記事LPとは何か
Web広告を運用していると、「広告感が強すぎて離脱される」「顕在層には刺さるけど、潜在層にアプローチできない」といった課題に直面することがあります。こうした課題を解決する手段として、近年注目を集めているのが**記事LP(記事型ランディングページ)**です。
この記事では、記事LPの定義や通常LPとの違い、メリット・デメリット、効果的な作成方法と活用シーンを詳しく解説します。
この記事のポイント:
- 記事LPは読み物型のランディングページで、潜在層へのアプローチに効果的
- 通常LPとはターゲット層・流入元・構成が大きく異なる
- ネイティブ広告からの流入を前提とし、広告感を抑えた構成が特徴
- 制作期間は2-4週間、コストは10-50万円が相場(AI活用で最短1日も可能)
- 月間広告予算10万円以上の企業で効果が見込める
(1) 記事LPの定義
記事LPとは、Webメディアやブログ記事と同様の形式で構成された、読み物型のランディングページを指します。
主な特徴:
- 文章主体の構成: 画像より文章が中心で、情報提供型のコンテンツ
- 広告感の抑制: Webメディアの記事と見分けがつきにくいデザイン
- 段階的な訴求: いきなり商品を売り込まず、まず読者の悩みや疑問に寄り添う
- 通常LPへの橋渡し: 記事LPで興味を醸成し、通常LPで商品を訴求する導線
通常のLPが「今すぐ購入」を促すのに対し、記事LPは「まず知ってもらう」「興味を持ってもらう」ことを目的としています。
(2) 記事LPが注目される背景
記事LPが注目される背景には、広告に対するユーザーの反応の変化があります。
2024年現在のWeb広告環境:
- 広告ブロックの普及: スマートフォンユーザーの約30%が広告ブロックアプリを使用(モバイル広告環境調査より)
- バナー広告への慣れ: 一般的な広告は無意識に避けられる傾向(バナーブラインドネス)
- 潜在層へのアプローチ難: リスティング広告は顕在層向けで、潜在層には届きにくい
こうした環境の中で、広告感を抑えつつ、潜在層に自然にアプローチできる記事LPの需要が高まっています。
記事LPと通常LPの違い
記事LPと通常LPの違いを、ターゲット層・流入元・構成の3つの観点から整理します。
(1) ターゲット層の違い(潜在層 vs 顕在層)
記事LP:
- 潜在層: 課題やニーズがまだ明確でない層
- 「なんとなく困っている」「情報を探している」段階のユーザー
- 例: 「マーケティングの効率化に興味はあるけど、具体的な解決策は探していない」
通常LP:
- 顕在層: 課題が明確で、具体的な解決策を探している層
- すでに比較検討段階にあるユーザー
- 例: 「MAツールを導入したい。どのツールがいいか比較したい」
(2) 流入元の違い(ネイティブ広告 vs リスティング広告)
記事LP:
- ネイティブ広告: SmartNews、Gunosy、Yahooニュース等のメディア枠に配信
- メディアの記事と同じ形式で表示されるため、広告感が薄い
- 「ニュースを読む延長」で自然に流入
通常LP:
- リスティング広告: Google検索結果、SNS広告(Instagram、Facebook等)
- 明確な検索意図を持つユーザーが流入
- 「具体的な商品名・サービス名」で検索してきたユーザー
(3) 構成・デザインの違い(文章主体 vs 画像主体)
記事LP:
- 文章主体: テキストが8割、画像は補足的に使用
- 情報提供型: まず読者の悩みを解決する情報を提供
- スクロール推奨: 段階的に読み進める構成
- 通常LPへの誘導: 記事の途中や最後に通常LPへのリンクを設置
通常LP:
- 画像・動画主体: ビジュアルで商品の魅力を訴求
- 商品訴求型: 最初から商品・サービスを前面に出す
- ファーストビュー重視: スクロールせずに主要メッセージを伝える
