Salesforce Authenticatorの使い方|二要素認証の設定手順とセキュリティ強化のポイント

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/7

Salesforce Authenticatorの設定方法がよくわからない...

2024年4月からSalesforceの本番組織で多要素認証(MFA)が自動有効化され、Salesforce Authenticatorの設定が必須になりました。しかし、「初期設定の手順がわからない」「機種変更時にどうすればいいか不安」という声も多く聞かれます。

この記事では、Salesforce Authenticatorのインストールから初期設定、日常のログイン方法、トラブルシューティングまで、管理者・ユーザー双方の視点で解説します。組織全体へのスムーズな展開にお役立てください。

この記事のポイント:

  • 2024年4月からSalesforceはMFAを自動有効化、Authenticator設定が事実上必須に
  • 初期設定は「アプリインストール → 権限設定 → 2語の語句入力 → バックアップ作成」の4ステップ
  • 日常ログインはワンタップ承認で完了、位置情報による自動検証も可能
  • 機種変更・紛失に備えてバックアップ(メールアドレス登録)が重要
  • トラブル時は管理者が一時検証コードを生成して対応できる

Salesforce Authenticatorとは|二要素認証の基礎知識

Salesforce Authenticatorは、Salesforce公式が提供するモバイル認証アプリです。スマートフォンやタブレットを認証デバイスとして利用し、パスワードだけでなく「持っているもの(スマートフォン)」を組み合わせてセキュリティを強化します。

2024年4月からMFAが自動有効化された背景

Salesforceは2024年4月から本番組織で多要素認証(MFA)を自動有効化しました。これは、パスワード漏洩やフィッシング攻撃からユーザーを保護するための措置です。

MFA自動有効化の概要:

  • 2024年4月以降、ユーザーがSalesforceに直接ログインする場合はMFAが必須
  • 対象はすべての本番組織
  • Salesforce Authenticatorまたは他の認証方法の設定が必要

この変更により、Salesforce Authenticatorの使い方を理解することが、すべてのSalesforceユーザーにとって必須になっています。

Salesforce Authenticatorの特徴と仕組み

Salesforce Authenticatorは、一般的な認証アプリとは異なるいくつかの特徴を持っています。

主な特徴:

  • ワンタップ承認:通知をタップするだけでログイン完了
  • 位置情報による自動検証:信頼できる場所(オフィス、自宅など)を登録しておくと、自動でログイン承認
  • プッシュ通知:ログイン試行があると即座に通知
  • バックアップ機能:機種変更や紛失に備えてアカウント情報を保存

他の認証アプリとの比較(Google Authenticator、Microsoft Authenticator等)

Salesforce Authenticator以外にも、いくつかの認証方法が利用可能です。

利用可能な認証方法:

認証方法 特徴
Salesforce Authenticator Salesforce公式、ワンタップ承認・位置情報自動検証対応
Google Authenticator 多くのサービスで利用可能、6桁コード入力方式
Microsoft Authenticator Microsoft製品との親和性、6桁コード入力方式
Authy 複数デバイス同期可能、6桁コード入力方式
組み込みAuthenticator Windows Hello、Touch ID、Face ID等の生体認証

選び方のポイント:

  • Salesforce専用で使う場合はSalesforce Authenticatorが便利(ワンタップ承認)
  • 複数サービスで認証アプリを統一したい場合はGoogle AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorも選択肢
  • 生体認証を活用したい場合は組み込みAuthenticatorを検討

Salesforce Authenticatorの初期設定手順

Salesforce Authenticatorの初期設定は、以下の4ステップで進めます。

ステップ1:アプリのインストール(iOS/Android)

まずスマートフォンにSalesforce Authenticatorアプリをインストールします。

インストール手順:

  1. App Store(iOS)またはGoogle Play Store(Android)を開く
  2. 「Salesforce Authenticator」で検索
  3. Salesforce公式のアプリをインストール
  4. アプリを起動し、初期画面を確認

ステップ2:権限セットの設定「ユーザインターフェースログインの多要素認証」

管理者は、ユーザーがMFAを利用できるよう権限セットを設定します。

管理者の設定手順:

  1. Salesforce設定画面から「権限セット」を開く
  2. 新規権限セットを作成、または既存の権限セットを編集
  3. 「ユーザインターフェースログインの多要素認証」をONにする
  4. 対象ユーザーに権限セットを割り当て

ステップ3:アカウント接続(2語の語句入力)

アプリとSalesforceアカウントを接続します。

接続手順:

  1. PCブラウザでSalesforceにログイン
  2. 「Salesforce Authenticatorモバイルアプリケーションを使用」を選択
  3. スマートフォンのSalesforce Authenticatorアプリを開く
  4. アプリに表示される2語の語句(例:「summer ocean」)をPCブラウザに入力
  5. 接続完了のメッセージを確認

ステップ4:バックアップの作成(メールアドレス登録)

機種変更やスマートフォン紛失に備えて、バックアップを作成しておくことが強く推奨されます。

バックアップ作成手順:

  1. Salesforce Authenticatorアプリを開く
  2. 設定またはバックアップメニューを選択
  3. メールアドレスを登録(バージョン4.0未満の場合は携帯番号)
  4. 確認メールを受信し、認証を完了

重要: バックアップを作成せずにスマートフォンを紛失・破損すると、ログインできなくなるリスクがあります。初期設定時に必ずバックアップを作成してください。

日常のログイン方法と便利機能

初期設定が完了すれば、日常のログインは非常に簡単になります。

ワンタップ承認でのログイン手順

Salesforce Authenticatorを使ったログインは、ほぼワンタップで完了します。

日常のログイン手順:

  1. PCブラウザでSalesforceのログイン画面にアクセス
  2. ID・パスワードを入力してログインボタンをクリック
  3. スマートフォンにプッシュ通知が届く
  4. Salesforce Authenticatorアプリで「承認」をタップ
  5. PCブラウザでSalesforceにログイン完了

従来の6桁コード入力方式と比較して、操作が簡略化されています。

位置情報による自動検証機能

Salesforce Authenticatorには、位置情報を利用した自動検証機能があります。

自動検証の仕組み:

  • 信頼できる場所(オフィス、自宅など)を登録
  • 登録した場所からログインする場合、自動で承認される
  • スマートフォンで承認操作をする必要がなくなる

注意点:

  • 位置情報の利用はオプション(必須ではない)
  • セキュリティポリシーにより無効化されている組織もある
  • 公共の場所を信頼できる場所として登録することは推奨されない

複数アカウントの管理方法

本番環境とSandbox環境など、複数のSalesforce組織にアクセスする場合も、1つのSalesforce Authenticatorアプリで管理できます。

複数アカウントの管理:

  • 各組織ごとにアカウント接続を追加
  • ログイン時は該当するアカウントの通知を承認
  • アプリ内でアカウント一覧を確認可能

組織全体への展開と管理者の設定ポイント

Salesforce管理者は、組織全体にSalesforce Authenticatorをスムーズに展開する役割を担います。

ユーザーへの展開手順

展開のステップ:

  1. 社内向けに設定手順マニュアルを作成
  2. 権限セットを対象ユーザーに割り当て
  3. 段階的に展開(まずIT部門、次に営業部門など)
  4. ヘルプデスク体制を整備(問い合わせ対応)
  5. 設定完了状況をモニタリング

一時検証コードの生成権限付与

管理者は、ユーザーがログインできなくなった場合に備えて、一時検証コードを生成できます。

一時検証コードの概要:

  • 有効期限:1〜24時間(管理者が設定可能)
  • 用途:スマートフォン紛失時やアプリ不具合時の緊急ログイン
  • 生成方法:設定 > ユーザー > 対象ユーザー > 一時検証コードを生成

非管理者ユーザーへの権限付与による緊急対応準備

管理者不在時に備えて、特定のユーザーにも一時検証コード生成権限を付与しておくことが推奨されます。

権限付与のメリット:

  • 管理者不在時でもログイン問題に対応可能
  • ヘルプデスク担当者が即座に対応できる
  • 業務停止時間を最小化

トラブルシューティング|よくある問題と対処法

Salesforce Authenticator利用時によく発生する問題と、その対処法を紹介します。

スマートフォン紛失時の対応

スマートフォンを紛失した場合、以下の手順でログインできます。

対処手順:

  1. システム管理者(またはヘルプデスク)に連絡
  2. 管理者が一時検証コードを生成(有効期限1〜24時間)
  3. 一時検証コードでSalesforceにログイン
  4. 新しいスマートフォンでSalesforce Authenticatorを再設定

予防策:

  • 事前にバックアップ(メールアドレス登録)を作成しておく
  • 一時検証コード生成権限を持つユーザーを複数確保しておく

機種変更時のアカウント移行

機種変更時は、事前にバックアップを作成しておけばスムーズに移行できます。

移行手順:

  1. 旧端末でバックアップが作成されていることを確認
  2. 新端末にSalesforce Authenticatorアプリをインストール
  3. アプリ起動時に「バックアップから復元」を選択
  4. 登録済みのメールアドレスで認証
  5. アカウント情報が新端末に復元される

バックアップがない場合:

  • 管理者に一時検証コードを生成してもらい、新端末で再設定が必要

アカウント接続が削除された場合の復旧

アプリの不具合や誤操作でアカウント接続が削除されると、「Salesforce Authenticatorアプリケーション内でSalesforceアカウントを見つけることができません」というエラーが表示されます。

対処手順:

  1. システム管理者に連絡
  2. 管理者が一時検証コードを生成
  3. 一時検証コードでログイン
  4. 「設定」からSalesforce Authenticatorを再接続

まとめ:セキュリティ強化のためのベストプラクティス

Salesforce Authenticatorは、2024年4月のMFA自動有効化により、すべてのSalesforceユーザーにとって必須のツールになりました。正しく設定・運用することで、セキュリティを強化しつつ、日常のログインを簡略化できます。

ベストプラクティス:

  • 初期設定時に必ずバックアップ(メールアドレス登録)を作成
  • 位置情報による自動検証は、セキュリティポリシーを確認して利用
  • 管理者は一時検証コード生成権限を複数ユーザーに付与
  • 組織全体への展開は段階的に進め、ヘルプデスク体制を整備
  • アプリのバージョンを最新に保つ

次のアクション:

  • Salesforce公式ヘルプで最新の設定手順を確認
  • 社内向け設定マニュアルを作成
  • バックアップ作成の徹底を全ユーザーに周知
  • トラブル発生時の連絡体制を整備

※この記事は2024年時点の情報です。Salesforce Authenticatorのバージョンやポリシーは変更される可能性があるため、最新情報は公式ヘルプでご確認ください。

よくある質問

Q1Salesforce Authenticator以外の認証アプリも使えますか?

A1はい、利用可能です。Google Authenticator、Microsoft Authenticator、Authy等のRFC-6238準拠アプリが使えます。また、Windows Hello、Touch ID、Face ID等の組み込みAuthenticator(生体認証)も対応しています。複数サービスで認証アプリを統一したい場合はこれらも検討できます。

Q2スマートフォンを紛失した場合どうすればログインできますか?

A2システム管理者に連絡し、一時検証コード(有効期限1〜24時間)を生成してもらいます。そのコードでログインした後、新しいスマートフォンでSalesforce Authenticatorを再設定してください。事前にバックアップ(メールアドレス登録)を作成しておくと、復旧がスムーズです。

Q3機種変更時にSalesforce Authenticatorをどう移行しますか?

A3事前にバックアップ(メールアドレス登録)を作成しておけば、新端末でアプリをインストール後、「バックアップから復元」を選択して移行できます。バックアップがない場合は、管理者に一時検証コードを生成してもらい、新端末で再設定が必要です。

Q42024年4月からMFAが自動有効化されたとはどういうことですか?

A4Salesforceは2024年4月から本番組織で多要素認証(MFA)を自動有効化しました。ユーザーがSalesforceに直接ログインする場合、パスワードに加えてSalesforce Authenticator等による認証が必須になっています。セキュリティ強化のための措置です。

Q5Salesforce Authenticatorのバージョンで設定方法は異なりますか?

A5バージョン4.4.0以降と4.4.0未満で設定手順が若干異なる場合があります。特にバックアップの作成方法(メールアドレス登録か携帯番号登録か)に違いがあります。最新の手順はSalesforce公式ヘルプで確認することが推奨されます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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