HubSpotでメルマガ配信を始めたいが、設定方法が分からない...
B2B企業のマーケティング担当者にとって、顧客や見込み客との継続的なコミュニケーション手段としてメルマガ配信は重要な施策です。HubSpotを導入したものの、「どこから始めればいいのか分からない」「設定画面が複雑で進められない」といった悩みを抱えていませんか?
この記事では、HubSpot初心者がつまずきやすいポイントに焦点を当て、メルマガ配信の設定手順から効果測定まで、実践的なステップで解説します。無料プランと有料プランの違い、他ツールとの比較も公平に提示し、HubSpot固有の強みと制約を明確化します。
この記事のポイント:
- HubSpotのメール配信機能は無料プランで月間2,000通まで利用可能
- ドラッグ&ドロップエディターでCSSやHTMLの知識がなくても高品質なメールを作成できる
- CRM連携により顧客情報に基づいたパーソナライズ配信が可能
- 開封率15-25%、クリック率2-3%が業界平均の目安(業界や関係性により変動)
- 配信後は開封数・クリック率・バウンス率などの詳細な分析が可能
1. HubSpotでメルマガ配信を始めるべき理由
メールマーケティングは、B2B企業にとって投資対効果の高い施策として知られています。ITRの調査によると、メール/Web/SNSマーケティング市場は2024年から2028年にかけて拡大が予測されており、引き続き重要なマーケティングチャネルとして位置づけられています。
(1) メールマーケティングの重要性と市場動向
メールマーケティングは、以下の理由からB2B企業に適した施策と言われています:
- 低コスト: 他の広告手法と比較して、1通あたりのコストが低い傾向があります
- 高いROI: 適切に運用すれば、投資対効果が高いケースが多いです
- 顧客との継続的な関係構築: 定期的な情報提供により信頼関係を築けます
- 測定可能: 開封率、クリック率など、効果測定が容易です
ただし、効果は業界やターゲットとの関係性によって大きく変動するため、自社の過去データとの比較が重要です。
(2) HubSpotを選ぶメリット(CRM連携・自動化・分析)
HubSpotがメール配信ツールとして選ばれる理由には、以下のような特徴があります:
主なメリット:
- CRM連携: 顧客情報と連携したパーソナライズ配信が可能
- 豊富なテンプレート: 事前構築済みテンプレートで作業時間を短縮
- 包括的な分析機能: 開封率、クリック率、HTMLクリックマップなど詳細な効果測定
- 自動化機能: リードナーチャリングのワークフロー自動化(有料プラン)
- AIアシスタント: 件名やメール本文の作成支援(2024-2025年に機能強化)
考慮すべき点:
- マーケティングコンタクト数に応じて追加料金が発生する可能性があります
- 高度な機能(A/Bテスト、スマートコンテンツ等)は有料プラン限定です
※他のメール配信ツール(Mailchimp、Benchmark Email等)との比較については、後述します。
2. HubSpotのメール配信機能の基礎知識
HubSpotでメルマガ配信を始める前に、料金プランと機能の違いを理解しておくことが重要です。
(1) 無料プランと有料プランの違い
HubSpotは無料プランでもメール配信機能を利用できますが、有料プランと比較すると機能に制約があります。
無料プラン(Free):
- 月間配信数: 2,000通まで
- 基本的なメール作成・配信機能
- 基本的な分析機能(開封率、クリック率)
- HubSpotブランディング表示あり
- ドメイン認証なし
有料プラン(Starter/Professional/Enterprise):
- 月間配信数: プランにより異なる(上限引き上げ可能)
- ドメイン認証機能(到達率向上)
- A/Bテスト機能
- スマートコンテンツ機能(顧客ごとに表示内容を自動カスタマイズ)
- ワークフロー自動化
- 高度な分析機能
無料プランで基本的な配信を試し、配信数や機能が不足する場合に有料プランへ移行する企業が多いケースです。
(2) 料金体系とマーケティングコンタクト数
HubSpotの料金体系は「マーケティングコンタクト数」に基づいています。マーケティングコンタクトとは、メール配信やマーケティング自動化の対象となる連絡先のことです。
料金の目安(2025年時点):
- Starter: 月額数万円〜(マーケティングコンタクト数により変動)
- Professional: 月額10〜30万円程度
- Enterprise: 月額30万円以上
