Sansanを導入したけれど、インサイドセールス業務での活用方法が分からない...
BtoB企業の多くが名刺管理ツールとしてSansanを導入していますが、「インサイドセールス業務でどのように活用すればよいか」が不明確なケースは少なくありません。「名刺をデータ化するだけで終わっている」「CRM/SFAとの連携方法が分からない」「リード発掘や商談化への貢献度が見えない」といった悩みを抱えている担当者は多いでしょう。
この記事では、Sansanをインサイドセールス業務で活用する具体的な方法、CRM/SFA連携、事例を解説します。
この記事のポイント:
- Sansanの企業検索機能でターゲットリスト作成、異動・昇進アラートでタイミング営業が可能
- Sansanのインサイドセールス組織は2023年12月に改編され、シンプルで明確な組織構造に
- SDRは従業員数1,000名以下、BDRは1,000名以上の企業を担当する役割分担
- 商談獲得数が月間30件から100件以上に増加した事例もある
- CRM/SFAとの連携はメールアドレス同期で実現、初期設定に工夫が必要
Sansanとインサイドセールスの関係性
まず、Sansanとインサイドセールスがどのように関係しているかを整理します。
Sansanとは:名刺管理ツールからビジネスデータプラットフォームへ
Sansanは、名刺情報をスキャンしてデジタル化し、社内で共有できる名刺管理ツールです。単なる名刺のデータベースではなく、企業情報・人物情報を統合したビジネスデータプラットフォームとして機能します。
Sansanの主な機能:
- 名刺のスキャン・データ化(高精度OCR)
- 企業情報の自動取得(従業員数、部署、役職など)
- 異動・昇進のアラート機能
- タグ管理による顧客セグメント化
- CRM/SFAとの連携
インサイドセールスとは:非対面営業による効率的な商談創出
インサイドセールスは、電話、メール、Web会議などを活用した非対面の営業手法です。顧客に直接訪問せず、効率的に商談機会を創出することを目的とします。
インサイドセールスの主な役割:
- リード発掘(ターゲットリストの作成)
- リード育成(メール・電話でのナーチャリング)
- 商談機会の創出(アポイント獲得)
- フィールドセールスへの引き継ぎ
Sansanがインサイドセールスで果たす役割
Sansanは、インサイドセールスの「リード発掘」「リード育成」の両面で効果を発揮します。
リード発掘での活用:
- 過去の名刺データから休眠顧客を掘り起こす
- 企業検索機能で条件に合うターゲットリストを作成
- ハウスリスト数を増加させる
リード育成での活用:
- 異動・昇進アラートを活用したタイミング営業
- 営業とマーケの名刺情報を一元管理し、情報共有を効率化
- 顧客の詳細な情報(部署、役職、過去の接点)を把握
Sansanのインサイドセールス向け機能
Sansanがインサイドセールス業務で活用できる主な機能を解説します。
企業検索機能(従業員数、部署、役職の3項目検索)
Sansanの企業検索機能を使うと、「従業員数」「部署」「役職」の3項目で名刺データベースを検索できます。
活用例:
- 「従業員数100〜500名、情報システム部、部長」で検索
- ターゲット企業のキーパーソンを抽出
- リストをCSVでエクスポートし、アプローチリストを作成
この機能により、ターゲットリストの作成や顧客情報の詳細な把握が可能になり、ハウスリスト数が増加します。
名刺データベース化とハウスリスト増加
Sansanは、社内のあらゆる名刺を一元管理し、データベース化します。従来は各営業担当者が個別に管理していた名刺が、全社で共有できるハウスリストになります。
ハウスリスト増加の事例:
- ある企業では、Sansanの導入により商談獲得数が月間30件から100件以上に増加(3倍以上)
- 名刺情報のデータ化により、過去の接点があった企業へのアプローチが可能に
異動・昇進アラート機能によるタイミング営業
Sansanは、名刺に記載された人物の異動・昇進情報を自動的にアラート通知します。
