IoTサービスとは?BtoB企業での活用事例と導入ポイントを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/18

IoTで業務を効率化したいけれど、何から始めればいい?

BtoB企業の経営企画やIT担当者の多くが、IoT(モノのインターネット)の活用に関心を持っています。「業務効率化や予知保全を実現したいが、どのサービスを選べばいいか分からない」「自社に適したIoT活用方法は何か」「コストや導入期間はどれくらいか」といった疑問は珍しくありません。

実は、IoTプラットフォームサービスを活用することで、通信、デバイス管理、データ収集・分析をワンストップで実現でき、スモールスタートが可能です。この記事では、BtoB企業がIoTサービスで成果を出すための活用事例と導入ポイントを解説します。

この記事のポイント:

  • IoTサービスはモノをインターネットに接続し、データを収集・分析・活用するサービス
  • 産業用IoT市場は2025年に1,775億ドル、2032年には6,548億ドルに達すると予測(CAGR20.5%)
  • 2025年のトレンドはAIとIoTの融合(AIoT)、企業IoTシステムの70%がリアルタイム機械学習を組み込む見込み
  • BtoB企業では製造業(予知保全)、物流(配送管理)、設備管理(異常検知)で活用
  • IoTプラットフォームは1テナント月額5,060円〜、1デバイス月額550円〜でスモールスタート可能

1. IoTサービスとは?モノのインターネットの基本概念

まず、IoTサービスの定義と、2025年の最新トレンドを確認しましょう。

(1) IoTサービスの定義と仕組み

IoT(Internet of Things)とは、様々なモノをインターネットに接続し、データを収集・分析・活用する技術です。IoTサービスは、センサーやデバイスから情報を集め、業務効率化や新ビジネスモデル創出に活用します。

IoTサービスの基本的な仕組み:

  1. デバイス・センサー: 温度、湿度、位置情報、稼働状況などを測定
  2. 通信: インターネット経由でクラウドにデータを送信
  3. データ収集・分析: クラウド上でデータを蓄積・分析
  4. 活用: 分析結果を業務改善や意思決定に活用

IoTプラットフォームサービスを活用することで、通信、デバイス管理、データ収集・分析をワンストップで実現できます。

(参考: NTTドコモ「IoTとは?基本的な仕組みや活用事例を紹介」)

(2) 2025年のトレンド(AIoT、産業用IoT)

2025年のトレンドとして、AIとIoTの融合(AIoT)が進んでいます。

2025年のIoTトレンド:

  • AIoT(AI + IoT): 収集したデータをAIで分析し、リアルタイムに最適化
  • 企業IoTシステムの70%がリアルタイム機械学習を組み込むと予測されている
  • IT/OT/IoT統合: 企業はOT(運用技術)/IoT/CPSシステムをクラウドやAIでより効率化

AIoTにより、収集したデータをAIで分析・予測し、自動的に最適化するシステムが主流になっています。

(参考: Genech「IoTプラットフォーム市場の最新動向とトレンド」)

(3) 産業用IoT市場の成長予測(2025年1,775億ドル→2032年6,548億ドル)

産業用IoT(IIoT - Industrial IoT)市場は急速に成長しています。

産業用IoT市場の成長予測:

  • 2025年: 1,775億ドル
  • 2032年: 6,548億ドル
  • CAGR(年平均成長率): 20.5%

製造業、物流、設備管理など、BtoB企業での活用が市場成長を牽引しています。

2. BtoB企業のIoTサービス活用領域:4つの主要分野

BtoB企業がIoTサービスを活用する主要な4つの分野を解説します。

(1) 製造業:予知保全・品質安定化・データ可視化

製造業では、IoTを活用してリアルタイムのデータ収集・分析により、予知保全や品質安定化が実現できます。

製造業でのIoT活用例:

  • 予知保全: 機械の稼働データを収集し、故障の予兆を検知して事前に保守を行う
  • 品質安定化: 製造工程のデータを可視化し、品質のバラつきを削減
  • 生産性向上: 設備の稼働率や停止時間を分析し、ボトルネックを特定

