Salesforceダッシュボード|現場定着の設計・運用

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/410分で読めます

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Salesforceダッシュボードを作ったのに誰も見ていない問題

Salesforceダッシュボードは作成手順を覚えるだけでは現場に定着せず、業務プロセスに合ったKPI設計と運用ルールの整備が必要であり、それを実現するには専門家の支援が有効です——本記事ではこの結論を詳しく解説します。

ダッシュボードとは、複数のレポートを基にグラフや表を1画面に集約し、データを視覚化してビジネス全体を俯瞰できる機能です。Salesforceダッシュボードでは20個のグラフ/コンポーネントを1画面に配置可能であり、機能面では十分な表現力を備えています(出典:Salesforceのダッシュボードについてまとめてみた)。

しかし、多くの企業でダッシュボードを作成したにもかかわらず「現場が見ていない」「活用されていない」という課題が生じています。この問題の原因はツールの機能不足ではなく、設計と運用にあるケースがほとんどです。

この記事で分かること

  • ダッシュボードとレポートの違い・基本機能
  • ダッシュボードが定着しない原因と設計の落とし穴
  • 営業管理で活用できるダッシュボード項目例
  • 現場に定着させる運用ルールとチェックリスト

Salesforceダッシュボードとレポートの違い・基本機能

Salesforceにおけるダッシュボードとレポートは、データ活用の目的が異なります。レポートは、Salesforceのデータを条件指定で抽出・集計し、詳細分析を行うための機能であり、ダッシュボードの基盤となります。一方、ダッシュボードは複数のレポートを視覚化して一画面で俯瞰するための機能です。

両者の主な違いは以下のとおりです。

項目 ダッシュボード レポート
目的 全体像の俯瞰・KPIモニタリング 詳細データの抽出・分析
表示形式 グラフ・ゲージ等を複数配置 リスト・サマリー形式
更新タイミング 手動更新または自動更新設定が必要 画面表示時に自動で最新化
主な利用者 経営層・マネージャー 担当者・分析者

特に注意すべき点として、ダッシュボードは手動更新が必要であり、自動更新を設定しても最新データは「更新」ボタン押下時に反映されます@@SOURCE_0@@。レポートは画面を開くたびに自動で最新データが表示されるため、この違いを理解しておくことが重要です。

コンポーネントとは、ダッシュボード上に配置する個々のグラフや表のことで、ウィジェットとも呼ばれます。各コンポーネントは特定のレポートを参照して可視化を行います。

ダッシュボードで使えるグラフの種類と選び方

Salesforceダッシュボードでは、目的に応じて適切なグラフを選ぶことが重要です。主なグラフの種類と選び方の目安は以下のとおりです。

目的 推奨グラフ 活用シーン例
複数項目の比較 棒グラフ(縦・横) 担当者別売上、商品別受注件数
時系列の推移 折れ線グラフ 月次売上推移、リード獲得数の変化
構成比の把握 円グラフ・ドーナツグラフ 商談ステージ別割合、業種別顧客構成
目標達成度 ゲージ 売上目標達成率、KPI進捗

グラフの「正解」は一つではなく、何を伝えたいか、誰が見るかによって最適な選択は変わります。重要なのは、「分析したい」ではなく「何を伝えたいか」という視点で選ぶことです。

ダッシュボードが定着しない原因と設計の落とし穴

ダッシュボードが現場で活用されない最大の原因は、「作り方」だけを学んで自力で構築しようとすることです。何を見るべきかの設計がないまま作ると、誰も見ないダッシュボードになります。これはよくある失敗パターンです。

マジカルナンバーとは、人が同時に処理できる情報量の限界(7±2)を指します。ダッシュボード設計でも、グラフ配置数は7±2個を目安にすると情報過多を避けられると言われています(出典:マジカルナンバーで考えるダッシュボードレイアウト)。最大20個まで配置できるからといって詰め込みすぎると、スクロールが必要になり、かえって意思決定の効率が低下します。

定着しないダッシュボードによく見られる問題点は以下のとおりです。

  • 目的が不明確: 「何のために見るのか」が定義されていない
  • 情報過多: グラフを詰め込みすぎて見るべきポイントが分からない
  • 更新されない: 古いデータのまま放置され、信頼を失う
  • 現場の業務と乖離: 日常業務で使うシーンがない

見られるダッシュボードの設計条件

現場で活用されるダッシュボードには、共通する設計条件があります。

まず、「誰が」「何を」「どう判断するために使うか」を明確にすることが出発点です。たとえば「営業マネージャーが週次会議で商談進捗を確認し、フォローすべき案件を特定する」といった具体的な利用シーンを想定します。

次に、グラフの配置順序も重要です。全体から詳細へ(大→小)の順で配置すると視認性が向上します。たとえば、最初に全社売上の推移を配置し、次に部門別、最後に担当者別という流れです。

名前の付け方にも配慮が必要です。「ダッシュボード1」ではなく「週次営業レビュー」「月次KPI進捗」など、一目で用途が分かる名前にすることで、現場での利用頻度が上がります。

営業管理で活用できるダッシュボード項目例

営業管理でダッシュボードを活用する場合、以下のような項目を配置することが一般的です。動的ダッシュボードを使えば、閲覧者の権限に応じて表示データが変わり、各ユーザーが自分のデータのみ参照できるようになります。

【比較表】営業管理用ダッシュボード項目例

ダッシュボード名 主な配置コンポーネント 対象者 更新頻度目安
リードファネル リードソース別件数、ステージ別推移、コンバージョン率 マーケティング・IS 日次〜週次
商談パイプライン 商談ステージ別金額、担当者別商談数、クローズ予定案件 営業マネージャー 日次
売上予測 月次売上予測、達成見込み案件、リスク案件 営業部長・経営層 週次
KPI達成度 売上目標達成率、訪問件数、提案件数 営業担当者 日次
失注分析 失注理由別件数、競合負け案件、価格負け案件 営業企画 月次