配信規模を事前に見積もり、コンタクト数が増えた際の追加料金を確認しておくことが推奨されます。最新の料金情報はHubSpot公式サイトでご確認ください。
(3) 他ツール(Mailchimp等)との比較
メール配信ツールは、大きく分けて「メール配信専門ツール」と「MA(マーケティングオートメーション)ツール」の2種類があります。
主要ツールの比較:
| ツール | 種類 | 主な特徴 | 適している企業規模 |
|---|---|---|---|
| HubSpot | MAツール | CRM連携、包括的な分析、自動化機能 | 中小〜大企業 |
| Mailchimp | メール配信専門 | シンプルな操作、低価格、豊富なテンプレート | 小規模〜中小企業 |
| Benchmark Email | メール配信専門 | 日本語サポート、直感的なUI | 小規模〜中小企業 |
| SATORI | MAツール | 国内企業向け、手厚いサポート | 中堅〜大企業 |
選定基準:
- 単純な配信のみ: Mailchimp、Benchmark Emailなどのメール配信専門ツール
- CRM連携やリード育成も含めた総合的な運用: HubSpot、SATORIなどのMAツール
- 予算重視: 無料プランや低価格プランがあるツール(HubSpot Free、Mailchimp Free等)
どのツールにもメリット・デメリットがあるため、自社の目的と予算に合わせて選ぶことが重要です。
3. メルマガ作成の具体的な手順
HubSpotでメルマガを作成する手順を、画面操作に沿って解説します。
(1) メール作成画面へのアクセス方法
HubSpotにログイン後、以下の手順でメール作成画面にアクセスします:
- 左側メニューから「マーケティング」をクリック
- 「Eメール」を選択
- 右上の「Eメール作成」ボタンをクリック
- メールタイプを選択(通常メール、自動化メール等)
(2) ドラッグ&ドロップエディターでのデザイン作成
HubSpotのドラッグ&ドロップエディターを使えば、CSSやHTMLの知識がなくてもデザイン性の高いメルマガを作成できます。
エディターの主な機能:
- テキストブロック、画像ブロック、ボタンブロックなどをドラッグして配置
- 各ブロックをクリックして文言、色、サイズを編集
- プレビュー機能でPC・モバイル表示を確認
作成時のポイント:
- 件名とプレビューテキスト(受信トレイで表示される冒頭文)を工夫する
- モバイル表示を必ず確認する(多くの受信者がスマートフォンで閲覧)
- 配信停止リンクを適切に配置する(法令対応のため必須)
(3) テンプレート選択とカスタマイズ
HubSpotは事前構築済みテンプレートを豊富に提供しています。初心者はテンプレートから始めるのが効率的です。
テンプレート活用の流れ:
- 「テンプレート」タブから目的に合ったデザインを選択
- 自社のロゴ、配色、文言をカスタマイズ
- 必要に応じてブロックを追加・削除
- 保存してテンプレートとして再利用
(4) テストメールでの確認
メール作成後は、必ずテストメール送信で確認しましょう。
確認ポイント:
- 件名と本文の誤字脱字
- リンクが正しく動作するか
- 画像が正しく表示されるか
- 配信停止リンクが機能するか
- PC・モバイル両方で表示を確認
テスト送信は「送信またはスケジュール」タブから実行できます。
4. 効果的な配信設定とターゲティング
メール配信の効果を高めるには、適切なターゲティングと配信設定が重要です。
(1) コンタクトリストの作成とフィルタリング
HubSpotでメルマガを配信するには、「配信するメールの作成」と「メール配信先のコンタクトリストの作成」が必要です。
コンタクトリストの作成方法:
- 「コンタクト」メニューから「リスト」を選択
- 「リストを作成」をクリック
- フィルター条件を設定(年齢、性別、地域、エンゲージメントレベル等)
- リストを保存して配信対象として指定
フィルター機能を活用することで、特定の条件に合致した顧客のみに配信できます。
(2) セグメント配信とパーソナライゼーション
すべての顧客に同じ内容を配信するよりも、顧客属性や行動履歴に基づいてセグメント配信する方が効果が高いケースが多いです。
セグメント配信の例:
- 新規リードには製品紹介を中心に
- 既存顧客には活用事例や新機能情報を
- 業界別に事例を変える
HubSpotのCRM連携を活用すれば、顧客ごとに表示内容を自動的にカスタマイズできます(スマートコンテンツ機能、有料プラン)。
(3) 配信タイミングの最適化(送信予約機能)
メール配信のタイミングは、開封率に影響を与える重要な要素です。
