ウェビナー施策の運用効率、上げたいと思いませんか?
B2Bマーケティングでウェビナーを活用する企業が増えています。しかし、参加者データの管理、フォローアップメールの配信、効果測定など、手作業で行うと工数がかかりすぎるという課題を抱えている担当者は少なくありません。
「参加者リストをエクスポートして、Excelで整理して、またMAツールにインポートして...」という作業を毎回繰り返していないでしょうか。
この記事では、Salesforceのマーケティングオートメーションツール「Pardot(現Account Engagement)」とウェビナーツールを連携させ、リードナーチャリングを自動化する方法を解説します。
この記事のポイント:
- Pardotは Webex、GoToWebinar、Zoomなど主要なウェビナープラットフォームと連携可能
- フォームハンドラー方式とPardotフォーム方式の2つの連携方法がある
- Engagement Studioで出欠ステータスに応じた自動ナーチャリングが構築できる
- 連携により参加者登録・出欠管理・フォローアップメールを自動化できる
- Salesforceとのデータ連携で経営判断の高速化にも貢献
1. なぜPardotとウェビナーの連携が必要なのか
B2B企業にとって、ウェビナーは見込み客の獲得・育成に効果的な施策として定着しています。リモートワークの普及により、対面セミナーからオンラインウェビナーへの移行が加速しました。
しかし、ウェビナー運営には以下のような課題がつきまといます。
手作業による運用の問題点:
- 参加者リストの手動エクスポート・インポート
- リマインダーメールの配信設定
- 出欠確認と参加者・欠席者への異なるフォローアップ
- 参加データに基づくリードスコアリングの更新
これらを手作業で行うと、工数がかかるだけでなく、配信ミスや対応漏れのリスクも高まります。
MAツールとウェビナープラットフォームを連携させることで、フォーム登録から招待メール送信、出欠管理、フォローアップまでを一気通貫で自動化できます。toBeマーケティング社の事例では、オンラインセミナーで会場型セミナーの3倍以上の集客を達成したとされています。
2. Pardot(Account Engagement)とウェビナーの基礎知識
(1) Pardot(Account Engagement)とは
Pardotは、SalesforceのB2B向けマーケティングオートメーションツールです。2022年にブランド名が「Account Engagement」に変更されましたが、機能面は引き続き強化されています。
Pardotの主要機能:
- リード管理・スコアリング
- メール配信・自動化
- フォーム・ランディングページ作成
- Salesforce CRMとのネイティブ連携
- Engagement Studioによる複雑なナーチャリングフロー構築
Salesforceとの深い統合が強みで、営業チームとマーケティングチームのデータ連携がスムーズに行えます。
(2) 連携可能なウェビナープラットフォーム(Zoom・Webex・GoToWebinar等)
Pardotは複数のウェビナープラットフォームと連携できます。
公式コネクタで連携可能なプラットフォーム:
| プラットフォーム | 連携方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| Webex | 公式コネクタ | Salesforce製品のため親和性が高い |
| GoToWebinar | 公式コネクタ | 大規模ウェビナー向け機能が充実 |
| ReadyTalk | 公式コネクタ | 電話会議機能も利用可能 |
| Zoom | フォーム連携 | Video Webinar Planが必要 |
注意点: Zoomとの連携には「Video Webinar Plan」の契約が必要です。通常のZoom Meetingsプランでは連携機能が利用できない場合があるため、事前に確認してください。
3. ウェビナーツールとの連携設定方法
(1) フォームハンドラー方式とPardotフォーム方式の違い
Pardotとウェビナーツールを連携する方法は主に2つあります。
フォームハンドラー方式:
- Zoomなど外部サービスの登録フォームを使用
- フォームハンドラーでデータをPardotに取り込む
- Zoomの登録フォームUIをそのまま使える
Pardotフォーム方式:
- Pardotのフォームで参加登録を受け付け
- フォーム通過後に自動でZoomへ参加者登録
- Pardotでデータを一元管理しやすい