Salesforce Winter'26(2025年度)では、ダッシュボードグラフに基準線(目標線)機能が追加されました(出典:Salesforce Winter'26 リリースノート解説)。この機能を使えば、売上目標や前年実績を視覚的に比較できるため、達成度の把握がより直感的になります。

配置するコンポーネントは、前述のマジカルナンバーを意識して7±2個に絞り込むことをおすすめします。すべてを1つのダッシュボードに詰め込むのではなく、用途別に複数のダッシュボードを作成する方が効果的です。

ダッシュボードを現場に定着させる運用ルール

ダッシュボードを作成しただけでは定着しません。運用ルールを整備し、継続的に活用される仕組みを作ることが重要です。

【チェックリスト】ダッシュボード設計チェックリスト

  • ダッシュボードの利用目的が明文化されている
  • 「誰が」「いつ」「何を判断するために」使うか定義されている
  • 配置するコンポーネントが7±2個に絞り込まれている
  • グラフの種類が目的に合っている(比較→棒、推移→折れ線など)
  • 全体から詳細への配置順序になっている
  • ダッシュボード名から用途が分かる
  • 更新頻度と更新担当者が決まっている
  • アクセス権限が適切に設定されている
  • 定期的なレビュー・改善のタイミングが決まっている
  • 現場からのフィードバックを収集する仕組みがある

運用ルールとして特に重要なのは、更新のタイミングと担当者を明確にすることです。自動更新を設定していても、レポートの条件変更やコンポーネントの見直しは人の手が必要です。

また、定期的なレビューの機会を設けることも効果的です。月に一度、実際にダッシュボードを使っているメンバーから「何が見にくいか」「何が足りないか」をヒアリングし、改善を重ねることで、現場にとって本当に役立つダッシュボードへと育てていくことができます。

ダッシュボード活用を支援する専門家の役割

自社だけでダッシュボードの設計・運用を完結しようとすると、限界があるのも事実です。特に以下のようなケースでは、業務プロセスを理解した専門家への相談が有効です。

  • 何をKPIとして設定すべきか分からない
  • 既存のダッシュボードが活用されていない原因が特定できない
  • 営業プロセスの可視化をどう設計すればよいか分からない
  • Salesforceの機能を十分に活かしきれていない

専門家に相談することで、単なる「作り方」の支援ではなく、業務プロセスに合ったKPI設計や運用ルールの整備まで含めた支援を受けられます。結果として、現場で実際に活用されるダッシュボードを構築できる可能性が高まります。

まとめ:ダッシュボード定着は設計と運用で決まる

本記事では、Salesforceダッシュボードが現場で活用されない原因と、定着させるための設計・運用のポイントを解説しました。

要点の整理:

  • ダッシュボードとレポートは目的が異なる(俯瞰 vs 詳細分析)
  • 「作り方」だけを学んで構築すると、誰も見ないダッシュボードになりやすい
  • グラフ配置数は7±2個を目安に、情報過多を避ける
  • 「誰が何を判断するために使うか」を明確にすることが設計の出発点
  • 運用ルールの整備と定期的な改善が定着の鍵

今日からできるアクション:

  • 現在のダッシュボードを「チェックリスト」で点検する
  • 実際に使っている(または使っていない)現場メンバーにヒアリングする
  • 用途が不明確なダッシュボードを整理・統合する

Salesforceダッシュボードは作成手順を覚えるだけでは現場に定着しません。業務プロセスに合ったKPI設計と運用ルールの整備が不可欠であり、それを実現するには専門家の支援が有効です。まずは本記事のチェックリストを活用して、現状のダッシュボードを見直すところから始めてみてください。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1Salesforceのダッシュボードとレポートの違いは何ですか?

A1レポートは個別データの抽出・詳細分析に使い、ダッシュボードは複数のレポートを1画面に集約して全体像を俯瞰する機能です。レポートは画面表示時に自動で最新データが反映されますが、ダッシュボードは手動更新または自動更新設定が必要で、最新データは「更新」ボタン押下時に反映されます。

Q2ダッシュボードにグラフをいくつ配置するのが適切ですか?

A2グラフ配置数は7±2個を目安にすると情報過多を避けられます(マジカルナンバー)。Salesforceでは最大20個まで配置可能ですが、多すぎるとスクロールが必要になり意思決定効率が低下します。優先度の高い指標に絞り、用途別に複数のダッシュボードを作成することをおすすめします。

Q3ダッシュボードのグラフはどう選べばよいですか?

A3目的に応じて選びます。複数項目の比較なら棒グラフ、時系列推移なら折れ線グラフ、構成比なら円・ドーナツグラフ、目標達成度ならゲージが適しています。Winter'26からは基準線(目標線)機能も追加され、達成度分析がしやすくなりました。

Q4作ったダッシュボードが現場で使われないのはなぜですか?

A4主な原因は「誰が何を判断するために使うか」が設計時に明確でないことです。作り方だけを学んで構築すると、現場の業務フローに合わない「誰も見ないダッシュボード」になりやすいです。業務プロセスに合ったKPI設計と運用ルールの整備が定着の鍵になります。

Q5ダッシュボードを現場に定着させるにはどうすればよいですか?

A5まず現場が「何を判断するために使うか」をヒアリングし、KPI設計に反映します。グラフは優先度の高いものに絞り(7±2個目安)、更新頻度と担当者を決めます。定期的なレビューで改善を重ね、自社だけでの設計が難しい場合は専門家に相談することも有効です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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