動画広告とは?種類・配信面・BtoB活用事例と成功のポイント

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/19

動画広告とは:静止画の1.7倍記憶に残るマーケティング手法

「新規顧客を獲得したいが、どんな広告手法が効果的か分からない」「動画広告を始めたいが、何から準備すればいいのか」——こうした悩みを抱えるBtoB企業のマーケティング担当者は少なくありません。

動画広告は、静止画広告と比べて1.7倍記憶に残りやすく、認知拡大からリード獲得まで幅広い目的に活用できるマーケティング手法です。2024年の国内動画広告市場は7,249億円(前年比115.9%)と急成長しており、2028年には1兆1,471億円に達すると予測されています(サイバーエージェント調査)。

この記事では、動画広告の種類・配信プラットフォーム・BtoB活用のポイントを具体的に解説します。

この記事のポイント:

  • 動画広告市場は急成長中(2024年7,249億円→2028年1兆円超え予測)
  • 主要な種類はインストリーム・アウトストリーム・縦型動画の3つ
  • プラットフォームはターゲット層に応じて選択(YouTube・Instagram・LinkedIn等)
  • BtoB活用ではファネル別に動画を使い分けることが重要
  • KPI設定は目的(認知・検討・行動)に応じて変える

1. 動画広告とは:静止画の1.7倍記憶に残るマーケティング手法

(1) 動画広告市場の急成長(2024年7,249億円、2028年1兆円超え予測)

動画広告とは、Webサイトやアプリ、SNSなどで配信される動画形式の広告です。サイバーエージェントの調査によると、2024年の国内動画広告市場規模は7,249億円(前年比115.9%)に達し、2028年には1兆1,471億円に達すると予測されています。

特に注目すべきは以下の3つのトレンドです:

縦型動画広告の急成長:

  • 2024年は900億円(前年比171.1%)
  • 市場シェア12.4%に拡大
  • スマートフォン縦向き画面に最適化された形式

コネクテッドテレビ(CTV)向けの拡大:

  • 2024年は1,020億円(前年比137.8%)
  • インターネット接続テレビでの視聴が普及

スマートフォン向けが主流:

  • 動画広告需要全体の79%(5,750億円)を占める

※この記事は2024-2025年時点の情報です。最新の市場動向は各調査会社の公式レポートをご確認ください。

(2) 動画広告の役割と効果

動画広告は静止画広告と比べて1.7倍記憶に残りやすいとされており、以下の役割で活用されています:

認知拡大:

  • 短時間で多くの情報を伝達
  • ブランドイメージの形成
  • 幅広いターゲットへのリーチ

検討促進:

  • プロダクトデモや事例紹介
  • 複雑な機能・サービスを分かりやすく説明
  • 信頼感の醸成

行動喚起:

  • 資料請求・問い合わせなどのコンバージョン獲得
  • キャンペーン告知
  • イベント集客

動画広告の効果は業種・商材・ターゲット層により大きく異なるため、自社の目的に合わせた設計が重要です。

2. 動画広告の種類とフォーマット

(1) インストリーム広告(動画プラットフォーム内で再生)

インストリーム広告は、YouTubeなどの動画プラットフォーム内で動画の視聴前後や再生途中に表示される広告です。

特徴:

  • 動画視聴意欲の高いユーザーにリーチ
  • スキップ可能型(5秒後にスキップ可)とスキップ不可型がある
  • 広告枠が明確で視認性が高い

課金方式:

  • CPV(Cost Per View):動画が一定時間(通常30秒)視聴されるごとに課金
  • CPCV(Cost Per Completed View):動画が最後まで視聴されるごとに課金

(2) アウトストリーム広告(WebサイトやSNSタイムラインで再生)

アウトストリーム広告は、動画プラットフォーム以外(WebサイトやSNSのタイムライン)で配信される動画広告です。

特徴:

  • 動画プラットフォーム以外のユーザーにもリーチ可能
  • インバナー型(バナー広告枠で再生)、インリード型(記事コンテンツ間で再生)などがある
  • 音声なしで再生されることが多い(字幕の重要性)

課金方式:

  • CPM(Cost Per Mille):広告が1,000回表示されるごとに課金

(3) 縦型動画広告(スマホ縦向き最適化、2024年急成長171.1%)

縦型動画広告は、スマートフォンの縦向き画面に最適化された動画広告です。2024年に急成長(前年比171.1%)しています。

特徴:

  • スマホユーザーに最適(画面全体を活用)
  • Instagram Stories、TikTokなどで効果的
  • 視認性が高く、エンゲージメント率が高い傾向

活用シーン:

  • 若年層向けのプロモーション
  • ビジュアル重視の商材
  • ブランド認知拡大

(4) コネクテッドテレビ(CTV)向け動画広告

コネクテッドテレビ(CTV)向け動画広告は、インターネットに接続されたテレビで配信される広告です。2024年に1,020億円(前年比137.8%)と市場をけん引しています。

特徴:

  • 大画面での視聴体験
  • 家族や複数人での視聴が多い
  • テレビCMと比べてターゲティング精度が高い

(5) 課金方式の種類(CPV・CPCV・CPM・CPC)

動画広告の課金方式は目的に応じて選択します:

課金方式 説明 適した目的
CPV 動画が1回視聴されるごとに課金 認知拡大
CPCV 動画が最後まで視聴されるごとに課金 検討促進
CPM 広告が1,000回表示されるごとに課金 大量リーチ
CPC 広告がクリックされるごとに課金 行動喚起

目的に適さない課金方式を選ぶと費用対効果が悪化するため、事前に目的を明確にすることが重要です。

3. 主要な動画広告配信プラットフォーム

(1) YouTube:全年代対応、幅広いリーチ

YouTubeは全年代に利用されており、幅広いリーチが可能なプラットフォームです。

特徴:

  • 月間アクティブユーザー数が多い
  • インストリーム広告(TrueView)が主流
  • YouTubeアナリティクスで詳細な効果測定が可能

向いている企業:

  • 幅広い年代にリーチしたい企業
  • 長尺の動画(プロダクトデモ・事例紹介)を配信したい企業

(2) Facebook/Instagram:20-30代中心、縦型動画に強み

Facebook/Instagramは20-30代の利用が中心で、縦型動画広告に強みがあります。

特徴:

  • Instagram Storiesで縦型動画が効果的
  • 詳細なターゲティング(興味関心・行動データ)
  • Facebook広告マネージャーで一元管理

向いている企業:

  • 若年層(20-30代)向けの商材を扱う企業
  • ビジュアル重視のブランディングを行いたい企業

(3) TikTok:10-20代中心、高エンゲージメント

TikTokは10-20代の利用が中心で、エンゲージメント率が高いプラットフォームです。

特徴:

  • 縦型ショート動画が主流(15秒〜3分)
  • ユーザー参加型キャンペーン(ハッシュタグチャレンジ等)が強み
  • 高いエンゲージメント率

向いている企業:

  • 若年層向けの商材を扱う企業
  • バイラル効果を狙いたい企業

(4) LinkedIn:BtoB特化、意思決定者へのリーチ

LinkedInはBtoB特化型のプラットフォームで、意思決定者へのリーチが可能です。

特徴:

  • ビジネスパーソンが集まるプラットフォーム
  • 役職・業種・企業規模でのターゲティングが可能
  • BtoB商材に適した環境

向いている企業:

  • BtoB商材を扱う企業
  • 意思決定者(経営層・部門長)にリーチしたい企業

(5) その他(Twitter/LINE/タクシー広告Tokyo Prime等)

その他のプラットフォームも用途に応じて検討できます:

Twitter(X):

  • リアルタイム性の高い情報発信
  • ハッシュタグを活用したキャンペーン

LINE:

  • 国内で広く利用されている
  • タイムライン広告やLINE NEWS広告

タクシー広告(Tokyo Prime等):

  • ビジネスパーソンへのリーチ
  • 移動中の閉鎖空間で視認性が高い

プラットフォームの選定は、ターゲット層・予算・目的に応じて行うことが重要です。複数プラットフォームを組み合わせることも効果的ですが、まずは1つに集中して検証するのが推奨されます。

4. BtoB動画広告の特徴とファネル別活用戦略

(1) BtoB動画広告の特性(検討期間の長さ、複数ステークホルダー、専門性の訴求)

BtoB動画広告は、BtoC(消費者向け)とは異なる特性があります:

検討期間の長さ:

  • BtoB商材は検討期間が数ヶ月〜1年以上になることも
  • 継続的な接触を設計する必要がある

複数のステークホルダー:

  • 現場担当者・部門長・経営層など複数の意思決定者が関与
  • それぞれの関心ポイントに応える必要がある

専門性の訴求:

  • 機能・仕様・導入効果を具体的に示す
  • 分かりやすさと専門性の両立が重要

(2) 認知フェーズ:課題提起型動画で広くリーチ

認知フェーズでは、ターゲット企業に自社の存在を知ってもらうことが目的です。

動画の内容:

  • 業界の課題やトレンドを提起
  • 「こんな悩みはありませんか?」と共感を呼ぶ
  • 短尺(15秒〜30秒)でインパクトを重視

KPI:

  • インプレッション数
  • リーチ数
  • 視聴回数

配信先:

  • YouTube(幅広いリーチ)
  • LinkedIn(BtoB特化)

(3) 検討フェーズ:プロダクトデモ・事例紹介動画で理解促進

検討フェーズでは、自社製品・サービスの理解を深めてもらうことが目的です。

動画の内容:

  • プロダクトデモ(機能紹介・操作画面)
  • 導入事例・顧客インタビュー
  • 課題解決のプロセスを具体的に示す
  • 中尺(1分〜3分)で詳細を伝える

KPI:

  • 視聴完了率
  • 平均視聴時間
  • エンゲージメント率(いいね・シェア・コメント)

配信先:

  • YouTube(長尺動画に適している)
  • LinkedIn(BtoB意思決定者にリーチ)

(4) 行動フェーズ:ストレートオファー型でコンバージョン獲得

行動フェーズでは、資料請求・問い合わせなどのコンバージョンを獲得することが目的です。

動画の内容:

  • 明確なオファー(資料請求・無料トライアル・ウェビナー参加)
  • 導入メリット・ROIを強調
  • CTAを明示(「今すぐ資料請求」等)
  • 短尺(15秒〜30秒)で行動を促す

KPI:

  • コンバージョン数
  • CPA(顧客獲得単価)
  • クリック率(CTR)

配信先:

  • リターゲティング広告(過去に接触したユーザーに再アプローチ)
  • LinkedIn(BtoB意思決定者に直接アプローチ)

ファネル別に動画を使い分けることで、認知拡大からリード獲得まで効率的に進めることができます。

5. 動画広告の制作・運用のポイント

(1) 制作前の準備:目的とターゲットの明確化

動画広告の制作前に、目的とターゲットを明確にすることが最も重要です。曖昧なままでは、メッセージに一貫性がなくなります。

明確にすべき項目:

  • 目的(認知拡大・検討促進・行動喚起)
  • ターゲット層(役職・業種・企業規模・課題)
  • 伝えたいメッセージ(何を伝えるか)
  • 期待する行動(動画視聴後にどうしてほしいか)

(2) 冒頭5秒の重要性:視聴者の離脱を防ぐ工夫

動画広告では、冒頭5秒が視聴者の最初の印象を左右する重要な時間です。ここで離脱されないよう工夫が必要です。

効果的な冒頭の作り方:

  • インパクトのあるビジュアル・音楽
  • 視聴者の課題や疑問を明示
  • 「この動画で何が分かるか」を端的に伝える

避けるべき表現:

  • 長い企業紹介
  • 専門用語が多すぎる説明
  • ありきたりなオープニング

(3) 3つの構成パターン:問題提起型・プロダクトデモ型・ストレートオファー型

動画広告の構成は、目的に応じて3つのパターンから選びます:

問題提起型(認知フェーズ向け):

  1. 課題提起(「こんな悩みはありませんか?」)
  2. 解決策の提示(「〇〇を使えば解決できます」)
  3. 行動喚起(「詳しくはこちら」)

プロダクトデモ型(検討フェーズ向け):

  1. プロダクト紹介
  2. 機能・操作画面のデモ
  3. 導入効果・事例
  4. 行動喚起

ストレートオファー型(行動フェーズ向け):

  1. オファー明示(「今なら無料トライアル実施中」)
  2. メリット強調
  3. 行動喚起(「今すぐ申し込む」)

(4) KPI設定:目的別(認知→インプレッション、検討→視聴完了率、行動→コンバージョン)

KPI(主要業績評価指標)は、動画広告の目的に応じて設定します。目的に適さないKPIを選ぶと、効果を正しく測定できません。

目的 KPI 説明
認知拡大 インプレッション数・リーチ数 どれだけ多くの人に届いたか
検討促進 視聴完了率・平均視聴時間 どれだけ興味を持って視聴されたか
行動喚起 コンバージョン数・CPA どれだけ行動に結びついたか

