Marketoでメルマガ配信を行いたいけれど、設定方法が分からない...
Marketo(マルケト)を導入したB2B企業のマーケティング担当者の多くが、メルマガ配信の設定・運用に悩んでいます。 「どの配信方法を使えばいいの?」「パーソナライゼーションはどう設定する?」「配信事故を防ぐには?」といった疑問は尽きません。
この記事では、Marketoでメルマガ配信を行う具体的な手順を、配信方法の選び方から効果測定まで徹底的に解説します。
この記事のポイント:
- Marketoには単発配信・エンゲージメントプログラム・トリガー配信の3つの配信方法があり、用途に応じて使い分けることが重要
- 動的コンテンツ機能により、顧客ごとに最適化されたメルマガ配信が可能になる
- SPF・DKIM設定を行うことで、メールが迷惑メール判定されるのを防ぎ、到達率を向上できる
- 配信前チェックシート活用により、配信事故(誤配信・二重配信など)を防止できる
- パーソナライゼーション施策により、メールクリック率を400%向上させた事例がある
1. Marketoでメルマガ配信を行うメリット
Marketoでメルマガ配信を行うことには、単なるメール配信システムとは異なる多くのメリットがあります。
(1) MAツールと単なるメール配信システムの違い
MAツール(マーケティングオートメーション)と単なるメール配信システムには、以下のような違いがあります。
MAツール(Marketoなど)の特徴:
- リードスコアリング(見込み客の行動を評価し、数値化)
- シナリオ設定(顧客の行動に応じた自動配信フロー)
- CRM連携(メルマガから何件の商談・受注が発生したかをトラッキング)
- セグメント配信(属性・行動履歴による詳細な絞り込み)
単なるメール配信システムの特徴:
- メール一斉配信
- 簡易的な開封率・クリック率測定
- 基本的なセグメント機能(年齢・性別など)
Marketoを活用することで、単なるメール配信ではなく、顧客の行動データに基づいた戦略的なメルマガ運用が可能になります。
(2) Marketo特有の強み(動的コンテンツ・CRM連携)
Marketoには、以下のような特有の強みがあります。
動的コンテンツ: 顧客の興味・関心、業種、役職などに応じて、メール内の画像や文章を自動で出し分けることができます。これにより、1つのメールテンプレートで複数のセグメントに最適化されたメルマガ配信が可能です。
CRM連携: Salesforce、Microsoft Dynamicsなどの主要CRMと連携することで、メルマガ経由での商談発生・受注をトラッキングできます。マーケティング施策のROI(投資対効果)を測定しやすくなります。
A/Bテスト機能: 件名や本文の異なるバージョンを配信し、開封率・クリック率を比較して最適なパターンを見つけることができます。
※Marketoの料金プランや機能仕様は変更される可能性があるため、導入前に公式サイトで最新情報を確認してください。
2. Marketoの3つのメール配信方法
Marketoでは、用途に応じて3つのメール配信方法を使い分けることができます。
(1) 単発配信(メールプログラム)
用途: メルマガ、プロモーション、セミナー招待状など、1回限りのメール配信に使用します。
特徴:
- 配信日時を指定して一斉配信
- A/Bテスト機能を標準搭載
- 配信結果のレポートが自動生成される
適している場面:
- 月次のメルマガ配信
- 新製品発表のお知らせ
- ウェビナー・イベントの案内
(2) エンゲージメントプログラム
用途: 段階的に複数のメールを自動配信する際に使用します。
特徴:
- ステップメール形式で複数のメールを順次配信
- 顧客の行動(メール開封、リンククリックなど)に応じて次のメールを分岐
- ナーチャリング(育成)に適している
適している場面:
- リード育成キャンペーン(7日間で3通配信など)
- オンボーディングメール(新規登録者向け)
- 段階的な製品紹介
(3) トリガー配信(スマートキャンペーン)
用途: 特定の条件を満たした際に自動的にメールを配信します。
特徴:
- フォーム送信、資料ダウンロード、Webページ訪問などをトリガーに設定可能
- リアルタイムでの即時配信が可能
- 条件分岐を複数設定できる
適している場面:
- 資料ダウンロード後のサンクスメール
- 問い合わせフォーム送信後の自動返信
- 特定のWebページ訪問者への追加情報配信