製造業ではリアルタイムのデータ収集・分析により、ダウンタイムの削減や品質向上が実現できます。

(参考: KDDI「IoT (Internet of Things:モノのインターネット) とは?意味や活用事例を解説」)

(2) 物流:配送管理・在庫管理・温度管理

物流業界では、IoTを活用して配送管理、在庫管理、温度管理を効率化しています。

物流でのIoT活用例:

  • 配送管理: GPSで配送車両の位置をリアルタイムに追跡し、配送効率を向上
  • 在庫管理: RFIDタグで在庫数を自動的に把握し、欠品や過剰在庫を防止
  • 温度管理: 冷蔵・冷凍輸送での温度をリアルタイムに監視し、品質を保証

物流業界では、人手不足の解消とコスト削減にIoTが活用されています。

(3) 設備管理:リアルタイム監視・異常検知

設備管理では、IoTを活用してリアルタイム監視・異常検知を行い、トラブルを未然に防ぎます。

設備管理でのIoT活用例:

  • リアルタイム監視: 空調、電力、水道などの稼働状況をリアルタイムに監視
  • 異常検知: 温度、振動、電力消費などの異常を検知し、アラートを発信
  • 遠隔制御: 遠隔地から設備を制御し、現場への移動コストを削減

ビル管理、工場設備管理、インフラ監視などで活用されています。

(4) その他分野:農業(スマート農業)・医療(IoMT)

IoTは製造・物流以外にも、農業や医療など幅広い分野で活用されています。

その他分野でのIoT活用例:

スマート農業:

  • 土壌の温度・湿度・日照時間をセンサーで測定し、最適な栽培環境を維持
  • 水やりや施肥を自動化し、人手不足を解消

IoMT(医療分野のIoT):

  • ウェアラブルデバイスで患者のバイタルデータを収集し、遠隔診療を実現
  • 医療機器をネットワーク化し、データを一元管理

(参考: スマートIoT推進フォーラム「先進的なIoT事例の紹介」)

3. IoTサービスの主要な種類:プラットフォーム型と個別開発型

IoTサービスには、プラットフォーム型と個別開発型の2種類があります。

(1) IoTプラットフォーム:通信・デバイス管理・データ分析をワンストップ提供

IoTプラットフォームは、IoTを構築するうえで必要なクラウド上の基盤で、デバイス管理、データ収集・分析をワンストップで提供します。

IoTプラットフォームの主な機能:

  • デバイス管理: IoTデバイスの登録、設定、監視を一元管理
  • データ収集: デバイスから送信されたデータを収集・蓄積
  • データ分析: 収集したデータを分析し、可視化・レポート化
  • セキュリティ: 暗号化や認証機能でデータを保護

プラットフォームを活用することで、自社でシステムを構築する必要がなく、スモールスタートが可能です。

(参考: IIJ「IIJ IoTサービス(IoTプラットフォーム) - ビジネスに必要な機能をワンストップで提供」)

(2) 個別開発型:自社でシステムを構築

個別開発型は、自社でIoTシステムを構築する方法です。

個別開発型のメリット・デメリット:

メリット:

  • 自社の業務に最適化されたシステムを構築できる
  • カスタマイズ性が高い

デメリット:

  • 開発コストと時間がかかる
  • 運用・保守に専門知識が必要

個別開発は、大規模な企業や独自の要件がある場合に適していますが、中小企業にはプラットフォーム型が推奨されます。

(3) 主要プラットフォーム事例(NTTドコモ Things Cloud、IIJ IoT等)

主要なIoTプラットフォームサービスの事例を紹介します。

主要プラットフォーム事例:

NTTドコモ Things Cloud:

  • 1テナント月額5,060円(税込)〜
  • 1デバイス月額550円(税込)〜
  • スモールスタートが可能

IIJ IoTサービス:

  • 通信、デバイス管理、データ分析をワンストップ提供
  • 大手通信事業者の安定したインフラ

AWS IoT、Microsoft Azure IoT、Google Cloud IoT:

  • グローバルクラウドベンダーのIoTプラットフォーム
  • 拡張性が高く、大規模なシステムに対応

料金やサービス内容は変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトで確認してください。

(参考: 起業LOG「IoTプラットフォームサービス比較15選!おすすめ・選び方も解説」)

(4) エッジコンピューティングの活用

エッジコンピューティングを活用することで、クラウドへの通信コストを削減し、リアルタイム処理が可能になります。

エッジコンピューティングのメリット:

  • デバイスに近い場所でデータ処理を行うため、レスポンスが速い
  • クラウドへの通信量を削減し、通信コストを抑えられる
  • ネットワーク障害時でもローカルで処理を継続できる

製造業の予知保全や自動運転など、リアルタイム性が求められる用途でエッジコンピューティングが活用されています。

4. IoTサービス導入のステップとポイント

IoTサービスを導入する際の4つのステップを解説します。

(1) ステップ1:導入目的の明確化(業務効率化・人手不足解消・新ビジネス創出)

まず、IoTサービスの導入目的を明確にします。

主な導入目的:

  • 業務効率化: データ収集・分析の自動化による業務時間削減
  • 人手不足解消: 遠隔監視・自動化により人手を削減
  • 予知保全: 機械の故障を予測し、ダウンタイムを削減
  • 新ビジネス創出: 収集したデータを活用した新サービス開発

目的を明確にすることで、導入後の効果測定がしやすくなります。

(2) ステップ2:活用領域とデバイスの選定

次に、どの領域でIoTを活用するか、どのデバイスを使用するかを選定します。

活用領域の選定:

  • 製造業: 生産ラインの稼働監視、予知保全
  • 物流: 配送車両の位置追跡、在庫管理
  • 設備管理: 空調・電力の監視、異常検知

デバイスの選定:

  • センサー(温度、湿度、振動、位置情報等)
  • カメラ(画像認識、監視)
  • RFID(在庫管理、物品追跡)

まずは1つの領域に絞り、スモールスタートすることが推奨されます。

(3) ステップ3:プラットフォームまたは個別開発の選択

プラットフォーム型と個別開発型のどちらを選ぶかを決定します。

選択の基準:

  • 中小企業・スモールスタート: プラットフォーム型(初期コストが低い、導入が早い)
  • 大企業・独自要件: 個別開発型(カスタマイズ性が高い)

プラットフォーム型は、1テナント月額5,060円〜、1デバイス月額550円〜で始められるため、中小企業に適しています。

(4) ステップ4:スモールスタートとPDCAサイクル

最後に、スモールスタートでPDCAサイクルを回します。

スモールスタートのポイント:

  1. 小規模な範囲で導入し、効果を検証
  2. 効果が確認できたら、段階的に拡大
  3. 継続的にデータを分析し、改善を繰り返す

いきなり大規模に導入するのではなく、小さく始めて効果を確認しながら拡大することが成功の鍵です。

5. プラットフォーム選定のポイントとセキュリティ対策

IoTプラットフォームを選定する際のポイントと、セキュリティ対策を解説します。

(1) 選定ポイント:機能・料金・拡張性・サポート体制

IoTプラットフォームを選定する際の4つのポイントを確認しましょう。

プラットフォーム選定の4つのポイント:

  1. 機能: デバイス管理、データ収集・分析、API連携などの必要機能が揃っているか
  2. 料金: 初期費用、月額費用、従量課金の仕組みを確認
  3. 拡張性: デバイス数が増えた場合にスムーズに拡張できるか
  4. サポート体制: 日本語サポート、導入支援、ドキュメントの充実度

複数のプラットフォームを比較し、自社の要件に合ったものを選定しましょう。

(2) 料金の目安(1テナント月額5,060円〜、1デバイス月額550円〜)

