メルマガ配信に課題を抱えるB2B企業へ
B2B企業のマーケティング担当者にとって、メルマガは見込み客との継続的な関係構築に欠かせない施策です。しかし、「配信設定が複雑で時間がかかる」「開封率・クリック率が低い」「Salesforceとの連携がうまくいかない」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
Pardot(現Marketing Cloud Account Engagement)は、Salesforceが提供するB2B向けマーケティングオートメーションツールで、リストメール機能を活用することで効率的なメルマガ配信が可能です。
この記事では、Pardotでのメルマガ配信の基本から設定手順、開封率・クリック率を高める活用テクニック、配信停止管理まで、実務担当者が知っておくべきポイントを解説します。
この記事のポイント:
- Pardotのリストメール機能により、一斉配信と効果測定をワンストップで実現できる
- メールテンプレート作成→リストメール設定→テスト→配信の4ステップで配信可能
- 動的リストを活用すると、条件に合致するプロスペクトに自動配信できる
- %%unsubscribe%%は全メール停止、Email Preference Centerはメルマガごとの停止管理が可能
- Salesforce連携により顧客情報に基づくセグメント配信・パーソナライズ配信ができる
Pardotのメルマガ機能が注目される理由
Pardot(2022年4月7日にMarketing Cloud Account Engagementに名称変更)は、B2B企業向けに特化したマーケティングオートメーションツールです。リストメール機能を使うことで、見込み客リストへの一斉配信と効果測定をワンストップで実行できます。
Pardotメルマガの主なメリット:
- 開封率・クリック率のリアルタイム取得: Pardotダッシュボードで配信後すぐに効果測定が可能
- Salesforce連携によるセグメント配信: 顧客情報(業種・役職・商談ステージ等)に基づいた配信が可能
- 完了アクションによる自動フォロー: メール開封・クリックに応じた自動処理(営業担当への通知、スコアリング等)を設定できる
- 動的リストによる自動更新: 条件に合致するプロスペクトを常に最新状態で抽出し配信できる
これらの機能により、マーケティング担当者の工数削減と配信効果の向上が期待できます。
Pardotとメルマガ配信の基礎知識
(1) Pardotとは(Marketing Cloud Account Engagementへの名称変更)
Pardot(パードット)は、Salesforceが提供するB2B向けマーケティングオートメーションツールです。2022年4月7日に「Marketing Cloud Account Engagement」に名称変更されましたが、現場では引き続き「Pardot」の呼称が使われるケースも多いです。
主な機能としては、リード管理、メール配信、フォーム作成、ランディングページ作成、リードスコアリング、Salesforceとの連携などがあります。
※この記事では2024年時点の情報を基に執筆しています。最新の仕様・料金はSalesforce公式サイトをご確認ください。
(2) リストメールとは
リストメールは、Pardotで見込み客リスト(プロスペクトリスト)に一斉配信するメール機能です。ニュースレターや新製品告知、セミナー案内など、多数の見込み客に同じ内容を配信する用途に適しています。
リストメールの特徴:
- 一斉配信: 複数のプロスペクトに同時配信
- テンプレート活用: 事前に作成したメールテンプレートを使い回せる
- 効果測定: 開封率・クリック率・コンバージョン率をリアルタイムで確認できる
- 完了アクション設定: 開封・クリック時の自動処理を設定可能
(3) 静的リストと動的リストの違い
Pardotでは、配信対象のプロスペクトリストを「静的リスト」と「動的リスト」の2種類から選択できます。
静的リスト:
- 手動で追加したプロスペクトの固定リスト
- イベント参加者やセミナー申込者など、特定の条件で抽出したリストを保持したい場合に使用
- リスト作成後は自動更新されないため、追加・削除は手動で行う必要がある
動的リスト:
- 設定した条件に合致するプロスペクトを自動抽出するリスト
