診断系コンテンツとは?BtoBマーケティングで活用する作り方と成功事例

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/14

なぜ今、診断系コンテンツが注目されるのか

BtoBマーケティング担当者の多くが、従来のホワイトペーパーやブログ記事の反応率低下に悩んでいます。「せっかくコンテンツを作っても、ダウンロードされない」「リード獲得が頭打ちになっている」といった課題は、多くの企業で共通しています。

そこで注目されているのが「診断系コンテンツ」です。ユーザーが質問に答えることで、個別の診断結果や提案が得られるインタラクティブなコンテンツで、従来の一方向的な情報提供とは異なる高いエンゲージメントが期待できます。

この記事では、診断系コンテンツの基礎知識から作り方、BtoBマーケティングでの活用方法まで、実践的に解説します。

この記事のポイント:

  • 診断系コンテンツは従来のコンテンツマーケティングの課題を解決する手段として注目されている
  • フローチャート形式とスコア形式の2つのロジックがあり、目的に応じて使い分けが重要
  • 診断コンテンツ作成ツールを活用すれば、専門知識がなくても自社で作成可能
  • BtoB企業では成熟度診断、課題診断、ツール選定診断などの活用方法がある
  • 診断ロジックの複雑化や質問数の増加は、制作コストと離脱リスクを高めるため注意が必要

(1) 従来のコンテンツマーケティングの課題(ホワイトペーパーの反応低下)

BtoBマーケティングでは、ホワイトペーパーやブログ記事を使ったリード獲得が一般的です。しかし、競合企業も同様の施策を実施しているため、ユーザーの情報疲れが進み、従来の一方向的なコンテンツの反応率は低下しています。

従来のコンテンツマーケティングの課題:

  • ホワイトペーパーのダウンロード率が年々低下している
  • ブログ記事のエンゲージメント(滞在時間・シェア数)が伸びない
  • リード獲得後のナーチャリングがうまく機能しない(見込み客の関心度が不明)

こうした背景から、ユーザーが能動的に参加できるインタラクティブコンテンツが注目されています。

(2) インタラクティブコンテンツのエンゲージメント効果

診断系コンテンツは、ユーザーが質問に答えることで個別の診断結果を得られるため、従来のコンテンツより高いエンゲージメントが期待できます。

診断系コンテンツの心理的メカニズム:

  • 探求欲求: 「自分はどのタイプか知りたい」という欲求を刺激
  • 表現欲求: 診断結果をSNSでシェアしたくなる欲求
  • パーソナライゼーション: 自分専用の結果が得られることへの価値

実際、2024年5月に公開されたHotlinkの「fasme UFPT診断」は、6月末までに9万件以上の診断完了を達成しており、短期間で高いエンゲージメントを獲得した事例があります。

(3) ゼロパーティーデータ取得の重要性

診断系コンテンツのもう一つの魅力は、ゼロパーティーデータ(ユーザーが自発的に提供するデータ)を取得できる点です。

ゼロパーティーデータの活用メリット:

  • ユーザーの課題・ニーズを直接把握できる
  • 診断結果に基づいたパーソナライズされた提案が可能
  • リードスコアリング(見込み客の関心度数値化)と連携できる

診断コンテンツで得られた回答データは、ナーチャリングや商品提案の精度向上に活用できます。

診断系コンテンツの基礎知識(定義・メリット・仕組み)

診断系コンテンツの基本的な概念とマーケティング活用のメリットを整理します。

(1) 診断系コンテンツとは(定義と主要タイプ)

診断系コンテンツとは、ユーザーが質問に答えることで、個別の結果や提案が得られるインタラクティブなWebコンテンツです。

主要な診断タイプ:

  • 性格診断: MBTI診断(16 personality)など、自己理解を深める診断
  • 適職診断: キャリアの方向性を提示する診断
  • パーソナルカラー診断: 美容・ファッション業界で人気
  • 課題診断: BtoB企業向け、現状の課題を可視化する診断
  • 成熟度診断: BtoB企業向け、組織の成熟度を評価する診断
  • ツール選定診断: BtoB企業向け、最適なツール・サービスを提案する診断

BtoB企業では、課題診断・成熟度診断・ツール選定診断などが活用されています。

(2) マーケティングにおける3つのメリット(認知拡大・リード獲得・データ取得)

