UGC(ユーザー生成コンテンツ)とは?BtoB企業のマーケティング活用法と成功事例

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/6

マーケティング担当者の新たな悩み:ユーザー生成コンテンツをどう活用する?

BtoB企業のマーケティング担当者の多くが、コンテンツマーケティング施策の多様化を検討しています。特に、「ユーザー生成コンテンツ(UGC)」という言葉を耳にする機会が増えましたが、「BtoB領域でどう活用すればいいのか」「法的リスクはないのか」「効果をどう測定するのか」といった疑問を抱えている方も少なくありません。

この記事では、UGCの基礎知識から具体的な活用手法、効果測定、法的リスクへの対策まで、BtoB企業の実務担当者が知っておくべき情報を包括的に解説します。

この記事のポイント:

  • UGCは消費者の92%が企業広告よりも信頼するコンテンツ形態
  • BtoB領域ではカスタマーレビュー、導入事例、ユーザーコミュニティが主な活用方法
  • 2023年10月施行のステマ規制、著作権・肖像権への対応が必須
  • UGCは3ヶ月でCVRが30%低下するため、継続的な効果測定と改善サイクルが重要
  • Cookie規制強化により2024年以降UGCの重要性がさらに増している

1. なぜUGC(ユーザー生成コンテンツ)が注目されるのか

UGCがマーケティング施策として注目される背景には、消費者の情報収集行動の変化と、企業広告に対する信頼度の低下があります。

(1) 消費者の情報収集行動の変化とSNSの普及

2023年時点で日本のSNS利用者数は105.8百万人に達しており、10-40代の50%以上がSNSを商品検討時の情報源として利用しています。従来のテレビCMや企業ウェブサイトよりも、実際の利用者の声を重視する傾向が強まっています。

(2) 企業広告よりもUGCが信頼される理由

消費者の約92%が企業の広告よりも他のユーザーの口コミやレビューを信頼するというデータがあります(MarkeZine調査)。企業発信の情報は「売りたいバイアス」がかかっていると認識されやすい一方、UGCは実際の利用者によるリアルな体験談として受け止められ、客観性が高いと評価されます。

(3) Cookie規制強化とUGCの重要性

2024年以降、Cookie規制の強化により従来のターゲティング広告の効果が低下しています。このような環境下で、ユーザーが自発的に生成するコンテンツは、企業が追跡しなくても自然に拡散され、信頼性の高い情報源として機能するため、マーケティング戦略上の重要性が増しています。

2. UGCの基礎知識:定義・種類・企業広告との違い

UGCを効果的に活用するためには、まずその定義と種類を正しく理解する必要があります。

(1) UGC(User Generated Content)の定義

UGCとは、ユーザーや消費者が自発的に作成したコンテンツの総称です。2000年代中頃のWeb 2.0の流行と共に使われるようになった概念で、「生産消費者(プロシューマー)」により制作・提供される作品を指します。

企業が制作した広告やオウンドメディアのコンテンツとは異なり、ユーザー自身の意思で作成される点が最大の特徴です。

(2) UGCの主な種類(SNS投稿・レビュー・ブログ・動画)

UGCには以下のような種類があります:

SNS投稿:

  • Twitter(X)、Instagram、Facebookなどでのユーザー投稿
  • ハッシュタグを活用したキャンペーン投稿

レビュー・評価:

  • ECサイトや比較サイトでの商品レビュー
  • BtoB領域ではSaaS比較サイト(IT review、Boxilなど)のユーザーレビュー

ブログ・記事:

  • 個人ブログでの体験談、使用感レポート

動画:

  • YouTubeでの製品レビュー、使い方解説
  • TikTokでの短尺動画

(3) CGM・ULSSASなど関連用語の整理

CGM(Consumer Generated Media): UGCとほぼ同義で、消費者が生成するメディア全般を指します。

ULSSAS: UGCを起点とした消費者行動フレームワークです。UGC(ユーザー生成コンテンツ)→ Like(いいね)→ Search1(SNS検索)→ Search2(Google検索)→ Action(購入)→ Spread(拡散)という流れで消費者が行動するモデルです。

(4) UGCが企業広告より効果的な理由

UGCが企業広告よりも効果的とされる理由は以下の通りです:

  • 客観性: 企業の「売りたい」バイアスがかかっていない
  • リアルさ: 実際の利用者の生の声として受け止められる
  • 共感性: 同じ立場の消費者目線で書かれている
  • 情報の具体性: 実際の使用感、メリット・デメリットが率直に語られる