活用シーン:
- 過去に接点があった担当者が昇進→再アプローチのタイミング
- 競合他社の営業担当者が異動→アプローチチャンス
- 取引先の担当者が異動→後任者へのフォロー
タイミング営業により、顧客の関心が高いタイミングでアプローチでき、成約率向上につながります。
タグ管理機能による顧客セグメント化
Sansanでは、名刺にタグを付与して顧客をセグメント化できます。
タグ活用例:
- 「導入検討中」「既存顧客」「休眠顧客」などのステータスタグ
- 「IT部門」「経営企画」「営業部門」などの部署タグ
- 「展示会A」「ウェビナーB」などの接点タグ
タグ管理により、ターゲットに応じたシナリオでアプローチできます。
Sansanを活用したインサイドセールスの具体的な方法
実際にSansanをインサイドセールス業務で活用する具体的な方法を解説します。
ターゲットリスト作成(企業検索機能の活用)
ステップ1: 企業検索機能で条件を設定
- 従業員数:100〜500名
- 部署:情報システム部、経営企画
- 役職:部長、マネージャー
ステップ2: 検索結果をCSVでエクスポート
ステップ3: CRM/SFAに取り込み、アプローチリストを作成
この方法により、ターゲット企業のキーパーソンに効率的にアプローチできます。
休眠顧客の掘り起こし(過去の名刺データの活用)
ステップ1: Sansanで「最終接触日が1年以上前」の名刺を検索
ステップ2: 休眠顧客リストを作成
ステップ3: メール・電話で再アプローチ
- 「以前お名刺交換させていただいた〇〇です」
- 「最近、新しいサービスを開始しましたのでご案内させていただきます」
過去の接点を活かすことで、冷たいアプローチよりも反応率が高まります。
異動・昇進アラートを活用したタイミング営業
ステップ1: Sansanの異動・昇進アラートを設定
ステップ2: アラート通知が来たら、すぐにアプローチ
- 「昇進おめでとうございます。新しいお立場でのご活躍を応援しております」
- 「部署異動されたとのこと、新しい部署での課題があればお力になれるかもしれません」
ステップ3: 現在の課題をヒアリングし、商談につなげる
タイミング営業は、顧客の関心が高いタイミングでアプローチできるため、成約率が高まります。
営業とマーケの名刺情報一元管理による情報共有
課題: 営業部門とマーケティング部門で名刺が分散管理されている
Sansanによる解決:
- 営業担当者が展示会で交換した名刺をSansanに登録
- マーケティング部門がウェビナー参加者の名刺をSansanに登録
- 全社で名刺情報を共有し、過去の接点を把握
効果:
- 「この企業は過去にウェビナーに参加していた」という情報が分かる
- アプローチ時に過去の接点を活かせる
- 重複アプローチを避けられる
Sansanのインサイドセールス組織事例(2023年12月改編後)
Sansan株式会社自身のインサイドセールス組織は、2023年12月に大きく改編されました。
シンプルで明確な組織構造(企業規模別の分担)
従来は複雑な組織構造でしたが、2023年12月の改編により「顧客企業の従業員規模でシンプルに分ける」組織体制に変更されました。
改編のポイント:
- 企業規模別にSDRとBDRを分離
- シンプルで明確な役割分担
- 効率化と成果最大化を実現
SDRチーム:従業員数1,000名以下の企業を担当
SDR(Sales Development Representative)チームは、従業員数1,000名以下の企業を担当します。
SDRチームの役割:
- 新規顧客獲得(Lead to Actionアプローチ)
- 電話・メールで顧客にアプローチ
- 商談機会を創出し、フィールドセールスに引き継ぐ
BDRチーム:従業員数1,000名以上の企業を担当
BDR(Business Development Representative)チームは、従業員数1,000名以上の大企業を担当します。
BDRチームの役割:
- 大企業向けの新規開拓
- マーケティング組織と連携してセミナーやイベントでリードを集める
