リスティング広告って何?初めての運用で何から手をつければいい?
B2Bマーケティング担当者として、「リスティング広告を始めてみたい」と思っても、「そもそも何ができるの?」「費用はどのくらい?」「自社で運用できる?」といった疑問が次々と浮かんでくるのではないでしょうか。
リスティング広告は、検索エンジンで情報を探しているユーザーに直接アプローチできる、費用対効果の高いWeb広告手法です。月1万円程度の少額から始められ、クリックされた分だけ費用が発生する仕組みのため、予算管理もしやすいのが特徴です。
この記事では、リスティング広告の基礎知識から、仕組み、運用のコツまで、初めて取り組む方に向けて分かりやすく解説します。
この記事のポイント:
- リスティング広告は検索キーワードに連動して表示される「検索連動型広告」
- クリック課金制(CPC)のため、クリックされない限り費用は発生しない
- 月1万円程度から始められるが、成果を出すには月3〜5万円以上を推奨
- Google広告が国内検索シェア約70%、次いでYahoo!広告が主要プラットフォーム
- 運用には品質スコアの理解とコンバージョントラッキングの設定が重要
1. リスティング広告が選ばれる理由と市場環境
なぜ多くの企業がリスティング広告を活用しているのでしょうか。その理由と、日本市場の現状を解説します。
(1) 顕在層(購買意欲の高いユーザー)にアプローチできる強み
リスティング広告の最大の強みは、すでに購買意欲を持って検索しているユーザー(顕在層)に直接アプローチできることです。
顕在層へのアプローチが有効な理由:
- 「〇〇 比較」「〇〇 導入」などで検索しているユーザーは、すでに情報収集フェーズにいる
- 購買や問い合わせに近い行動をしているため、コンバージョン率が高い傾向
- ディスプレイ広告やSNS広告と比べて、成約に近いユーザーにリーチできる
(2) Google検索シェア約70%、Yahoo!が続く日本市場(2024年)
日本のリスティング広告市場は、Google広告とYahoo!広告の2大プラットフォームが中心です。
日本市場のシェア(2024年時点):
- Google広告: 検索エンジンシェア約70%
- Yahoo!広告: Google広告に次ぐシェア
- Microsoft広告: 2022年に日本市場参入、BtoB企業での活用が進む
多くの企業は、まずシェアの大きいGoogle広告から始め、必要に応じてYahoo!広告を追加するパターンが一般的です。
(3) Microsoft広告の日本参入とBtoB企業での活用
Microsoft広告(旧Bing広告)は、2022年に日本市場に参入しました。BtoB企業では、ビジネスユーザーが多いBingやMicrosoft Edgeを通じた広告配信が注目されています。
Microsoft広告の特徴:
- ビジネスPCでのデフォルト検索エンジンとしての利用
- 競合が少なく、クリック単価が抑えられるケースも
- LinkedIn連携によるBtoBターゲティング機能
2. リスティング広告とは?検索連動型広告の仕組み
リスティング広告の基本的な仕組みを解説します。
(1) リスティング広告(検索連動型広告)の定義
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンで入力したキーワードに連動して、検索結果ページに表示されるテキスト広告のことです。「検索連動型広告」とも呼ばれます。
リスティング広告の特徴:
- 検索結果の上部または下部に「広告」「スポンサー」のラベル付きで表示
- テキスト形式が基本(見出し、説明文、URLで構成)
- ユーザーの検索意図に合わせた広告を表示できる
(2) ディスプレイ広告との違い(配信面、ターゲット、目的)
リスティング広告とディスプレイ広告は、よく比較されますが、目的と特徴が異なります。
| 項目 | リスティング広告 | ディスプレイ広告 |
|---|---|---|
| 配信面 | 検索結果ページ | Webサイト、アプリの広告枠 |
| 形式 | テキスト | 画像、動画、バナー |
| ターゲット | 顕在層(検索している人) | 潜在層(ブラウジング中の人) |
| 主な目的 | 購買促進、問い合わせ獲得 | 認知拡大、リマーケティング |
| コンバージョン率 | 比較的高い | 比較的低い |
両者は競合するものではなく、目的に応じて使い分けるのが効果的です。
(3) 主要プラットフォーム(Google広告・Yahoo!広告・Microsoft広告)
日本でリスティング広告を配信できる主要プラットフォームを紹介します。
Google広告:
- 国内検索シェア約70%、最大のリーチ
- 豊富な機能と自動化ツール
- YouTube、Gmailなどへの広告展開も可能
Yahoo!広告:
- Yahoo! JAPANユーザーへのリーチ
- 日本語でのサポートが充実
- 比較的年齢層が高いユーザーにリーチしやすい
Microsoft広告:
- Bing、Microsoft Edgeでの広告配信
- BtoB向けのターゲティング機能
- 競合が少なく、CPCが抑えられるケースも
3. リスティング広告の仕組みと課金方式(CPC・品質スコア)
費用の仕組みと、広告掲載順位がどのように決まるかを解説します。
(1) クリック課金制(CPC)の仕組み―クリックされない限り費用は発生しない
リスティング広告の課金方式は「クリック課金制(CPC: Cost Per Click)」が一般的です。
クリック課金制の特徴:
- 広告が表示されただけでは費用は発生しない
- ユーザーが広告をクリックした場合にのみ費用が発生
- 1クリックあたりの費用(クリック単価)は入札で決まる
クリック単価の目安:
- 一般的な業種: 数十円〜数百円
- 競争が激しい業種(保険、不動産、金融など): 数百円〜数千円
(2) 広告オークションと品質スコアの関係
リスティング広告の掲載順位は、入札単価だけでなく「品質スコア」も影響します。
広告ランクの計算式: 広告ランク = 入札単価 × 品質スコア
品質スコアを構成する要素:
- 推定クリック率(CTR): 広告がクリックされる可能性
- 広告の関連性: キーワードと広告文の関連度
- ランディングページの利便性: クリック先ページの品質
品質スコアが高ければ、入札単価が低くても上位に表示される可能性があります。
(3) 1日あたりの予算設定で費用コントロールが可能
リスティング広告では、1日あたりの予算上限を設定できます。
予算設定のポイント:
- 1日の予算を設定すると、その範囲内で広告が配信される
- 月間予算 ÷ 30日で1日予算を算出
- 予算を使い切ると、その日は広告が表示されなくなる
予算管理がしやすいため、広告費の暴走を防ぐことができます。
4. リスティング広告のメリット・デメリット
リスティング広告の長所と短所を把握しておきましょう。
(1) メリット:顕在層へのアプローチ、少額から開始可能、即効性、効果測定の容易さ
メリット一覧:
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 顕在層へのアプローチ | 購買意欲の高いユーザーに直接アプローチ可能 |
| 少額から開始可能 | 月1万円程度から出稿可能、最低出稿金額なし |
| 即効性が高い | 設定後すぐに広告配信開始、SEOより早く効果が出る |
| 効果測定が容易 | クリック数、コンバージョン数を正確に測定可能 |
| 柔軟な調整 | キーワード、予算、入札単価をリアルタイムで調整可能 |
| ターゲティング | 地域、時間帯、デバイスなど詳細な設定が可能 |
(2) デメリット:運用ノウハウ必要、競合性高いとコスト高騰、潜在層へのアプローチは不向き
デメリット一覧:
| デメリット | 内容 |
|---|---|
| 運用ノウハウが必要 | 適切な運用がないと広告費を浪費する可能性 |
| 競合性高いとコスト高騰 | キーワードによっては1クリック数千円になることも |
| 潜在層へのアプローチは不向き | 検索していないユーザーにはリーチできない |
| 継続的な費用 | 広告を止めると集客も止まる |
| 運用工数がかかる | 定期的なキーワード調整、入札管理が必要 |
(3) 商標キーワードの注意点と広告ポリシー違反リスク
運用上、注意すべき点があります。
商標キーワードの注意点:
- 他社の商標キーワードで広告を出稿すると、商標権者から削除要請を受ける可能性がある
- 自社商標を他社に使われている場合は、広告プラットフォームに申し立てが可能
広告ポリシー違反のリスク:
- 誇大広告(「必ず成果が出る」など)
- 禁止されている商品・サービスの広告
- 個人情報の不正収集
- ランディングページの品質不足
ポリシー違反があると、広告が不承認となり配信が停止されます。
5. リスティング広告の運用を始める手順と注意点
実際にリスティング広告を始めるための手順を解説します。
(1) アカウント開設から広告掲載までの流れ(Google広告またはYahoo!広告)
基本的な手順:
- アカウント開設: Google広告またはYahoo!広告の公式サイトからアカウントを作成
- キャンペーン作成: 広告の目的、予算、ターゲティングを設定
