SEMとSEOの違いがわからない...という悩み
BtoB企業のWebマーケティングにおいて、「SEMとSEOって何が違うの?」という疑問はよく聞かれます。両者は似た言葉で混同されがちですが、実は SEMはSEOを含む上位概念 です。
「検索からリードを獲得したいけれど、SEOに力を入れるべきか、リスティング広告を使うべきか分からない」「予算をどう配分すればいいのか判断できない」——こうした悩みを持つマーケティング担当者は少なくありません。
この記事では、SEMとSEOの違いを明確にし、BtoB企業が検索マーケティングで成果を出すための使い分け方と戦略を解説します。
この記事のポイント:
- SEMはSEOとリスティング広告を含む総合的な検索エンジンマーケティング戦略
- SEOは中長期的(3か月~1年)な成果を目指す施策、リスティング広告は即時で結果が出る施策
- SEOは掲載費用がかからず持続的なトラフィックを獲得、リスティング広告は費用がかかるが即効性が高い
- 予算配分は検索広告70%、ディスプレイ広告30%が一般的な目安
- 2025年はAI検索対応、E-E-A-T強化、多角化戦略が重要
SEMとSEOの違いを理解することの重要性
(1) BtoB企業における検索マーケティングの位置づけ
BtoB企業の多くは、検索エンジン経由でリード(見込み客)を獲得しています。調査によれば、BtoB購買プロセスの60%以上は、営業と接触する前にオンラインで情報収集が完了していると言われています。
そのため、検索結果でのプレゼンスを高めることは、BtoB企業にとって重要な戦略です。しかし、SEOとリスティング広告のどちらに投資すべきか、あるいは どう組み合わせるか を判断できないまま、中途半端な施策になってしまうケースも少なくありません。
(2) 混同しがちなSEMとSEOの関係性
SEMとSEOは、以下のような関係性です。
SEM(Search Engine Marketing):
- 検索エンジンを活用したマーケティング全般
- SEO + リスティング広告 + ディスプレイ広告を含む上位概念
SEO(Search Engine Optimization):
- 検索エンジン最適化
- オーガニック検索結果の上位表示を目指す施策
- SEMの一部
つまり、SEMの中にSEOが含まれる という関係です。SEMとSEOを「どちらか一方を選ぶ」という対立的な関係で捉えるのではなく、SEMという総合戦略の中でSEOとリスティング広告をどう使い分けるかを考えることが重要です。
(出典: free web hope「SEMとSEOの違いとは?図解にすると簡単にわかる」)
SEMの基礎知識(定義・構成要素・役割)
(1) SEM(Search Engine Marketing)とは何か
SEM(Search Engine Marketing)は、検索エンジンを活用してユーザーを獲得するマーケティング活動全般を指します。Googleなどの検索エンジンで、自社のWebサイトを検索結果に表示させ、ユーザーの流入を増やすことが目的です。
SEMの主な手法:
- SEO(自然検索での上位表示)
- 検索連動型広告(リスティング広告)
- ディスプレイ広告(バナー広告)
(2) SEMの構成要素(SEO・検索広告・ディスプレイ広告)
SEMは主に3つの構成要素から成ります。
1. SEO(Search Engine Optimization):
- 検索結果のオーガニック(無料)エリアに表示される
- コンテンツ作成、サイト構造改善、被リンク獲得などで上位表示を目指す
- 掲載費用はかからないが、効果が出るまで3か月~1年程度かかる
2. 検索連動型広告(リスティング広告):
- 検索結果の上部・下部に「広告」として表示される
- クリック課金制(CPC: Cost Per Click)で、クリックされるたびに費用が発生
- 即時に結果が出るため、短期的な集客に適している
3. ディスプレイ広告:
- Webサイトやアプリに表示されるバナー広告
- 検索ユーザーではなく、関連する興味を持つユーザーにリーチできる
- ブランド認知度向上や再訪促進に活用される
(出典: Sprocket「SEMとは?SEO、リスティング広告、ディスプレイ広告の使い分けを解説」)
(3) BtoB企業におけるSEMの役割
BtoB企業では、SEMは以下のような役割を果たします。
リード獲得:
- 検索経由でホワイトペーパーや資料のダウンロード、問い合わせを促進
- リスティング広告で特定のキーワードを狙った集客
ブランド認知度の向上:
- SEOで自然検索結果の上位に表示されることで、業界での権威性を示す