比較表:
| 観点 | フォームハンドラー方式 | Pardotフォーム方式 |
|---|---|---|
| 登録フォーム | Zoomのフォームを使用 | Pardotフォームを使用 |
| データ取り込み | フォームハンドラー経由 | 直接登録 |
| カスタマイズ性 | Zoom側の設定に依存 | Pardotで自由に設計可能 |
| 運用の簡易さ | 設定がシンプル | フロー全体を一元管理可能 |
どちらの方式を選ぶかは、既存の運用フローや管理したいデータの粒度によって判断してください。
(2) Zoom連携の具体的な設定手順
Pardotフォーム方式での連携ステップ:
- Zoomアカウントの準備: Video Webinar Planを契約し、ウェビナーを作成
- Pardot側の設定: Admin > Connectorsで「Zoom Video Webinar」を選択し、認証を完了
- フォーム作成: Pardotでウェビナー登録用フォームを作成
- 完了アクション設定: フォーム送信後に「Add prospect to CRM campaign」や「Add to Zoom Webinar」を設定
- テスト: 実際にフォームから登録し、Zoomに参加者として追加されることを確認
Pardotフォーム経由で登録されると、プロスペクトがPardotに作成され、同時にZoomウェビナーにも自動登録されます。招待メールはZoom側から自動送信される設定にすることも、Pardotから送信することも可能です。
(3) Webex・GoToWebinarとの連携設定
Webexとの連携:
WebexはSalesforce製品のため、Pardotとの親和性が高く設定もシンプルです。
- Admin > Connectors > 「Add Connector」を選択
- 「Webex」を選択し、アカウント認証を完了
- ウェビナーイベントを選択し、Pardotフォームと紐付け
- イベント終了後、参加・欠席ステータスが自動でPardotに反映
GoToWebinarとの連携:
- Admin > Connectors > 「Add Connector」を選択
- 「GoToWebinar」を選択し、認証を完了
- 対象のウェビナーを選択してフォームを連携
いずれの場合も、セミナー終了後にPardot上で出欠情報を参照でき、後続のナーチャリングに活用できます。
4. リードナーチャリングの自動化フロー構築
(1) Engagement Studioによる自動ナーチャリング設計
Engagement Studioは、Pardotのマーケティングオートメーション機能の中核です。複雑な分岐ロジックを視覚的に設計でき、ウェビナーの出欠に応じた自動フォローを構築できます。
基本的なフロー設計例:
ウェビナー登録
↓
リマインダーメール送信(3日前、1日前、1時間前)
↓
ウェビナー開催
↓
【分岐】参加したか?
├─ 参加者 → サンクスメール + 追加資料案内
└─ 欠席者 → アーカイブ動画案内メール
このようなフローをEngagement Studioで構築しておけば、手作業でリスト分けしてメール配信する必要がなくなります。
(2) 出欠ステータスに応じたフォローアップメールの自動化
連携設定が完了すると、Pardot上で以下の出欠ステータスを管理できます。
- 登録済み(Registered): 申し込み完了
- 参加(Attended): ウェビナーに参加
- 欠席(No Show): 登録したが参加しなかった
フォローアップメール例:
| ステータス | フォローアップ内容 | 送信タイミング |
|---|---|---|
| 参加 | サンクスメール + 質問受付 | ウェビナー終了直後 |
| 参加 | 関連コンテンツ案内 | 3日後 |
| 欠席 | アーカイブ動画案内 | ウェビナー翌日 |
| 欠席 | 次回ウェビナー案内 | 1週間後 |
欠席者へのフォローは特に重要です。「参加できなかったけれど興味はある」層に適切にアプローチすることで、商談化率を高められる可能性があります。
(3) オートメーションルールの活用ポイント
Engagement Studioに加えて、オートメーションルールも活用できます。
オートメーションルールの活用例:
- ウェビナー参加者に自動でタグを付与
- 特定のウェビナーに参加したらスコアを加算
- 参加回数に応じてセグメントを分類
- 営業担当者への自動通知
例えば「製品デモウェビナー」に参加したプロスペクトには高いスコアを付与し、営業チームにアラートを送る設定が可能です。
