ネイティブ広告とは?種類・メリット・成功事例と運用のコツを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/21

バナー広告の効果が低下している...その理由は?

B2B企業のマーケティング担当者から「バナー広告を配信しているが、クリック率が低く、効果を感じられない」という声をよく聞きます。ユーザーがバナー広告を意識的に避ける「バナーブラインドネス」現象により、従来のディスプレイ広告の効果が低下しています。

ネイティブ広告(ネイティブアド)とは、Webサイトやアプリのコンテンツに自然に溶け込むように設計された広告です。本記事では、B2B企業のマーケティング担当者・コンテンツマーケターの方に向けて、ネイティブ広告の種類、メリット・デメリット、成功事例と運用のコツを体系的に解説します。

この記事のポイント:

  • ネイティブ広告とは媒体のコンテンツに自然に溶け込む広告で、IABの6分類(インフィード型・ペイドサーチ型・レコメンドウィジェット型等)に整理される
  • バナー広告よりCTRが高く、ユーザー体験を損なわず潜在層へのアプローチに効果的
  • 2023年10月からステマ規制が強化され、「広告」「PR」等の表示が必須
  • 質の高いコンテンツ制作が重要で、媒体に合わせたデザインとトーンが成功の鍵
  • B2Bではホワイトペーパーやウェビナーへの誘導に活用し、リード獲得からナーチャリングにつなげる

1. ネイティブ広告が注目される背景

(1) バナー広告の効果低下とバナーブラインドネス

従来のバナー広告は、Webサイトの上部や側面に配置されるディスプレイ広告ですが、ユーザーが広告を意識的に避ける「バナーブラインドネス」現象により、クリック率(CTR)が低下しています。ユーザーは広告と分かるバナーを無視する傾向があり、広告効果が限定的になってきました。

バナーブラインドネスの影響:

  • CTRが低下し、広告のパフォーマンスが悪化
  • 広告費の増加に対して効果が見合わない
  • ユーザーエクスペリエンスを損なう恐れ

ネイティブ広告は、コンテンツに溶け込むデザインにより、バナーブラインドネスを回避し、ユーザーに違和感を与えにくいため、注目されています。

(2) コンテンツマーケティングの重要性の高まり

B2Bマーケティングでは、製品の一方的な宣伝ではなく、顧客の課題解決や情報提供を通じて関係性を構築するコンテンツマーケティングが重視されています。ネイティブ広告は、コンテンツとの親和性が高く、認知拡大や潜在層へのアプローチに適しています。

コンテンツマーケティングとの親和性:

  • 有益な情報を提供し、ユーザーの課題を解決
  • 記事広告やホワイトペーパーで専門性を示す
  • シェアや拡散により、オーガニックなリーチも期待

2. ネイティブ広告の定義と基本概念

(1) ネイティブ広告とは(コンテンツに自然に溶け込む広告)

ネイティブ広告とは、Webサイトやアプリのコンテンツに自然に溶け込むように設計された広告です。周囲のデザインやトーンに合わせることで、ユーザーに違和感を与えにくく、コンテンツの一部として受け入れられやすいのが特徴です。

ネイティブ広告の特徴:

  • 媒体のデザインやトーンに合わせた広告
  • ユーザー体験を損なわない
  • コンテンツとしての価値を提供

アメリカではデジタルディスプレイ広告費の約63%をネイティブ広告が占めており(IAB 2024レポート)、主流の広告手法となっています。

(2) 記事広告との違い

記事広告は、ネイティブ広告の一種(インフィード型の記事広告型)に分類されます。ネイティブ広告はより広い概念で、IABの6分類(後述)を含みます。

記事広告とネイティブ広告の違い:

  • 記事広告: 媒体のライターが執筆する記事形式の広告。タイアップ記事とも呼ばれる
  • ネイティブ広告: インフィード型・ペイドサーチ型・レコメンドウィジェット型等を含む広い概念