- ディスプレイ広告で繰り返し接触し、ブランド想起を高める
営業支援:
- 見込み客が自社製品・サービスを検討する際に、検索結果に表示されることで、営業活動を補完
SEOとリスティング広告の特徴比較
(1) 費用面での違い(掲載費用 vs 広告費)
SEO:
- 掲載費用はかからない(無料で上位表示を目指せる)
- ただし、コンテンツ制作費用、サイト改善費用、SEOツール費用などは発生する
- 長期的に見ると、費用対効果が高い傾向がある
リスティング広告:
- クリック課金制で、クリックされるたびに費用が発生
- 月数万円~数十万円の予算が一般的(業種・キーワードにより異なる)
- 予算が尽きると集客が止まる
(出典: デジプロ「SEM戦略とは?SEOとリスティング広告を活用し、費用対効果を高める方法」)
(2) 効果が出るまでの期間(3か月~1年 vs 即時)
SEO:
- 効果が出るまで3か月~1年程度かかる(キーワードの競合度や既存サイトの状態により異なる)
- 一度上位表示されると、持続的にトラフィックを獲得できる
リスティング広告:
- 広告を出稿した瞬間から検索結果に表示される
- 即時で結果が分かるため、効果検証やキーワードのテストに活用できる
(出典: AIアナリスト「SEMとは? SEOとの違いを理解しよう!」)
(3) クリック率とコンバージョン率の違い
SEO:
- オーガニック検索結果のクリック率(CTR)は、リスティング広告の10倍以上と言われている
- 「広告ではない」という信頼性から、ユーザーのクリック率が高い
リスティング広告:
- 広告枠はクリック率が低い傾向(ユーザーが広告を回避する傾向がある)
- ただし、ターゲティング精度が高く、コンバージョン率は比較的高い
(出典: LISKUL「SEMとSEOの違いとは?図表で分かる施策の違いと使い分け方」)
(4) 顧客獲得コスト(CAC)の比較
SEO:
- 有機的なCAC(顧客獲得コスト)は無機的なCACより約65%低いというデータがある
- 初期投資は必要だが、長期的には費用対効果が高い
リスティング広告:
- クリック単価(CPC)が高騰しているキーワードでは、CACが高くなる
- 短期的には即効性があるが、継続的に費用が発生する
(出典: First Page Sage「SEO vs. SEM: Which Is Better in 2025?」)
SEMの戦略的な使い分け方(短期 vs 長期)
(1) 短期的な成果を得たい場合(リスティング広告)
以下のような場合は、リスティング広告の活用が推奨されます。
リスティング広告が適しているケース:
- 新商品・サービスのローンチ時に即座に集客したい
- 期間限定のキャンペーン・セール期間中に集中的に集客したい
- SEOでは上位表示が難しい競合の激しいキーワードを狙いたい
- 特定の地域・時間帯・デバイスにターゲティングしたい
予算配分の目安:
- 検索広告: 70%
- ディスプレイ広告: 30%
(出典: Sprocket「SEMとは?SEO、リスティング広告、ディスプレイ広告の使い分けを解説」)
(2) 中長期的な成果を得たい場合(SEO)
以下のような場合は、SEOに力を入れることが推奨されます。
SEOが適しているケース:
- 持続的なトラフィックを獲得したい
- 広告費を抑えつつ、リード獲得を増やしたい
- 業界での権威性・信頼性を高めたい
- 幅広いキーワードで上位表示を目指したい(広告費では対応しきれない)
SEOの特徴:
- 初期投資(コンテンツ制作、サイト改善)は必要だが、長期的には費用対効果が高い
- 一度上位表示されると、継続的にトラフィックを獲得できる
(出典: ferret「SEOとSEMの違いとは?使い分けるポイントや施策例、注意点を解説」)
(3) 併用戦略と予算配分の目安
多くのBtoB企業では、SEOとリスティング広告を併用する戦略が推奨されます。
併用戦略の例:
- SEO: 持続的なトラフィック獲得の基盤として、コンテンツマーケティングを継続
- リスティング広告: 新商品ローンチ、セール期間、特定キャンペーン時に集中投下
予算配分の考え方:
- SEOとリスティング広告の予算配分は、企業のフェーズや目標により異なる
- 初期フェーズ(立ち上げ期): リスティング広告70%、SEO30%
- 成長フェーズ(安定期): SEO60%、リスティング広告40%
(出典: デジプロ「SEM戦略とは?SEOとリスティング広告を活用し、費用対効果を高める方法」)
(4) キーワード効果検証への活用
リスティング広告は、即時で結果が出るため、SEOで狙うキーワードの効果検証 にも活用できます。
検証手順:
- リスティング広告で候補キーワードをテスト