- 電話・メールでカスタマイズしたシナリオでアプローチ
- 手紙も活用して提案内容を伝える
1日60-80件の架電・メール送信、P3(品質指標)重視
Sansanのインサイドセールスは、1日60-80件の架電・メール送信を行います。ただし、アポイント数だけを追求するのではなく、「P3」という品質指標を重視しています。
P3(品質指標)とは:
- アポイント数だけでなく、商談の質を評価する指標
- 量より質を重視することで、成約率向上につなげる
商談獲得数の増加事例(月間30件→100件以上)
ある企業では、Sansanの企業検索機能を活用してターゲットリストを作成し、商談獲得数が月間30件から100件以上に増加しました(3倍以上)。
成功要因:
- 企業検索機能で精度の高いターゲットリストを作成
- 名刺データベース化でハウスリスト数が増加
- 異動・昇進アラートでタイミング営業を実施
CRM/SFAとの連携と導入時の注意点
Sansanを効果的に活用するには、CRM/SFAとの連携が重要です。
Salesforce、HubSpot等のCRM/SFAとの連携方法
Sansanは、主要なCRM/SFA(Salesforce、HubSpot等)と連携できます。
連携のメリット:
- Sansanの名刺情報をCRM/SFAに自動同期
- CRM/SFAで商談管理、Sansanでリード発掘という役割分担
- 営業活動の全体像を一元管理
データベース統合の課題(メールアドレス同期で解決)
SansanとCRM/SFAを連携する際、データベース統合の課題が発生する場合があります。
課題: 名刺情報とCRM/SFAの顧客情報が重複・不一致
解決策: メールアドレスで同期し、Sansanの名刺情報を組み込む
注意点: 初期設定に工夫が必要。導入時にベンダーサポートを活用することが推奨されます。
MiiTel等の音声解析AIツールとの連携によるACW削減
Sansanのインサイドセールス部門は、MiiTel(音声解析AIツール)を活用してACW(After Call Work:通話後の事務作業)を削減しています。
MiiTel連携の効果:
- 従来15分かかっていた記録作業が大幅に短縮
- 音声解析により、通話内容を自動でテキスト化
- CRM/SFAへの入力作業を削減
Sansan自身も200超アカウントでMiiTelを運用しており、ツールを使い倒すことで効果を最大化しています。
導入コストとROIの見極め(特に中小企業)
Sansanの導入には初期コストと運用コストがかかります。
注意点:
- 特に中小企業では導入費用が負担になる可能性がある
- ROI(投資対効果)を見極める必要がある
- 具体的な金額は公式サイトで問い合わせが必要
ROI評価のポイント:
- ハウスリスト数の増加
- 商談獲得数の増加
- 営業活動の効率化(時間削減)
導入前に、自社の営業プロセスでSansanがどの程度貢献するかを見極めることが重要です。
まとめ:SansanでインサイドセールスのROIを最大化
Sansanは、名刺管理ツールとしてだけでなく、インサイドセールスのリード発掘・育成を支援するビジネスデータプラットフォームとして活用できます。企業検索機能、異動・昇進アラート、タグ管理機能を活用することで、ターゲットリスト作成、タイミング営業、情報共有が効率化されます。
Sansan自身も2023年12月に組織改編を行い、シンプルで明確な組織構造(SDR:従業員数1,000名以下、BDR:1,000名以上)を採用しています。商談獲得数が月間30件から100件以上に増加した事例もあり、効果的な活用により大きな成果が期待できます。
次のアクション:
- 自社のインサイドセールス業務でSansanがどのように活用できるか確認する
- 企業検索機能でターゲットリストを作成してみる
- 異動・昇進アラートを設定し、タイミング営業を試してみる
- CRM/SFAとの連携方法を検討し、ベンダーサポートに相談する
Sansanを効果的に活用して、インサイドセールスのROIを最大化しましょう。
