リード獲得フォームの離脱率が高くて困っていませんか?
B2B SaaS企業のマーケティング・Web担当者の多くが「問い合わせフォームや資料請求フォームに到達したのに、入力完了まで至らない」という課題を抱えています。一般的なWebフォームの離脱率は70%以上と言われており、せっかくの見込み顧客を逃してしまっているケースが多く見られます。
この記事では、入力フォームの基礎知識から、EFO(Entry Form Optimization / 入力フォーム最適化)によるCVR改善手法、おすすめのツール選定まで、B2B SaaS企業の実務担当者向けに解説します。
この記事のポイント:
- 一般的なWebフォームの離脱率は70%以上で、BtoBの通過率は25~30%が最適化の目安
- 垂直レイアウトの採用、項目名を入力欄の上に配置、必須項目の絞り込みが最も効果的
- EFO(入力フォーム最適化)により、広告費をかけずに低コスト・短工数でCVRを改善できる
- formrun、Googleフォーム、Tayori等のツールを使えば、専門知識がなくても高品質なフォームを作成できる
- スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)が不十分だとモバイルユーザーの離脱率が大幅に上がる
入力フォームとは?その重要性を理解する
(1) 入力フォームの定義と種類
入力フォームとは、Webサイト上でユーザーが情報を入力し、送信するためのインターフェースです。B2Bビジネスにおいては、以下のような種類があります:
主な入力フォームの種類:
- 問い合わせフォーム: 商品・サービスに関する質問を受け付ける
- 資料請求フォーム: ホワイトペーパー・製品資料のダウンロード
- 無料トライアル申込フォーム: SaaSの無料トライアル登録
- セミナー・ウェビナー申込フォーム: イベント参加登録
- 見積もり依頼フォーム: 見積もりや提案依頼
これらのフォームは、リード獲得の入り口となる重要な接点です。
(2) B2Bビジネスにおける入力フォームの役割
B2Bビジネスにおいて、入力フォームは以下の役割を果たします:
1. リード獲得の窓口
- 見込み顧客の情報(社名、氏名、メールアドレス等)を収集し、営業・マーケティング活動につなげる
- 入力フォームの完成度が、リード獲得数に直結する
2. 顧客の関心度を測る指標
- フォームに到達し、入力完了まで至った顧客は、関心度が高いと判断できる
- 入力項目の設計により、顧客の関心度・温度感を把握できる
3. 営業効率の向上
- フォームで事前に情報を収集することで、営業担当者は初回接触時にすでに顧客の課題を把握できる
- 無駄な商談を減らし、営業効率を向上させる
(3) 入力フォームの課題(離脱率70%以上)
入力フォームには以下のような課題があります:
一般的な課題:
- 離脱率が非常に高い: 一般的なWebフォームでは70%以上のユーザーが途中で離脱する
- 入力項目が多すぎる: 企業側が欲しい情報を全て詰め込むと、ユーザーの負担が増えて離脱する
- スマートフォン対応が不十分: モバイルユーザーの離脱率が特に高い
- エラー表示が不親切: エラーが発生した際、どこを修正すればよいかわからず離脱する
これらの課題を解決するのが、EFO(入力フォーム最適化)です。
入力フォームの基礎知識
(1) CVR(コンバージョン率)と通過率の目安
入力フォームのパフォーマンスを測る主な指標は以下の2つです:
CVR(Conversion Rate / コンバージョン率):
- Webサイト訪問者のうち、問い合わせや購入等の成果に至った割合
- 計算式: コンバージョン数 ÷ サイト訪問者数 × 100
通過率(フォーム完成率):
- 入力フォームに到達したユーザーのうち、入力完了まで至った割合
- 計算式: 入力完了数 ÷ フォーム到達数 × 100
BtoBビジネスの目安:
- 通過率25~30%が最適化の目安とされています
- これを下回る場合、EFO(入力フォーム最適化)により改善の余地があります
(2) BtoBとBtoCでの違い
BtoBとBtoCでは、入力フォームの設計に違いがあります:
BtoBの特徴:
- 入力項目が多い傾向: 社名、部署名、役職、従業員数など、企業情報の収集が必要
- 意思決定プロセスが複雑: 複数の関係者が関与するため、情報収集の段階で詳細な情報を求められる
- 通過率の目安: 25~30%
BtoCの特徴:
- 入力項目が少ない傾向: 個人の氏名、メールアドレス、電話番号など
- 意思決定が迅速: 個人の判断で完結するため、シンプルなフォームが好まれる
- 通過率の目安: 30~40%程度(BtoBより高い傾向)
(3) 離脱が発生する主な原因
入力フォームで離脱が発生する主な原因は以下の通りです:
1. 入力項目が多すぎる
- 項目数が増えるほど離脱率が上がる(特に10項目以上は要注意)
2. 入力項目の意図が不明
- 「なぜこの情報が必要なのか」が説明されていないと、ユーザーは不安を感じる
3. エラー表示が不親切
- エラーが発生しても、どこを修正すればよいかわからない
- 全て入力してから送信ボタンを押すまでエラーが表示されない
4. スマートフォン対応が不十分
- スマホで入力しにくいデザイン(文字が小さい、タップ領域が狭い等)
5. セキュリティへの不安
- 個人情報の取り扱いに関する説明が不十分
これらの原因を解決するのが、次章で解説するEFOです。
入力フォームの作成方法(3つのアプローチ)
(1) HTML/CSSで自作する方法
概要: HTML/CSSを使って、完全にカスタマイズした入力フォームを作成する方法です。
メリット:
- デザイン・機能の自由度が高い
- 独自のバリデーションや動的処理を実装できる
- 外部ツールへの依存がない
デメリット:
- プログラミング知識が必要(HTML、CSS、JavaScript、バックエンド処理)
- セキュリティ対策(XSS、CSRF等)を自分で実装する必要がある
- 開発・保守に時間とコストがかかる
適している企業: 開発リソースがあり、独自のデザイン・機能が必要な企業。
(2) CMSのフォーム機能を使う方法
概要: WordPress、Wix、Shopify等のCMSに標準搭載されているフォーム機能やプラグインを使う方法です。
メリット:
- CMSを使っている場合、追加コストなしで導入できる
- プログラミング知識が少なくても作成できる
- CMSとの統合が容易
デメリット:
- CMSの制約を受ける(デザイン・機能のカスタマイズに限界がある)
- プラグインの品質に依存する
- 高度な分析機能が不足する場合がある
適している企業: すでにCMSを使っており、シンプルなフォームで十分な企業。
(3) 専用ツール(formrun、Googleフォーム等)を使う方法
概要: formrun、Googleフォーム、Tayori等の専用ツールを使う方法です。
メリット:
- 専門知識不要: ノーコードで高品質な入力フォームを作成できる
- 短期間で導入可能: 数時間〜数日で運用開始できる
- 高度な分析機能: 離脱率、項目別完成率等のデータを自動分析
- セキュリティ対策: ツール側でセキュリティ対策が実装されている
- 他システム連携: CRM、SFA、MAツールとの連携が容易
デメリット:
- ツールによって月額料金が発生する(無料プランもあり)
- デザイン・機能のカスタマイズに制約がある場合がある
適している企業: 専門知識がなく、短期間で高品質なフォームを導入したい企業。B2B SaaS企業の多くが採用しています。
(4) 各方法のメリット・デメリット
| 方法 | メリット | デメリット | 適している企業 |
|---|---|---|---|
| HTML/CSS自作 | 自由度が高い | 開発コスト大、専門知識必要 | 開発リソースがある企業 |
| CMS機能 | 追加コスト不要 | カスタマイズに限界 | CMSユーザー、シンプル用途 |
| 専用ツール | 短期導入、分析機能充実 | 月額料金発生の場合あり | 専門知識がない企業(推奨) |
結論: 専門知識がない場合、formrunやGoogleフォーム等のツールを使うのが最も効率的です。次章でツール選定について詳しく解説します。
EFO(入力フォーム最適化)でCVRを改善する
(1) EFOとは(入力フォーム最適化の定義)
**EFO(Entry Form Optimization / 入力フォーム最適化)**とは、入力フォームのユーザビリティを高め、離脱率を下げてコンバージョン率(CVR)を向上させる施策です。
EFOの特徴:
- 広告費をかけずに、既存のフォームを改善するだけでCVRを向上できる
- 低コスト・短工数で効果が出る(新規コンテンツ作成や広告出稿よりも効率的)
- 改善効果をA/Bテストで定量的に測定できる
(2) デザイン・UXを高める15の方法
EFOの具体的な施策として、以下の15の方法が効果的です:
基本的な改善:
- 入力項目を本当に必要なものだけに絞る(最も重要)
- 垂直レイアウトを採用する(水平レイアウトより完成率が高い)
- 項目名を入力欄の上に配置する(プレースホルダーを項目名にしない)
- 任意項目に「任意」と表示する(必須項目にアスタリスクをつけるより効果的)
- エラー表示をリアルタイムで行う(入力後すぐにエラーを表示)
UX向上施策: 6. 入力例・ヒントを提供する(「例: 03-1234-5678」等) 7. 進捗インジケーターを表示する(「ステップ1/3」等) 8. 入力済み項目を視覚的に示す(チェックマーク表示等) 9. CTAボタンを目立たせる(色、サイズ、文言を工夫) 10. セキュリティ表示を明示する(SSL証明書、プライバシーポリシー)
高度な改善: 11. 自動入力機能を活用する(郵便番号から住所自動入力等) 12. 入力フォーマットを自動調整する(電話番号のハイフン自動挿入等) 13. 不要な入力項目を動的に隠す(該当しない項目を非表示) 14. スマートフォン対応を徹底する(タップ領域を広く、文字を大きく) 15. A/Bテストで継続的に改善する(データに基づいた最適化)
(3) 垂直レイアウトと項目名配置のベストプラクティス
垂直レイアウト(推奨):
- 入力項目を縦に並べるデザイン
- 自然な視線移動で入力しやすい
- 入力完了率が高い傾向
項目名は入力欄の上に配置:
【推奨】
会社名
[_______________]
氏名
[_______________]
【非推奨】
プレースホルダーを項目名として使用
[会社名を入力してください] ← 入力後に消えてしまう
プレースホルダーを項目名として使用すると、入力後にラベルが消えてユーザーが混乱するリスクがあります。項目名は入力欄の上に固定表示することがベストプラクティスです。
(4) 必須項目と任意項目の明示方法
推奨方法:
- 任意項目に「任意」と表示する
- 必須項目が多い場合、任意項目にのみ「任意」ラベルを付けることで、ノイズを減らせる
例:
会社名 ← 必須項目(ラベルなし)
[_______________]
部署名(任意) ← 任意項目(明示)
[_______________]
避けるべき方法:
- 必須項目に大量のアスタリスク(*)を付けると、視覚的にノイズが多くなる
(5) エラー表示とバリデーション
効果的なエラー表示:
- リアルタイムでエラーを表示する(入力後すぐ、送信ボタンを押す前)
- エラー箇所を視覚的に示す(赤枠、エラーメッセージを項目の下に表示)
- 修正方法を具体的に示す(「メールアドレスの形式が正しくありません。例: example@example.com」)
避けるべき方法:
- 送信ボタンを押すまでエラーが表示されない
- エラーメッセージが抽象的(「入力内容に誤りがあります」のみ)
(6) スマートフォン対応(レスポンシブデザイン)
スマートフォン対応の重要性:
- B2Bビジネスでも、モバイルからのアクセスが増加している
- スマホ対応が不十分だと、モバイルユーザーの離脱率が大幅に上がる
スマホ対応のポイント:
- レスポンシブデザインを採用する(画面サイズに応じて自動調整)
- タップ領域を広くする(最低44×44ピクセル)
- 文字サイズを十分に大きくする(最低16px)
- キーボードタイプを最適化する(メールアドレス入力時にメールキーボードを表示等)
- 縦スクロールで完結するデザイン(横スクロール不要)
入力フォーム作成ツールの選定と導入
(1) 主要ツール10選の比較(formrun、Googleフォーム、Tayori等)
2025年現在、以下のツールが主流となっています:
主要ツール一覧:
- formrun: ユーザー数30万以上、チーム管理・分析機能が充実
- Googleフォーム: 無料、Googleアカウントがあればすぐ使える
- Tayori: 40,000アカウント導入、問い合わせ管理機能が強い
- HubSpot Forms: MAツール連携が強力、リード管理と一体化
- Typeform: デザイン性が高い、対話形式のフォーム
- Jotform: 多機能、テンプレートが豊富
- Zoho Forms: Zoho CRM連携が容易
- Microsoft Forms: Office 365ユーザーに最適
- SurveyMonkey: アンケート機能が強力
- Cognito Forms: 条件分岐・計算機能が充実
