コンテンツマーケティングの進め方|戦略立案から効果測定までの7ステップ

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/14

コンテンツマーケティングを始めたいが、具体的な進め方がわからない...

B2B企業のマーケティング担当者の多くが、「コンテンツマーケティングが重要だと聞くけれど、どこから手をつければいいのか」「戦略の立て方がわからない」といった悩みを抱えています。従来の広告だけでは顧客にリーチしにくくなっている現在、コンテンツマーケティングは見込み顧客との信頼関係を築く有効な手法として注目されています。

しかし、成果を出すには正しい手順と継続的な改善が必要です。この記事では、コンテンツマーケティングの具体的な進め方を7ステップで解説し、実務担当者が今日から実践できるポイントをご紹介します。

この記事のポイント:

  • コンテンツマーケティングは戦略立案から効果測定まで7ステップで進める
  • 目的の明確化、ペルソナ設定、カスタマージャーニー作成が成功の鍵
  • 即効性はなく、6〜12ヶ月の中長期施策として取り組む必要がある
  • 中小企業でもプロジェクト体制を整えれば実践可能
  • 2024年はパーソナライゼーションとAI活用がトレンド

1. コンテンツマーケティングが必要な理由

(1) 従来型マーケティングの限界

従来の広告やプロモーション手法では、顧客に情報を届けることが難しくなっています。広告ブロックツールの普及や情報過多により、消費者は企業からの一方的なメッセージを避ける傾向が強まっています。

B2B領域でも同様で、営業電話やメール営業だけでは見込み顧客にリーチしづらい状況です。顧客は自ら情報を検索し、信頼できる情報源から学習してから購入を検討するケースが増えています。

(2) コンテンツマーケティングがもたらすビジネス成果

コンテンツマーケティングは、有益な情報を継続的に発信することで見込み顧客との信頼関係を築き、購買意欲を高める手法です。以下のようなビジネス成果が期待できます。

期待できる成果:

  • 検索エンジンからの自然流入増加(SEO効果)
  • 見込み顧客との長期的な関係構築(信頼獲得)
  • 営業活動の効率化(顧客自身が学習した状態で問い合わせ)
  • ブランド認知の向上(専門性のアピール)

ただし、即効性はありません。6〜12ヶ月の中長期施策として取り組む必要があります。

2. コンテンツマーケティングの基礎知識

(1) コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングは、有益なコンテンツを発信することで見込顧客や既存顧客との定期的なコミュニケーションを実現し、信頼関係を築きながら購買意欲を高め、最終的に商品やサービスの購入につなげるマーケティング手法です。

(2) 広告・プロモーションとの違い

コンテンツマーケティングと従来の広告・プロモーションには以下の違いがあります。

項目 コンテンツマーケティング 従来の広告・プロモーション
目的 信頼関係構築、長期的な関係 短期的な売上・認知
手法 有益な情報提供 商品・サービスの直接訴求
期間 中長期(6〜12ヶ月) 短期(数週間〜数ヶ月)
効果測定 SEO、リード獲得、信頼指標 クリック数、コンバージョン率

広告は短期的な成果を狙うのに対し、コンテンツマーケティングは中長期的な視点で信頼を構築する点が特徴です。

(3) 主なコンテンツ形式(オウンドメディア・SNS・動画・ホワイトペーパー)

B2B企業が活用できる主なコンテンツ形式には以下のものがあります。

認知段階:

  • ブログ記事(オウンドメディア): SEO効果が高く、検索エンジンからの流入を獲得
  • SNS投稿(LinkedIn、Twitter/X): 専門知識のシェア、業界ニュースの解説
  • 動画(YouTube、ショート動画): 視覚的に理解しやすい、拡散性が高い

検討段階:

  • 導入事例: 実績ある企業の課題解決プロセスを紹介
  • ホワイトペーパー: 詳細な調査レポート、業界トレンド分析
  • ウェビナー: 専門家による解説、Q&Aセッション

購入段階:

  • 料金表・プラン比較: 具体的なコスト情報
  • FAQ: よくある質問への回答

顧客の購買プロセスに応じて、適切なコンテンツ形式を選ぶことが重要です。

3. 戦略立案から実行までの7ステップ

(1) ステップ1:目的の明確化とKGI設定

コンテンツマーケティングを始める前に、まず目的を明確化します。目的が曖昧なまま始めると、どのようなコンテンツを作るべきか判断できず、成果も測定できません。

主な目的(KGI):

