Pardot Salesforce連携を設定しても成果が出ない企業の共通点
PardotとSalesforceのデータ同期が不安定、連携機能を活用できていない、マーケティングと営業のデータが分断されているという課題を解決したいなら、Pardot(Account Engagement)とSalesforceの連携成功は、初期設定だけでなく、データ同期ルールの最適化とカスタム機能開発まで完了させることで実現します。
多くの企業が陥る失敗パターンは、連携設定を完了すれば自動的にマーケティング・営業活動が効率化されると考え、データ同期ルールの設定やカスタマイズを後回しにして、結果的にデータ不整合や活用不全に陥ることです。
PardotとSalesforceのデータ同期は、更新検知後2~4分ごとに自動実行されますが、この同期が正しく機能するためには、データ同期ルールの最適化が不可欠です。初期設定だけでは、マーケティング部門と営業部門のデータが分断され、期待した効率化は実現しません。
この記事で分かること
- Pardot(Account Engagement)とSalesforce連携の基本的な仕組みとデータ同期の頻度
- 連携によるメリット(データ一元管理、営業効率化)と成功事例
- 連携設定の具体的な手順とデータ同期ルールの最適化方法
- 連携後に使える便利機能とカスタム機能開発のポイント
- 連携設定チェックリストとデータ同期ルール設定比較表(即座に実行可能)
Pardot Salesforce連携とは|データ同期の基本的な仕組み
Pardot(Account Engagement) とは、Salesforce社が提供するBtoBマーケティングオートメーションツールで、メールマーケティングに特化し、Salesforceとのシームレスな連携が可能です。
データ同期とは、PardotとSalesforce間でSalesforce IDを一意のキーとしてプロスペクトとリード・取引先責任者を双方向で同期する仕組みを指します。この同期は、更新検知後2~4分ごとに自動実行されます。
プロスペクトとは、Account Engagementで管理される見込み顧客のことで、Salesforceのリードまたは取引先責任者と双方向で同期されます。
Pardot-Salesforce間のバッチ処理容量は1時間あたり最大12,000レコード相当で、400レコード未満は即時同期、それ以上はバッチ処理で実行されます。この仕組みにより、リアルタイムに近いデータ同期が実現し、マーケティング部門と営業部門が常に最新の顧客情報を共有できます。
Pardot(Account Engagement)とは
Pardotは、BtoBマーケティングオートメーションツールとして、以下の主要機能を提供します:
- メールマーケティング: セグメント別の自動メール配信、A/Bテスト、開封率・クリック率の測定
- リードスコアリング: 見込み顧客の行動データ(フォーム送信、サイト訪問、メール開封等)を基に点数を付け、商談化可能性の高いリードを優先的に営業へ渡す仕組み
- ナーチャリング: 見込み顧客(リード)を育成し、購買意欲を高めて商談化・受注に導くマーケティング活動。メール配信やコンテンツ提供により段階的に関係を深める手法
- ランディングページ・フォーム作成: コーディング不要でLP・フォームを作成し、リード獲得を効率化
- レポーティング: マーケティング活動のROI測定、キャンペーン効果分析
Pardotの最大の強みは、Salesforceとのシームレスな連携です。マーケティング活動で獲得したリードを自動的にSalesforceに同期し、営業部門が即座にフォローアップできる体制を構築できます。
データ同期の仕組みと頻度
PardotとSalesforce間のデータ同期は、以下の仕組みで動作します:
同期頻度: 更新検知後2~4分ごとに自動実行されます。これにより、リアルタイムに近いデータ共有が可能です。
バッチ処理: Pardot-Salesforce間のバッチ処理容量は1時間あたり最大12,000レコード相当です。400レコード未満の更新は即時同期され、それ以上はバッチ処理で実行されます。
同期対象: Salesforce IDを一意のキーとして、プロスペクトとリード・取引先責任者が双方向で同期されます。カスタム項目もAPI名を一致させることで同期可能です。
同期方向: 基本的に双方向同期ですが、一部の項目は片方向のみの同期となります。例えば、空白値(Null)更新はSalesforce側のみ可能で、Account Engagement側からは不可です。
この仕組みにより、マーケティング部門がPardotで実施したメールキャンペーンの開封・クリック情報が、2~4分以内にSalesforceに反映され、営業担当者が最新の顧客行動を把握してタイムリーなフォローアップを行えます。
PardotとSalesforceを連携するメリット|データ一元管理と営業効率化
PardotとSalesforceの連携により、データ一元管理と営業効率化が実現します。具体的なメリットを成功事例とともに紹介します。