診断系コンテンツのマーケティング活用には、主に3つのメリットがあります。

1. ブランド認知の拡大

  • 診断結果をSNSでシェアしやすいデザインにすることで、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が創出される
  • バイラル効果により、広告費をかけずに認知拡大が期待できる

2. リード獲得の促進

  • 診断結果を受け取るために、メールアドレスや企業情報を入力してもらうことでリード獲得
  • 従来のホワイトペーパーより参加ハードルが低く、CVR向上が期待できる

3. ゼロパーティーデータの取得

  • ユーザーが診断で入力した回答データは、自発的に提供されたデータのため活用しやすい
  • パーソナライズされた商品提案やナーチャリングに活用可能

(3) 診断ロジックの2つの形式(フローチャート形式とスコア形式)

診断系コンテンツのロジックには、主に2つの形式があります。

1. フローチャート形式(分岐型)

  • 特定の質問への回答内容に応じて次の質問を出し分け、細分化して最終的な診断結果を導く形式
  • メリット: 診断結果の精度が高い、複雑な診断に向いている
  • デメリット: ロジックが複雑になると、制作に時間とコストがかかる

2. スコア形式

  • 特定の質問への回答内容とスコアを結びつけ、最終的なスコアによって診断結果を出し分ける形式
  • メリット: シンプルで作成しやすい、複数の評価軸で診断できる
  • デメリット: 抽選式ロジックは診断精度が低く、商品提案には適さない場合がある

診断の目的に応じて、適切な形式を選ぶことが重要です。

診断系コンテンツの作り方(企画からロジック設計まで)

診断系コンテンツを作成する具体的な手順を解説します。

(1) 診断コンテンツの企画設計(目的・ペルソナ・診断テーマの決定)

診断コンテンツの企画は、以下のステップで進めます。

1. 目的の明確化

  • 認知拡大を目指すのか、リード獲得を目指すのか、データ取得を目指すのか
  • 例: 「BtoB企業のマーケティング担当者向けに、MA(マーケティングオートメーション)ツール選定診断を作成し、リード獲得を促進する」

2. ペルソナの設定

  • どのような課題を抱えているユーザーをターゲットにするか
  • 例: 「MAツール導入を検討しているが、どのツールを選べばいいか分からない中小企業のマーケティング担当者」

3. 診断テーマの決定

  • ペルソナの課題に応える診断テーマを設定
  • 例: 「あなたの会社に最適なMAツールは?」「あなたのマーケティング成熟度は何点?」

(2) 診断ロジックの設計手順(診断結果から逆算する作り方)

診断コンテンツは、診断結果を先に設定し、それに応じた質問と選択肢を逆算して考えると作りやすいと言われています。

ステップ1: 診断結果のパターンを決める

  • 例: MAツール選定診断の場合、「HubSpot推奨」「Marketo推奨」「SATORI推奨」の3パターン

ステップ2: 診断結果を導くための質問を設計

  • 例: 「会社の従業員数は?」「月間リード獲得数は?」「予算は月額いくらまで?」

ステップ3: 各質問の選択肢を設定

  • 例: 「会社の従業員数は?」→「50人未満」「50〜500人」「500人以上」

ステップ4: 診断ロジックを設計

  • 例: 「50人未満」かつ「月額予算10万円以下」→「HubSpot推奨」

このように、診断結果から逆算することで、論理的な診断ロジックを設計できます。

(3) 質問設計のポイント(質問数・離脱防止のバランス)

質問設計では、質問数と離脱防止のバランスが重要です。

質問数の目安:

  • 少なすぎると診断精度が低くなる
  • 多すぎるとユーザーの負担が増え、途中離脱のリスクが高まる
  • 一般的には5〜10問程度が適切と言われています

離脱防止のポイント:

  • 質問の進捗状況を表示(「10問中3問目」など)
  • 質問は簡潔で分かりやすく
  • 選択肢は3〜5個程度に絞る

質問数を増やしすぎると、想定以上の離脱が発生するため、バランスを意識した設計が重要です。

(4) 診断コンテンツ作成ツールの選び方(Judge・Metabadge・Questant等の比較)

診断コンテンツは、専門知識がなくても作成ツールを使えば自社で作成可能です。

主要な診断コンテンツ作成ツール:

  • Judge: 月額2,800円から利用可能、SNS連携・データ分析機能が充実
  • Metabadge: ノーコードで診断コンテンツを作成、デザインカスタマイズが柔軟
  • Questant: アンケート機能も統合、リサーチとマーケティングを一元管理