- 「過去30日以内にWebサイトを訪問したプロスペクト」「スコアが50以上のプロスペクト」など、常に最新の条件で抽出される
- 配信タイミングで自動更新されるため、手動メンテナンスが不要
用途に応じて使い分けることで、配信の効率化と精度向上が可能です。
リストメール機能の設定手順
(1) メールテンプレートの作成
まず、繰り返し使用するメールテンプレートを作成します。テンプレートを用途別(ニュースレター、セミナー案内、製品紹介等)に作成しておくと、本文を入れ替えるだけで効率的に配信できます。
作成手順:
- Pardot管理画面で[マーケティング]→[メール]→[新規メールテンプレート]を選択
- テンプレート名を入力(例:「ニュースレター用テンプレート」)
- 件名、本文、送信者情報を設定
- 配信停止リンク(%%unsubscribe%%またはemail_preference_center%%)を必ず挿入
- 保存してテンプレート完成
配信停止リンクについて:
- %%unsubscribe%%: 全メール配信停止(以降一切配信不可)
- %%email_preference_center%%: メルマガごとに配信停止を管理できる設定ページへのリンク
米国迷惑メール防止法に準じて、配信停止リンクの設置は必須です。後者のEmail Preference Centerを使用すると、プロスペクトが配信停止したいメルマガだけを選択できるため、完全な配信停止を避けられる可能性が高まります。
(2) リストメールの作成と配信設定
テンプレート作成後、実際の配信設定を行います。
作成手順:
- [マーケティング]→[メール]→[新規リストメール]を選択
- リストメール名を入力(例:「2024年11月ニュースレター」)
- 作成したメールテンプレートを選択
- 件名・本文を必要に応じて編集
- 配信リスト(静的リストまたは動的リスト)を選択
- 送信者情報(送信者名、メールアドレス)を設定
- 配信日時を設定(即時配信または予約配信)
注意点:
- 商談中の顧客にナーチャリングメールを送らないよう、除外リストの設定が重要です
- Salesforceとの連携により、商談ステージや顧客属性で配信対象を絞り込むことができます
(3) テスト送信と配信実行
配信前に必ずテスト送信を行い、リンク動作・レイアウト崩れを確認します。
テスト送信手順:
- リストメール編集画面で[テスト送信]ボタンをクリック
- 自分のメールアドレスを入力して送信
- 受信したメールで以下を確認:
- 件名・本文の表示
- リンクのクリック動作
- レイアウト崩れの有無
- 配信停止リンクの動作
確認が完了したら、[配信]ボタンをクリックして配信を実行します。
(4) 完了アクションの設定
完了アクションは、メール開封・クリック等のアクションに応じて自動実行される処理です。以下のような活用が可能です。
完了アクションの例:
- メール開封時に営業担当者へ通知
- リンククリック時にプロスペクトのスコアを加算
- 特定のリンククリック時に自動フォローメールを送信
- Salesforceのタスクやリードステータスを自動更新
完了アクションを設定することで、マーケティングと営業の連携が強化され、リードナーチャリングの効率が向上します。
開封率・クリック率を高める活用テクニック
(1) セグメント配信の活用
すべてのプロスペクトに同じメールを送るのではなく、属性・行動履歴でセグメントを分けることで、開封率・クリック率の向上が期待できます。
セグメント例:
- 業種別: 製造業向け、IT企業向けなど、業種に応じた事例・ソリューションを配信
- 役職別: 経営層向けには投資対効果、実務担当者向けには操作方法を配信
- 行動履歴別: 過去にWebサイトを訪問したプロスペクトには関連コンテンツを配信
- 商談ステージ別: 初期接触段階には基本情報、検討段階には詳細資料を配信
Salesforce連携により、これらのセグメント情報を活用した配信が可能です。
(2) パーソナライズ配信とSalesforce連携
Pardotでは、プロスペクトの情報を差し込んでパーソナライズ配信ができます。
パーソナライズの例:
- 「%%first_name%%様」で名前を差し込む
- 「%%company%%」で会社名を差し込む