  • 売上高の増加(具体的な数値目標)
  • リード獲得数の増加(月間〇〇件)
  • ブランド認知の向上(サイト訪問数、SNSフォロワー数)
  • 既存顧客のエンゲージメント向上(メルマガ開封率、リピート率)

目的に応じて、どのようなコンテンツが必要かが決まります。例えば、リード獲得が目的であれば、ホワイトペーパーやウェビナーなどのリード獲得施策が有効です。

(2) ステップ2:ペルソナ設定とターゲット理解

ペルソナは、商品やサービスを購入する理想的な顧客像を架空のキャラクターとして設定したものです。ペルソナを設定することで、どのようなコンテンツを提供すべきかが明確になります。

ペルソナ設定の項目:

  • 役職・担当業務: マーケティング担当者、営業マネージャー、経営者など
  • 企業規模: 従業員数、年商
  • 課題・悩み: 「リード獲得が難しい」「営業効率が悪い」など
  • 情報収集方法: 検索エンジン、SNS、業界メディアなど
  • 購買動機: コスト削減、業務効率化、売上向上など

ペルソナ設定では、ユーザーの悩みや関心を理解し、どのようなコンテンツを伝えるべきか明確化することが重要です。

(3) ステップ3:カスタマージャーニーマップの作成

カスタマージャーニーは、顧客が商品やサービスを認知してから購入・利用に至るまでのプロセスを可視化したものです。各段階で顧客が抱える疑問や課題を整理し、それに応じたコンテンツを計画します。

カスタマージャーニーの段階:

段階 顧客の状態 提供すべきコンテンツ
認知 課題に気づき、情報を探している ブログ記事、SNS投稿、動画
検討 解決策を比較・検討している 導入事例、ホワイトペーパー、ウェビナー
購入 具体的な商品・サービスを選定 料金表、FAQ、無料トライアル

カスタマージャーニーを作成することで、どのタイミングでどのようなコンテンツが必要かが明確になります。

(4) ステップ4:コンテンツ戦略と手法の決定

ペルソナとカスタマージャーニーをもとに、具体的なコンテンツ戦略を決定します。

戦略決定のポイント:

  • チャネルの選定: オウンドメディア、SNS、メールマガジン、ウェビナーなど
  • コンテンツ形式: ブログ記事、動画、ホワイトペーパー、導入事例など
  • 配信頻度: 週1回、月2回など(継続可能な範囲で設定)
  • テーマ・トピック: ペルソナの課題に応じたテーマリスト

リソースの少ない中小企業では、まずブログ記事やSNS投稿など小規模なコンテンツから始め、徐々に拡大していくのが現実的です。

(5) ステップ5:KPI設定と測定指標の決定

KPI(重要業績評価指標)は、KGI(最終目標)達成のための中間指標です。KPI設定は目的(KGI)を考慮し、購入段階や購買動機に基づいて設定します。

主なKPI:

  • Webサイト訪問数(検索エンジンからの流入)
  • 滞在時間・ページビュー数(コンテンツの質を測定)
  • コンバージョン率(資料ダウンロード、問い合わせ)
  • リード獲得数(月間〇〇件)
  • SNSエンゲージメント(シェア数、コメント数)

コンテンツマーケティングは短期間で成果が出ないため、最終目標に加えて定期的な中間目標を設定し、方向性を調整することが重要です。

(6) ステップ6:プロジェクト体制の構築

プロジェクト体制を整えることが、継続的な運用の鍵です。体制を整えないまま始めると、継続的な運用が困難になります。

必要な役割:

  • プロジェクトマネージャー: 全体統括、スケジュール管理
  • コンテンツ企画: テーマ選定、ペルソナ分析
  • ライター: 記事執筆(社内または外部委託)
  • デザイナー: 画像作成、動画編集(必要に応じて)
  • 分析担当: 効果測定、レポート作成

中小企業では、外部のライターやツールを活用することで、少人数でも実践可能です。

(7) ステップ7:コンテンツ制作と配信

戦略に基づいてコンテンツを制作し、配信します。

制作のポイント:

  • ペルソナとカスタマージャーニーに基づく: 読者の課題に応える内容
  • 具体的で実用的: 抽象論ではなく、具体的なステップ・数値・事例
  • 根拠の明示: 公的機関や調査会社のデータを引用
  • 読みやすさ: 見出し構造、箇条書き、図表の活用

コンテンツは一度作って終わりではなく、継続的に改善していく必要があります。

4. 成功のためのポイントと2024年のトレンド

(1) よくある失敗パターンと回避法

コンテンツマーケティングでよくある失敗パターンと、その回避法をご紹介します。

失敗パターン1:目的が不明確

  • 回避法: KGI・KPIを明確に設定し、定期的に効果測定

失敗パターン2:ペルソナ設定が甘い

  • 回避法: 顧客インタビューや営業担当からのヒアリングでリアルなペルソナを作成

失敗パターン3:継続できない

  • 回避法: プロジェクト体制を整え、無理のない配信頻度を設定

失敗パターン4:効果測定をしない

  • 回避法: GoogleアナリティクスなどのツールでKPIを定期的にチェック

戦略が間違っていたり目標指標が適切でない場合、時間をかけてコンテンツを量産しても最終的に成果を得られないリスクがあります。

(2) 中長期的な視点で取り組む重要性

コンテンツマーケティングは即効性がなく、中長期的な視点で取り組む必要があります。検索エンジンの評価や信頼関係の構築には時間がかかるため、6〜12ヶ月の期間を見込んで計画を立てましょう。

中長期で取り組むべき理由:

  • 検索エンジンがコンテンツを評価するまで数ヶ月かかる
  • 読者との信頼関係構築には複数回の接触が必要
  • コンテンツの蓄積により、サイト全体の評価が向上する

定期的な中間目標を設定し、方向性を調整しながら継続することが成功の鍵です。

(3) 2024年のトレンド(パーソナライゼーション・AI活用・SNS動画)

2024年のコンテンツマーケティングトレンドには以下のものがあります。

トレンド1:パーソナライゼーション

  • 個々の顧客に合わせてコンテンツや体験をカスタマイズ
  • MA(マーケティングオートメーション)ツールでの自動化が進む

トレンド2:AIとデータ活用

  • AIツールによるコンテンツ生成支援
  • データ分析に基づく最適化

トレンド3:SNS向けショート動画

  • 多くのマーケターがSNS向けショート動画が最も成功するフォーマットと予測しています
  • YouTube Shorts、Instagram Reels、TikTokなどのプラットフォーム活用

ただし、長期的な視点に立った信頼関係構築とSEO効果という基本的な目的は変わりません。トレンドは変化する可能性があるため、最新情報の確認をお勧めします。

(4) リソースの少ない中小企業での実践方法

中小企業でもコンテンツマーケティングは実践可能です。以下のアプローチが有効です。

実践方法:

  • 小規模スタート: まずはブログ記事1本/週など、継続可能な範囲で開始
  • 外部リソース活用: フリーランスライター、クラウドソーシングを活用
  • ツール活用: Canva(デザイン)、Notion(コンテンツ管理)など無料・低価格ツール
  • 社内の専門知識を活かす: 営業担当や技術担当の知見を記事化

プロジェクト体制を整え、継続できる範囲でスタートすることが重要です。

5. 効果測定と継続的な改善(PDCAサイクル)

(1) 効果測定の主要指標(訪問数・滞在時間・コンバージョン率)

コンテンツマーケティングの効果を測定する主要指標は以下の通りです。

主要指標:

  • Webサイト訪問数: 検索エンジンからの流入を測定
  • 滞在時間: コンテンツが読まれているかを測定
  • コンバージョン率: 資料ダウンロード、問い合わせなどの行動を測定
  • リード獲得数: 実際のリード数を測定
  • 検索順位: 主要キーワードでの順位を測定

GoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどのツールで定期的に測定します。

(2) 中間目標の設定と方向性の調整

コンテンツマーケティングは6〜12ヶ月の中長期施策のため、定期的な中間目標を設定し、方向性を調整することが重要です。

中間目標の例:

  • 3ヶ月後: 記事20本公開、月間訪問数1,000件
  • 6ヶ月後: 記事40本公開、月間訪問数5,000件、リード獲得5件
  • 12ヶ月後: 記事80本公開、月間訪問数10,000件、リード獲得20件