(2) 無料ツールと有料ツールの機能差
無料ツールの特徴:
- 基本的なフォーム作成機能は利用可能
- データ容量制限、広告表示がある場合が多い
- 高度な分析機能、他システム連携が制限される
有料ツールの特徴:
- 高度な分析機能(離脱率、項目別完成率、A/Bテスト等)
- CRM、SFA、MAツールとの連携が充実
- チーム管理機能(権限設定、承認フロー等)
- サポート体制が充実(チャット、メール、電話等)
- 広告非表示、独自ドメイン設定
選定の目安:
- 小規模企業・個人事業主: 無料ツール(Googleフォーム、formrun無料プラン等)
- 中小企業: 有料ツールの基本プラン(月額1,000〜5,000円程度)
- 中堅〜大企業: 有料ツールの上位プラン(月額10,000円以上、CRM連携・高度な分析)
(3) 選定基準(機能・価格・サポート・他システム連携)
入力フォーム作成ツールを選定する際は、以下の基準で比較します:
1. 機能
- 必要な入力項目タイプに対応しているか(テキスト、選択、ファイルアップロード等)
- 条件分岐機能があるか(回答内容に応じて次の質問を変える)
- 自動返信メール機能があるか
- 分析機能(離脱率、項目別完成率)があるか
2. 価格
- 初期費用、月額料金
- データ容量、フォーム数の制限
- 無料プランで十分か、有料プランが必要か
3. サポート
- 日本語サポートの有無
- サポートチャネル(メール、チャット、電話)
- 導入支援、トレーニングの有無
4. 他システム連携
- CRM、SFA、MAツールとの連携(Salesforce、HubSpot、Marketo等)
- Slack、Chatworkとの通知連携
- Google Analytics、Google Tag Managerとの連携
(4) 導入時の注意点(データ保護・個人情報保護)
入力フォームでは個人情報を扱うため、以下の点に注意が必要です:
データ保護:
- SSL/TLS暗号化: 入力データが暗号化されて送信されるか確認
- データ保管場所: サーバーの所在地(日本国内かどうか)
- バックアップ体制: データ消失に備えたバックアップがあるか
個人情報保護:
- プライバシーポリシーの明示: フォームに個人情報の取り扱いを明記
- GDPR、個人情報保護法への対応: ツールが法令に準拠しているか確認
- 利用目的の明示: 収集した情報をどのように使用するか明記
セキュリティ:
- スパム対策: reCAPTCHA等のスパム対策機能があるか
- アクセス制限: フォームへのアクセス制限(IP制限、パスワード保護等)が可能か
まとめ:最適化された入力フォームでリード獲得を最大化する
入力フォームは、B2Bビジネスにおけるリード獲得の重要な窓口です。一般的なWebフォームの離脱率は70%以上と非常に高く、BtoBビジネスでは通過率25~30%が最適化の目安とされています。
EFO(Entry Form Optimization / 入力フォーム最適化)により、広告費をかけずに低コスト・短工数でCVRを改善できます。具体的には、垂直レイアウトの採用、項目名を入力欄の上に配置、必須項目を本当に必要なものだけに絞る、リアルタイムエラー表示、スマートフォン対応の徹底が効果的です。
入力フォームの作成方法には、HTML/CSS自作、CMSのフォーム機能、専用ツール(formrun、Googleフォーム、Tayori等)の3つのアプローチがあります。専門知識がない場合、専用ツールを使うのが最も効率的で、30万以上のユーザーが利用しているツールもあります。
ツール選定時は、機能・価格・サポート・他システム連携を比較し、自社の規模やニーズに応じて選定してください。また、個人情報を扱うため、SSL暗号化、プライバシーポリシーの明示、個人情報保護法への対応が必須です。
最適化された入力フォームを導入し、リード獲得を最大化しましょう。
次のアクション:
- 現在の入力フォームの通過率を測定し、25~30%を下回る場合は改善の余地あり
- 入力項目を見直し、本当に必要な項目だけに絞り込む
- 垂直レイアウト、項目名配置、エラー表示をベストプラクティスに沿って改善
- formrun、Googleフォーム等のツールを試用し、自社に最適なツールを選定
- A/Bテストで改善効果を定量的に測定し、継続的に最適化する
※この記事は2025年11月時点の情報です。ツールの仕様・料金は更新される可能性があるため、最新情報は各社の公式サイトをご確認ください。