配信タイミングのベストプラクティス:
- B2B向けは平日の午前中(9-11時)または午後(14-16時)が効果的なケースが多い
- 曜日は火曜〜木曜が開封されやすい傾向がある
- ただし、業界やターゲットによって最適な時間帯は異なるため、A/Bテストでの検証が推奨される
HubSpotの「送信またはスケジュール」タブから、配信日時を予約できます。
(4) 配信カテゴリーの設定と法令対応
メール配信では、特定電子メール法やGDPRへの対応が必須です。
法令対応のポイント:
- 配信停止(オプトアウト)リンクを必ず設置
- 配信カテゴリーを適切に設定し、受信者が希望する情報のみを配信できるようにする
- 配信元の企業名と連絡先を明記
配信カテゴリーの設定を適切に行わないと、受信者が配信停止しやすくなります。「製品情報」「セミナー案内」「業界ニュース」など、内容ごとにカテゴリーを分けることが推奨されます。
5. 配信後の効果測定と改善方法
メール配信後は、詳細な分析データに基づいて継続的に改善していくことが重要です。
(1) 主要指標の見方(開封率・クリック率・バウンス率)
HubSpotでは、配信後に以下の指標を確認できます:
主要指標:
- 開封率: 配信したメールのうち、実際に開封された割合(開封数÷配信成功数×100)
- クリック率: 配信したメールのうち、リンクをクリックした割合(クリック数÷配信成功数×100)
- バウンス率: 配信に失敗した割合(無効なメールアドレス等)
- 配信停止数: メール配信を停止したコンタクト数
- HTMLクリックマップ: メール内のどのリンクがクリックされたかを可視化
(2) 業界平均との比較(開封率15-25%、クリック率2-3%)
Benchmark Emailの調査によると、業界別のメール開封率・クリック率の平均は以下の通りです:
業界平均の目安:
- 開封率: 15-25%
- クリック率: 2-3%
ただし、開封率やクリック率は業界やターゲットとの関係性によって大きく変動します。業界平均よりも、自社の過去データとの比較を重視しましょう。
改善すべき目安:
- 開封率が10%未満: 件名やプレビューテキスト、配信タイミングを見直す
- クリック率が1%未満: メール本文の内容やCTAボタンの配置を改善する
(3) HTMLクリックマップでの行動分析
HubSpotのHTMLクリックマップ機能を使えば、メール内のどのリンクがクリックされたかを可視化できます。
活用方法:
- どのコンテンツに関心が高いかを把握
- 配置やデザインを変えて効果を検証
- 関心の低いコンテンツは次回から削除または改善
(4) A/Bテストとスマートコンテンツ機能
有料プランでは、A/Bテスト機能を活用できます。
A/Bテストの例:
- 件名のパターンAとパターンBを比較
- CTAボタンの文言や配置を変えて効果を検証
- 配信時間帯を変えて開封率を比較
スマートコンテンツ機能を使えば、顧客の属性や行動履歴に基づいてメール内容を自動的にカスタマイズできます。例えば、業界ごとに事例を変える、役職ごとにメッセージを変える、といった運用が可能です。
6. まとめ:HubSpotメルマガ配信で成果を出すために
HubSpotのメール配信機能は、CRM連携や包括的な分析機能により、効果的なメールマーケティングを実現できます。無料プランで月間2,000通まで配信可能なため、まずは小規模から始めて効果を測定することが推奨されます。
この記事で解説した内容:
- HubSpotは無料プランで月間2,000通まで配信可能(有料プランは機能が拡張)
- ドラッグ&ドロップエディターで簡単にデザイン性の高いメールを作成
- CRM連携によるパーソナライズ配信とセグメント配信で効果を高める
- 開封率15-25%、クリック率2-3%を目安に効果測定
- 配信カテゴリーの設定と法令対応(特定電子メール法・GDPR)が必須
次のアクション:
- HubSpotの無料プランでアカウントを作成し、実際にメール作成を試す
- テストメールを自分宛に送信して操作感を確認
- 小規模なコンタクトリストで試験配信を実施
- 開封率・クリック率を測定し、件名や内容を改善
- 配信規模や必要な機能に応じて有料プランへの移行を検討
メール配信の効果は、業界やターゲットとの関係性、配信内容によって大きく変動します。継続的にデータを分析し、改善を重ねることで、自社にとって最適なメールマーケティング施策を確立していきましょう。
※この記事は2025年時点の情報です。最新の料金・機能については、HubSpot公式サイトでご確認ください。
