メルマガ配信とは?基本の仕組み・始め方・効果的な運用方法を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/21

メルマガ配信とは?マーケティングにおける役割

B2B企業のマーケティング活動において、「見込み客をどう育成するか」「既存顧客との関係をどう維持するか」は重要な課題です。こうした課題に対する有効な施策の1つが**メルマガ配信(メールマガジン配信)**です。

この記事では、メルマガ配信の定義、配信の仕組み、始め方、ツール比較、効果的な運用方法を詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • メルマガ配信は企業が顧客・会員に一斉配信するメールで、B2Bではリードナーチャリング・顧客維持に活用される
  • HTMLメールは開封率の測定が可能、テキストメールは測定不可
  • 配信方法は専用システム(月数千円〜)が一般的、BCC送信は情報漏洩リスクがある
  • 開封率の平均は10-20%、20%が良好、30%が優秀
  • 件名を短く(半角4〜15文字)、配信タイミング(火曜・水曜、早朝・夕方)が効果的

(1) メルマガ(メールマガジン)の定義

メルマガとは、企業などが顧客や会員に対して一斉配信するメールを指します。ニュースレター、キャンペーン告知、商品情報、コラム配信など、さまざまな目的で活用されます。

主な特徴:

  • 一斉配信: 複数の顧客に同時にメールを送信
  • 定期配信: 週1回、月1回など、定期的に情報を届ける
  • 許諾済みリスト: 配信を希望したユーザーに対してのみ送信(オプトイン)
  • 費用対効果が高い: 低コストで多くの顧客にアプローチできる

(2) B2Bマーケティングにおける重要性(リードナーチャリング・顧客維持)

B2Bマーケティングにおけるメルマガの主な役割は以下の2つです。

役割1: リードナーチャリング(見込み客育成)

B2B商材は検討期間が長く(数ヶ月〜1年)、すぐに購入に至らないケースが一般的です。メルマガで定期的に情報を提供することで、見込み客との関係を維持し、購買意欲を醸成します。

例:

  • 業界トレンド情報の配信
  • 導入事例の紹介
  • セミナー・ウェビナーの告知
  • ホワイトペーパー・資料の案内

役割2: 顧客維持(既存顧客向け情報提供)

既存顧客に対して、製品アップデート情報、活用ノウハウ、キャンペーン情報を配信し、継続利用・追加購入を促します。

例:

  • 製品の新機能紹介
  • 活用事例・ベストプラクティス
  • アップグレードキャンペーン
  • サポート情報・FAQ

(3) 2024年調査:LINE公式より購買に直結、依然として高い効果

メルマガは「時代遅れ」と思われがちですが、2024年の調査では依然として高い効果が確認されています。

2024年の調査結果:

  • LINE公式アカウントより電子メールの方が購買に直結(2024年調査)
  • マーケティング担当者の44.6%が個別コミュニケーション効果を評価(2024年6月実施、721名対象)
  • 上位50のEC企業の61.5%がHTMLメールのみを配信(2024年、HTMLメールが主流化)

こうしたデータから、メルマガは依然として有効なマーケティング手法であることが分かります。

メルマガ配信の仕組みと基礎知識

(1) HTMLメールとテキストメールの違い

メルマガには、HTMLメールとテキストメールの2種類があります。

HTMLメール:

  • 特徴: 画像・装飾を含むメール形式
  • メリット: 視覚的に訴求力が高い、開封率の測定が可能
  • デメリット: 受信環境によっては正しく表示されない場合がある
  • 使用割合: 上位EC企業の61.5%がHTMLメールのみを配信(2024年)

テキストメール:

  • 特徴: 文字のみのメール形式
  • メリット: どの受信環境でも確実に表示される
  • デメリット: 開封率の測定が不可、訴求力がHTMLメールより低い

現在は、HTMLメールが主流です。特に開封率の測定が可能な点が、効果測定を重視するB2B企業にとって重要です。

(2) 開封率の測定方法(WEBビーコン)

HTMLメールの開封率は、WEBビーコンという仕組みで測定されます。

仕組み:

  1. HTMLメールに小さな画像(1×1ピクセルの透明画像)を埋め込む
  2. 受信者がメールを開くと、画像が読み込まれる
  3. 画像の読み込みがサーバーに記録される
  4. 「開封された」と判定

注意点:

  • 受信者のメールクライアントが「画像を自動表示しない」設定の場合、開封されても計測されない
  • そのため、開封率は参考値として扱うべき

(3) メルマガ配信の方法(メール配信システム、MAツール、BCC送信)

メルマガを配信する方法は、主に3つあります。

方法1: メール配信システム(専用システム)

  • 特徴: 大量配信に特化したシステム
  • 料金: 月額数千円〜数万円
  • メリット: 配信数が多くても迷惑メール判定されにくい、開封率・クリック率を測定可能
  • 適用企業: 月間数百〜数万件の配信を行う企業

方法2: MAツール(マーケティングオートメーション)

  • 特徴: 顧客情報に基づいた自動配信・パーソナライズが可能
  • 料金: 月額数万円〜数十万円
  • メリット: ステップメール(段階的な自動配信)、セグメント配信(属性別配信)が可能
  • 適用企業: リードナーチャリングを重視する企業、高度な自動化を求める企業

方法3: BCC送信(通常のメールソフト)

  • 特徴: Outlook、Gmailなどの通常のメールソフトでBCC送信
  • 料金: 無料
  • メリット: 初期コストがかからない
  • デメリット: 宛先間違いによる情報漏洩リスク、開封率測定不可、大量配信で迷惑メール判定されやすい
  • 適用企業: 配信数が少ない(月間100件以下)企業のみ

(4) BCC送信のリスク(情報漏洩)と専用システムの推奨

BCC送信は、宛先を誤ってTO/CCに入力してしまうと、全受信者のメールアドレスが漏洩するリスクがあります。実際に、このミスによる個人情報漏洩事故は頻繁に発生しています。

推奨:

  • 配信数が月間100件を超える場合、専用のメール配信システムを使うべき
  • 配信数が少ない場合でも、情報漏洩リスクを避けるため、できる限り専用システムを使う

メルマガ配信の始め方(ツール選定・設定)

(1) ツール選定のポイント(機能、料金、配信数上限、サポート)

メルマガ配信ツールを選ぶ際のポイントは以下の通りです。

選定ポイント:

1. 配信規模(月間配信数)

  • 月間1,000件以下: 月額数千円のメール配信システムで十分
  • 月間1,000〜10,000件: 月額1〜3万円のメール配信システム
  • 月間10,000件以上: 月額3万円以上のメール配信システム、またはMAツール

2. 自動化ニーズ

  • ステップメール(段階的な自動配信)が必要か
  • セグメント配信(属性別配信)が必要か
  • パーソナライズ(顧客名・企業名の差し込み)が必要か → 必要ならMAツール、不要ならメール配信システムで十分

3. 料金

  • メール配信システム: 月額数千円〜3万円が一般的
  • MAツール: 月額3万円〜30万円が一般的

4. サポート体制

  • 電話・チャットサポートがあるか
  • 導入支援・オンボーディングがあるか

(2) メールアドレスリストの準備

メルマガ配信には、配信対象のメールアドレスリストが必要です。

リスト取得方法:

  • Webサイトでの会員登録: 問い合わせフォーム、資料ダウンロードフォームでメールアドレスを取得
  • セミナー・イベントでの名刺交換: 名刺情報をデータ化
  • 既存顧客リスト: 営業部門が保有する顧客リスト

注意点:

  • 配信を希望したユーザーにのみ送信(オプトイン)
  • 購入した名簿は使わない(特定電子メール法に違反する可能性)

(3) 配信頻度の設定(日刊・週刊・月刊)

配信頻度は、目的やターゲット層によって異なります。

一般的な配信頻度:

  • 週刊(週1回): B2Bマーケティングで最も一般的
  • 月刊(月1〜2回): 負担が少なく、長期的に継続しやすい
  • 日刊(毎日): ニュースメディア等、情報量が豊富な場合のみ

推奨:

  • まずは月2回(隔週)から始め、反応を見ながら頻度を調整
  • 高頻度すぎると配信停止率が上がる

(4) コンテンツ企画と配信スケジュール

メルマガのコンテンツは、読者にとって価値のある情報であることが重要です。

コンテンツ例(B2B企業):

