事業PL管理の基本|損益計算書から予実管理まで一貫実装

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/917分で読めます

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事業PL管理で陥りがちな失敗パターン

事業PL管理を正確に実装し、リアルタイムで経営判断できる仕組みを構築するために必要なのは、損益計算書の作成方法を学ぶだけでなく、事業計画策定からダッシュボード可視化・予実管理サイクルまで実装することです。

多くの企業が「PLの作成方法」を会議や研修で学び、損益計算書の基本フォーマットや5つの利益の意味を理解します。しかし、PLの作成方法を会議で学んだだけで満足し、事業計画との連動やダッシュボード開発を後回しにすると、結局手動集計の負荷が高く、リアルタイム可視化ができず、経営判断が遅延する失敗パターンに陥ります。

この失敗パターンが生まれる背景には、以下のような問題があります。

  • PLの作成は経理部門が行えばよいと考え、事業部門は「見るだけ」の受け身の姿勢になる
  • 月次・四半期のPLレポートが手動集計で作成され、経営層への報告が月末から1-2週間遅れる
  • 予算と実績の差異分析が表面的で、なぜズレたのか、次にどう改善すべきかの具体的アクションが不明確
  • ダッシュボード開発は「システム部門の仕事」と他人事にし、事業部長自らが設計に関与しない

この記事では、事業PL管理の作成から予実管理PDCAサイクルまでを一気通貫で実装する方法を、具体的なチェックリストとダッシュボード仕様とともに解説します。

この記事で分かること

  • PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)の違いと事業管理での役割
  • 5つの利益(売上総利益・営業利益・経常利益・税引前利益・純利益)の見方と活用方法
  • 損益計算書の基本構成と作成手順
  • 事業計画策定時のPLシミュレーション実装方法
  • PLダッシュボード開発と予実管理PDCAサイクルの構築方法

PL(損益計算書)とは|BSとの違いと事業管理での役割

PL(損益計算書) とは、一定期間(例: 1年間)の収益・費用から利益を計算し、経営成績(フロー)を示す財務諸表です。事業の「儲けの状況」を把握する基本ツールとなります。

PLは、企業がどれだけ売上を上げ、どれだけコストをかけ、最終的にどれだけの利益を生み出したかを明らかにします。事業部門の責任者にとって、PLは自部門のパフォーマンスを測定し、改善アクションを決定するための最重要指標です。

一方、BS(貸借対照表) とは、特定時点(例: 決算日)の資産・負債・純資産のバランス(ストック)を表す財務諸表です。企業の「財政の健全性」を把握するために使用されます。

PLとBSの違い

PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)の違いは、フロー(PL)とストック(BS)という時間軸の違いにあります。

PLは「今年いくら儲けたか」を示すフローの指標であり、売上・費用・利益という一定期間の経営活動の結果を表します。これに対して、BSは「今いくら持っているか」を示すストックの指標であり、資産(現金・売掛金・固定資産等)、負債(買掛金・借入金等)、純資産(資本金・利益剰余金等)という特定時点の財政状態を表します。

事業管理においては、PLで黒字を確保することと、BSで現金を確保することの両方が重要です。PLで黒字でもBSで現金不足だと「黒字倒産」のリスクがあるため、PLだけでなくBSの現金・売掛金の状況も合わせて確認する必要があります。

5つの利益の見方と事業判断での活用

損益計算書には、売上総利益・営業利益・経常利益・税引前利益・純利益という5つの利益が段階的に計算されます。これらの利益を順に確認することで、商品力・本業力・総合収益力を多角的に把握できます。

売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いた利益です。商品・サービスの価格競争力と原価管理の状況を示します。売上総利益率(売上総利益÷売上高)は業種により大きく異なります。財務省「年次別法人企業統計調査(令和6年度)」によれば、売上総利益率は建設業4.5%、製造業5.4%、情報通信業8.2%、卸売業・小売業2.4%、不動産業12.2%となっています。ただし、これらの数値は企業規模・サブセクターにより大きく変動するため、自社データとの比較が必要です。

営業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた利益です。本業の稼ぐ力を示す指標となります。営業利益がマイナスの場合、本業で赤字であることを意味し、事業モデルの見直しが必要です。営業利益率の低下は、販管費(人件費・広告費等)の増加を示すこともありますが、これが一時的な投資フェーズである可能性も考慮する必要があります。