- CV導線: 資料請求・購入ボタンを複数配置
記事LPのメリット・デメリット
(1) 記事LPのメリット
メリット1: 潜在層にアプローチできる
通常のリスティング広告では届かない「まだ商品を探していない層」に情報を届けられます。例えば、「業務効率化に興味はあるが、具体的な手段は探していない」ユーザーに対し、記事LPで「業務効率化の方法」を提供し、自然に商品へ誘導できます。
メリット2: 広告感が薄く、離脱率が低い
ネイティブ広告からの流入では、Webメディアの記事と見分けがつきにくいため、「広告だから閉じよう」という反応が起きにくく、離脱率が通常LPより10-20%低いとされています。
メリット3: 段階的に購買意欲を醸成できる
購買ファネル(認知→興味関心→比較検討→購入)に沿った構成で、ユーザーの関心を徐々に高めることができます。いきなり商品を売り込まず、まず読者の悩みに共感し、解決策を提示し、その延長線上に商品を位置づける流れが自然です。
メリット4: 情報提供としての価値がある
記事LPは「読み物」としての価値があるため、ユーザーにとって有益なコンテンツとして受け入れられやすく、ブランドイメージの向上にもつながります。
(2) 記事LPのデメリット・注意点
デメリット1: 顕在層には向かない
「今すぐ購入したい」「具体的な商品を比較したい」という顕在層には、情報が冗長に感じられ、離脱される可能性があります。顕在層向けには通常LPの方が効果的です。
デメリット2: 制作コスト・期間がかかる
通常LPよりライティング量が多く、構成設計にも時間がかかります。一般的な制作期間は2-4週間、コストは10-50万円が相場です。ただし、AI活用ツール(「記事LP 24」等)を使えば最短1日での制作も可能になっています。
デメリット3: 効果測定が難しい
潜在層向けのため、即座のCV(コンバージョン)率は低くなりがちです。記事LPの効果は「通常LPへの遷移率」「中長期的なCV率」で測定する必要があり、短期的な成果を求める企業には向きません。
デメリット4: 広告感が強いと逆効果
記事LPの利点は「広告感の薄さ」にあるため、過度に商品を押し出す表現や、明らかな広告デザインにすると、かえって離脱率が上がります。
記事LPの作成ステップ
(1) ターゲット・目的の設定
記事LP制作の第一歩は、ターゲット層と目的を明確にすることです。
設定すべき項目:
- ターゲット層: 潜在層(課題が明確でない層)を想定
- ユーザーの悩み: どんな課題や疑問を持っているか
- 記事LPの目的: 「認知獲得」「興味醸成」「通常LPへの誘導」等
- 流入元: ネイティブ広告(SmartNews、Gunosy等)を想定
例: B2B企業向けMA(マーケティングオートメーション)ツールの記事LPの場合
- ターゲット: 「マーケティング効率化に興味はあるが、MAツールは知らない」中小企業のマーケティング担当者
- 目的: MAツールの存在を知ってもらい、通常LPで具体的な商品を訴求
(2) 構成設計(購買ファネルに沿った設計)
記事LPは、購買ファネルに沿った構成が基本です。
推奨構成:
- 導入(認知): 読者の悩み・課題に共感する
- 課題の深掘り(興味関心): 「なぜその課題が起きるのか」を解説
- 解決策の提示(比較検討): 一般的な解決策を複数提示(商品はまだ出さない)
- 商品の紹介(購入検討): 解決策の1つとして自社商品を自然に紹介
- 通常LPへの誘導: 詳細は通常LPで確認してもらう
注意点:
- いきなり商品を出さない(最低でも構成の後半まで待つ)
- 複数の解決策を公平に紹介し、その中の1つとして自社商品を位置づける
(3) ライティング・デザイン
ライティングのポイント:
- です・ます調: 親しみやすく、読みやすい文体
