Salesforceコンサルに依頼しても成果が出ない企業の共通点
Salesforceコンサルの答えは明確で、Salesforceコンサルタントを活用して成果を出すには、コンサル会社の選定だけでなく、発注側の事前準備と導入後の継続的な活用・改善体制の構築が不可欠です。
多くの企業がSalesforceの導入を専門のコンサルタントに依頼しますが、期待した成果が出ないケースも少なくありません。IDC調査によると、AI搭載クラウドソリューション導入企業のうち、52%がITプロジェクトコンサルティング/SIを不可欠なサービスとして挙げています。つまり、コンサルティングサービスへのニーズは高いにもかかわらず、成果に結びつかない企業が存在するのです。
この記事で分かること
- Salesforceコンサルタントの役割と仕事内容
- コンサル会社選定の比較ポイントとチェックリスト
- 費用相場と見積り精査のポイント
- 導入から活用までのフローと協働体制の構築方法
- 成果を出すために発注側が準備すべきこと
本記事では、コンサル会社の選定方法だけでなく、発注側の準備から導入後の活用・改善体制の構築までを一気通貫で解説します。
Salesforceコンサルタントの役割と仕事内容
Salesforceコンサルタントとは、Salesforce導入・活用を通じて売上向上やDX推進を支援する専門職です。要件定義から設計・実装、定着支援までを担います。
Salesforceコンサルティング市場は急速に成長しています。Fortune Business Insightsによると、世界のSalesforceコンサルティングサービス市場規模は2025年に209.3億ドル(約2.09兆円)、2032年には570億ドルに達すると予測されています(CAGR 15.4%)。また、IDC調査によれば、日本のSalesforceパートナーエコシステムの事業収益は、2021年時点でSalesforce本体売上の5倍、2026年には6.5倍まで拡大すると予測されています。
Salesforceパートナーは、Salesforce社が認定した導入支援・開発・運用を行う企業です。コンサルティングパートナー、ISVパートナーなどの種類があります。
コンサルタントが提供するサービスは主に以下の領域に分かれます。
- 要件定義・戦略策定:現状分析、業務課題の整理、導入目的の明確化
- 実装・統合サービス:Salesforceの設定・カスタマイズ・他システムとの連携
- 定着支援:導入後にユーザーが継続的に活用できるよう、トレーニングや運用改善を行う支援
重要なのは、導入フェーズだけでなく「定着支援」まで含まれることです。この点が後述する成果を出すための鍵となります。
コンサル会社のタイプと得意分野
Salesforceパートナーにはいくつかのタイプがあり、それぞれ得意分野が異なります。
- 総合系コンサル:大規模なDX推進や複数システムの統合プロジェクトに強み
- IT系コンサル:技術的な実装やカスタマイズ、開発力に強み
- 独立系・専門系:Salesforce特化の専門知識と柔軟な対応力に強み
自社の規模や課題に合った会社タイプを選ぶことが重要です。大手パートナーが最適とは限らず、自社の業界経験や課題解決実績を重視して選定しましょう。
Salesforceコンサル会社の選び方と比較ポイント
コンサル会社選定で確認すべきポイントは、実績・業界知見・定着支援の有無・コミュニケーション体制の4点です。
Fit&Gap分析とは、自社の業務要件とSalesforceの標準機能を比較し、適合度とカスタマイズ必要箇所を明確にする分析手法です。この分析を適切に行えるかどうかも選定の重要な観点となります。
【チェックリスト】Salesforceコンサル選定・発注前チェックリスト
- 自社の導入目的・達成したいKPIを明確化している
- 現状の業務課題を整理し、文書化している
- 社内のステークホルダー(経営層・現場)の合意を得ている
- プロジェクト推進の社内担当者をアサインしている
- 予算の上限と優先順位を決定している
- 導入希望時期と優先度を整理している
- 候補企業の導入実績(件数・業界・規模)を確認している
- 候補企業のSalesforceパートナー認定有無を確認している
- 候補企業の定着支援サービスの有無・内容を確認している
- 候補企業のプロジェクト体制・担当者のスキルを確認している
- 見積りのスコープ(戦略/設計/構築/教育/定着)を確認している
- 総工数と単価の妥当性を確認している