Google BrandLabは、目的に応じたKPI設定の重要性を提唱しています。

(5) 効果測定:YouTubeアナリティクス・Googleアナリティクス・各プラットフォームの分析ツール

動画広告の効果測定には、各プラットフォームの分析ツールを活用します:

YouTubeアナリティクス:

  • 視聴回数・視聴完了率
  • 視聴者の属性(年齢・性別・地域)
  • トラフィックソース(どこから流入したか)

Googleアナリティクス:

  • サイト訪問数・コンバージョン数
  • 動画広告経由のユーザー行動

各プラットフォームの分析ツール:

  • Facebook広告マネージャー(Facebook/Instagram)
  • LinkedIn Campaign Manager(LinkedIn)
  • TikTok広告マネージャー(TikTok)

定期的に効果を測定し、改善を繰り返すことが重要です。

(6) 制作費用の目安

動画広告の制作費用は、品質・尺・制作会社により大きく異なります。

簡易版(社内制作・スマホ撮影):

  • 数万円〜10万円程度
  • スライド動画やシンプルなアニメーション

プロ制作(制作会社に依頼):

  • 数十万円〜数百万円の幅があります
  • 企画・撮影・編集・ナレーションまで含む

BtoB企業であれば、まず低予算で試し、効果が出たら本格投資するのが賢明です。複数社から見積もりを取り、比較することをおすすめします。

※制作費用は制作会社や内容により異なります。最新の相場は複数の制作会社に問い合わせてご確認ください。

6. まとめ:動画広告で認知拡大とリード獲得を両立する

動画広告は、認知拡大からリード獲得まで幅広い目的に活用できるマーケティング手法です。2024年の市場規模は7,249億円と急成長しており、今後も拡大が見込まれます。

ポイントの整理:

  • 動画広告の種類(インストリーム・アウトストリーム・縦型)を理解する
  • ターゲット層に応じてプラットフォームを選択する
  • BtoB活用ではファネル別に動画を使い分ける
  • 制作前に目的とターゲットを明確にする
  • KPIは目的に応じて設定する

次のアクション:

  • 自社の目的とターゲットを整理する
  • 複数プラットフォームの特性を比較する
  • まず1つのプラットフォームで小規模テストを実施する
  • 効果測定を行い、改善を繰り返す
  • 効果が出たら本格投資を検討する

動画広告を戦略的に活用し、認知拡大とリード獲得の両立を目指しましょう。

よくある質問

Q1動画広告の種類にはどんなものがある?

A1主に3種類あります。①インストリーム広告(YouTube等で動画の前後・途中に再生)、②アウトストリーム広告(WebサイトやSNSタイムラインで再生)、③縦型動画広告(スマホ縦向き最適化、2024年急成長)。さらにコネクテッドテレビ(CTV)向けも注目されています。

Q2どのプラットフォームを選べばよい?

A2ターゲット層で選びます。YouTube(全年代)、Instagram(20-30代・縦型)、TikTok(10-20代・高エンゲージメント)、LinkedIn(BtoB・意思決定者)。複数プラットフォームを組み合わせるのが効果的ですが、まずは1つに集中して検証するのが推奨されます。

Q3動画広告のKPIはどう設定すればよい?

A3目的に応じて設定します。認知目的→インプレッション数・リーチ数、検討目的→視聴完了率・平均視聴時間、行動目的→コンバージョン数・CPA(顧客獲得単価)。目的に適さないKPIを選ぶと効果を正しく測定できないので注意が必要です。

Q4動画広告の制作費用はどのくらい?

A4品質・尺・制作会社により幅が大きく、簡易版(社内制作・スマホ撮影)なら数万円〜、プロ制作なら数十万円〜数百万円が相場です。BtoB企業ならまず低予算で試し、効果が出たら本格投資するのが賢明です。複数社から見積もりを取ることをおすすめします。

Q5BtoB動画広告で効果を出すポイントは?

A5①ファネル別に動画を使い分ける(認知→課題提起、検討→デモ・事例、行動→オファー)、②専門性を訴求しつつ分かりやすく、③複数のステークホルダーを意識した構成、④LinkedInなどBtoB特化プラットフォームの活用、⑤検討期間が長いため継続的な接触を設計することが重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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