SNSマーケターに転職したいけれど、何から始めればいいか分からない...
マーケティング職への転職やキャリアチェンジを検討している方の中には、「SNSマーケターってどんな仕事?」「未経験でもなれるのか?」「どんなスキルが必要なのか?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、SNSマーケターの役割、具体的な仕事内容、必要なスキル、キャリアパスと年収相場、2025年のトレンドまでを網羅的に解説します。マーケティング職を目指す方や、採用担当者の方に役立つ実践的なガイドです。
この記事のポイント:
- SNSマーケターはSNS運用を通じてブランド認知拡大・エンゲージメント向上を実現する職種
- 業務内容は①SNS運用、②戦略立案、③広告運用、④データ分析、⑤インフルエンサーマーケティングと多岐にわたる
- 必要なスキルはマーケティング基礎知識、データ分析力、コミュニケーション能力、トレンド把握力など
- 年収相場は300万〜500万円が一般的、実力次第で1,000万円以上も可能
- 2025年トレンドはショート動画、AI活用、マイクロインフルエンサー、タイパ重視のコンテンツ
1. SNSマーケターとは
SNSマーケターは、InstagramやFacebook、X(旧Twitter)などのSNSの運用を通してマーケティング活動を行う職種です。2025年11月時点で、約70%の企業がSNSマーケティングの重要性が上昇すると予測しており、需要が高まっている職種です(出典: Meltwater)。
(1) SNSマーケターの役割
SNSマーケターの主な役割は以下の通りです:
ブランド認知拡大:
- SNSでの情報発信を通じて、企業やブランドの存在を広く知ってもらう
- フォロワー獲得、投稿のリーチ拡大
ユーザーエンゲージメント向上:
- ユーザーとの関わり合い(「いいね」「コメント」「シェア」など)を深める
- ブランドへの愛着・信頼を構築
売上・リード獲得:
- SNS経由でのWebサイト訪問、問い合わせ、購入を促進
- SNS広告を活用した効果的なリード獲得
(2) BtoB/BtoCでの違い
SNSマーケティングの手法は、BtoB・BtoCで異なる傾向があります:
BtoC(消費者向け):
- Instagram、TikTok、X(旧Twitter)など視覚的なSNSが主流
- ショート動画、インフルエンサーマーケティングが有効
- エンゲージメント重視(「いいね」「シェア」を増やす)
BtoB(企業向け):
- LinkedIn、X(旧Twitter)、YouTubeなど情報発信型SNSが主流
- ホワイトペーパー、ウェビナー案内などの発信
- リード獲得・ナーチャリング重視
(3) SNS運用代行の需要(72.6%の企業が外部委託活用)
2025年の調査によると、72.6%の企業がSNS運用を外部委託(運用代行会社やフリーランス)に依頼しています(出典: Meltwater)。
外部委託が増える理由:
- 社内にSNSマーケティングの専門知識を持つ人材がいない
- 投稿作成・データ分析などの運用業務に時間がかかる
- 最新トレンドやアルゴリズム変化への対応が難しい
この需要の高まりにより、SNSマーケターとして独立・フリーランスで活動する選択肢も広がっています。
2. SNSマーケターの仕事内容5選
SNSマーケターの業務内容は多岐にわたります(出典: マーケメディア)。
(1) SNSアカウント運用(投稿作成・エンゲージメント)
日々のSNSアカウント運用が主要業務です:
投稿作成:
- テキスト、画像、動画の企画・制作
- 投稿スケジュール管理
- ブランドトーン・マナーに沿った発信
エンゲージメント対応:
- ユーザーからのコメント・DM対応
- ユーザー投稿への「いいね」「コメント」
- コミュニティ形成
(2) 戦略立案(ターゲット設定・KPI設計)
SNSマーケティングの戦略を設計します:
ターゲット設定:
- どの層にリーチしたいか明確化
- ペルソナ設定
KPI設計:
- フォロワー数、エンゲージメント率、リーチ数、コンバージョン数などの目標設定