コニカミノルタジャパンでは、PardotとSalesforceの連携によりマーケティングとインサイドセールスの連携を強化し、案件創出が3倍に増加しました(企業提供データのため、過大評価の可能性があり、年度不明のため因果関係は未証明です)。
ロックオン社では、PardotとSalesforceの連携により「15分のタイムラグ」を解消し、アポイント獲得数が2倍に増加しました(企業提供データのため、過大評価の可能性があります)。
コロナ禍でPardot+Salesforceを導入した企業では、営業・経営層がどこからでも即座に状況把握が可能になり、データ一元管理でリモート営業効率化を実現しました(2021年)。
これらの成功事例に共通するのは、マーケティング部門と営業部門のデータを一元管理し、リードスコアリングとナーチャリングを組み合わせて商談化率を向上させている点です。
データ一元管理によるマーケティング・営業連携強化
データ一元管理の最大のメリットは、マーケティング部門と営業部門が同じデータを共有し、連携を強化できることです。
コニカミノルタジャパンの事例では、PardotとSalesforceの連携により、以下の効果が得られました:
- リードスコアリングによる優先順位付け: 見込み顧客の行動データ(フォーム送信、サイト訪問、メール開封等)を基に点数を付け、商談化可能性の高いリードを優先的に営業へ渡す仕組みを構築
- マーケティング活動の可視化: Pardotで実施したメールキャンペーンの効果をSalesforceで確認でき、営業担当者が顧客の関心度を把握してアプローチ
- インサイドセールスとの連携強化: スコアの高いリードをインサイドセールスに自動引き渡し、タイムリーなフォローアップを実現
これにより、案件創出が3倍に増加するという成果を得ています(企業提供データのため、過大評価の可能性があり、年度不明のため因果関係は未証明です)。
リアルタイム同期による営業効率化
リアルタイム同期により、マーケティング活動の成果が即座に営業部門に共有され、タイムラグを解消できます。
ロックオン社の事例では、PardotとSalesforceの連携により「15分のタイムラグ」を解消し、以下の効果を実現しました:
- 即座の顧客行動把握: メール開封・クリック、Webサイト訪問などの行動が2~4分以内にSalesforceに反映され、営業担当者がリアルタイムに顧客の関心を把握
- タイムリーなフォローアップ: 顧客が資料をダウンロードした直後に営業担当者がフォローコールを実施し、商談化率を向上
- アポイント獲得数の向上: タイムラグ解消により、アポイント獲得数が2倍に増加(企業提供データのため、過大評価の可能性があります)
また、コロナ禍でPardot+Salesforceを導入した企業では、営業・経営層がどこからでも即座に状況把握が可能になり、データ一元管理でリモート営業効率化を実現しました(2021年)。在宅勤務中でもリアルタイムで顧客情報を共有できるため、営業活動の継続性が保たれました。
PardotとSalesforceの連携設定手順とデータ同期ルールの最適化
PardotとSalesforceの連携設定は、基本的な設定とデータ同期ルールの最適化の2段階で実施します。
連携設定だけで満足せず、データ同期ルールの最適化とカスタム機能開発まで完了させることが、成功の鍵です。連携設定を完了すれば自動的にマーケティング・営業活動が効率化されると考え、データ同期ルールの設定やカスタマイズを後回しにすると、結果的にデータ不整合や活用不全に陥ります。
PardotとSalesforceのデータ同期は、更新検知後2~4分ごとに自動実行されますが、バッチ処理容量(1時間あたり最大12,000レコード相当)を考慮し、400レコード未満は即時同期、それ以上はバッチ処理で実行される仕組みを理解した上で、データ同期ルールを設定する必要があります。
以下、連携設定の具体的な手順とデータ同期ルールの最適化方法を解説します。
【チェックリスト】Pardot-Salesforce連携設定チェックリスト
以下のチェックリストを使用して、連携設定の進捗を確認してください。
初期設定
- Salesforceアカウントの作成(Pardot連携にはSalesforceアカウントが必須)
- Pardot(Account Engagement)のエディション確認(Growth/Plus/Advancedのいずれか)
- コネクター設定の実施(Account Engagement管理画面から設定)
- Salesforce接続済みキャンペーンの有効化
- Engagement Historyの有効化(営業担当者がPardot活動履歴をSalesforceで確認可能に)
- プロスペクトへの割り当てルール設定(Salesforce有効割り当てルール/キュー/ユーザを割り当て)
- 初回同期の実行と確認
データ同期ルール設定
