサポートのみ、回答に数日かかる場合がある
  • オンボーディング支援がない

(2) 隠れコストの確認(カスタマイズ・サポート費用)

安価なCRMでも、以下の隠れコストが発生する場合があります:

カスタマイズ費用:

  • カスタムフィールドの追加、レポートのカスタマイズに追加料金が発生することがある
  • 外部パートナーに依頼する場合は別途コンサルティング費用が必要

ユーザー追加費用:

  • 営業チームが拡大した際、1ユーザーあたりの追加費用を確認
  • 年間契約と月額契約で料金が異なる場合がある

データ移行費用:

  • 既存のExcelや他のCRMからデータを移行する際の作業コスト
  • インポートツールが提供されているか確認

運用サポート費用:

  • 初期設定、運用ルール策定、トレーニングを外部に依頼する場合の費用

(3) 段階的な導入でリスク軽減

CRM導入を成功させるには、段階的なアプローチが効果的です:

フェーズ1: 無料プランでスモールスタート

  • 営業チームの一部(3〜5人)で試験導入
  • 基本的な顧客管理・案件管理から始める

フェーズ2: 運用ルールの策定

  • 入力項目、更新頻度、レポート作成ルールを明確化
  • 営業担当者全員が同じルールで運用することで、データ品質が向上

フェーズ3: 有料プランへの移行判断

  • 無料プランで3〜6ヶ月運用し、効果を測定
  • 営業効率が向上した、商談管理がスムーズになったなど、成果が出たら有料プランを検討

フェーズ4: 機能拡張・他ツールとの連携

  • MAツール、SFAツールとの連携で、マーケティング〜営業の一気通貫を実現
  • API連携で業務システムと統合

まとめ:自社に最適な安価CRMの選び方

安価なCRMは、初期費用を抑えて顧客管理を効率化できる有力な選択肢です。無料プランやトライアルを活用し、自社の課題に最適なツールを見つけましょう。

この記事のまとめ:

  • CRM費用相場は月額約4,200円だが、クラウド型なら月額数百円から、無料プランも豊富
  • HubSpot CRM(ユーザー無制限)、Zoho CRM(3ユーザーまで無料)など代表的な選択肢がある
  • 価格だけでなく、必要な機能・拡張性・サポート体制を総合的に評価する
  • 無料トライアルで操作性・実務での適合性を事前に確認する
  • 段階的に導入し、効果を測定しながら有料プランへの移行を判断する

次のアクション:

  • 自社の課題(営業の属人化、商談管理の非効率など)を明確にする
  • 3〜5社の公式サイトで料金プラン・機能を比較する
  • 無料トライアルで実際に操作性を試す(営業チーム全員に試してもらう)
  • 無料プランでスモールスタートし、運用ルールを策定する

自社に最適な安価CRMを選定し、営業活動の効率化と売上向上を実現しましょう。

※この記事は2024年11月時点の情報です。料金プランは変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1CRMの費用相場はいくらですか?

A1初期費用は約25,000円、月額費用は約4,200円が相場です。ただし、クラウド型CRMなら初期費用0円、月額数百円から利用可能なものも多く、無料プランを提供するツール(HubSpot CRM、Zoho CRMなど)もあります。

Q2無料CRMと有料CRMの違いは何ですか?

A2無料CRMには利用人数、データ容量、機能、サポートに制限があります。例えばZoho CRMは3ユーザーまで無料ですが、HubSpot CRMはユーザー無制限です。有料プランは高度な分析機能、カスタマイズ、優先サポートが利用できます。

Q3価格の安いCRMを選ぶ際の注意点は何ですか?

A3価格だけに注目せず、自社の課題に必要な機能があるか確認しましょう。また、ユーザー数増加時の追加費用、カスタマイズコスト、サポート体制など隠れコストもチェックが必要です。多くのツールが無料トライアルを提供しているので、事前に使い勝手を確認することをおすすめします。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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