- 達成度を定期的に測定
コンテンツ戦略:
- どのような投稿をどの頻度で発信するか計画
- ハッシュタグ戦略、投稿時間帯の最適化
(3) SNS広告運用
SNS広告の企画・運用も重要な業務です:
主要なSNS広告:
- Instagram広告、Facebook広告、X(旧Twitter)広告、TikTok広告、YouTube広告、LINE広告
広告運用の流れ:
- ターゲティング設定(年齢・性別・興味関心など)
- クリエイティブ制作(画像・動画・テキスト)
- 予算配分・入札設定
- 効果測定・改善(CTR、CPC、CPA等の指標分析)
(4) データ分析・レポーティング
SNS運用の効果を数値で測定し、改善につなげます:
主要な分析指標:
- フォロワー数推移
- エンゲージメント率(いいね・コメント・シェア率)
- リーチ数・インプレッション数
- クリック率(CTR)、コンバージョン率
分析ツール:
- 各SNSの公式分析ツール(Instagram Insights、X Analytics等)
- サードパーティツール(Google Analytics、Hootsuiteなど)
レポーティング:
- 週次・月次でのレポート作成
- 経営層・クライアントへの報告
(5) インフルエンサーマーケティング
SNS上で影響力のある人物(インフルエンサー)と連携する業務も増えています:
インフルエンサー選定:
- ブランドに合うインフルエンサーの発掘
- フォロワー数、エンゲージメント率、フォロワー属性の確認
施策実施:
- インフルエンサーとの契約・コラボレーション企画
- 投稿内容の監修
- 効果測定(リーチ、エンゲージメント、コンバージョン)
2025年トレンド:
- マイクロインフルエンサー(フォロワー1万〜10万人)活用が増加
- エンゲージメント率が高く、特定ニッチ層にリーチできる
3. SNSマーケターに必要なスキル
SNSマーケターとして活躍するには、以下のスキルが求められます(出典: BOXIL Magazine)。
(1) マーケティング基礎知識(3C分析等のフレームワーク)
マーケティングの基礎知識は必須です:
主要なフレームワーク:
- 3C分析: 市場・顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)を分析
- SWOT分析: 強み・弱み・機会・脅威を整理
- カスタマージャーニーマップ: 顧客の購買プロセスを可視化
これらのフレームワークを活用することで、戦略的なSNS運用が可能になります。
(2) データ分析力・論理的思考力
SNSマーケティングは数値で効果測定する必要があるため、データ分析力が重要です:
求められる能力:
- 数値データの読み解き(エンゲージメント率、CTR、CPA等)
- 仮説検証(「この施策で効果が出なかった理由は?」を分析)
- 改善提案(データに基づく次の施策提案)
(3) コミュニケーション能力
SNSマーケターは社内外の多くの人と関わるため、コミュニケーション能力が求められます:
社内コミュニケーション:
- マーケティングチーム、営業チーム、経営層との連携
- 企画提案・レポート報告
社外コミュニケーション:
- インフルエンサー、外部パートナーとの調整
- ユーザーからのコメント・DM対応
(4) トレンド把握力
SNSのトレンドは日々変化するため、最新情報をキャッチアップする力が重要です:
トレンド把握の方法:
- 各SNSの最新機能をいち早く試す
- 業界ニュース、マーケティングメディアを定期的にチェック
- 競合他社・成功事例の研究
(5) ライティング・コンテンツ制作スキル
ユーザーの関心を引く投稿を作成するスキルが必要です:
ライティング:
- 短文で伝わる表現力
- ハッシュタグの選定
- ブランドトーンに沿った文体
コンテンツ制作:
- 画像編集(Canva、Photoshop等)
- 動画編集(CapCut、Premiere Pro等)
- デザインの基礎知識
(6) 有用な資格(SNSマーケティング検定、SNSマネージャー資格)
