Sansanをインサイドセールスで活用する方法|機能・連携・事例を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/5

Sansanを導入したけれど、インサイドセールス業務での活用方法が分からない...

BtoB企業の多くが名刺管理ツールとしてSansanを導入していますが、「インサイドセールス業務でどのように活用すればよいか」が不明確なケースは少なくありません。「名刺をデータ化するだけで終わっている」「CRM/SFAとの連携方法が分からない」「リード発掘や商談化への貢献度が見えない」といった悩みを抱えている担当者は多いでしょう。

この記事では、Sansanをインサイドセールス業務で活用する具体的な方法、CRM/SFA連携、事例を解説します。

この記事のポイント:

  • Sansanの企業検索機能でターゲットリスト作成、異動・昇進アラートでタイミング営業が可能
  • Sansanのインサイドセールス組織は2023年12月に改編され、シンプルで明確な組織構造に
  • SDRは従業員数1,000名以下、BDRは1,000名以上の企業を担当する役割分担
  • 商談獲得数が月間30件から100件以上に増加した事例もある
  • CRM/SFAとの連携はメールアドレス同期で実現、初期設定に工夫が必要

Sansanとインサイドセールスの関係性

まず、Sansanとインサイドセールスがどのように関係しているかを整理します。

Sansanとは:名刺管理ツールからビジネスデータプラットフォームへ

Sansanは、名刺情報をスキャンしてデジタル化し、社内で共有できる名刺管理ツールです。単なる名刺のデータベースではなく、企業情報・人物情報を統合したビジネスデータプラットフォームとして機能します。

Sansanの主な機能:

  • 名刺のスキャン・データ化(高精度OCR)
  • 企業情報の自動取得(従業員数、部署、役職など)
  • 異動・昇進のアラート機能
  • タグ管理による顧客セグメント化
  • CRM/SFAとの連携

インサイドセールスとは:非対面営業による効率的な商談創出

インサイドセールスは、電話、メール、Web会議などを活用した非対面の営業手法です。顧客に直接訪問せず、効率的に商談機会を創出することを目的とします。

インサイドセールスの主な役割:

  • リード発掘(ターゲットリストの作成)
  • リード育成(メール・電話でのナーチャリング)
  • 商談機会の創出(アポイント獲得)
  • フィールドセールスへの引き継ぎ

Sansanがインサイドセールスで果たす役割

Sansanは、インサイドセールスの「リード発掘」「リード育成」の両面で効果を発揮します。

リード発掘での活用:

  • 過去の名刺データから休眠顧客を掘り起こす
  • 企業検索機能で条件に合うターゲットリストを作成
  • ハウスリスト数を増加させる

リード育成での活用:

  • 異動・昇進アラートを活用したタイミング営業
  • 営業とマーケの名刺情報を一元管理し、情報共有を効率化
  • 顧客の詳細な情報(部署、役職、過去の接点)を把握

Sansanのインサイドセールス向け機能

Sansanがインサイドセールス業務で活用できる主な機能を解説します。

企業検索機能(従業員数、部署、役職の3項目検索)

Sansanの企業検索機能を使うと、「従業員数」「部署」「役職」の3項目で名刺データベースを検索できます。

活用例:

  • 「従業員数100〜500名、情報システム部、部長」で検索
  • ターゲット企業のキーパーソンを抽出
  • リストをCSVでエクスポートし、アプローチリストを作成

この機能により、ターゲットリストの作成や顧客情報の詳細な把握が可能になり、ハウスリスト数が増加します。

名刺データベース化とハウスリスト増加

Sansanは、社内のあらゆる名刺を一元管理し、データベース化します。従来は各営業担当者が個別に管理していた名刺が、全社で共有できるハウスリストになります。

ハウスリスト増加の事例:

  • ある企業では、Sansanの導入により商談獲得数が月間30件から100件以上に増加(3倍以上)
  • 名刺情報のデータ化により、過去の接点があった企業へのアプローチが可能に

異動・昇進アラート機能によるタイミング営業

Sansanは、名刺に記載された人物の異動・昇進情報を自動的にアラート通知します。

活用シーン:

  • 過去に接点があった担当者が昇進→再アプローチのタイミング
  • 競合他社の営業担当者が異動→アプローチチャンス
  • 取引先の担当者が異動→後任者へのフォロー

タイミング営業により、顧客の関心が高いタイミングでアプローチでき、成約率向上につながります。

タグ管理機能による顧客セグメント化

Sansanでは、名刺にタグを付与して顧客をセグメント化できます。

タグ活用例:

  • 「導入検討中」「既存顧客」「休眠顧客」などのステータスタグ
  • 「IT部門」「経営企画」「営業部門」などの部署タグ
  • 「展示会A」「ウェビナーB」などの接点タグ

タグ管理により、ターゲットに応じたシナリオでアプローチできます。

Sansanを活用したインサイドセールスの具体的な方法

実際にSansanをインサイドセールス業務で活用する具体的な方法を解説します。

ターゲットリスト作成(企業検索機能の活用)

ステップ1: 企業検索機能で条件を設定

  • 従業員数:100〜500名
  • 部署:情報システム部、経営企画
  • 役職:部長、マネージャー

ステップ2: 検索結果をCSVでエクスポート

ステップ3: CRM/SFAに取り込み、アプローチリストを作成

この方法により、ターゲット企業のキーパーソンに効率的にアプローチできます。

休眠顧客の掘り起こし(過去の名刺データの活用)

ステップ1: Sansanで「最終接触日が1年以上前」の名刺を検索

ステップ2: 休眠顧客リストを作成

ステップ3: メール・電話で再アプローチ

  • 「以前お名刺交換させていただいた〇〇です」
  • 「最近、新しいサービスを開始しましたのでご案内させていただきます」

過去の接点を活かすことで、冷たいアプローチよりも反応率が高まります。

異動・昇進アラートを活用したタイミング営業

ステップ1: Sansanの異動・昇進アラートを設定

ステップ2: アラート通知が来たら、すぐにアプローチ

  • 「昇進おめでとうございます。新しいお立場でのご活躍を応援しております」
  • 「部署異動されたとのこと、新しい部署での課題があればお力になれるかもしれません」

ステップ3: 現在の課題をヒアリングし、商談につなげる

タイミング営業は、顧客の関心が高いタイミングでアプローチできるため、成約率が高まります。

営業とマーケの名刺情報一元管理による情報共有

課題: 営業部門とマーケティング部門で名刺が分散管理されている

Sansanによる解決:

  • 営業担当者が展示会で交換した名刺をSansanに登録
  • マーケティング部門がウェビナー参加者の名刺をSansanに登録
  • 全社で名刺情報を共有し、過去の接点を把握

効果:

  • 「この企業は過去にウェビナーに参加していた」という情報が分かる
  • アプローチ時に過去の接点を活かせる
  • 重複アプローチを避けられる

Sansanのインサイドセールス組織事例(2023年12月改編後)

Sansan株式会社自身のインサイドセールス組織は、2023年12月に大きく改編されました。

シンプルで明確な組織構造(企業規模別の分担)

従来は複雑な組織構造でしたが、2023年12月の改編により「顧客企業の従業員規模でシンプルに分ける」組織体制に変更されました。

改編のポイント:

  • 企業規模別にSDRとBDRを分離
  • シンプルで明確な役割分担
  • 効率化と成果最大化を実現

SDRチーム:従業員数1,000名以下の企業を担当

SDR(Sales Development Representative)チームは、従業員数1,000名以下の企業を担当します。

SDRチームの役割:

  • 新規顧客獲得(Lead to Actionアプローチ)
  • 電話・メールで顧客にアプローチ
  • 商談機会を創出し、フィールドセールスに引き継ぐ

BDRチーム:従業員数1,000名以上の企業を担当

BDR(Business Development Representative)チームは、従業員数1,000名以上の大企業を担当します。

BDRチームの役割:

  • 大企業向けの新規開拓
  • マーケティング組織と連携してセミナーやイベントでリードを集める
  • 電話・メールでカスタマイズしたシナリオでアプローチ
  • 手紙も活用して提案内容を伝える

1日60-80件の架電・メール送信、P3(品質指標)重視

Sansanのインサイドセールスは、1日60-80件の架電・メール送信を行います。ただし、アポイント数だけを追求するのではなく、「P3」という品質指標を重視しています。

P3(品質指標)とは:

  • アポイント数だけでなく、商談の質を評価する指標
  • 量より質を重視することで、成約率向上につなげる

商談獲得数の増加事例(月間30件→100件以上)

ある企業では、Sansanの企業検索機能を活用してターゲットリストを作成し、商談獲得数が月間30件から100件以上に増加しました(3倍以上)。

成功要因:

  • 企業検索機能で精度の高いターゲットリストを作成
  • 名刺データベース化でハウスリスト数が増加
  • 異動・昇進アラートでタイミング営業を実施

CRM/SFAとの連携と導入時の注意点

Sansanを効果的に活用するには、CRM/SFAとの連携が重要です。

Salesforce、HubSpot等のCRM/SFAとの連携方法

Sansanは、主要なCRM/SFA(Salesforce、HubSpot等)と連携できます。

連携のメリット:

  • Sansanの名刺情報をCRM/SFAに自動同期
  • CRM/SFAで商談管理、Sansanでリード発掘という役割分担
  • 営業活動の全体像を一元管理

データベース統合の課題(メールアドレス同期で解決)

SansanとCRM/SFAを連携する際、データベース統合の課題が発生する場合があります。

課題: 名刺情報とCRM/SFAの顧客情報が重複・不一致

解決策: メールアドレスで同期し、Sansanの名刺情報を組み込む

注意点: 初期設定に工夫が必要。導入時にベンダーサポートを活用することが推奨されます。

MiiTel等の音声解析AIツールとの連携によるACW削減

Sansanのインサイドセールス部門は、MiiTel(音声解析AIツール)を活用してACW(After Call Work:通話後の事務作業)を削減しています。

MiiTel連携の効果:

  • 従来15分かかっていた記録作業が大幅に短縮
  • 音声解析により、通話内容を自動でテキスト化
  • CRM/SFAへの入力作業を削減

Sansan自身も200超アカウントでMiiTelを運用しており、ツールを使い倒すことで効果を最大化しています。

導入コストとROIの見極め(特に中小企業)

Sansanの導入には初期コストと運用コストがかかります。

注意点:

  • 特に中小企業では導入費用が負担になる可能性がある
  • ROI(投資対効果)を見極める必要がある
  • 具体的な金額は公式サイトで問い合わせが必要

ROI評価のポイント:

  • ハウスリスト数の増加
  • 商談獲得数の増加
  • 営業活動の効率化(時間削減)

導入前に、自社の営業プロセスでSansanがどの程度貢献するかを見極めることが重要です。

まとめ:SansanでインサイドセールスのROIを最大化

Sansanは、名刺管理ツールとしてだけでなく、インサイドセールスのリード発掘・育成を支援するビジネスデータプラットフォームとして活用できます。企業検索機能、異動・昇進アラート、タグ管理機能を活用することで、ターゲットリスト作成、タイミング営業、情報共有が効率化されます。

Sansan自身も2023年12月に組織改編を行い、シンプルで明確な組織構造(SDR:従業員数1,000名以下、BDR:1,000名以上)を採用しています。商談獲得数が月間30件から100件以上に増加した事例もあり、効果的な活用により大きな成果が期待できます。

次のアクション:

  • 自社のインサイドセールス業務でSansanがどのように活用できるか確認する
  • 企業検索機能でターゲットリストを作成してみる
  • 異動・昇進アラートを設定し、タイミング営業を試してみる
  • CRM/SFAとの連携方法を検討し、ベンダーサポートに相談する

Sansanを効果的に活用して、インサイドセールスのROIを最大化しましょう。

よくある質問

Q1Sansanをインサイドセールスで活用するメリットは?

A1企業検索機能でターゲットリスト作成、異動・昇進アラートでタイミング営業、名刺データベース化でハウスリスト増加が可能です。商談獲得数が月間30件から100件以上に増加した事例もあります。

Q2SansanのSDRとBDRの違いは?

A2SDR(Sales Development Representative)は従業員数1,000名以下の企業を担当、BDR(Business Development Representative)は1,000名以上の大企業を担当します。2023年12月の組織改編でシンプルで明確な役割分担に変更されました。

Q3SansanとCRM/SFAはどのように連携させるのですか?

A3メールアドレスで同期し、Sansanの名刺情報をCRM/SFAに組み込みます。Salesforce、HubSpot等の主要CRM/SFAと連携可能です。初期設定に工夫が必要なため、ベンダーサポートの活用が推奨されます。

Q4Sansan導入のコストはどれくらいですか?

A4初期コストと運用コストがかかります。特に中小企業では導入費用が負担になる可能性があるため、ROI(投資対効果)を見極める必要があります。具体的な金額は公式サイトで問い合わせが必要です。

Q5Sansanのインサイドセールスで重視されている指標は?

A5アポイント数だけでなく「P3」という品質指標を重視しています。1日60-80件の架電・メール送信を行いつつ、量より質を重視することが重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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