- 広告グループ作成: キーワードをグルーピング
- キーワード選定: ターゲットユーザーが検索しそうなキーワードを選定
- 広告文作成: 見出し、説明文、表示URLを作成
- ランディングページ準備: 広告クリック後の遷移先ページを用意
- 入稿・審査: 広告を入稿し、審査通過後に配信開始
(2) 必須設定3つ(コンバージョントラッキング、検索ネットワーク限定配信、1日予算設定)
初心者が見落としがちな必須設定を紹介します。
① コンバージョントラッキング:
- 広告から問い合わせや購入につながったかを計測する仕組み
- 設定しないと、広告の効果が分からない
- Google広告、Yahoo!広告ともに設定画面から設定可能
② 検索ネットワーク限定配信:
- デフォルトでは「ディスプレイネットワーク」も含まれることがある
- 意図しないディスプレイ広告への配信で予算が消費される可能性
- 「検索ネットワークのみ」に設定することを推奨
③ 1日予算設定:
- 予算上限を設定しないと、想定以上に費用がかかる可能性
- 月間予算を30で割った金額を1日予算として設定
(3) 最低予算の目安と自社運用 vs 代理店依頼の判断基準
最低予算の目安:
- 技術的な最低金額: 月1万円程度から可能
- 成果を出すための推奨金額: 月3〜5万円以上
- 一般的な予算相場: 月20〜30万円程度が多い
自社運用 vs 代理店依頼の判断基準:
| 条件 | 自社運用が向いている | 代理店依頼が向いている |
|---|---|---|
| 予算 | 月30万円未満 | 月30万円以上 |
| ノウハウ | 社内に経験者がいる | 経験者がいない |
| 時間 | 運用に時間を割ける | 運用に時間を割けない |
| 業界 | 競合性が低い | 競合性が高い |
初心者の場合は、少額から自社でテスト運用して経験を積むか、最初から代理店に依頼するかを選択することになります。
6. まとめ:リスティング広告で成果を出すための3つのポイント
リスティング広告は、適切に運用すれば費用対効果の高い集客手法です。成果を出すためのポイントをまとめます。
成果を出すための3つのポイント:
- コンバージョントラッキングを必ず設定する: 効果測定なしには改善もできない
- 品質スコアを意識した運用: キーワード・広告文・ランディングページの関連性を高める
- 少額からテストし、データに基づいて改善: いきなり大きな予算をかけず、段階的に拡大
押さえておきたいポイント:
- リスティング広告は顕在層にアプローチできる効果的な広告手法
- クリック課金制のため、クリックされた分だけ費用が発生
- 月1万円から始められるが、成果を出すには月3〜5万円以上を推奨
- 運用には品質スコアの理解と必須設定(コンバージョントラッキング等)が重要
- 自社運用か代理店依頼かは、予算・ノウハウ・時間で判断
次のアクション:
- Google広告またはYahoo!広告の公式サイトでアカウントを作成する
- 自社のターゲットユーザーが検索しそうなキーワードをリストアップする
- ランディングページ(問い合わせ先)を準備する
- 少額(月3〜5万円程度)でテスト運用を開始する
※この記事は2024〜2025年時点の情報を基に作成しています。広告プラットフォームの機能や費用感は変更される可能性がありますので、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
よくある質問:
Q: リスティング広告はいくらから始められますか? A: 最低出稿金額は設定されておらず、月1万円程度の少額からでも開始可能です。ただし、十分な配信機会を確保し成果を得るためには、最低でも月3〜5万円は確保することをおすすめします。
Q: リスティング広告とディスプレイ広告の違いは何ですか? A: リスティング広告は検索結果にテキスト広告を表示し、購買意欲の高い顕在層にアプローチします。一方、ディスプレイ広告はWebサイトの広告枠に画像・動画広告を表示し、潜在層の認知拡大に向いています。
Q: 自社で運用すべきですか、代理店に依頼すべきですか? A: 運用ノウハウがない場合は、少額から自社でテスト運用して経験を積むか、最初から代理店に依頼することを検討しましょう。予算が月30万円以上で競合性の高い業界では、代理店に依頼するほうが効率的なケースが多いです。
Q: リスティング広告で注意すべきことは何ですか? A: 運用ノウハウがないと無駄なクリックで広告費を浪費するため、コンバージョントラッキングの設定と検索ネットワーク限定配信が必須です。また、他社の商標キーワードを使用すると削除要請を受ける可能性があるため注意が必要です。