SNSマーケターになるために必須の資格はありませんが、以下の資格を取得すると副業・転職に有利になると言われています(出典: SHEshares):
主な資格:
- SNSマーケティング検定: サーティファイが主催する公式資格(出典: サーティファイ)
- SNSマネージャー資格: 初級・上級・チーフの3レベル
- ネットマーケティング検定: Webマーケティング全般の知識
- Web解析士: データ分析スキルの証明
- マーケティング・ビジネス実務検定: マーケティング基礎知識の証明
資格は必須ではありませんが、未経験からの転職や副業案件獲得の際に、スキルを証明する手段として有効です。
4. SNSマーケターのキャリアパスと年収相場
(1) 年収相場(300万〜500万円、実力次第で1,000万円以上)
SNSマーケターの年収相場は以下の通りです(出典: VectorInc):
一般的な年収:
- 300万〜500万円が最も多い
経験・スキルによる違い:
- 未経験〜1年目: 250万〜350万円
- 2〜5年目: 350万〜500万円
- 6年目以上・マネージャークラス: 500万〜800万円
- 実力次第で1,000万円以上も可能(大手企業のCMO、独立して高単価案件を獲得など)
フリーランスの場合:
- 案件単価により大きく変動
- SNS運用代行1社あたり月額2万〜10万円(出典: マーケドリブン)
- 複数社を掛け持ちすることで年収アップも可能
※年収は企業規模・業種・地域・個人の経験により大きく異なるため、あくまで目安としてご参照ください。
(2) キャリアパス(担当者→マネージャー→CMO)
SNSマーケターの典型的なキャリアパスは以下の通りです:
ステップ1: SNSマーケティング担当者(1〜3年目)
- 日々のSNS運用(投稿作成・エンゲージメント対応)
- データ分析・レポーティング
ステップ2: SNSマーケティングマネージャー(4〜7年目)
- 戦略立案・KPI設計
- チームマネジメント
- 予算管理
ステップ3: マーケティングマネージャー/CMO(8年目以降)
- マーケティング全体の統括(SNS以外のチャネルも含む)
- 経営戦略への関与
- 事業成長へのコミット
その他のキャリアパス:
- 独立・フリーランスとして活動
- SNS運用代行会社の立ち上げ
- デジタルマーケティングコンサルタント
(3) 未経験からの転職方法
未経験からSNSマーケターになる方法は以下の通りです:
ステップ1: 個人SNSで運用実績を作る
- Instagram、X(旧Twitter)、TikTokなどで自分のアカウントを運用
- フォロワー獲得、エンゲージメント向上の経験を積む
- ポートフォリオとして実績を示せるようにする
ステップ2: マーケティング基礎知識を学習
- 3C分析、SWOT分析などのフレームワークを学ぶ
- オンライン学習(Udemy、Courseraなど)や書籍で学習
ステップ3: 資格取得やスクール受講
- SNSマーケティング検定、SNSマネージャー資格などを取得
- Webマーケティングスクール受講(転職サポート付きのスクールも)
ステップ4: 未経験OKの求人に応募
- 未経験歓迎の求人が増加傾向
- 個人SNS運用実績、資格をアピール
(4) SNS運用代行の費用相場(月額5〜50万円)
採用担当者や経営者の方が外部委託を検討する場合、以下の費用相場が参考になります(出典: Web幹事):
投稿代行のみ:
- 月額10万円以下
- 投稿作成・スケジュール管理のみ
戦略設計〜運用全般:
- 月額20〜30万円
- ターゲット設定、KPI設計、投稿作成、データ分析を含む
広告運用・インフルエンサー施策含む:
- 月額50万円以上
- SNS広告運用、インフルエンサーマーケティング、包括的な戦略立案を含む
初期費用:
- 10〜50万円程度
- アカウント設計、競合分析、戦略設計など
※費用はサービス内容、SNSの種類、投稿頻度により大きく異なります。見積もり時に業務範囲を明確にすることが重要です。
5. 2025年のSNSマーケティングトレンド
2025年のSNSマーケティングトレンドを把握し、最新の手法を取り入れることが重要です(出典: トライバルメディアハウス)。