5. 効果測定とスコアリングの活用
(1) ウェビナー参加者のスコアリング設計
ウェビナー参加は、プロスペクトの関心度を測る重要な指標です。スコアリングを適切に設計することで、営業が優先的にアプローチすべきリードを可視化できます。
スコアリング設計例:
| アクション | スコア | 備考 |
|---|---|---|
| ウェビナー登録 | +10 | 興味関心の表明 |
| ウェビナー参加 | +30 | 実際に時間を投資 |
| ウェビナー欠席 | +5 | 登録したが参加せず |
| 製品デモ視聴 | +50 | 購買意欲が高い |
| 質問を送信 | +20 | 積極的な関与 |
スコアの閾値を設定し、一定スコアに達したらMQL(Marketing Qualified Lead)としてSalesforceに連携する運用が一般的です。
(2) Salesforce連携によるデータ活用
PardotとSalesforceを連携させることで、ウェビナーデータを営業活動に活用できます。
連携で実現できること:
- ウェビナー参加履歴をSalesforceの取引先責任者レコードに表示
- キャンペーン成果のレポート作成
- 営業担当者がプロスペクトの行動履歴を確認
- 経営ダッシュボードでウェビナーROIを可視化
特に、営業チームがSalesforce上でプロスペクトの「ウェビナー参加履歴」を確認できると、商談時の会話がスムーズになります。「先日のウェビナーにご参加いただきましたね」という一言で、信頼関係の構築につながることもあるでしょう。
6. まとめ:Pardot×ウェビナー活用を成功させるポイント
Pardotとウェビナーツールを連携させることで、登録から出欠管理、フォローアップまでを自動化できます。手作業の工数削減だけでなく、適切なタイミングでの自動フォローにより、リードナーチャリングの質を高めることが可能です。
成功のためのチェックポイント:
- 連携するウェビナープラットフォームのプラン要件を確認する(特にZoom)
- フォームハンドラー方式かPardotフォーム方式か、運用フローに合わせて選択する
- Engagement Studioで出欠に応じた自動フォローを構築する
- スコアリングルールを設計し、営業連携を強化する
次のアクション:
- 現在利用中のウェビナーツールの連携可否を確認
- Pardot管理画面でConnectorsの設定状況を確認
- 小規模なウェビナーでテスト連携を実施
- 運用フローを整理し、自動化すべき工程を洗い出す
まずは1つのウェビナーで連携を試し、効果を検証してから本格運用に移行することをおすすめします。設定の詳細は、Salesforce公式ヘルプやサポートに確認してください。
よくある質問:
Q: Pardotはどのウェビナープラットフォームと連携できますか? A: Webex、ReadyTalk、GoToWebinarは公式コネクタで連携可能です。Zoomは公式コネクタはありませんが、Pardotフォーム経由またはフォームハンドラー経由で連携できます。ただし、ZoomのVideo Webinar Planが必要な点にご注意ください。
Q: ウェビナー連携に必要な事前準備は何ですか? A: Pardot管理画面のAdmin > Connectorsから連携設定を行います。事前に連携方式(フォームハンドラー方式 or Pardotフォーム方式)を決定し、運用フローを明確化しておくことが重要です。また、ウェビナープラットフォーム側のプラン要件も確認してください。
Q: ウェビナー欠席者へのフォローはどう自動化できますか? A: Engagement Studioで出欠ステータスに応じた分岐を設定します。欠席者にはアーカイブ動画配信メールを、参加者には追加コンテンツ案内を自動送信するフローを構築できます。オートメーションルールと併用することで、より細かな条件分岐も可能です。
Q: Pardotの名称が変わったと聞きましたが? A: 2022年にブランド名が「Account Engagement」に変更されました。機能は引き続き提供されており、Salesforce公式ドキュメントでは両方の名称が使われています。設定画面や機能自体に大きな変更はありません。
Q: 連携設定で失敗しないためのコツはありますか? A: まず小規模なテストウェビナーで動作確認することをおすすめします。特にメール配信のタイミング、Zoom自動登録の動作、出欠ステータスの反映タイミングを事前に確認してください。また、フォーム設定ミスやリマインダー配信漏れなど、うっかりミスを防ぐためのチェックリストを作成しておくと安心です。