ツール選定時の比較ポイント:

  • 料金プラン(月額料金・初期費用)
  • SNS連携機能(診断結果のシェアしやすさ)
  • データ分析機能(診断完了数・CVR測定)
  • デザインカスタマイズの自由度
  • サポート体制(日本語サポート・オンボーディング支援)

ツール選定時は、公式サイトで最新の料金・機能を確認してください。(この記事は2025年11月時点の情報です)

BtoBマーケティングでの活用事例と効果測定

BtoB企業での診断コンテンツ活用方法と、効果測定のポイントを解説します。

(1) BtoB企業の診断コンテンツ活用例(成熟度診断・課題診断・ツール選定診断)

BtoB企業では、以下のような診断コンテンツが活用されています。

1. 成熟度診断

  • 例: 「あなたの会社のマーケティング成熟度は何点?」
  • 活用目的: 現状の組織課題を可視化し、改善提案につなげる

2. 課題診断

  • 例: 「あなたの会社のリード獲得の課題は何?」
  • 活用目的: 見込み客の課題を把握し、パーソナライズされた提案を行う

3. ツール選定診断

  • 例: 「あなたの会社に最適なMAツールは?」
  • 活用目的: 自社製品・サービスへの関心を高め、リード獲得を促進

こうした診断は、ユーザーにとっても価値があり、参加ハードルが低いため、リード獲得に効果的です。

(2) 成功事例:CV率向上・リード獲得・ナーチャリングへの活用

診断コンテンツの成功事例として、以下のような効果が報告されています。

CV率向上の事例:

  • ある企業では、診断コンテンツ導入後にCV率が360%アップした事例がある(出典: ヨミトル「プロが解説!業界別の診断コンテンツ人気事例36選」)

リード獲得の事例:

  • 京都よーじやは診断コンテンツ導入後、EC流入が3倍に増加(2024年)

ナーチャリングへの活用:

  • 診断結果に基づいてLINE公式アカウントでパーソナライズされた商品提案を行う事例が増加している

ただし、これらの数値は個別企業の事例であり、すべての企業で同様の効果が得られるわけではありません。導入前後でリード獲得数・商談化率を比較し、効果を検証することが重要です。

(3) 効果測定のKPI(診断完了数・CVR・シェア数・ゼロパーティーデータ取得数)

診断コンテンツの効果測定には、以下のKPIを設定します。

主要KPI:

  • 診断完了数: 何人が診断を最後まで完了したか
  • CVR(コンバージョン率): 診断完了後に会員登録・資料請求・商品購入に至った割合
  • SNSシェア数: 診断結果がどれだけシェアされたか(認知拡大の指標)
  • ゼロパーティーデータ取得数: 診断で得られた回答データの数

導入前後での比較:

  • 診断コンテンツ導入前と導入後のリード獲得数・商談化率を比較
  • ROI(投資対効果)を評価し、継続的な改善を行う

診断コンテンツは作成して終わりではなく、データを分析しながら継続的に改善することが重要です。

導入時の注意点とよくある失敗パターン

診断コンテンツ導入時に注意すべき点と、よくある失敗パターンを整理します。

(1) 診断ロジックを複雑にしすぎるリスク(コスト・工数の増加)

診断ロジックを複雑にしすぎると、要件定義・開発に時間とコストが大きくかかる可能性があります。

複雑化のリスク:

  • 開発工数が増加し、制作期間が長期化する
  • 制作費用が平均50〜100万円を超える場合がある
  • ロジックの修正が困難になり、運用コストも増加

対策:

  • 初回はシンプルなロジックで作成し、効果を検証してから複雑化する
  • 診断コンテンツ作成ツールを活用し、低コストで試験的に導入する

(2) 質問数を増やしすぎると離脱率が上がる

質問数を増やしすぎると、ユーザーの負担が増え、想定以上の離脱が発生します。

質問数の目安:

  • 5〜10問程度が一般的
  • 質問数が15問を超えると、途中離脱のリスクが高まる

対策:

  • 質問の進捗状況を可視化し、ユーザーに残り時間を示す
  • 質問は簡潔で分かりやすく、選択肢は3〜5個程度に絞る

(3) 診断後の購買促進施策が重要(作るだけでは成果につながらない)

診断コンテンツを作成しただけでは、自動的に成果が上がるわけではありません。診断後の購買促進施策が重要です。

診断後の施策:

  • 診断結果に基づいたパーソナライズされたメール配信
  • LINE公式アカウントで診断結果に応じた商品提案
  • 診断結果ページに関連商品・サービスのリンクを配置

拡散施策:

  • 診断結果をSNSでシェアしやすいデザインにする
  • 広告施策(SNS広告・リスティング広告)で診断コンテンツへの流入を増やす

診断コンテンツを作るだけでなく、制作後の戦略(購買促進・プロモーション・拡散施策)を事前に計画することが重要です。

(4) 制作コストの目安(平均50〜100万円、ツール活用で低コスト化も可能)

診断コンテンツの制作コストは、ロジックの複雑さとデザインによって変動します。

制作コストの目安:

  • 外注制作: 平均50〜100万円(ロジック・デザインによって変動)
  • ツール活用: 月額2,800円から利用可能(Judge、Metabadge等)

コスト削減のポイント:

  • 初回はツールを活用して低コストで試験導入
  • 効果が確認できてから、本格的な外注制作を検討

制作コストを抑えながら効果を検証することが、リスクを最小化するポイントです。

まとめ:診断系コンテンツに向いている企業

診断系コンテンツは、従来のコンテンツマーケティングの課題を解決する手段として注目されています。フローチャート形式とスコア形式の2つのロジックがあり、目的に応じて使い分けることが重要です。

診断コンテンツ作成ツールを活用すれば、専門知識がなくても自社で作成可能で、低コストで試験導入できます。BtoB企業では、成熟度診断、課題診断、ツール選定診断などの活用方法があり、リード獲得・ナーチャリング・顧客理解の深化に有効です。

診断系コンテンツに向いている企業:

  • リード獲得が頭打ちになっており、新しい施策を試したい企業
  • ゼロパーティーデータを取得し、パーソナライズされた提案を行いたい企業
  • SNSでのバイラル効果を期待し、認知拡大を目指す企業

次のアクション:

  • 診断コンテンツの目的・ペルソナ・診断テーマを明確にする
  • 診断コンテンツ作成ツール(Judge、Metabadge、Questant等)の公式サイトで詳細を確認する
  • シンプルなロジックで試験的に作成し、効果を検証する
  • 診断後の購買促進施策・拡散施策を事前に計画する

診断系コンテンツを活用して、エンゲージメントの高いマーケティング施策を実現しましょう。

よくある質問

Q1診断コンテンツとアンケートの違いは?

A1診断コンテンツはエンタメ要素が強く参加ハードルが低いのが特徴です。ユーザーは「自分はどのタイプか知りたい」という探求欲求が満たされるため、積極的に参加します。一方、アンケートは企業側の情報収集が目的で、ユーザーにとってのメリットが薄く、回答率が低くなりがちです。

Q2診断コンテンツの制作費用はどれくらい?

A2外注制作の場合、平均50〜100万円が目安です。ロジックの複雑さとデザインによって変動します。診断コンテンツ作成ツール(Judge、Metabadge、Questant等)を使えば、月額2,800円から自社で作成可能です。初回はツールで低コスト試験導入し、効果を確認してから本格的な外注を検討するのが推奨されます。

Q3自社で診断コンテンツを作れる?

A3診断コンテンツ作成ツール(Judge、Metabadge、Questant等)を使えば、専門知識がなくても作成可能です。ツール選定時はSNS連携機能、データ分析機能、デザインカスタマイズの自由度、サポート体制を確認しましょう。診断結果を先に設定し、質問と選択肢を逆算して考えると作りやすいと言われています。

Q4診断コンテンツの効果測定はどうする?

A4診断完了数、CVR(コンバージョン率)、SNSシェア数、ゼロパーティーデータ取得数で評価します。導入前後でリード獲得数・商談化率を比較し、ROI(投資対効果)を検証することが重要です。作成して終わりではなく、データを分析しながら継続的に改善しましょう。

Q5BtoB企業でも診断コンテンツは効果的?

A5成熟度診断(「あなたの会社のマーケティング成熟度は何点?」)、課題診断(「リード獲得の課題は何?」)、ツール選定診断(「最適なMAツールは?」)などBtoB向けの活用方法があります。リード獲得、ナーチャリング、顧客理解の深化に有効です。診断で得られたゼロパーティーデータをパーソナライズされた提案に活用できます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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