- 具体的な数値・事例: 抽象的な表現は避け、具体性を持たせる
- 根拠の明示: データや統計を引用する際は出典を明記
- 読者目線: 専門用語は最小限に、初心者でも理解できる説明
デザインのポイント:
- Webメディア風: ブログ記事のようなシンプルなデザイン
- 画像は補足的に: テキストが主役、画像は理解を助ける程度
- スマホ最適化: ネイティブ広告からの流入はスマホが7-8割
制作期間・コストの目安:
- 通常制作: 2-4週間、10-50万円
- AI活用ツール: 最短1日、5-15万円(ただし品質とのバランスを考慮)
記事LPの効果的な活用方法
(1) 記事LPが効果を発揮するシーン・条件
記事LPは万能ではなく、以下のシーン・条件で効果を発揮します。
効果的なシーン:
- 潜在層へのアプローチ: まだ商品を探していない層に認知を広げたい
- 高単価商品: 即決できない高単価商品(B2B SaaS、不動産等)
- 複雑な商品: 説明が必要な商品・サービス
- ブランド認知拡大: まず企業・ブランドを知ってもらいたい
効果が出にくいシーン:
- 顕在層向け: すでに購入意欲が高いユーザー
- 低単価・即決商品: Amazonで買えるような日用品
- 広告予算が少ない: 月間10万円以下の予算では効果測定が難しい
(2) 効果測定の指標と方法
記事LPの効果は、通常LPとは異なる指標で測定します。
主要指標:
- 滞在時間: 2分以上なら「読まれている」と判断できる
- 離脱率: 60%以下が目安(通常LPは70-80%)
- 通常LPへの遷移率: 10-20%が一般的
- 中長期的なCV率: 記事LP経由のユーザーが、後日CVする割合を追跡
測定方法:
- Google AnalyticsでURLパラメータを設定し、記事LP経由のユーザー行動を追跡
- 通常LPへの遷移率を重視(即座のCVは期待しない)
(3) 成功事例と失敗事例
成功事例:
- B2B SaaS企業: ネイティブ広告で記事LPを配信し、潜在層の認知獲得に成功。記事LP経由のユーザーは、リスティング広告経由より長期的なLTV(顧客生涯価値)が高い傾向
- 不動産会社: 「住宅ローンの選び方」という記事LPで潜在層を集め、通常LPで具体的な物件を訴求。このような取り組みにより、CV率が改善する事例があります(一般的に10-15%程度の改善が見込まれるケースもあります)
失敗事例:
- 過度な商品訴求: 記事の前半から商品を強く押し出し、離脱率が上昇
- ターゲット層の誤り: 顕在層向けのリスティング広告で記事LPを配信し、「情報が冗長」と敬遠された
- 効果測定の誤り: 即座のCV率のみで判断し、「効果がない」と誤認
まとめ:記事LPを活用すべき企業・シーン
記事LPは、潜在層へのアプローチに効果的な手法です。通常LPとはターゲット層・流入元・構成が大きく異なるため、使い分けが重要です。
記事LPを活用すべき企業:
- 高単価・複雑な商品を扱うB2B企業
- 潜在層への認知拡大を目指す企業
- 月間広告予算10万円以上を確保できる企業
次のアクション:
- 自社の商品が記事LPに適しているか(高単価・複雑・潜在層向け)を確認する
- ターゲット層の悩み・課題を明確にする
- 記事LPと通常LPの役割分担を設計する(段階的なアプローチ)
- 制作方法を検討する(通常制作 vs AI活用ツール)
- 効果測定の指標を設定する(滞在時間・遷移率・中長期CV率)
記事LPは、広告感を抑えつつ潜在層に自然にアプローチできる有力な手法です。通常LPと組み合わせた段階的なマーケティング施策で、認知拡大と購買促進を両立させましょう。
※この記事は2024年12月時点の情報です。制作ツールや手法は急速に進化中のため、最新情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。