(3) ステマ(ステルスマーケティング)との違いと規制対応

ステルスマーケティング(ステマ)とは、広告であることを隠した宣伝活動を指します。2023年10月から景品表示法により、ステマは違法となりました。ネイティブ広告は、「広告」「PR」「スポンサー」「プロモーション」等の表示を明記することで、ステマと区別されます。

ステマ規制への対応:

  • 必ず「広告」「PR」「スポンサー」等の表示を明記
  • SNS投稿型広告では「#PR」「#広告」のハッシュタグを使用
  • 記事広告では記事冒頭や目立つ位置に広告表示を明示
  • 媒体によっては自動で表示されるが、確認は必須

消費者庁のガイドラインに従い、広告であることを明確に表示することが重要です。

3. ネイティブ広告の6つの種類(IAB分類)

IAB(Interactive Advertising Bureau、アメリカのネット広告業界団体)は、ネイティブ広告を6つに分類しています。

(1) インフィード型(SNS投稿型・記事広告型・メディアコンテンツ型)

インフィード型は、コンテンツとコンテンツの間(タイムライン等)に配置される広告です。

インフィード型の種類:

  • SNS投稿型: Facebook・Instagram・XのタイムラインやストーリーズにD表示される広告
  • 記事広告型: 媒体のライターが執筆する記事形式の広告(タイアップ記事)
  • メディアコンテンツ型: ニュースサイトのコンテンツ一覧に表示される広告

インフィード型は、ユーザーが自然にスクロールする流れの中で表示されるため、高いCTRが期待できます。

(2) ペイドサーチ型(検索連動型広告)

ペイドサーチ型は、検索エンジンの検索結果に表示される広告で、リスティング広告とも呼ばれます。

ペイドサーチ型の特徴:

  • Google・Yahoo!等の検索結果に表示
  • 特定キーワードで検索したユーザーにリーチ
  • 顕在層(検討段階のユーザー)へのアプローチに効果的

検索結果のデザインに溶け込んでいるため、ネイティブ広告の一種とされます。

(3) レコメンドウィジェット型(おすすめ記事)

レコメンドウィジェット型は、ニュースサイト等の記事下に「おすすめ記事」「関連記事」として表示される広告です。

レコメンドウィジェット型の特徴:

  • 記事を読み終えたユーザーに次のコンテンツを提案
  • 興味関心に基づいてパーソナライズされる場合もある
  • 主要な配信プラットフォーム: Outbrain、Taboola等

ユーザーが記事を読んでいる流れで自然に表示されるため、クリック率が高い傾向があります。

(4) プロモートリスティング型(サイト内検索広告)

プロモートリスティング型は、特定サイト内の検索結果に表示される広告です。

プロモートリスティング型の例:

  • 食べログ: 「おすすめ」ラベルが付いた店舗
  • Amazon: 検索結果の上部に「スポンサー」表示がある商品
  • 楽天市場: 「PR」表示がある商品

ECサイトや予約サイトでよく見られる形式です。

(5) ネイティブ要素を含むインアド型

ネイティブ要素を含むインアド型は、バナー広告枠内にネイティブ広告の要素(記事風デザイン等)を含む広告です。

特徴:

  • バナー広告枠を使用しつつ、コンテンツ風のデザイン
  • 従来のバナー広告よりもクリック率が高い傾向

(6) カスタム型

上記5つに当てはまらない、独自の形式のネイティブ広告です。

カスタム型の例:

  • Spotifyのプレイリスト内広告
  • TikTokのチャレンジ型広告
  • メディア独自のネイティブ広告フォーマット

4. メリット・デメリットと効果測定

(1) 主なメリット(高いCTR・ユーザー体験を損なわない・シェア拡散)

ネイティブ広告の主なメリットは以下の通りです。

メリット:

  • 高いCTR: バナー広告よりクリック率が高い傾向
  • ユーザー体験を損なわない: コンテンツに溶け込み、違和感を与えない
  • 潜在層へのアプローチ: 製品を知らないユーザーにもリーチ可能
  • シェア拡散効果: 質の高いコンテンツはSNSでシェアされ、オーガニックリーチも期待