  • 業界トレンド: 最新の業界ニュース、規制変更、市場動向
  • 導入事例: 他社の成功事例、活用方法
  • ノウハウ: 課題解決のヒント、ベストプラクティス
  • セミナー・イベント告知: ウェビナー、展示会の案内
  • 新機能・サービス紹介: 製品アップデート情報

配信スケジュール例:

  • 毎週火曜日 朝8時配信
  • 毎月第1・第3金曜日 夕方17時配信

メール配信ツールのおすすめ比較

(1) メール配信システム(低コスト・大量配信特化)

メール配信システムは、大量配信に特化した専用ツールです。

主な機能:

  • 大量配信(月間数千〜数万件)
  • HTMLメール作成
  • 開封率・クリック率の測定
  • 配信リスト管理
  • 配信予約

主要ツールの例:

  • Blastmail: 月額4,000円〜、月間3,000件まで
  • 配配メール: 月額1万円〜、月間1万件まで
  • WiLL Mail: 月額4,000円〜、月間5,000件まで

(2) MAツール(自動配信・パーソナライズ可能)

MAツールは、マーケティング活動全体を自動化・最適化するツールです。メルマガ配信以外の機能も豊富です。

主な機能:

  • ステップメール(段階的な自動配信)
  • セグメント配信(属性別配信)
  • パーソナライズ(顧客名・企業名の差し込み)
  • リードスコアリング(見込み客の関心度を数値化)
  • CRM/SFA連携

主要ツールの例:

  • HubSpot: 月額2万円〜、リードナーチャリングに強い
  • SATORI: 月額10万円〜、国内企業に強い
  • Marketo: 月額20万円〜、大企業向け

(3) 主要ツール比較(機能・料金・配信数上限)

ツール種類 月額料金 配信数上限(目安) 主な機能 適用企業
メール配信システム 4,000円〜3万円 3,000〜10万件 大量配信、開封率測定 配信数重視、低予算
MAツール 2万円〜30万円 制限なし(料金による) 自動配信、パーソナライズ、リードスコアリング リードナーチャリング重視、高度な自動化

(4) ツール選定の判断基準(配信規模・自動化ニーズ)

選定基準:

配信数が少ない(月間1,000件以下)& 自動化不要: → メール配信システム(月額4,000円〜)で十分

配信数が多い(月間1,000件以上)& 自動化不要: → メール配信システム(月額1〜3万円)

自動化が必要(ステップメール・セグメント配信): → MAツール(月額2万円〜)

初めての場合: → まずは低コストのメール配信システムで始め、効果を確認してから高機能なMAツールへ移行

効果的なメルマガ配信のポイント(開封率・CV率向上)

(1) 件名の最適化(半角4〜15文字が効果的)

件名はメルマガの開封率を左右する最も重要な要素です。

効果的な件名の特徴:

  • 短い: 半角4〜15文字が平均開封率が高い(調査結果)
  • 具体的: 「お知らせ」より「新機能リリース:◯◯機能追加」
  • 緊急性: 「【本日まで】」「【残り3日】」等の期限表現
  • パーソナライズ: 「【◯◯様】」等の名前差し込み

例:

  • ❌ 悪い例: 「メールマガジン第10号」
  • ✅ 良い例: 「【12/20まで】導入事例セミナー開催」

(2) 配信タイミング(火曜・水曜、早朝・夕方)

配信タイミングは開封率に影響します。

効果的なタイミング:

  • 曜日: 火曜・水曜が効果的(月曜は忙しく、金曜は週末モード)
  • 時間: 早朝(7〜9時)、夕方(17〜19時)が効果的

B2B企業の場合:

  • 業務時間内に読まれることが多い
  • 早朝配信で、始業時のメールチェック時に目に留まりやすい

(3) パーソナライズの活用(顧客セグメント別配信)

パーソナライズは、受信者ごとに内容をカスタマイズする手法です。

パーソナライズの例:

  • 名前の差し込み: 「◯◯様」
  • 企業名の差し込み: 「◯◯株式会社様」
  • セグメント別配信: 業界別、導入段階別に異なるコンテンツを配信

効果:

  • パーソナライズされたメールは、開封率が大幅に向上する傾向があります(業界調査では20-30%程度の改善例が報告されています)