中間目標と実績を比較し、必要に応じて戦略を調整します。

(3) PDCAサイクルの実施方法

PDCAサイクル(Plan→Do→Check→Action)を回すことで、継続的に改善していきます。

PDCAの流れ:

  1. Plan(計画): KGI・KPI設定、コンテンツ計画
  2. Do(実行): コンテンツ制作・配信
  3. Check(評価): 効果測定、KPIチェック
  4. Action(改善): 戦略調整、コンテンツ改善

定期的(月次または四半期ごと)にPDCAを回すことで、成果を最大化できます。

(4) 効果が出るまでの期間と継続のコツ

コンテンツマーケティングの効果が出るまでには6〜12ヶ月かかるのが一般的です。継続するためのコツをご紹介します。

継続のコツ:

  • 無理のない配信頻度: 週1回、月2回など継続可能な範囲で設定
  • チーム体制の整備: プロジェクトマネージャーを置き、役割分担を明確化
  • 小さな成果を祝う: 中間目標達成をチームで共有し、モチベーション維持
  • 外部リソース活用: 社内だけで完結しようとせず、外部ライターやツールを活用

長期的な視点に立ち、腰を据えて取り組むことが成功の鍵です。

6. まとめ:実践のための次のステップ

コンテンツマーケティングは、正しい手順で進めれば中小企業でも実践可能な手法です。目的の明確化、ペルソナ設定、カスタマージャーニー作成を丁寧に行い、継続的にPDCAサイクルを回すことが成功の鍵となります。

即効性はありませんが、6〜12ヶ月の中長期的な視点で取り組むことで、検索エンジンからの自然流入増加、見込み顧客との信頼関係構築、営業活動の効率化といった成果が期待できます。

次のアクション:

  • 自社の目的(KGI)を明確化する
  • ペルソナを1〜2個作成する
  • カスタマージャーニーマップを簡単に作成する
  • 継続可能な配信頻度でコンテンツ計画を立てる
  • プロジェクト体制を整え、担当者を決める

まずは小規模にスタートし、PDCAを回しながら徐々に拡大していきましょう。2024年のトレンドも取り入れつつ、長期的な視点で信頼関係を構築することが、コンテンツマーケティング成功の道です。

よくある質問

Q1コンテンツマーケティングの効果が出るまでどれくらいかかりますか?

A1即効性はなく、6〜12ヶ月の中長期施策として取り組む必要があります。検索エンジンの評価や信頼関係の構築には時間がかかるため、最終目標に加えて定期的な中間目標(3ヶ月後、6ヶ月後など)を設定し、方向性を調整しながら継続することが重要です。

Q2KPIはどのように設定すればよいですか?

A2KGI(最終目標:売上高・利益率など)を考慮し、KPI(中間指標:Webサイト訪問数・滞在時間・コンバージョン率・問い合わせ数など)を設定します。購入段階や購買動機に基づいて、フェーズごとに重要な指標を選択し、Googleアナリティクスなどのツールで定期的に測定・改善していきます。

Q3少人数の中小企業でも実践できますか?

A3実践可能です。プロジェクト体制を整え、継続できる範囲でスタートすることが重要です。外部のフリーランスライターやクラウドソーシング、無料・低価格ツール(Canva、Notionなど)を活用し、まずはブログ記事やSNS投稿など小規模なコンテンツから始め、PDCAを回しながら徐々に拡大していく方法が有効です。

Q4どのようなコンテンツを作成すればよいですか?

A4ペルソナ設定とカスタマージャーニーマップに基づいて決定します。認知段階ではブログ記事・SNS投稿・動画、検討段階では導入事例・ホワイトペーパー・ウェビナー、購入段階では料金表・FAQなど、顧客の購買プロセスに応じたコンテンツを提供することが重要です。

Q52024年のコンテンツマーケティングのトレンドは何ですか?

A5パーソナライゼーション(個別最適化)、AIとデータ活用、オウンドメディアの強化、SNS向けショート動画が主なトレンドです。多くのマーケターがSNS向けショート動画が最も成功するフォーマットと予測していますが、長期的な視点に立った信頼関係構築とSEO効果という基本的な目的は変わりません。トレンドは変化する可能性があるため、最新情報の確認をお勧めします。

B

B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。