SaaS商談の成功率を上げる準備と質問技術|商談化率50%超の実践ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/414分で読めます

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SaaS商談の現状と課題

ずばり、SaaS商談の成功は、顧客の課題を深く理解し、自社の実装力という差別化要素を具体的に示すことで実現できます。

日本SaaS市場は2025年に国内1兆円を突破し、世界では4,800億ドル(約72兆円)規模に達すると予測されています。2025年の調査(n=1,019、経営者・情シス担当者対象)では、有償SaaS利用企業は61%で、2年前比で利用数は95%が増加傾向(「増えている・現状維持」95%)を示しました。この市場拡大に伴い、SaaS商談の重要性はますます高まっています。

商談化率とは、獲得したリード(見込み客)のうち、実際に商談(商談の場を設定)に進んだ割合を指します。業界平均では、SaaS企業の商談化率は30〜40%で、エンタープライズ向けは25〜35%、SMB向けは35〜45%程度と言われています。しかし、多くの企業がこの平均値に到達できず苦戦している現状があります。

よくある失敗パターンとして、ヒアリング項目を一方的に聞くだけで終わる、自社サービスの機能説明に終始する、顧客の本質的な課題に踏み込まない商談が挙げられます。これらの商談では、顧客の真のニーズを引き出せず、受注に繋がりません。

この記事で分かること

  • SaaS商談の基本的な流れとプロセス
  • 商談前に準備すべきヒアリング項目(チェックリスト付き)
  • 顧客の課題を深く引き出す質問技術と実装力を伝える商談トークテンプレート
  • 商談化率を高めるための具体的な方法(インサイドセールス連携・カスタマーサクセス連携)

SaaS商談の基本的な流れとプロセス

一般的には、SaaS商談はMQLからの引き継ぎ、初回接触、ヒアリング、提案、クロージングの流れで進みます。各フェーズで重要なポイントを押さえることで、商談化率と受注率を高めることができます。

MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング施策により一定の興味関心を示し、営業部門へ引き渡す基準を満たした見込み客を指します。インサイドセールス(IS) とは、電話・メール・オンライン会議等の非対面手段で見込み客にアプローチし、商談機会を創出する営業手法です。

商談化率50%超のBtoB企業の約半数がリードへ当日中〜2日以内の初回接触を実施しており、アポイント獲得までの平均接触回数は3回(25.4%)が最多で、2〜3回以内の効率化が鍵となっています(2025年8月調査、n=118)。初回接触のタイミングと接触回数の最適化が商談化率向上の重要な要素です。

リードの引き継ぎから初回接触まで

MQLからの引き継ぎでは、マーケティング部門が収集した見込み客の興味関心度や行動履歴を営業部門に共有します。この引き継ぎフローを明確にすることで、営業担当者は見込み客の状況を把握した上で初回接触に臨めます。

初回接触は当日中〜2日以内を目標とし、リードの興味が高いうちにアプローチすることが重要です。電話、メール、オンライン会議など、見込み客の希望に応じた手段を選択し、商談の場を設定します。

ヒアリングから提案・クロージングまで

ヒアリングでは、顧客の現状の課題、導入検討の背景、予算、導入時期などを確認します。単に質問項目を聞くだけでなく、顧客の言葉の裏にある本質的な課題を引き出す質問技術が求められます。

ヒアリングで得た情報を基に、顧客の課題を解決する提案を行います。提案では、自社サービスの機能説明だけでなく、顧客の課題をどのように解決できるか、実装までの具体的なステップを示すことが重要です。

クロージングでは、契約に向けた最終的な条件調整や懸念事項の解消を行います。接触回数を2〜3回以内に抑えることで、効率的に商談を進めることができます。

商談前のヒアリング準備

商談前の準備が商談の成否を左右します。顧客の状況を事前に把握し、適切なヒアリング項目を用意することで、限られた時間で顧客の本質的な課題を引き出すことができます。

2025年の調査(n=1,019)によると、情報システム部門の業務時間の約20%がSaaS関連負担に費やされています。また、中堅企業(50〜299人)で10〜49種類導入が33.3%、50〜99種類が9.9%(2025年調査、n=1,243)に達しており、多くの企業がSaaS管理に課題を抱えています。

