オウンドメディアとHPの違い|目的別の使い分けと効果的な連携方法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/11

なぜオウンドメディアとホームページを混同するのか

「オウンドメディアとホームページって何が違うの?」「うちのホームページがオウンドメディアなの?」こうした疑問を持つマーケティング担当者やWeb担当者は多いのではないでしょうか。

実は、オウンドメディアとホームページ(コーポレートサイト)は、どちらも企業が運営するWebサイトではありますが、目的・役割・ターゲットが大きく異なります。両者を混同したまま運営すると、どちらの効果も中途半端になってしまうリスクがあります。

この記事では、オウンドメディアとホームページの違いを明確化し、目的別の使い分け、効果的な連携方法までを実践的に解説します。

この記事のポイント:

  • オウンドメディアは「雑誌」(潜在層向けに有益情報発信)、ホームページは「パンフレット」(企業情報提供)
  • 目的の違い:オウンドメディアは「集客」、ホームページは「セールス」
  • オウンドメディアの成果は年単位の中長期的な視点が必要
  • 両者を連携させることで集客とセールスの相乗効果を生む
  • サブドメイン vs サブディレクトリはSEO観点で選択

オウンドメディアとは|定義と役割

(1) オウンドメディアの定義(自社所有メディア)

オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自社で所有・運営するメディアのことです。

Web幹事の解説によると、オウンドメディアは広義では「企業が自社で所有するメディア全般」を指し、以下のようなものが含まれます。

広義のオウンドメディア:

  • コーポレートサイト(ホームページ)
  • ECサイト
  • ブログ・Webマガジン
  • メールマガジン
  • パンフレット・カタログ

このように広義では、企業が所有するあらゆるメディアがオウンドメディアに該当します。

(2) 狭義のオウンドメディア(ブログ・Webマガジン)

一方で、マーケティング用語として「オウンドメディア」という場合、通常は狭義の定義が使われます。

狭義のオウンドメディア:

  • ブログ形式のWebサイト
  • Webマガジン
  • 情報発信型のメディアサイト

狭義のオウンドメディアは、コーポレートサイト(ホームページ)とは別に運営される、潜在層の見込み客に向けて有益な情報を発信するメディアを指します。

この記事では、狭義の「オウンドメディア」(ブログ・Webマガジン)と「ホームページ」(コーポレートサイト)の違いに焦点を当てて解説します。

ホームページ(コーポレートサイト)との5つの違い

オウンドメディアとホームページ(コーポレートサイト)には、以下の5つの違いがあります。

(1) 目的の違い(集客 vs セールス)

オウンドメディアとホームページの最も大きな違いは、目的です。

オウンドメディアの目的:

  • 潜在層の見込み客を集客する
  • SEOで検索流入を増やす
  • リード獲得(資料ダウンロード、問い合わせ)
  • ブランディング
  • 顧客のファン化

ホームページ(コーポレートサイト)の目的:

  • 企業の基本情報を提供する
  • 商品・サービスを紹介する
  • 信頼性を担保する(会社概要、実績など)
  • 問い合わせ・採用の窓口

GIGの解説によると、オウンドメディアは「集客」、ホームページは「セールス」と役割分担することでWEB集客効果を最大化できます。

(2) ターゲットの違い(潜在層 vs 既存顧客)

両者はターゲットとする読者層も異なります。

オウンドメディアのターゲット:

  • 潜在層の見込み客(課題に気づいているが解決策を探している)
  • まだ自社を知らない人
  • 情報収集段階の人

ホームページのターゲット:

  • 既に自社を知っている人
  • 商品・サービスの詳細を知りたい人
  • 購買検討段階の人
  • 既存顧客・取引先

オウンドメディアは「まだ自社を知らない潜在層」にリーチするための入口となります。

(3) コンテンツの違い(有益情報 vs 企業情報)

両者のコンテンツの種類も大きく異なります。

オウンドメディアのコンテンツ:

  • ノウハウ記事(How To)
  • 課題解決記事(「〇〇できない時の対処法」)
  • 業界トレンド情報
  • 事例紹介
  • 用語解説

オウンドメディアは、読者の課題を解決する有益な情報を発信します。自社の商品・サービスの直接的な宣伝は控えめです。

ホームページのコンテンツ:

  • 会社概要
  • 事業内容
  • 商品・サービスの詳細
  • 料金プラン
  • 実績・導入事例
  • 問い合わせフォーム

ホームページは、企業情報と商品・サービスの詳細を掲載し、セールスに貢献します。

(4) 更新頻度の違い(頻繁 vs 低頻度)

両者の更新頻度も異なります。

オウンドメディア:

  • 更新頻度:週1回〜毎日
  • 継続的な新規コンテンツ追加が必要
  • SEO効果を高めるため定期的な更新が推奨される

ホームページ:

  • 更新頻度:月1回〜年数回
  • 企業情報や商品情報が変更された時のみ更新
  • 頻繁な更新は不要

オウンドメディアは「継続的なコンテンツ更新」が成功の鍵です。運営体制を整えて継続できる仕組みを作ることが重要です。

(5) 例え話(雑誌 vs パンフレット)

オウンドメディアとホームページの違いを分かりやすく例えると、以下のようになります。

オウンドメディア = 雑誌:

  • 読者の興味・関心を引く記事を掲載
  • 定期的に新しい号を発行
  • 読者との関係構築を目的

ホームページ = パンフレット:

  • 企業の基本情報を掲載
  • 必要な情報を分かりやすく整理
  • 信頼性と説得力を重視

この例え話により、両者の役割の違いが明確になります。

目的別の使い分け|集客とセールスの役割分担

(1) オウンドメディア:見込み客集客、ブランディング、顧客ファン化

オウンドメディアは、以下の目的で活用されます。

見込み客集客:

  • SEOで検索上位を獲得し、潜在層を集客
  • ノウハウ記事で「自社を知らない人」にリーチ
  • リード獲得(資料ダウンロード、メルマガ登録)

ブランディング:

  • 業界の専門家としての地位確立
  • 企業の価値観やビジョンの発信
  • 認知度向上

顧客ファン化:

  • 既存顧客への有益情報提供
  • コミュニティ形成
  • ロイヤルティ向上

Web幹事の解説によると、目的は1メディア1つに絞ることが推奨されます。見込み客集客、顧客ファン化、ブランディング、人材採用など、明確に設定しましょう。

(2) ホームページ:企業情報提供、商品・サービス紹介

ホームページ(コーポレートサイト)は、以下の目的で活用されます。

企業情報提供:

  • 会社概要、代表メッセージ
  • 事業内容、拠点情報
  • IR情報(上場企業の場合)

商品・サービス紹介:

  • 商品・サービスの詳細説明
  • 料金プラン
  • 導入事例・実績

信頼性担保:

  • 企業としての信頼性を示す
  • 問い合わせ窓口の提供
  • 採用情報の掲載

ホームページは「既に自社を知っている人」に対して、詳細情報を提供しセールスに貢献します。

(3) BtoBでのオウンドメディア活用

BtoB企業においても、オウンドメディアは有効です。

BtoBでのメリット:

  • ニッチな領域でライバルが少ないため、SEOで上位表示しやすい
  • 自社の強みや専門性を詳細に伝えられる
  • 意思決定プロセスが長いBtoBにおいて、継続的な情報提供で関係構築できる

BtoBオウンドメディアのトレンド:

  • 「お困りごと解決型」メディアが主流
  • ユーザーの課題解決をテーマにした発信が効果的
  • 事例や具体的な数値を含めることで信頼性向上

XINOBIXの分析によると、BtoB企業の成功事例が多数報告されており、自社の専門性を活かしたコンテンツ戦略が成果を生んでいます。

効果的な連携方法|相乗効果を生む設計

オウンドメディアとホームページを連携させることで、相乗効果を生むことができます。

(1) サブドメイン vs サブディレクトリの選択

オウンドメディアをホームページとは別に運営する場合、サブドメインとサブディレクトリのどちらで設置するかを選択する必要があります。

サブドメイン方式:

  • 例:media.example.com
  • メリット:ブランディング面で独立性が高い、デザイン・CMS を自由に選択できる
  • デメリット:SEO的にはドメインパワーが分散される可能性

サブディレクトリ方式:

  • 例:example.com/media/
  • メリット:SEO的にドメインパワーを統合できる、メインサイトとの連携が容易
  • デメリット:デザインやシステムの制約を受ける場合がある

選択の目安:

  • SEOを最重視:サブディレクトリ方式(ドメインパワーを統合)
  • ブランディングを重視:サブドメイン方式(独立性を確保)

多くのBtoB企業では、SEO効果を重視してサブディレクトリ方式を採用するケースが多いです。

(2) 導線設計(オウンドメディア → HP)