経常利益とは、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いた利益です。会社全体の安定収益力を示します。経常利益は本業以外の収支(受取利息・支払利息等)も含むため、営業利益と混同せず、営業外収益・費用の内訳を確認することが重要です。

税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いた利益です。当期純利益とは、税引前当期純利益から法人税等を差し引いた最終的な利益です。株主利益を示す指標となります。

5つの利益を順に確認することで、どの段階で利益が減少しているかを特定し、改善アクションの優先順位を決定できます。例えば、売上総利益率が低下している場合は原価管理や価格戦略の見直し、営業利益率が低下している場合は販管費の効率化、経常利益が低下している場合は営業外費用(支払利息等)の削減を検討します。

損益計算書の基本構成と作成手順

損益計算書の基本構成は、売上高から段階的に費用を差し引いて各段階の利益を算出する構造になっています。PLを作成する基本ステップは以下の通りです。

  1. 売上高: 当期の売上高を集計する
  2. 売上原価: 商品仕入・製造原価を集計する
  3. 売上総利益: 売上高 - 売上原価
  4. 販売費及び一般管理費: 人件費・広告費・家賃・減価償却費等を集計する
  5. 営業利益: 売上総利益 - 販管費
  6. 営業外収益・費用: 受取利息・支払利息等を集計する
  7. 経常利益: 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用
  8. 特別損益: 固定資産売却益・損失等を計上する
  9. 税引前当期純利益: 経常利益 + 特別利益 - 特別損失
  10. 法人税等: 法人税・住民税・事業税を計上する
  11. 当期純利益: 税引前当期純利益 - 法人税等

簡易PLフォーマットの例を以下に示します。

項目 金額(千円)
売上高 100,000
売上原価 60,000
売上総利益 40,000
販売費及び一般管理費 25,000
営業利益 15,000
営業外収益 500
営業外費用 1,000
経常利益 14,500
特別利益 0
特別損失 0
税引前当期純利益 14,500
法人税等 4,350
当期純利益 10,150

PLを作成する際の注意点として、売上高が増えても売上総利益率が低下していれば、原価高騰や価格競争力低下のサインである点を認識する必要があります。単純な売上増加を評価するのではなく、利益率の推移を継続的にモニタリングすることが重要です。

また、PLの当期純利益はBSの純資産(利益剰余金)に蓄積されるため、PL利益の積み上げがBSの自己資本を強化する関係性を理解しておくことが、財務戦略全体を把握する上で重要です。

事業計画策定とPLシミュレーションの実装手順

事業計画策定時には、PLシミュレーションを実施し、計画の妥当性を検証することが不可欠です。PLシミュレーションとは、売上予測・原価予測・販管費予測から各段階利益を試算し、目標利益を達成できるかを事前に確認するプロセスです。

PLシミュレーションの基本ステップは以下の通りです。

  1. 売上予測: 市場動向・商品単価・販売数量から売上高を予測する
  2. 原価予測: 仕入単価・製造原価の変動を見込んで売上原価を予測する
  3. 販管費予測: 人件費・広告費・家賃等の固定費・変動費を予測する
  4. 各段階利益の試算: 売上総利益・営業利益・経常利益・純利益を算出する
  5. 目標との比較: 目標利益と試算結果を比較し、ギャップを特定する
  6. 改善施策の検討: ギャップを埋めるための施策(価格改定・コスト削減等)を立案する

例えば、以下のようなシミュレーションを実施します。

前提条件

  • 売上高: 120,000千円(前年比120%)
  • 売上原価率: 60%(変動なし)
  • 販管費: 28,000千円(広告費増額により前年比+3,000千円)

試算結果

  • 売上高: 120,000千円
  • 売上原価: 72,000千円(120,000 × 60%)
  • 売上総利益: 48,000千円(120,000 - 72,000)
  • 販管費: 28,000千円
  • 営業利益: 20,000千円(48,000 - 28,000)
  • 営業利益率: 16.7%(20,000 ÷ 120,000)