- コンバージョン率が高いキーワードを特定
- そのキーワードでSEO施策を強化
この方法により、SEOで注力すべきキーワードを効率的に見つけることができます。
2025年のSEM・SEOトレンドと対応策
(1) AI検索時代の検索最適化(GEO)
2025年は、AI検索(Bing + ChatGPT、Google AI Overviews)が台頭し、検索エンジンのあり方が大きく変化しています。
GEO(Generative Engine Optimization):
- 生成AI検索エンジン最適化のこと
- AIに引用されることを前提としたコンテンツ作成が必要
- 簡潔で構造化されたデータ(Schema.org)の活用が重要
対応策:
- 構造化データを実装し、AIが理解しやすいコンテンツ構造にする
- 一次情報・オリジナルデータを含むコンテンツを作成する
(出典: WebProNews「2025 SEO and SEM Evolution: AI, GEO, and E-E-A-T Strategies」)
(2) E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の重要性
Googleは、E-E-A-T(Experience、Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)を品質評価基準として重視しています。
E-E-A-Tの各要素:
- Experience(経験): 実際に使用・体験した一次情報
- Expertise(専門性): 業界・分野における専門知識
- Authoritativeness(権威性): 業界内での認知度・評価
- Trustworthiness(信頼性): サイト・運営者の信頼性
特に「Experience(経験)」は、AIが再現しにくい領域として価値が高まっています。
対応策:
- 実際の導入事例・顧客インタビューを掲載
- 執筆者のプロフィール・実績を明記
- YMYL(お金や健康)ジャンルでは、専門家による監修を受ける
(出典: GMO TECH「【2025年最新】SEOトレンドを予測-AI時代の検索最適化と最新SEO戦略」)
(3) ゼロクリックサーチへの対応
ゼロクリックサーチとは、検索結果ページ内で回答が完結し、サイトへのクリックが発生しない検索のことです。AI検索の普及により、ゼロクリックサーチが増加すると予測されています。
対応策:
- リッチリザルト(強調スニペット、FAQスキーマ)での表示を狙う
- ブランド認知度を高め、指名検索(ブランド名での検索)を増やす
- サイト内での回遊を促す内部リンク戦略を強化
(4) 多角化戦略(YouTube・TikTokなど)
検索エンジンだけでなく、YouTube・TikTokなど動画プラットフォームでの検索最適化も重要になっています。
多角化の例:
- YouTube: 製品デモ、ハウツー動画を公開し、YouTube検索で上位表示を狙う
- TikTok: 短尺動画でブランド認知度を高める
- SNS: TwitterやLinkedInでの発信により、検索結果にSNS投稿も表示される
(出典: GMO TECH「【2025年最新】SEOトレンドを予測-AI時代の検索最適化と最新SEO戦略」)
まとめ:BtoB企業のSEM戦略のポイント
SEMとSEOの違いを理解し、適切に使い分けることで、BtoB企業は検索マーケティングで成果を出すことができます。
押さえるべきポイント:
- SEMはSEOとリスティング広告を含む総合的な検索エンジンマーケティング戦略
- SEOは中長期的(3か月~1年)な成果、リスティング広告は即時で結果が出る
- 併用戦略が推奨される(SEOで持続的なトラフィック、リスティング広告で集中的に集客)
- 予算配分は企業のフェーズや目標により調整(検索広告70%、ディスプレイ広告30%が目安)
- 2025年はAI検索対応、E-E-A-T強化、多角化戦略が重要
次のアクション:
- 現在の予算配分を見直し、SEOとリスティング広告のバランスを調整する
- SEOで狙うキーワードをリスティング広告で事前にテストする
- AI検索対応のため、構造化データを実装する
- E-E-A-Tを強化するため、導入事例や専門家の監修を追加する
- YouTube・TikTokなど多角化戦略を検討する
SEM戦略は、短期的な成果と中長期的な成果をバランスよく組み合わせることが重要です。自社の状況に合わせて、最適な使い分けを見つけていきましょう。
※この記事は2025年11月時点の情報です。最新のSEO・SEM戦略については、各種公式サイトや専門メディアをご確認ください。