各配信方法は、マーケティング施策の目的に応じて使い分けることが重要です。単発配信は定期的なメルマガ、エンゲージメントプログラムはリード育成、トリガー配信はタイムリーな情報提供に適しています。
3. メルマガ配信の具体的な設定手順
Marketoでメルマガを配信する際の具体的な手順を解説します。
(1) スマートリストで配信対象を絞り込む
スマートリストは、配信対象者を条件で絞り込むMarketo機能です。
設定例:
- 「業種が製造業」かつ「役職がマネージャー以上」
- 「過去30日間にWebサイトを訪問した」かつ「メール配信停止希望者を除外」
- 「リードスコアが50点以上」
配信事故を防ぐポイント:
- 除外リストを必ず設定(配信停止希望者、既存顧客、競合企業など)
- テスト配信で対象者数を確認
- 配信前にリストの条件を複数人でダブルチェック
(2) メールテンプレートの作成と編集
Marketoでは、HTMLメールとテキストメールの両方を作成できます。
HTMLメールの作成ポイント:
- 2024年時点で、EC上位50社の61.5%がHTML専用メールを配信しており、HTMLメールが主流です
- 画像は軽量化し、読み込み速度を最適化
- モバイル表示にも対応したレスポンシブデザイン
- 件名は全角20-30文字程度(スマホ表示を考慮)
テキストメールの併用: HTMLメールが表示できない環境向けに、テキストメール版も自動生成できます。
(3) SPF・DKIM設定で到達率を向上
SPF(Sender Policy Framework)とDKIM(DomainKeys Identified Mail)は、メールが迷惑メール判定されるのを防ぐ技術です。
SPF設定: メール送信元の正当性を検証する仕組みです。Marketoからメールを配信する際は、SPFレコードをDNSに登録する必要があります。
DKIM設定: メールが改ざんされていないことを証明する電子署名技術です。Marketoが発行するDKIM鍵をDNSに設定します。
設定による効果: SPF・DKIMを正しく設定することで、メールが迷惑メールフォルダに振り分けられる確率が大幅に低下します。到達率の向上により、開封率・クリック率の改善も期待できます。
※SPF・DKIM設定は技術的な作業のため、IT部門または外部ベンダーのサポートを推奨します。
(4) 配信スケジュールの設定
メールプログラムで配信日時を指定します。
配信タイミングのベストプラクティス:
- B2Bメルマガは火曜〜木曜の午前10時〜11時が開封率が高い傾向
- 月曜午前は避ける(週末のメール処理で見落とされやすい)
- 金曜午後も避ける(週末モードで業務メールが読まれにくい)
※業種・ターゲット層により最適な配信時間は異なるため、A/Bテストで自社のベストタイミングを見つけることが推奨されます。
4. パーソナライゼーションとA/Bテストの活用
Marketoの強みであるパーソナライゼーションとA/Bテスト機能を活用することで、メルマガの効果を大幅に向上できます。
(1) 動的コンテンツで顧客別に最適化
動的コンテンツ機能を使うと、顧客の属性・行動履歴に応じて、メール内の画像や文章を自動で出し分けることができます。
活用例:
- 業種別の事例紹介(製造業向け・IT業向けで異なる事例を表示)
- 役職別のメッセージ(経営者・マネージャー・担当者で異なる訴求)
- 過去の行動履歴に基づくレコメンド(資料Aをダウンロードした人には資料Bを紹介)
設定方法:
- メールエディタで動的コンテンツブロックを挿入
- セグメント条件を設定(業種、役職、リードスコアなど)
- セグメントごとに異なるコンテンツを作成
(2) A/Bテストで件名・本文を改善
A/Bテスト機能を活用することで、開封率・クリック率を最適化できます。
テストできる項目:
- 件名(キーワード、文字数、疑問形/断定形など)
- 差出人名(個人名/会社名)
- メール本文のCTA(コールトゥアクション)ボタンの文言・色
テストの実施手順:
- メールプログラムでA/Bテストを有効化
- テストパターンを2つ作成(件名A・件名B)
- テスト対象者の割合を設定(10%・10%など)
- 勝者判定基準を設定(開封率またはクリック率)
- 勝者パターンを残りの80%に自動配信
テストのベストプラクティス:
- 1回のテストで1要素のみ変更(件名のみ、または本文のみ)
- 統計的に有意な結果を得るため、各パターンに最低500件以上の配信を推奨