- 「%%industry%%」で業種に応じたコンテンツを出し分ける
Salesforce連携により、商談情報や過去の購買履歴に基づいた高度なパーソナライズも可能です。
(3) 効果測定とレポート確認
Pardotダッシュボードでは、配信後すぐに以下の指標を確認できます。
主要指標:
- 配信数: 実際に配信されたメール数
- 開封率: 開封されたメール数÷配信数
- クリック率: リンクがクリックされた数÷配信数
- コンバージョン率: 目標アクション(資料請求、問い合わせ等)に至った数÷配信数
これらの指標をもとに、件名・本文・配信タイミングを改善していくことで、継続的な効果向上が可能です。
配信停止(オプトアウト)管理とSalesforce連携
(1) %%unsubscribe%%とEmail Preference Centerの違い
前述の通り、Pardotには2種類の配信停止方法があります。
%%unsubscribe%%(全メール配信停止):
- プロスペクトがリンクをクリックすると、すべてのメール配信が停止される
- プロスペクトに「Do not Email」「Opted out」のフラグが付与され、以降一切メール送信不可
- 再配信には本人の再同意が必要
%%email_preference_center%%(メルマガごとの配信停止):
- プロスペクトがリンクをクリックすると、配信停止したいメルマガを選択できるページが表示される
- 特定のメルマガだけを停止し、他のメルマガは引き続き受信することが可能
- プロスペクトの柔軟な選択肢を提供できるため、完全な配信停止を避けられる可能性が高い
推奨: Email Preference Centerの利用を推奨します。プロスペクトに選択肢を提供することで、関係性の完全断絶を防ぐことができます。
(2) 配信停止後の挙動とリスク
%%unsubscribe%%で配信停止したプロスペクトには、以降一切メール送信ができなくなります。この状態は「Do not Email」「Opted out」としてPardotとSalesforceに記録され、手動でフラグを解除しても法的リスクがあるため推奨されません。
配信停止後のリスク:
- 重要な製品アップデート情報も送信できない
- セミナー・イベント案内も送信できない
- 再度の同意取得が必要(メール以外の手段で)
そのため、配信停止リンクの種類選択は慎重に行う必要があります。
(3) 商談中の顧客への配信除外設定
商談中の顧客に対してナーチャリングメール(見込み客育成用のメール)を送ってしまうと、営業活動に悪影響を与える可能性があります。
除外設定の方法:
- Salesforceの商談ステージが「商談中」「提案中」のプロスペクトを除外リストに設定
- 営業担当者が「配信除外」フラグを手動で設定
- 動的リストの条件で「商談ステージ≠商談中」を設定
Salesforce連携により、これらの除外設定を自動化できます。
まとめ:Pardotメルマガ活用のポイント
Pardot(Marketing Cloud Account Engagement)のリストメール機能を活用することで、B2B企業のメルマガ配信を効率化し、開封率・クリック率の向上が期待できます。
重要なポイント:
- メールテンプレートを用途別に作成しておくことで、配信準備の工数を削減できる
- 動的リストを活用すると、条件に合致するプロスペクトに自動配信できる
- 配信停止リンクは%%email_preference_center%%の利用を推奨(完全な配信停止を避けられる)
- Salesforce連携により、セグメント配信・パーソナライズ配信が可能
- 効果測定(開封率・クリック率)をもとに継続的に改善する
次のアクション:
- メールテンプレートを用途別(ニュースレター、セミナー案内等)に作成する
- 静的リストと動的リストの使い分けを整理する
- テスト送信で配信停止リンクの動作を確認する
- Salesforce連携によるセグメント配信の設定を検討する
- 配信後は効果測定を行い、件名・本文・配信タイミングを改善する
Pardotの機能を最大限に活用し、見込み客との継続的な関係構築を実現しましょう。
※この記事は2024年11月時点の情報です。Pardotの仕様・料金は変更される可能性があるため、最新情報はSalesforce公式サイトをご確認ください。