- 項目同期設定の選択(「Salesforceの値を使用する」「最近更新されたレコードを使用する」「Account Engagementの値を使用する」から選択)
- カスタム項目API名の一致確認(リード/取引先責任者と一致させることで同期継続)
- 同期対象項目の選定(全項目同期は避け、必要な項目のみ選定)
- 空白値(Null)更新の制約確認(Salesforce側のみ可能、Account Engagement側からは不可)
- バッチ処理容量の監視設定(1時間あたり12,000レコード上限の監視)
- データ同期エラーの通知設定
運用設計
- リードスコアリングルールの設計(行動スコア+属性スコアの設定)
- ナーチャリングシナリオの設計(メール配信シーケンスの計画)
- 営業引き渡し基準の設定(スコア閾値、MQL/SQL定義)
- キャンペーン連携ルールの設定(PardotキャンペーンとSalesforceキャンペーンの紐付け)
- レポーティング設定(Salesforceダッシュボードでマーケティング効果を可視化)
- 運用担当者のトレーニング実施
- 外部伴走支援の検討(運用経験者ゼロの企業は段階的な体制構築を推奨)
連携設定の基本手順
Pardot-Salesforce連携の基本的な設定手順は以下の通りです:
コネクター設定: Account Engagement管理画面(デザインスタジオまたはマーケティングアクティビティ)から、Salesforce連携コネクターを設定します。Salesforceのログイン情報を入力し、認証を完了させます。
Salesforce接続済みキャンペーン/Engagement History有効化: Salesforce接続済みキャンペーンを有効化することで、PardotのメールキャンペーンとSalesforceキャンペーンを連携できます。Engagement Historyを有効化すると、営業担当者がSalesforceでPardotの活動履歴(メール開封、クリック、フォーム送信等)を確認できます。
プロスペクトへの割り当てルール設定: プロスペクトにSalesforce有効割り当てルール、キュー、またはユーザを割り当てることで、同期が開始されます。割り当てルールを適切に設定することで、新規リードが自動的に適切な営業担当者に振り分けられます。
初回同期の実行と確認: 設定完了後、初回同期が自動的に実行されます。Salesforceで新規リード・取引先責任者が作成されていることを確認し、データが正しく同期されているか検証します。
データ同期ルールの設定と最適化
データ同期ルールの設定では、項目ごとに同期方向を選択できます。以下の3つの選択肢があります:
「Salesforceの値を使用する」: Salesforce側の値を優先し、Account Engagement側の値を上書きします。営業担当者がSalesforceで更新した情報をマーケティング部門に反映させたい場合に使用します。
「最近更新されたレコードを使用する」: 更新日時が新しい方の値を使用します。マーケティング部門と営業部門のどちらが更新しても、最新情報が反映されます。
「Account Engagementの値を使用する」: Account Engagement側の値を優先し、Salesforce側の値を上書きします。マーケティング部門が管理する項目(メールオプトイン状態等)を優先したい場合に使用します。
【比較表】データ同期ルール設定比較表
以下のCSV形式比較表を使用して、データ同期ルールの選択基準を確認してください。
項目種別,デフォルト同期,カスタム同期,選択基準,注意点
基本情報(氏名・メール),Salesforceの値を使用,最近更新されたレコードを使用,営業が更新することが多いため最新値を優先,空白値更新はSalesforce側のみ可能
企業情報(会社名・業種),Salesforceの値を使用,Salesforceの値を使用,営業が正確な情報を持つためSalesforce優先,取引先責任者変換時にデータ引き継ぎ確認
スコア・グレード,Account Engagementの値を使用,Account Engagementの値を使用,マーケティング部門が管理するためAccount Engagement優先,Salesforceからは参照のみ推奨
メールオプトイン,Account Engagementの値を使用,Account Engagementの値を使用,法令遵守のためAccount Engagement優先,Salesforce側で誤って変更しないよう権限設定
カスタム項目(行動履歴),最近更新されたレコードを使用,最近更新されたレコードを使用,両部門が更新する可能性があるため最新値優先,API名を一致させて継続同期を確保
営業活動記録,Salesforceの値を使用,Salesforceの値を使用,営業担当者が入力するためSalesforce優先,Account Engagementからは参照のみ
計算列の定義:
- デフォルト同期: Pardot初期設定時の推奨設定
- カスタム同期: 運用に応じた最適化設定