オウンドメディアで集客した読者を、ホームページ(商品・サービスページ)に誘導する導線設計が重要です。

導線設計の例:

  • 記事の最後に関連する商品・サービスへのリンクを設置
  • サイドバーやフッターにバナーを配置
  • CTA(Call To Action)ボタンを適切に配置(「資料ダウンロード」「無料相談」など)
  • 記事内で自然な形で商品・サービスに言及

ただし、過度な宣伝は読者の信頼を損なうため、バランスを取ることが重要です。有益な情報提供を第一に、自然な流れで導線を設計しましょう。

(3) SEO観点での連携設計

SEO観点でオウンドメディアとホームページを連携させることで、検索流入を最大化できます。

SEO連携のポイント:

  • 内部リンク構造の最適化: オウンドメディアとホームページを相互にリンク
  • キーワード戦略の統一: オウンドメディアで潜在層向けキーワード、ホームページで顕在層向けキーワードを狙う
  • 重複コンテンツの回避: 両サイトで同じ内容を掲載しない
  • 構造化データの設定: 検索エンジンがサイト構造を理解しやすくする

オウンドメディアで獲得した検索流入を、ホームページでのコンバージョンにつなげる設計が重要です。

まとめ|両者を活用して成果を最大化するために

オウンドメディアとホームページ(コーポレートサイト)は、目的・役割・ターゲットが異なります。両者を適切に使い分け、連携させることで、集客とセールスの相乗効果を生むことができます。

オウンドメディアとホームページの違い:

  • 目的: オウンドメディアは「集客」、ホームページは「セールス」
  • ターゲット: オウンドメディアは「潜在層」、ホームページは「既存顧客・検討層」
  • コンテンツ: オウンドメディアは「有益情報」、ホームページは「企業情報」
  • 例え話: オウンドメディアは「雑誌」、ホームページは「パンフレット」

効果的な活用のポイント:

  • 目的を1メディア1つに絞る(見込み客集客、ブランディングなど)
  • 運営体制を明確にする(責任者、記事制作者、ディレクターなど)
  • 継続的なコンテンツ更新が成果の鍵(年単位の中長期的な視点)
  • サブドメイン vs サブディレクトリはSEO観点で選択
  • オウンドメディア → ホームページの導線を設計

次のアクション:

  • オウンドメディアの目的を明確化する(集客、ブランディング、顧客ファン化など)
  • 運営体制を構築する(責任者、制作体制、予算確保)
  • 事業計画を策定する(目標KPI、コンテンツ戦略、スケジュール)
  • サブドメイン vs サブディレクトリを決定する
  • ホームページとの導線設計を行う

オウンドメディアは短期的な成果が出にくく、SEOが必須のため年単位の中長期的な視点が必要です。目的を明確にし、運営体制を整えて継続することが成功の鍵です。両者を戦略的に活用し、Web集客の成果を最大化しましょう。

よくある質問

Q1ホームページがあればオウンドメディアは不要ですか?

A1いいえ、役割が異なります。ホームページは企業情報提供(パンフレット)、オウンドメディアは潜在層への有益情報発信(雑誌)の役割を果たします。ホームページは既に自社を知っている人向け、オウンドメディアはまだ自社を知らない潜在層向けです。両者を組み合わせることで集客とセールスの両方を強化できます。

Q2オウンドメディアの成果が出るまでどれくらいかかりますか?

A2SEOが必須のため年単位の中長期的な視点が必要です。短期的な成果は期待できません。継続的なコンテンツ更新が成果の鍵で、途中で疑問が生じて頓挫するケースが多いため、目的を明確にし、運営体制を整えて継続することが重要です。

Q3BtoBでもオウンドメディアは有効ですか?

A3有効です。ニッチな領域でライバルが少ないため、SEOで上位表示しやすく、自社の強みを伝えやすいメリットがあります。意思決定プロセスが長いBtoBにおいて、継続的な情報提供で関係構築できます。「お困りごと解決型」のコンテンツが特に効果的です。

Q4サブドメインとサブディレクトリどちらで設置すべきですか?

A4SEOを最重視する場合はサブディレクトリ方式(example.com/media/)でドメインパワーを統合できます。ブランディングを重視する場合はサブドメイン方式(media.example.com)で独立性を確保できます。多くのBtoB企業ではSEO効果を重視してサブディレクトリ方式を採用しています。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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