このシミュレーションにより、売上高が120%成長しても販管費の増加により営業利益率は前年と同水準にとどまることが分かります。さらなる利益率向上のためには、原価率の改善や販管費の効率化が必要という示唆が得られます。

PLシミュレーションを活用する際は、マーケティング投資のROIをPLで測定した後、BSの流動比率(流動資産÷流動負債)で資金余力を確認することで、新規プロジェクトの予算配分を最適化できます。ROA(総資産利益率) とは、当期純利益÷総資産で計算される、資産効率を示す指標です。資産をどれだけ有効活用して利益を生んでいるかを測定します。PLの純利益だけでなくBSの資産効率も合わせて評価することで、バランスの取れた事業計画を策定できます。

PLダッシュボード開発と予実管理PDCAサイクル

事業PL管理で成果を出すためには、手動集計からの脱却とリアルタイム可視化が不可欠です。PLダッシュボード開発と予実管理PDCAサイクルを実装することで、経営判断のスピードと精度が大きく向上します。

手動集計の課題として、以下の問題があります。

  • 負荷が高い: 月次・四半期のPL作成にExcel集計で数日かかり、担当者の作業負荷が高い
  • リアルタイム性がない: 集計完了まで経営層が最新のPL状況を把握できず、意思決定が遅れる
  • ヒューマンエラーのリスク: 手作業による転記ミス・計算ミスが発生しやすい

これらの課題を解決するため、ダッシュボード開発を実施します。ダッシュボード開発の基本ステップは以下の通りです。

  1. データ抽出: 会計システム・販売管理システムからPLデータを自動抽出する
  2. 集計ロジック設計: 売上高・原価・販管費の集計ルールを定義する
  3. 可視化: グラフ・表形式でPLを表示し、予算と実績の比較を視覚化する
  4. 更新自動化: 日次・週次での自動更新を設定し、リアルタイム性を確保する

ダッシュボードにより、経営層・事業部長・営業責任者がいつでも最新のPL状況を確認でき、迅速な意思決定が可能になります。

事業PL管理実装チェックリスト

事業PL管理を確実に実装するためのチェックリストを以下に示します。

【チェックリスト】事業PL管理実装チェックリスト

  • PLとBSの違いを理解し、フロー(PL)とストック(BS)の両方を管理する体制を構築する
  • 5つの利益(売上総利益・営業利益・経常利益・税引前利益・純利益)の定義と計算方法を確認する
  • 自社の業種における売上総利益率の平均値を把握し、自社データと比較する
  • 損益計算書の基本構成(売上高→売上原価→売上総利益→販管費→営業利益→経常利益→純利益)を理解する
  • 月次・四半期のPL作成プロセスを標準化し、担当者・期限・フォーマットを明確化する
  • 事業計画策定時にPLシミュレーションを実施し、売上・原価・販管費の各予測を立てる
  • 目標営業利益率を設定し、達成のための具体的施策(価格改定・コスト削減等)を立案する
  • マーケティング投資のROIをPLで測定し、BSの流動比率で資金余力を確認する仕組みを構築する
  • PLダッシュボード開発の要件を定義し、必要なデータ(売上・原価・販管費)の抽出元を特定する
  • ダッシュボードの集計ロジックを設計し、予算と実績の差異を自動計算する仕組みを実装する
  • グラフ・表形式でPLを可視化し、経営層・事業部長が直感的に理解できる表示方法を採用する
  • ダッシュボードの更新を自動化し、日次・週次でのリアルタイム更新を実現する
  • 予実管理PDCAサイクルを定義し、Plan(計画策定)→Do(実行)→Check(予実比較)→Action(改善)の運用ルールを策定する
  • 月次の予実レビュー会議を設定し、差異の原因分析と改善アクションの決定を行う
  • 売上高が増加しても売上総利益率が低下している場合の原因(原価高騰・価格競争力低下)を分析する体制を整える
  • 営業利益率の推移をモニタリングし、販管費の効率化余地を継続的に検討する
  • 経常利益の内訳(営業外収益・費用)を確認し、支払利息等のコスト削減余地を評価する
  • PLで黒字でもBSで現金不足になるリスク(黒字倒産)を回避するため、キャッシュフロー管理を並行実施する
  • 減価償却費を適切に計上し、タックスシールド効果を活用してキャッシュフロー改善を図る
  • 事業部門の責任者がPLを「見るだけ」ではなく、改善施策の立案と実行に主体的に関与する文化を醸成する