3. UGCマーケティングの具体的手法と実践ステップ

UGCをマーケティングに活用するには、計画的なアプローチが必要です。

(1) ハッシュタグキャンペーンの設計と実施

ハッシュタグキャンペーンは、特定のハッシュタグを使った投稿を促す施策です。

設計のポイント:

  • ユーザーが投稿したくなる明確なインセンティブ(プレゼント、リポスト、掲載など)
  • 覚えやすく、独自性のあるハッシュタグ
  • 投稿のハードルを下げる(写真1枚でOK、簡単なコメントでOKなど)

成功事例: Daniel Wellingtonは顧客の投稿を公式アカウントでリポストし、ゲーミフィケーション要素(投稿数によるランク付けなど)を追加することで、大量のUGC生成に成功しています。

(2) UGC活用ツールの選定と活用

UGCを効率的に収集・管理・効果測定するには、専用ツールの活用が推奨されます。

主なツール:

  • Letro
  • YOTPO
  • EmbedSocial

これらのツールはCTR/CVRを分析するダッシュボード機能を提供しており、どのUGCが効果的かを可視化できます。

(3) UGC収集から公式サイト掲載までの流れ

ステップ1: UGC収集

  • ハッシュタグ検索でSNS投稿を収集
  • レビューサイトからのレビュー取得

ステップ2: 許諾取得

  • 投稿者に連絡し、広告利用の許諾を得る(著作権・肖像権対策)
  • 「広告」表示を明示する旨を伝える(ステマ規制対策)

ステップ3: 公式サイトへの掲載

  • 商品ページ、LPへの掲載
  • 「広告」ラベルの表示(ステマ規制対応)

ステップ4: 効果測定

  • CTR、CVRの分析
  • 改善サイクルの実施

(4) BtoB領域でのUGC活用(カスタマーレビュー・導入事例)

BtoB領域では、BtoC領域とは異なるUGC活用方法があります。

カスタマーレビュー:

  • IT review、BoxilなどのSaaS比較サイトでのユーザーレビュー
  • 公式サイトでの導入企業によるレビュー掲載

導入事例インタビュー:

  • 既存顧客へのインタビュー記事
  • 導入前の課題、導入後の効果を具体的に記載

ユーザーコミュニティでの事例共有:

  • ユーザー会、オンラインコミュニティでの活用事例共有
  • 他のユーザーとの交流を通じたノウハウ蓄積

信頼性担保のポイント:

  • 導入企業名を明示(実在する企業であることの証明)
  • 具体的な数値データ(導入前後の変化、ROIなど)
  • 第三者による認証(ISO認証、プライバシーマークなど)

4. UGCの効果測定と継続的な改善サイクル

UGCマーケティングの効果を最大化するには、継続的な効果測定と改善が不可欠です。

(1) CTR・CVRによる効果測定の方法

UGC活用ツールのダッシュボードを使い、以下の指標を測定します:

CTR(Click Through Rate / クリック率):

  • UGCが表示された際にクリックされる割合
  • どのUGCがユーザーの興味を引いているかを測定

CVR(Conversion Rate / コンバージョン率):

  • UGCを見た訪問者が購入や問い合わせに至る割合
  • 最終的な成果への貢献度を測定

(2) UGCの劣化現象とその対策(3ヶ月で0.7に低下)

UGCは時間経過とともに効果が低下する「劣化現象」があります。初期のCVRを1.0とすると、3ヶ月後には0.7まで低下するというデータがあります。

劣化の原因:

  • 同じUGCを見飽きる
  • 情報の鮮度が落ちる(「この投稿は1年前のもの」と認識される)
  • 製品・サービスのアップデートにより情報が古くなる

対策:

  • 3ヶ月ごとに新しいUGCを収集・掲載
  • 効果の低いUGCを入れ替える
  • 季節・トレンドに合わせたUGCを優先表示

(3) 効果測定から改善までのPDCAサイクル

Plan(計画):

  • ハッシュタグキャンペーンの企画
  • 目標CTR・CVRの設定

Do(実行):

  • キャンペーン実施、UGC収集

Check(評価):

  • CTR・CVRの測定、効果分析

Act(改善):

  • 効果の低いUGCの入れ替え
  • キャンペーン設計の見直し

このサイクルを3ヶ月ごとに回すことが推奨されます。

5. UGC活用時の法的リスクと対策(ステマ規制・著作権)

UGC活用には法的リスクが伴います。適切な対策を講じることで、リスクを最小化できます。

(1) ステマ規制(2023年10月施行)への対応

2023年10月から、ステルスマーケティング(ステマ)が景品表示法の規制対象となりました。

ステマとは: 広告であることを隠して宣伝すること。消費者の信頼を損ない、法的ペナルティのリスクがあります。

対策:

  • UGCを広告利用する際は「広告」「PR」「プロモーション」などのラベルを明示
  • 投稿者に金銭や商品を提供した場合は必ず開示
  • 自社従業員の投稿を広告利用する場合も開示が必要

(2) 著作権・肖像権の侵害リスクと許諾取得

SNS投稿を無断で広告利用することは、著作権・肖像権の侵害となります。

リスク:

  • 投稿者から訴訟を起こされる可能性
  • 損害賠償請求のリスク

対策:

  • 必ず投稿者の許諾を得る(DMやメールで連絡)
  • 許諾取得の記録を保管する
  • 肖像権については、写っている本人全員の許諾が必要

(3) 薬機法など業界規制への配慮

化粧品・医薬品分野では、効能効果の表現に関する規制(薬機法)があります。

リスク:

  • ユーザーのレビューに「病気が治った」などの表現があった場合、企業がそれを広告利用すると薬機法違反となる可能性

対策:

  • レビュー掲載前に表現をチェック
  • 不適切な表現は削除または修正を依頼
  • 業界団体のガイドラインを確認

(4) やらせ投稿のリスクと信頼性担保

企業が金銭や商品を提供して肯定的な投稿を依頼する「やらせ投稿」は、消費者の信頼を損なうだけでなく、ステマ規制違反となります。

リスク:

  • 景品表示法違反による行政処分
  • 消費者からの信頼喪失
  • SNSでの炎上リスク

対策:

  • やらせ投稿は絶対に行わない
  • 商品提供や報酬を伴う投稿は必ず「広告」と明示
  • ユーザーの自発的な投稿を尊重する姿勢を示す

6. まとめ:UGCマーケティング成功のポイント

UGC(ユーザー生成コンテンツ)は、消費者の92%が企業広告よりも信頼するコンテンツ形態であり、BtoB領域でもカスタマーレビュー、導入事例、ユーザーコミュニティなどの形で活用できます。

UGCマーケティング成功のポイント:

  • ハッシュタグキャンペーンで計画的にUGCを生成
  • UGC活用ツールでCTR・CVRを測定し、効果的なコンテンツを特定
  • 3ヶ月ごとに効果測定と改善サイクルを実施(UGCは劣化する)
  • ステマ規制、著作権・肖像権への適切な対応
  • 薬機法など業界規制への配慮

次のアクション:

  • 自社のターゲット顧客がどのSNSを利用しているかを調査する
  • ハッシュタグキャンペーンの企画を検討する
  • UGC活用ツールの無料トライアルを試す
  • 法務部門とステマ規制・著作権対応の方針を確認する

Cookie規制強化により、UGCの重要性は2024年以降さらに増しています。適切な法的対応を行いながら、ユーザーの自発的な声を活用することで、信頼性の高いマーケティング施策を実現しましょう。

よくある質問

Q1UGC(ユーザー生成コンテンツ)とは何ですか?

A1ユーザーや消費者が自発的に作成したコンテンツの総称です。SNS投稿、レビュー、ブログ、動画などが含まれます。企業が制作した広告と異なり、消費者目線のリアルな情報として信頼されるのが特徴です。

Q2UGCをマーケティングに活用するメリットは?

A2主なメリットは、信頼性向上(消費者の92%が広告より他者の口コミを信頼)、コンテンツ制作コストの削減、エンゲージメント向上、SEO効果です。Cookie規制強化により2024年以降さらに重要性が増しています。

Q3UGCを使用する際の法的リスクは?

A3主なリスクは、ステマ規制(2023年10月施行)、著作権・肖像権侵害、薬機法違反です。必ず投稿者の許諾を取得し、「広告」表示を明示することで対応できます。

Q4UGCの効果はどのように測定すればよいですか?

A4UGC活用ツールのダッシュボードでCTR・CVRを分析します。UGCは3ヶ月でCVRが30%低下するため、効果測定→改善の継続的サイクルを3ヶ月ごとに実施することが重要です。

Q5BtoB企業でもUGCは活用できますか?

A5活用可能です。カスタマーレビュー、導入事例インタビュー、ユーザーコミュニティでの事例共有など、BtoB領域特有の活用方法があります。信頼性担保のため、導入企業名の明示や具体的な数値データの提示が重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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