(4) 開封率の目安(平均10-20%、良好20%、優秀30%)

メルマガの開封率の目安は以下の通りです。

開封率の目安:

  • 平均: 10-20%
  • 良好: 20%
  • 優秀: 30%以上

注意点:

  • 業界・ターゲット層により大きく異なる
  • HTMLメールの開封率は受信側の設定により正確でない場合があるため、参考値として扱う

(5) A/Bテストによる改善

A/Bテストは、2つのパターンを試して効果を比較する手法です。

A/Bテストの例:

  • 件名: パターンA「新機能リリース」 vs パターンB「【本日公開】新機能◯◯」
  • 配信時間: パターンA「朝8時」 vs パターンB「夕方17時」
  • CTA(行動喚起): パターンA「詳細はこちら」 vs パターンB「今すぐダウンロード」

実施方法:

  • リストを2つに分け、それぞれ異なるパターンで配信
  • 開封率・クリック率を比較し、効果の高い方を採用

まとめ:メルマガ配信を成功させるための次のステップ

メルマガ配信は、B2B企業のリードナーチャリング・顧客維持に有効な手法です。低コストで始められ、2024年の調査でも依然として高い効果が確認されています。

メルマガ配信を始めるべき企業:

  • リードナーチャリング(見込み客育成)を重視するB2B企業
  • 既存顧客との関係維持を強化したい企業
  • 低コストで多くの顧客にアプローチしたい企業

次のステップ:

(1) まずは小規模で始める(週1回配信、100件程度のリスト)

  • メール配信システム(月額4,000円〜)に登録
  • 100件程度のメールアドレスリストを準備
  • 週1回または月2回の配信頻度で開始
  • コンテンツは業界トレンド、導入事例、ノウハウ等を中心に企画

(2) 開封率・CV率を測定し改善を継続する

  • 開封率の目標を設定(まずは15%以上を目指す)
  • 件名、配信タイミング、コンテンツを改善
  • A/Bテストで効果を検証

(3) ステップメールやパーソナライズで高度化する

  • 効果が確認できたら、MAツールへ移行を検討
  • ステップメール(段階的な自動配信)を設計
  • セグメント別配信(属性別配信)でパーソナライズを強化

メルマガ配信は、継続的な改善が成功の鍵です。まずは小規模で始め、データを見ながら最適化していきましょう。

※この記事は2025年1月時点の情報です。メール配信ツールの機能・料金は頻繁に更新されるため、最新情報は各ツールの公式サイトをご確認ください。 ※メルマガ配信には特定電子メール法(特電法)が適用されます。配信前にオプトイン(配信許諾)を取得し、配信停止リンクを必ず設置してください。

よくある質問

Q1メルマガとは何ですか?

A1企業などが顧客や会員に対して一斉配信するメールです。B2Bマーケティングでは、リードナーチャリング(見込み客育成)や顧客維持に活用されます。業界トレンド、導入事例、ノウハウ、セミナー告知などを定期的に配信します。

Q2メルマガの開封率はどのくらいですか?

A2平均10-20%、20%が良好、30%が優秀です。業界・ターゲット層により異なります。HTMLメールの開封率は受信側の設定により正確でない場合があるため、参考値として扱ってください。

Q3メルマガ配信ツールはどう選べばいいですか?

A3配信規模(月間配信数)、自動化ニーズ(ステップメール・パーソナライズ)、料金、サポート体制で判断してください。小規模(月間1,000件以下)ならメール配信システム(月額4,000円〜)、大規模・自動化ニーズがあればMAツール(月額2万円〜)が適しています。

Q4メルマガは時代遅れではないですか?

A4依然として高い効果を持つ手法です。2024年調査では、LINE公式アカウントより電子メールの方が購買に直結する傾向があります。マーケティング担当者の44.6%が個別コミュニケーション効果を評価しています(2024年6月調査、721名対象)。

Q5メルマガの効果を高めるポイントは?

A5①件名を短く(半角4〜15文字が効果的)、②配信タイミング(火曜・水曜、早朝・夕方)、③パーソナライズ(顧客セグメント別配信、名前の差し込み)、④A/Bテストによる継続的改善が重要です。開封率の目標を15%以上に設定し、データを見ながら最適化していきましょう。

B

B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。