- 導入後の保守・運用サポート体制を確認している
- 契約条件(追加費用・解約条件)を確認している
発注側が準備すべきこと
コンサルに丸投げせず、発注側も事前準備を行うことで成果が出やすくなります。
発注側で整理しておくべき項目は以下のとおりです。
- KPI設計:Salesforce導入で達成したい数値目標を明確にする
- 現状の課題整理:現在の業務フローと課題を文書化する
- 社内ステークホルダーの合意形成:経営層と現場の期待値を調整する
- プロジェクト推進体制:社内の責任者・担当者を決定する
これらの準備があるかないかで、プロジェクトの成否が大きく左右されます。
Salesforceコンサルの費用相場と見積り精査のポイント
Salesforceコンサルの費用は、プロジェクトの規模・スコープにより大きく異なります。なお、Salesforceコンサルの費用相場に関する公的統計は存在しないため、民間事例・見積り事例からの推定レンジとして参考にしてください。
見積り精査のポイントは「総工数(人日)×単価」の妥当性をフェーズ別に確認することです。
- 戦略フェーズ:要件定義、現状分析
- 設計フェーズ:システム設計、業務フロー設計
- 構築フェーズ:実装、カスタマイズ、テスト
- 教育フェーズ:ユーザートレーニング、マニュアル作成
- 定着フェーズ:運用サポート、改善提案
「コンサル費用は安いほど良い」という考え方は誤りです。要件のスコープと単価のバランスで判断すべきであり、定着支援まで含めたトータルコストで比較することが重要です。
導入から活用までのフローと成果を出すための協働体制
導入プロジェクトの成否を分けるのは、導入フェーズだけでなく定着・活用フェーズまでの協働体制を構築できるかどうかです。
よくある失敗パターンとして、Salesforceコンサルタントに丸投げして導入すれば成果が出ると考え、発注側の準備や導入後の活用体制構築を怠った結果、ツールが使われないまま放置されるケースがあります。このパターンでは成果は出ません。
Fortune Business Insightsによると、Salesforceコンサルティングサービス活用企業では顧客維持率の向上45%、リードから顧客への転換率の向上30%、売上高の増加28%の成果が見られるとされています。ただし、これはベストプラクティス事例を含む参考値であり、すべての企業に当てはまるわけではありません。成果を出すには適切な協働体制の構築が前提となります。
【フロー図】Salesforce導入から活用までのフロー
flowchart TD
A[要件定義・戦略策定] --> B[設計・Fit&Gap分析]
B --> C[実装・カスタマイズ]
C --> D[テスト・検証]
D --> E[ユーザートレーニング]
E --> F[本番稼働]
F --> G[定着支援・運用改善]
G --> H[継続的改善・MA/SFA連携強化]
H --> G
各フェーズでコンサルタントと発注側が協働し、特に「定着支援」から「継続的改善」のサイクルを回すことが成果創出の鍵です。
導入後のMA/SFA連携と継続的改善
総務省「通信利用動向調査 2023年版」によると、クラウドサービスを利用している企業割合は全体で73.9%(2023年)に達しています。クラウド活用が一般化する中で、Salesforceと他のMA/SFAツールとの連携運用がますます重要になっています。
導入後の継続的な改善として取り組むべきことは以下のとおりです。
- 定期的なデータクレンジングと品質管理
- 営業・マーケティング部門間の連携ルールの運用と見直し
- KPI達成状況のモニタリングと改善施策の実行
- 新機能・アップデートへの対応
まとめ:コンサル選定から活用まで一気通貫で取り組む
本記事では、Salesforceコンサルタントの役割から選定方法、費用相場、導入から活用までのフローを解説しました。
IDC調査によると、Salesforceエコノミーは2021〜2026年の5年間で日本において44万300人の新規雇用を創出する見込みです。市場は今後も成長が見込まれ、Salesforce活用の重要性は高まっています。
まずは本記事のチェックリストを活用して、自社の現状を分析してみてください。発注側の準備状況を確認し、コンサル会社との協働体制を構築する土台を整えることが、成果への第一歩です。
Salesforceコンサルタントを活用して成果を出すには、コンサル会社の選定だけでなく、発注側の事前準備と導入後の継続的な活用・改善体制の構築が不可欠です。