(1) 最も活用されるSNS(YouTube 61.2%、LINE 54.1%、Instagram 47.8%)
2025年の調査によると、マーケティング担当者が最も活用するSNSは以下の通りです:
- YouTube(61.2%): 動画コンテンツの需要が高く、幅広い年齢層にリーチ
- LINE(54.1%): 日本国内で圧倒的なユーザー数、BtoC企業の顧客接点として活用
- Instagram(47.8%): ビジュアル重視のコンテンツ、若年層・女性ユーザーに強い
この他、X(旧Twitter)、TikTok、Facebookも活用されています。
(2) ショート動画の継続人気
ショート動画(TikTok、Instagram リール、YouTube Shorts)の人気が継続しています:
ショート動画の特徴:
- 60秒以内の短尺動画
- タイパ(タイムパフォーマンス)重視のユーザーに訴求
- アルゴリズムがおすすめに表示しやすく、拡散されやすい
活用方法:
- 商品紹介、How-to動画、ブランドストーリー
- インフルエンサーとのコラボレーション
(3) AI技術活用(生成AI、データ分析)
AI技術を活用したSNSマーケティングが普及しています:
生成AI活用:
- ChatGPTなどで投稿文案を生成
- Midjourneyなどで画像・動画素材を作成
- 業務効率化・コスト削減
データ分析AI:
- AI分析ツールで大量のデータを高速処理
- トレンド予測、最適な投稿時間帯の自動提案
注意点:
- AIが生成したコンテンツは人間が必ず確認・修正
- ブランドトーン・マナーに沿った表現になっているか確認
(4) マイクロインフルエンサー活用
マイクロインフルエンサー(フォロワー1万〜10万人)活用が増加傾向です:
メガインフルエンサーとの違い:
- フォロワー数は少ないが、エンゲージメント率が高い
- 特定ニッチ層に深くリーチできる
- 起用コストが低め
活用事例:
- 美容・コスメ、ファッション、グルメなどの分野
- リアルな口コミ・レビューとして訴求力が高い
(5) タイパ(タイムパフォーマンス)重視のコンテンツ
「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視するユーザーが増えています:
タイパとは:
- 時間対効果。短時間で効率的に情報を得られることを重視
コンテンツ作成のポイント:
- 冒頭で結論を明示(「この動画で分かること」を最初に提示)
- 60秒以内のショート動画
- 箇条書き・図解で分かりやすく
6. まとめ:継続的な学習とアップデート
SNSマーケターは、SNS運用を通じてブランド認知拡大・エンゲージメント向上を実現する職種です。
重要なポイント:
- 業務内容は①SNS運用、②戦略立案、③広告運用、④データ分析、⑤インフルエンサーマーケティングと多岐にわたる
- 必要なスキルはマーケティング基礎知識、データ分析力、コミュニケーション能力、トレンド把握力、ライティング・コンテンツ制作スキル
- 年収相場は300万〜500万円が一般的、実力次第で1,000万円以上も可能
- 未経験からの転職は可能(個人SNS運用実績、資格取得、スクール受講が有効)
- 2025年トレンドはショート動画、AI活用、マイクロインフルエンサー、タイパ重視のコンテンツ
次のアクション:
- 個人SNSで運用実績を作る(Instagram、X、TikTokなど)
- マーケティング基礎知識を学習(3C分析、SWOT分析など)
- SNSマーケティング検定、SNSマネージャー資格の取得を検討
- 最新トレンドを継続的にキャッチアップ(業界ニュース、マーケティングメディアをチェック)
- 未経験OKの求人に応募、またはSNS運用代行案件に応募
SNSのアルゴリズムやトレンドは常に変化するため、継続的な学習とアップデートが不可欠です。この記事で紹介した基礎知識とスキルを身につけ、SNSマーケターとしてのキャリアを築いていきましょう。
※この記事は2025年11月時点の情報です。最新のSNSトレンドや資格情報については、各公式サイトや専門メディアをご確認ください。