商談前のヒアリングでは、「現在のSaaS利用数(平均4〜9種類)」「2年前比増減(95%増加傾向)」「情シス負担割合(20%)」を確認し、管理ツール統合による負担削減を提案の軸にすることが効果的です。

【チェックリスト】SaaS商談前ヒアリング準備チェックリスト

  • 顧客企業の業種・事業内容・従業員数を確認済み
  • 現在利用しているSaaSツールの種類と数を把握済み
  • SaaS利用数の2年前比増減傾向を確認済み
  • 情報システム部門の体制とSaaS管理負担を把握済み
  • MA/SFA/CRMの導入状況と活用度を確認済み
  • 商談化率・受注率の現状値を把握済み
  • インサイドセールス体制の有無を確認済み
  • カスタマーサクセス体制の有無を確認済み
  • 顧客が抱えている具体的な課題(リード管理、商談管理、情報共有など)を仮説立て済み
  • 導入検討の背景・きっかけを確認済み
  • 予算規模と決裁プロセスを把握済み
  • 導入希望時期とスケジュール感を確認済み
  • 競合サービスの検討状況を把握済み
  • 顧客のKPI(商談化率、受注率、リード獲得数など)を確認済み
  • 過去のシステム導入経験と成功・失敗事例を把握済み
  • 顧客の差別化ポイント・強みを理解済み
  • 商談で提示する実装事例・デモの準備完了
  • 顧客の課題を深掘りする質問リストを作成済み
  • 実装力を伝える商談トークを準備済み
  • 商談後のフォローアップ計画を立案済み

顧客の課題を深く引き出す質問技術と商談の進め方

ここでは、よくある商談の失敗パターンを明確に否定し、正しい商談の進め方を示します。

ヒアリング項目を一方的に聞くだけ、自社サービスの機能説明に終始する、顧客の本質的な課題に踏み込まない商談では成果が出ません。顧客の表面的なニーズだけでなく、その背景にある真の課題を引き出す質問技術が必要です。

2025年の調査(n=1,019)では、情報システム部門の業務時間の約20%がSaaS関連負担に費やされています。この事実を顧客の痛みとして共感し、「現在のSaaS管理でどのような課題を感じていますか?」「業務時間のどれくらいがSaaS関連の対応に費やされていますか?」といった質問で顧客の課題を深掘りします。

SaaS管理システム導入企業の91%が効果実感(業務時間20%削減)を報告しています(2025年調査)。この実績を根拠に、自社の実装力という差別化要素を具体的に示すことで、顧客に「戦略だけでなく動くものを納品できる」という価値を伝えることができます。

よくある商談の失敗パターン

商談で失敗する典型的なパターンを理解し、避けることが成功への第一歩です。

失敗パターン1: ヒアリング項目を一方的に聞くだけ 顧客の回答を深掘りせず、チェックリストを消化するだけの商談では、顧客の本質的な課題を引き出せません。顧客の言葉の裏にある真の課題を探る質問が必要です。

失敗パターン2: 自社サービスの機能説明に終始する 機能の羅列では、顧客に「自社の課題がどう解決されるか」が伝わりません。顧客の課題を起点に、解決策としてのサービスを提示することが重要です。

失敗パターン3: 顧客の本質的な課題に踏み込まない 表面的なニーズだけを聞いて提案すると、後で「想定していたものと違う」と言われるリスクがあります。「なぜその課題が発生しているか」「解決できないとどうなるか」まで深掘りすることが必要です。

失敗パターン4: ツールを導入すれば自動的に成果が出ると伝える 「ツールを導入すれば自動的に商談化率が上がる」と思い込ませる提案は、導入後の失望を招きます。リード定義の明確化やインサイドセールス体制構築などの前提条件を伝えることが重要です。

失敗パターン5: 質の低いリードまで無理に商談化しようとする 「商談化率は高ければ高いほど良い」と考え、質の低いリードまで無理に商談化すると、受注率が下がり営業効率が悪化します。リードの質を見極めることが重要です。

実装力を伝える商談トークの具体例

実装力を伝える商談トークテンプレートを、具体的なシーンで使う方法を示します。

【テンプレート】実装力を伝える商談トークテンプレート

件名: MA/SFA活用を「戦略」から「実装」まで支援する提案

シーン1: 顧客の課題共感 「現在、情報システム部門の業務時間の約20%がSaaS関連負担に費やされているという調査結果があります。御社でも同様の課題を感じていらっしゃいますか?具体的にどのような負担が大きいでしょうか?」