事業PL管理ダッシュボード仕様

事業PL管理ダッシュボードの仕様をCSV形式で以下に示します。このフォーマットを活用することで、データ抽出から集計、可視化までの設計がスムーズになります。

【管理シート】事業PL管理ダッシュボード仕様

年月,部門,売上高,売上原価,売上総利益,売上総利益率,販売費及び一般管理費,営業利益,営業利益率,営業外収益,営業外費用,経常利益,経常利益率,予算売上高,予算営業利益,予算達成率売上,予算達成率営業利益
2025-01,営業部,10000,6000,4000,40.0,2500,1500,15.0,50,100,1450,14.5,12000,1800,83.3,83.3
2025-02,営業部,11000,6600,4400,40.0,2600,1800,16.4,60,110,1750,15.9,12000,1800,91.7,100.0

計算列の定義:

  • 売上総利益 = 売上高 - 売上原価
  • 売上総利益率(%) = (売上総利益 ÷ 売上高) × 100
  • 営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費
  • 営業利益率(%) = (営業利益 ÷ 売上高) × 100
  • 経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用
  • 経常利益率(%) = (経常利益 ÷ 売上高) × 100
  • 予算達成率売上(%) = (売上高 ÷ 予算売上高) × 100
  • 予算達成率営業利益(%) = (営業利益 ÷ 予算営業利益) × 100

このダッシュボード仕様により、年月・部門別のPL推移と予算達成状況をリアルタイムで可視化できます。経営層は予算達成率を確認し、未達の部門に対して早期に改善アクションを指示できます。

予実管理PDCAサイクルの具体的運用は以下の通りです。

Plan(計画策定): 年度初めに事業計画を策定し、月次・四半期の目標PL(売上高・営業利益等)を設定する

Do(実行): 営業活動・マーケティング施策を実行し、売上・コストの実績データを収集する

Check(予実比較): ダッシュボードで予算と実績を比較し、差異の原因を分析する(売上未達の理由、コスト超過の要因等)

Action(改善): 差異の原因に基づき改善アクションを決定し、次月の計画に反映する(価格改定・販促強化・コスト削減等)

このPDCAサイクルを月次で回すことで、計画と実績のズレを早期に発見し、迅速な軌道修正が可能になります。ツール活用により効率化や分業化の成果が報告されており、手動集計の負荷を大幅に削減できます。

まとめ|事業PL管理を成功させるポイント

事業PL管理の成功は、損益計算書の作成方法を学ぶだけでなく、事業計画策定からダッシュボード可視化・予実管理サイクルまで実装することで実現します。

本記事では、以下の内容を解説しました。

  • PL・BSの違い: PLは一定期間の経営成績(フロー)を示し、BSは特定時点の財政状態(ストック)を表す。PLで黒字でもBSで現金不足だと黒字倒産のリスクがあるため、両方を管理する必要がある
  • 5つの利益の見方: 売上総利益・営業利益・経常利益・税引前利益・純利益を順に確認することで、商品力・本業力・総合収益力を多角的に把握できる。業種別の売上総利益率の平均値は、建設業4.5%、製造業5.4%、情報通信業8.2%、卸売業・小売業2.4%、不動産業12.2%となっているが、企業規模・サブセクターにより大きく変動するため自社データとの比較が重要
  • PL作成手順: 売上高から段階的に費用を差し引いて各段階の利益を算出する。売上高が増加しても売上総利益率が低下している場合は原価高騰や価格競争力低下のサインであり、単純な売上増加を評価してはいけない
  • 事業計画策定・PLシミュレーション: 売上予測・原価予測・販管費予測から各段階利益を試算し、目標利益との差異を特定する。マーケティング投資のROIをPLで測定後、BSの流動比率で資金余力を確認することで予算配分を最適化できる
  • ダッシュボード開発・予実管理PDCA: 手動集計からの脱却により、負荷軽減・リアルタイム可視化・ヒューマンエラー削減が実現する。Plan→Do→Check→Actionのサイクルを月次で回すことで、経営判断のスピードと精度が向上する