IoTプラットフォームの料金の目安を確認します。

料金の目安(NTTドコモ Things Cloud):

  • 1テナント: 月額5,060円(税込)〜
  • 1デバイス: 月額550円(税込)〜

例えば、10デバイスの場合、月額10,560円程度でスタートできます。

※料金は執筆時点(2024年11月)の情報です。最新情報は各社公式サイトで確認してください。

(3) セキュリティ対策:暗号化・認証機能・適切な設定と運用

IoTデバイスが増えることでセキュリティリスクも増大するため、適切な対策が必要です。

IoTセキュリティ対策:

  1. 暗号化: 通信データを暗号化し、盗聴を防止
  2. 認証機能: デバイスとクラウド間の認証を強化し、不正アクセスを防止
  3. 適切な設定: デフォルトパスワードの変更、不要なポートの閉鎖
  4. 継続的な監視: 異常なアクセスやデータ送信を監視し、早期に検知

暗号化や認証機能がプラットフォームに提供されていても、適切な設定と運用が必要です。

(4) データ管理インフラの整備

IoTで収集したデータを効果的に活用するには、データ管理インフラの整備が重要です。

データ管理インフラの整備:

  • データベースの設計: 収集したデータを効率的に保存・検索できる構造
  • データ分析ツールの導入: BIツール、ダッシュボードでデータを可視化
  • データ活用ルールの策定: どのデータを、どう活用するかを明確化

データ管理のインフラが整っていないと、収集したデータを効果的に活用できません。

6. まとめ:IoTサービスで成果を出すために

IoTサービスは、モノをインターネットに接続し、データを収集・分析・活用することで、業務効率化や新ビジネスモデル創出を実現します。

産業用IoT市場は2025年に1,775億ドル、2032年には6,548億ドルに達すると予測されており、BtoB企業での活用が急速に進んでいます。

次のアクション:

  • 自社の導入目的を明確にする(業務効率化、予知保全、人手不足解消等)
  • 活用領域を1つに絞り、スモールスタートする
  • IoTプラットフォームサービスの料金・機能を比較する
  • セキュリティ対策を強化し、データ管理インフラを整備する
  • PDCAサイクルを回し、継続的に改善する

IoTサービスを戦略的に活用して、業務効率化と新たな価値創造を実現しましょう。

※この記事は2024年11月時点の情報です。IoTプラットフォームやデバイスの仕様・料金は変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q1IoTサービスとは何ですか?

A1モノをインターネットに接続し、データを収集・分析・活用するサービスです。センサーやデバイスから情報を集め、業務効率化や新ビジネスモデル創出に活用します。IoTプラットフォームを活用することで、通信、デバイス管理、データ収集・分析をワンストップで実現できます。

Q2どのような業界で活用されていますか?

A2製造業、農業、医療、物流、スマートホームなど幅広い業界で活用されています。特に製造業では予知保全や品質安定化、物流では配送管理・在庫管理に活用されています。産業用IoT市場は2025年に1,775億ドル、2032年には6,548億ドルに達すると予測されています。

Q3IoTプラットフォームと個別開発の違いは?

A3プラットフォームは通信・デバイス管理・データ分析をワンストップで提供し、1テナント月額5,060円〜、1デバイス月額550円〜でスモールスタートが可能です。個別開発は自社でシステムを構築するため、カスタマイズ性が高いですが、コストと時間がかかります。

Q4セキュリティは大丈夫ですか?

A4暗号化や認証機能が提供されていますが、適切な設定と運用が必要です。IoTデバイスが増えることでリスクも増大するため、デフォルトパスワードの変更、不要なポートの閉鎖、継続的な監視などのセキュリティ対策の強化が重要です。

Q5導入のメリットは何ですか?

A5業務効率化、データ可視化、予知保全、人手不足解消、新ビジネスモデル創出などが挙げられます。製造業ではリアルタイムのデータ収集・分析により、機械の故障を予測して事前に保守を行う予知保全や、品質安定化が実現できます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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