オウンドメディアを始めたいけれど、普通のWebサイトと何が違うの?
BtoB企業でマーケティングを担当している中で、「オウンドメディアを立ち上げたい」と考えているものの、「通常のWebサイトと何が違うのか」「どうやって始めればいいのか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
オウンドメディアとWebサイト(ホームページ)は混同されがちですが、目的と役割が根本的に異なります。この違いを理解した上で、効果的な活用方法を検討することが成功への第一歩です。
この記事では、オウンドメディアとWebサイトの違いを明確にし、効果的な活用方法と構築の手順を解説します。
この記事のポイント:
- ホームページは企業情報を伝える「会社の顔」、オウンドメディアはコンテンツで顧客を惹きつける「マーケティング基地」
- オウンドメディアはコンテンツマーケティングの拠点として、リード獲得やブランディングに活用される
- 構築方法は無料CMS(WordPress等)、有料CMS、制作会社外注の3つ。初期費用は100万円〜300万円が相場
- SEOでの流入増加には半年〜1年が目安。中長期的な視点で取り組む必要がある
- 成功事例:ferret(460,000会員)、LISKUL(月間200件リード)、北欧暮らしの道具店(200万DL)
オウンドメディアとWebサイトの基本的な違いとは
まず、オウンドメディアが注目されている背景と、Webサイトとの混同しやすいポイントを整理します。
(1) なぜオウンドメディアが注目されているのか
オウンドメディアが注目されている背景には、以下のような要因があります:
広告費の高騰:
- Web広告のクリック単価が上昇し、広告依存のマーケティングでは費用対効果が悪化
- 自社メディアで見込み顧客を獲得することで、広告依存度を下げられる
コンテンツマーケティングの普及:
- 顧客に価値あるコンテンツを提供することで、信頼関係を構築
- 営業的な姿勢を見せずに、自然に顧客を惹きつける手法として評価されている
デジタルマーケティングの成熟:
- SEO対策、コンテンツ制作のノウハウが蓄積され、成功事例が増加
- CMSの普及により、専門知識がなくてもオウンドメディアを構築しやすくなった
(2) 混同されがちな「オウンドメディア」と「Webサイト」
「オウンドメディア」と「Webサイト(ホームページ)」は、どちらも自社で運営するWebページですが、目的と役割が異なります:
Webサイト(ホームページ・コーポレートサイト):
- 企業情報を伝える「会社の顔」
- 会社概要、事業内容、採用情報などを掲載
- 更新頻度は低め(静的)
オウンドメディア:
- コンテンツで顧客を惹きつける「マーケティング基地」
- ブログ記事、ノウハウコンテンツなどを継続的に発信
- 更新頻度は高め(継続的更新が必要)
この違いを理解した上で、両者を使い分けることが重要です。
オウンドメディアの定義と役割
オウンドメディアの定義と、コンテンツマーケティングにおける役割を解説します。
(1) オウンドメディアの定義とトリプルメディア戦略
オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自社で所有・運営するメディアのことです。ブログ、Webサイト、メルマガ、SNSアカウントなどが含まれます。
トリプルメディア戦略: オウンドメディアは、「トリプルメディア」の一つとして位置づけられます:
| メディア | 定義 | 例 |
|---|---|---|
| オウンドメディア(Owned) | 自社で所有・運営 | 自社ブログ、Webサイト |
| アーンドメディア(Earned) | 口コミ・評判 | SNSでのシェア、レビュー |
| ペイドメディア(Paid) | 広告 | Web広告、テレビCM |
3つのメディアを組み合わせて活用することで、マーケティング効果を最大化できます。
(2) コンテンツマーケティングの拠点としての役割
オウンドメディアは、コンテンツマーケティングの「拠点」として機能します:
コンテンツマーケティングの流れ:
- オウンドメディアで価値あるコンテンツを発信
- SEOや SNSで見込み顧客を集客
- メルマガ登録、資料ダウンロードなどでリード獲得
- ナーチャリング(育成)を経て商談化
オウンドメディアは、この流れの起点となる重要な役割を担います。