次のアクションとして、本記事で提供した「事業PL管理実装チェックリスト」と「事業PL管理ダッシュボード仕様」を活用し、自社の事業PL管理の実装を開始することを推奨します。PLの作成だけで満足せず、事業計画策定・ダッシュボード可視化・予実管理PDCAサイクルまで一気通貫で実装することが、リアルタイムで経営判断できる仕組みを構築する効果的な方法の一つですす。

重要な注意事項として、以下の点を再度強調します。

  • PLだけでなくBSの現金・売掛金の状況も合わせて確認し、黒字倒産リスクを回避する
  • 業種平均値はあくまで目安であり、自社データとの比較と継続的なモニタリングが必要
  • 「必ず黒字化できる」「確実に利益が出る」等の断定的効果保証は避け、計画と実績の差異を分析しながら改善を繰り返す姿勢が重要
  • 税務・会計の専門的な解釈については税理士に相談し、本記事は一般的な事業管理視点での参考情報として活用する

「記事は出してるのに商談につながらない」を解決する。
御社を理解して書くから、刺さる。この記事はMediaSprintで作成しました。

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よくある質問

Q1PLとBSの違いは何ですか?

A1PLは一定期間の収益・費用から利益を計算し経営成績(フロー)を示す財務諸表で、BSは特定時点の資産・負債・純資産のバランス(ストック)を表す財務諸表です。PLは「今年いくら儲けたか」、BSは「今いくら持っているか」を示します。事業管理においては、PLで黒字を確保することとBSで現金を確保することの両方が重要です。PLで黒字でもBSで現金不足だと黒字倒産のリスクがあるため、両方を管理する必要があります。

Q25つの利益の見方を教えてください。

A25つの利益(売上総利益・営業利益・経常利益・税引前利益・純利益)を順に確認することで、商品力(売上総利益率)、本業力(営業利益率)、総合収益力(経常利益)を把握できます。売上総利益率(令和6年度)は、建設業4.5%、製造業5.4%、情報通信業8.2%、卸売業・小売業2.4%、不動産業12.2%となっています(財務省「年次別法人企業統計調査」)。ただし、これらの数値は企業規模・サブセクターにより大きく変動するため、自社データとの比較が必要です。各段階の利益を確認することで、どこで利益が減少しているかを特定し、改善アクションの優先順位を決定できます。

Q3事業計画策定時にPLシミュレーションはどう活用しますか?

A3売上予測・原価予測・販管費予測から各段階利益を試算し、事業計画の妥当性を検証します。例えば、売上高120,000千円、売上原価率60%、販管費28,000千円と予測した場合、営業利益は20,000千円(営業利益率16.7%)となります。目標利益と試算結果を比較し、ギャップを埋めるための施策(価格改定・コスト削減等)を立案します。マーケティング投資のROIをPLで測定後、BSの流動比率で資金余力を確認することで、予算配分を最適化できます。ROA(総資産利益率)も合わせて評価することで、バランスの取れた事業計画を策定できます。

Q4PLダッシュボード開発のメリットは何ですか?

A4手動集計の負荷軽減、リアルタイム可視化、ヒューマンエラー削減が実現します。手動集計では月次PL作成に数日かかり、経営層への報告が遅れますが、ダッシュボードにより経営層・事業部長がいつでも最新のPL状況を確認でき、迅速な意思決定が可能になります。予実管理PDCAサイクル(Plan→Do→Check→Action)を月次で回すことで、計画と実績のズレを早期に発見し、迅速な軌道修正ができます。ツール活用により効率化や分業化の成果が報告されており、経営判断のスピードと精度が大きく向上します。

Q5PLで黒字でも倒産することはありますか?

A5はい、PLで黒字でもBSで現金不足だと「黒字倒産」のリスクがあります。PLは一定期間の利益を示しますが、BSは特定時点の現金・売掛金・買掛金等のストックを表します。売上が計上されても入金が遅れている場合、PLでは黒字でもBSで現金が不足し、支払いができなくなる可能性があります。そのため、PLだけでなくBSの現金・売掛金の状況も合わせて確認し、資金繰りを管理する必要があります。キャッシュフロー管理を並行実施することで、黒字倒産リスクを回避できます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。