シーン2: 課題の深掘り 「SaaSツールの利用数が2年前と比べて増加しているとのことですが、それに伴って管理負担も増えていますか?どのような管理業務に時間がかかっていますか?」

シーン3: 解決策の提示 「SaaS管理システム導入企業の91%が効果実感(業務時間20%削減)を報告しています。御社の課題を解決するためには、ツールの導入だけでなく、業務プロセス全体の再設計と実装まで含めた支援が必要です。」

シーン4: 実装力の訴求 「一般的なコンサルティングでは戦略レポートの提出で終わりますが、私たちはMA・SFA設定からフルスクラッチツール開発まで、動くものを実装・納品します。HR Tech・SaaS業界での組織統括経験を活かし、戦略だけでなく現場の業務BPRから採用まで関与できる実践力が私たちの強みです。」

シーン5: 次のステップ提示 「まずは御社の現状を詳しくヒアリングさせていただき、具体的な実装プランをご提案させていただけますでしょうか?導入から運用定着まで、伴走型で支援いたします。」

差し込み変数:

  • {{担当者名}}: 顧客の担当者名
  • {{社名}}: 顧客の会社名
  • {{課題}}: ヒアリングで得た顧客の具体的な課題
  • {{目標}}: 顧客が達成したい目標

商談化率を高めるための具体的な方法

商談化率を高めるには、初回接触のタイミング、接触回数の最適化、インサイドセールス体制の構築、カスタマーサクセスとの連携が重要です。

業界平均では、SaaS企業の商談化率は30〜40%で、エンタープライズ向けは25〜35%、SMB向けは35〜45%程度です。この平均値を目標に、段階的な改善施策を実施します。

商談化率50%超のBtoB企業は、リードへ当日中〜2日以内の初回接触を実施し、アポイント獲得までの接触回数を2〜3回以内に抑えています(2025年8月調査、n=118)。初回接触の迅速化と接触回数の最適化が高い商談化率を実現する鍵です。

第1フェーズ(1ヶ月目)のCRM導入で商談化率+5%、第2フェーズ(2ヶ月目)のインサイドセールス体制構築で+10%の期待効果があると言われています(aporo.ai推奨)。まずはCRMでリード定義を明確化し、次にインサイドセールス体制を構築することで、商談化率15〜20%から30〜40%への向上を目指せます。

IT・デジタル関連業種では、カスタマーサクセス進展度は87.2%が進んだと回答し、CS導入企業では約8割がAI活用(うち3割が大部分活用)しています(2025年調査)。カスタマーサクセスが収益拡大の主戦力に転換しつつある中、商談後のCS連携も重要な要素です。

インサイドセールスと営業の連携ポイント

インサイドセールス(IS) とは、電話・メール・オンライン会議等の非対面手段で見込み客にアプローチし、商談機会を創出する営業手法です。

インサイドセールス体制構築の重要性は、第2フェーズ(2ヶ月目)のインサイドセールス体制構築で商談化率+10%の期待効果があることからも明らかです。リード定義の明確化、引き継ぎフロー、情報共有の仕組みを整えることが成功の鍵です。

リード定義の明確化 MQLの基準を営業とマーケティングで合意し、どのような状態のリードを引き継ぐかを明確にします。これにより、営業が「このリードは商談に値しない」と判断して放置するケースを防げます。

引き継ぎフローの整備 MQLからインサイドセールス、インサイドセールスから営業への引き継ぎフローを整備します。引き継ぎ時に共有すべき情報(興味関心度、行動履歴、過去の接触履歴など)を定義し、漏れなく伝達します。

情報共有の仕組み CRMやSFAを活用し、リードの状況をリアルタイムで共有します。インサイドセールスが得た情報を営業が即座に確認できる仕組みを作ることで、商談の質が向上します。

カスタマーサクセスとの連携で商談後の継続率を高める

カスタマーサクセス(CS) とは、顧客がサービスを通じて成果を達成できるよう支援し、継続利用・アップセルを促進する顧客支援活動です。

IT・デジタル関連業種では、カスタマーサクセス進展度は87.2%が進んだと回答し、CS導入企業では約8割がAI活用(うち3割が大部分活用)しています(2025年調査)。カスタマーサクセスが収益拡大の主戦力に転換しつつある最新トレンドを踏まえ、商談後のCS連携を強化することが重要です。