(3) BtoB・BtoCでの活用目的の違い
業態によって、オウンドメディアの活用目的が異なります:
BtoB企業の場合:
- 目的:リード獲得、リードナーチャリング
- KPI:リード獲得数、商談化率、受注貢献
- 例:ferret(460,000会員)、LISKUL(月間200件リード獲得)
BtoC企業の場合:
- 目的:ブランディング、ファン獲得
- KPI:PV、UU、SNSフォロワー、アプリダウンロード
- 例:北欧、暮らしの道具店(200万DL)
自社の業態と目的に応じて、KPIを設定することが重要です。
オウンドメディアとWebサイト(ホームページ)の違い
両者の違いを3つの観点で詳しく比較します。
(1) 目的の違い:企業情報伝達 vs マーケティング基地
Webサイト(ホームページ)の目的:
- 企業情報の伝達(会社概要、事業内容、採用情報)
- 信頼性の担保(「ちゃんとした会社である」ことを示す)
- 問い合わせ窓口
オウンドメディアの目的:
- 見込み顧客の集客(SEO、SNS経由)
- リード獲得(メルマガ登録、資料ダウンロード)
- ブランド認知向上
ホームページは「会社を知ってもらう」、オウンドメディアは「顧客を集める」という違いがあります。
(2) コンテンツの性質:会社案内 vs 顧客に役立つ情報
Webサイト(ホームページ)のコンテンツ:
- 会社概要、経営理念
- 製品・サービス紹介
- 採用情報、IR情報
- ニュースリリース
オウンドメディアのコンテンツ:
- ノウハウ記事、ハウツー
- 業界トレンド、調査レポート
- 事例紹介、インタビュー
- お役立ちコンテンツ(チェックリスト、テンプレート)
オウンドメディアでは、「顧客に役立つ情報」を提供することに注力します。攻撃的な営業姿勢を見せないコンテンツ戦略が成功のポイントです。
(3) 運用方針:静的 vs 継続的更新
Webサイト(ホームページ)の運用:
- 更新頻度:低め(必要に応じて更新)
- 運用体制:担当者1名で十分なケースも
- コスト:初期構築後は維持費のみ
オウンドメディアの運用:
- 更新頻度:高め(週1〜複数本の記事公開)
- 運用体制:編集者、ライター、デザイナーなどが必要
- コスト:継続的なコンテンツ制作費が発生
オウンドメディアは継続的な更新が必要なため、体制構築と予算確保が重要です。
オウンドメディアの効果的な活用方法
具体的な活用方法と成功事例を紹介します。
(1) リード獲得とブランディング戦略
オウンドメディアの主な活用目的に応じた戦略をまとめます:
リード獲得戦略(BtoB向け):
- SEO対策を施した記事でオーガニック流入を獲得
- ホワイトペーパー、eBookのダウンロードでリード情報を取得
- メルマガ登録、セミナー申込みへ誘導
ブランディング戦略(BtoC向け):
- ライフスタイル提案型のコンテンツで共感を獲得
- SNSでのシェアを促進し、認知を拡大
- ファンコミュニティの形成
(2) SEO対策とキーワード戦略
オウンドメディアでの集客には、SEO対策が欠かせません:
キーワード戦略のポイント:
- 明確なターゲットを設定する
- ターゲットが検索しそうなキーワードを選定する
- 競合が少なく、検索ボリュームがあるキーワードを狙う
SEO対策の基本:
- タイトル、見出しにキーワードを含める
- 構造化されたコンテンツ(H2/H3構成)
- 内部リンク、外部リンクの最適化
- ページ表示速度の改善
SEOアルゴリズムは常に変化するため、最新のSEO動向をキャッチアップし続ける必要があります。
(3) 成功事例:ferret(460,000会員)、LISKUL、北欧暮らしの道具店
主要な成功事例を紹介します:
BtoB事例:ferret
- Webマーケティングメディア
- 460,000会員を獲得
- ノウハウ記事でSEO流入を獲得し、会員登録へ誘導
BtoB事例:LISKUL
- デジタルマーケティングメディア
- 月間200件のリード獲得
- SEO × 資料ダウンロードでリード獲得
BtoC事例:北欧、暮らしの道具店
- ライフスタイル提案型メディア
- アプリ200万ダウンロード
- 世界観を伝えるコンテンツでファンを獲得
成功事例は特定企業の状況下での結果であり、同じ手法がすべての企業に当てはまるわけではない点に注意が必要です。
オウンドメディア構築の手順とポイント