- 選択基準: どちらの部門が主に管理するかで判断
カスタム項目API名をリード/取引先責任者と一致させることで、リード→取引先責任者変換後も同期を継続できます。API名が一致しない場合、変換後にデータが失われる可能性があるため、設定時に確認が必要です。
また、空白値(Null)更新はSalesforce側のみ可能で、Account Engagement側からは不可という制約があります(日本テクサポ報告、2023年9月)。この点を理解した上で、データ同期ルールを設計してください。
連携後に使える便利機能とカスタム機能開発
PardotとSalesforceの連携後に活用できる便利機能と、カスタム機能開発のポイントを解説します。
フリーウェイジャパンでは、Webサイトリニューアル(2018年)とあわせてSales CloudとAccount Engagementを導入(2019年)し、Account Engagement伴走支援により段階的にツール活用基盤を整備しました。このように、スモールスタートから段階的に機能を拡張していくことが推奨されます。
連携後に使える主な便利機能は以下の通りです:
プルダウン選択機能: Salesforceのリスト・ピックリストをAccount Engagementのフォームで活用でき、データ入力の統一性を保てます。
自動タスク作成機能: Salesforce Automation Ruleと連携し、特定の行動(メール開封、資料ダウンロード等)をトリガーとして営業担当者にタスクを自動作成できます。
キャンペーン連携機能: PardotキャンペーンとSalesforceキャンペーンを同期し、マーケティング活動の効果をSalesforceで一元管理できます。
Engagement History: 営業担当者がSalesforceでPardot活動履歴(メール開封、クリック、フォーム送信、Webサイト訪問等)を確認でき、顧客の関心度を把握してアプローチできます。
カスタムオブジェクトとは、Salesforceで作成できるカスタムデータベースです。Pardot Plusエディション以上でSalesforce→Pardot読み取りのみ可能ですが、双方向同期はリード/取引先責任者のみに限定されます。
カスタム機能開発のポイントとしては、以下が挙げられます:
段階的な拡張: 運用経験者ゼロの企業でも、外部伴走支援を活用して段階的に体制構築できます。最初は基本機能のみを使用し、運用が安定してから高度な機能を追加することが推奨されます。
スモールスタート: Pardotはデザインスタジオまたはマーケティングアクティビティから設定可能で、導入段階で全機能を厳密に設定する必要はありません。まずは簡単なメールキャンペーンから開始し、徐々にナーチャリングシナリオを複雑化していきます。
カスタムオブジェクトの活用: Pardot Plus以上のエディションでは、Salesforceのカスタムオブジェクト(商品マスタ、契約情報等)をAccount Engagementから参照でき、パーソナライズされたメール配信が可能になります。ただし、双方向同期は不可のため、データ更新はSalesforce側で行います。
フリーウェイジャパンの事例のように、Account Engagement伴走支援により段階的にツール活用基盤を整備することで、運用経験者ゼロの企業でも成功できます。
まとめ|Pardot Salesforce連携成功のポイント
Pardot(Account Engagement)とSalesforceの連携を成功させるためのポイントを整理します。
記事の要点:
- 連携設定の完了: コネクター設定、Salesforce接続済みキャンペーン/Engagement History有効化、プロスペクトへの割り当てルール設定を実施
- データ同期ルールの最適化: 項目ごとに「Salesforceの値を使用する」「最近更新されたレコードを使用する」「Account Engagementの値を使用する」から適切に選択
- 便利機能・カスタム機能開発: プルダウン選択、自動タスク作成、キャンペーン連携、カスタムオブジェクト活用を段階的に実装
Pardot(Account Engagement)とSalesforceの連携成功は、初期設定だけでなく、データ同期ルールの最適化とカスタム機能開発まで完了させることで実現します。
次のアクション:
- 連携設定チェックリストで自己診断を実施し、未完了項目を確認
- データ同期ルール設定比較表を参照し、自社の運用に適した設定を選択
- 外部伴走支援の検討(運用経験者ゼロの企業は段階的な体制構築を推奨)
- スモールスタートから段階的に機能を拡張し、ツール活用基盤を整備
Pardot導入はエンタープライズ向けで、月額15万円程度(Growthプラン)という価格帯は中小企業には過剰機能・高コストの可能性があります。また、Salesforceユーザー限定で最大化される点も導入障壁となるため、自社の規模や既存システムを考慮して導入を判断してください。