(3) クリック率400%向上の事例
株式会社ベーシック様の導入事例では、Marketoのパーソナライゼーション施策により、メールクリック率を400%向上させることに成功しています。
成功のポイント:
- 顧客の興味・関心に応じた動的コンテンツ配信
- セグメント別の最適化されたCTA設定
- 継続的なA/Bテストによる改善
※導入事例の効果は、業種・企業規模・既存施策により結果が異なります。自社でも小規模なテストから始め、効果を測定しながら展開することが推奨されます。
5. 配信事故を防ぐチェックポイントと効果測定
メルマガ配信において、配信事故の防止と効果測定は非常に重要です。
(1) 配信前チェックシート(配信リスト・タイミング・除外設定)
配信事故(誤配信・二重配信など)を防ぐため、配信前に以下のチェックシートを活用することが推奨されます。
配信前チェック項目:
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 配信リスト | 対象者が正しいセグメントか?件数は想定範囲内か? |
| 除外設定 | 配信停止希望者、既存顧客、競合企業が除外されているか? |
| 件名・本文 | 誤字脱字はないか?リンクは正しく設定されているか? |
| 配信タイミング | 配信日時は適切か?重複配信になっていないか? |
| テスト送信 | 実際のメールが正しく表示されるか?モバイルでも確認したか? |
チェックシートの運用ポイント:
- 配信担当者と上長の2名でダブルチェック
- テスト送信は必ず複数のメールクライアント(Gmail、Outlook等)で確認
- 配信直前に最終確認の時間を設ける
(2) 重要指標の測定(開封率・クリック率・コンバージョン)
メルマガ配信後は、以下の重要指標を測定します。
主要指標:
| 指標 | 計算式 | 目安 |
|---|---|---|
| 開封率 | 開封数 ÷ 配信成功数 × 100 | 平均23.01% |
| クリック率 | クリック数 ÷ 配信成功数 × 100 | 業種により2-5% |
| コンバージョン率 | 問い合わせ・資料DL数 ÷ 配信成功数 × 100 | 0.5-2% |
| 到達率 | 配信成功数 ÷ 配信総数 × 100 | 95%以上が望ましい |
CRM連携による高度な測定: MarketoとCRMを連携することで、メルマガから何件の商談・受注が発生したかをトラッキングできます。マーケティング施策のROIを正確に測定できる点が、単なるメール配信システムとの大きな違いです。
(3) 平均開封率23.01%を目安にした改善
メルマガの平均開封率は23.01%と言われています。この数値を下回る場合は、以下の改善策を検討してください。
開封率を改善する方法:
- 件名の工夫(疑問形、数字の活用、緊急性の訴求)
- 差出人名の最適化(個人名を使うと開封率が上がる傾向)
- 配信タイミングの見直し(A/Bテストで最適な時間を特定)
- セグメント配信の強化(属性別に最適化された件名・本文)
クリック率を改善する方法:
- パーソナライゼーション(顧客ごとに最適化されたコンテンツ)
- CTAボタンの最適化(文言・色・配置)
- 動的コンテンツの活用
※メールの到達率は、SPF・DKIM設定や配信リストの品質により大きく変動するため、一律の数値保証は難しい点にご注意ください。
6. まとめ:Marketoメルマガ運用の成功ポイント
Marketoを活用したメルマガ運用では、単なる一斉配信ではなく、顧客の行動データに基づいた戦略的な配信が可能になります。
成功のポイント:
- 3つの配信方法(単発配信・エンゲージメントプログラム・トリガー配信)を用途に応じて使い分ける
- 動的コンテンツ機能で顧客ごとに最適化されたメルマガを配信する
- SPF・DKIM設定により到達率を向上させる
- 配信前チェックシートを活用し、配信事故を防止する
- 開封率・クリック率・コンバージョン率を継続的に測定し、A/Bテストで改善する
次のアクション:
- Marketoの公式ドキュメントで最新の機能・料金を確認する
- 小規模なテスト配信から始め、効果を測定する
- パーソナライゼーション施策を段階的に導入する
- CRM連携により、メルマガからの商談・受注を可視化する
Marketoの機能を最大限に活用し、効果的なメルマガ運用でリード獲得とナーチャリングを最適化しましょう。