実際にオウンドメディアを構築する際の手順とポイントを解説します。
(1) 構築方法3選:無料CMS・有料CMS・外注
オウンドメディアの構築方法は主に3つあります:
1. 無料CMS(WordPress等):
- メリット:初期費用を抑えられる、カスタマイズ性が高い
- デメリット:サーバー・ドメイン費用は別途必要、セキュリティ対策が必要
- 費用目安:サーバー代月額数千円〜
2. 有料CMS(HubSpot CMS、Contentfulなど):
- メリット:セキュリティ、サポートが充実
- デメリット:月額費用が発生
- 費用目安:月額数万円〜
3. 制作会社に外注:
- メリット:専門知識不要、デザイン・機能を要件に合わせて構築可能
- デメリット:初期費用が高い
- 費用目安:初期費用100万円〜300万円
予算とリソースに応じて選択してください。
(2) サーバー・ドメイン設定(サブドメイン活用)
サーバー・ドメインの設定方法は以下の通りです:
専用サーバーを用意する場合:
- 新規にサーバーを契約
- 独自ドメインを取得(例:media.example.com)
- 費用:サーバー代月額数千円〜数万円
コーポレートサイトのサブドメインを活用する場合:
- 既存サーバーを利用
- サブドメインを取得(例:blog.example.com)
- 費用:追加のサーバー費用は不要(または少額)
コストを抑えたい場合は、サブドメイン活用がおすすめです。
(3) 初期費用と運用コスト(100万円〜300万円が相場)
費用の目安をまとめます:
初期費用(構築費用):
- 自社で構築(無料CMS):数万円〜十数万円
- 制作会社に外注:100万円〜300万円
運用コスト(月額):
- サーバー・ドメイン:数千円〜数万円
- 有料CMS利用料:数万円〜(利用する場合)
- コンテンツ制作費:記事1本あたり数万円〜十数万円(外注の場合)
構築費用は要件・規模・外注先により変動するため、複数社から見積もりを取得することをおすすめします。
まとめ:オウンドメディア成功のための戦略
オウンドメディアとWebサイトの違い、効果的な活用方法について解説しました。ポイントをまとめます:
オウンドメディアとWebサイトの違い:
- ホームページは「企業情報を伝える」、オウンドメディアは「顧客を惹きつける」
- コンテンツの性質、更新頻度、運用体制が異なる
成功のためのポイント:
- 明確な目的・KPIを設定する
- ターゲットに役立つコンテンツを継続的に発信する
- SEO対策を施し、オーガニック流入を獲得する
- 中長期的な視点で取り組む(成果が出るまで半年〜1年)
注意点:
- オウンドメディアは即効性がなく、継続的なリソースが必要
- 体制構築と予算確保を怠ると更新が滞り、成果が出ない
- 成功事例はあくまで参考であり、自社に合った戦略を検討する必要がある
次のアクション:
- オウンドメディアの目的・KPIを明確にする
- ターゲットと発信するコンテンツのテーマを決める
- 構築方法(CMS選定、外注の有無)を検討する
- 運用体制と予算を確保する
オウンドメディアは長期的な投資です。成果が出るまでに時間がかかりますが、広告依存度を下げ、継続的にリードを獲得できる強力なマーケティング手法です。
※この記事は2024年時点の情報に基づいています。費用相場やツール情報は変動する可能性があるため、最新情報を確認してください。
よくある質問:
Q: オウンドメディアとホームページの違いは? A: ホームページは企業情報を伝える「会社の顔」で、オウンドメディアはコンテンツで顧客を惹きつける「マーケティング基地」です。目的と役割が根本的に異なります。
Q: オウンドメディアはどうやって構築する? A: 無料CMS(WordPress等)、有料CMS、制作会社外注の3つの方法があります。初期費用は100万円〜300万円が相場です。コーポレートサイトのサブドメインを活用するとコストを抑えられます。
Q: どれくらいで成果が出るの? A: SEOでの流入増加には半年〜1年が目安です。オウンドメディアは即効性がなく、中長期的な視点が必要です。継続的なコンテンツ制作リソースの確保も重要です。
Q: 成功事例にはどんなものがある? A: BtoB:ferret(460,000会員)、LISKUL(月間200件リード獲得)。BtoC:北欧、暮らしの道具店(200万ダウンロード)など。業態により目的と成果指標が異なります。