商談では新規契約を獲得することが目的ですが、契約後の継続利用・アップセルまで見据えた提案が求められます。商談時に、導入後のサポート体制やカスタマーサクセスの取り組みを説明し、顧客の不安を解消します。

商談後のCS連携では、導入初期のオンボーディング支援、定期的な活用状況の確認、追加機能の提案などを行います。顧客がサービスを通じて成果を達成できるよう伴走することで、継続利用率が向上し、アップセルの機会も生まれます。

まとめ

SaaS商談の成功は、顧客の課題を深く理解し、自社の実装力という差別化要素を具体的に示すことで実現できます。

この記事では、SaaS商談の基本的な流れとプロセス、商談前のヒアリング準備、顧客の課題を深く引き出す質問技術、商談化率を高めるための具体的な方法を解説しました。

商談前準備: SaaS商談前ヒアリング準備チェックリストを活用し、顧客の状況を事前に把握します。現在のSaaS利用数、2年前比増減、情シス負担割合を確認し、管理ツール統合による負担削減を提案の軸にします。

質問技術: よくある失敗パターン(ヒアリング項目を一方的に聞くだけ、機能説明に終始する、本質的な課題に踏み込まない)を避け、顧客の真の課題を引き出します。実装力を伝える商談トークテンプレートを活用し、「戦略だけでなく動くものを納品できる」という差別化要素を具体的に示します。

IS連携・CS連携: CRM導入でリード定義を明確化し、インサイドセールス体制を構築することで、商談化率15〜20%から30〜40%への向上を目指します。商談後のカスタマーサクセス連携で、継続利用・アップセルを促進します。

次のアクション

  1. SaaS商談前ヒアリング準備チェックリストを使って、次の商談の準備をする
  2. 実装力を伝える商談トークテンプレートを自社の状況に合わせてカスタマイズし、実際の商談で試す
  3. CRM導入とインサイドセールス体制構築を計画し、商談化率向上の施策を開始する

商談前準備→質問技術→IS連携→CS連携の流れを実践し、SaaS商談の成功率を高めましょう。

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1SaaS商談の商談化率の平均はどれくらいですか?

A1業界平均では30〜40%で、エンタープライズ向けは25〜35%、SMB向けは35〜45%程度です。商談化率50%超のBtoB企業の約半数がリードへ当日中〜2日以内の初回接触を実施し、アポイント獲得までの平均接触回数は3回(25.4%)が最多で、2〜3回以内の効率化が鍵となっています(2025年8月調査、n=118)。初回接触タイミングや接触回数の最適化で改善できます。

Q2商談前に準備すべきヒアリング項目は何ですか?

A2顧客の現在のSaaS利用数(平均4〜9種類)、2年前比の増減傾向(95%増加傾向)、情シス部門の負担割合(約20%)などを事前に確認することが重要です。2025年の調査(n=1,019、経営者・情シス担当者対象)では、有償SaaS利用企業は61%で、2年前比で利用数は95%が増加傾向を示しました。また、中堅企業(50〜299人)で10〜49種類導入が33.3%、50〜99種類が9.9%(2025年調査、n=1,243)に達しており、多くの企業がSaaS管理に課題を抱えています。

Q3インサイドセールスと営業の連携で注意すべきことは何ですか?

A3リード定義の明確化とCRM導入が第一歩です。第1フェーズ(1ヶ月目)のCRM導入で商談化率+5%、第2フェーズ(2ヶ月目)のインサイドセールス体制構築で+10%の期待効果があると言われています(aporo.ai推奨)。MQLの基準を営業とマーケティングで合意し、引き継ぎフローを整備し、CRMやSFAでリードの状況をリアルタイムで共有する仕組みを作ることが重要です。

Q4商談で失敗する典型的なパターンは何ですか?

A4ヒアリング項目を一方的に聞くだけ、自社サービスの機能説明に終始する、顧客の本質的な課題に踏み込まない、などが典型的な失敗パターンです。また、「ツールを導入すれば自動的に商談化率が上がる」と思い込ませる提案や、「商談化率は高ければ高いほど良い」と考え質の低いリードまで無理に商談化しようとすることも失敗に繋がります。顧客の言葉の裏にある真の課題を探る質問と、実装力を具体的に示す提案が成功の鍵です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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