(2) 主なデメリット(制作コスト・即効性に欠ける・反感リスク)

ネイティブ広告のデメリットも理解しておく必要があります。

デメリット:

  • 制作コストが高い: 質の高いコンテンツ制作には時間と労力がかかる
  • 即効性に欠ける: 効果が現れるまでに時間がかかる場合がある
  • 反感リスク: 広告と気づかずクリックしたユーザーに反感を持たれる可能性
  • 広告表示の徹底が必要: ステマと誤解されないよう、明確な表示が必須

(3) 効果測定指標(CTR・ブランドリフト・エンゲージメント指標)

ネイティブ広告の効果測定では、以下の指標を追跡します。

主な効果測定指標:

  • CTR(クリック率): 広告が表示された回数のうち、クリックされた割合
  • ブランドリフト: 広告接触によるブランド認知・好意度の向上
  • エンゲージメント指標: 記事の読了時間、シェア数、コメント数など
  • コンバージョン率: ホワイトペーパーDL、ウェビナー申込み等の成果

ブランディング目的の場合は、ブランドリフトやエンゲージメント指標を重視します。リード獲得目的の場合は、CTRやコンバージョン率を重視します。

5. 効果的なクリエイティブ設計と運用のコツ

(1) 媒体に合わせたデザインとトーン

ネイティブ広告は、媒体のデザインやトーンに合わせることが成功の鍵です。

媒体別の最適化:

  • SNS(Facebook・Instagram): カジュアルなトーン、ビジュアル重視
  • ビジネスメディア(NewsPicks・ITmedia): 専門的なトーン、データ・事実重視
  • ニュースサイト: 中立的なトーン、客観的な情報提供

媒体の通常コンテンツと同じトーンで作成することで、ユーザーに違和感を与えず、高いエンゲージメントが期待できます。

(2) 質の高いコンテンツ制作のポイント

ネイティブ広告は、宣伝色を抑え、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することが重要です。

質の高いコンテンツのポイント:

  • ユーザーの課題を解決: 製品紹介ではなく、課題解決方法を提示
  • データ・事実に基づく: 調査データや事例を引用し、信頼性を高める
  • ストーリーテリング: 読みやすく、共感を得やすいストーリー形式
  • ビジュアルの活用: 画像・動画・インフォグラフィックで視覚的に訴求

(3) 広告表示の明示(ステマ規制対応)

2023年10月のステマ規制以降、広告表示の明示が一層重要になりました。

広告表示の方法:

  • 記事冒頭や目立つ位置に「広告」「PR」「スポンサー」等を明記
  • SNS投稿型では「#PR」「#広告」のハッシュタグを使用
  • 媒体が自動で表示する場合も、正しく表示されているか確認

消費者庁のガイドラインに従い、ユーザーが広告であることを明確に認識できるよう表示することが必須です。

(4) B2B企業での活用方法

B2B企業では、ネイティブ広告を認知拡大とリード獲得に活用できます。

B2B向け活用方法:

  • LinkedInインフィード広告: ビジネスパーソンに直接リーチ
  • ビジネスメディアの記事広告: 専門性を示し、信頼を構築
  • ホワイトペーパーへの誘導: 記事広告からホワイトペーパーDLを促進
  • ウェビナーへの誘導: 記事広告からウェビナー申込みを獲得

リード獲得後は、メールナーチャリングやウェビナーで関係性を構築し、商談化・受注につなげる設計が重要です。

6. まとめ:コンテンツに溶け込むネイティブ広告戦略

ネイティブ広告とは、Webサイトやアプリのコンテンツに自然に溶け込むように設計された広告で、IABの6分類(インフィード型・ペイドサーチ型・レコメンドウィジェット型等)に整理されます。バナー広告よりCTRが高く、ユーザー体験を損なわず、潜在層へのアプローチに効果的です。

成功のポイント:

  • 媒体のデザインやトーンに合わせたクリエイティブ設計
  • 質の高いコンテンツでユーザーの課題を解決
  • 「広告」「PR」等の表示を明記し、ステマ規制に対応
  • ブランドリフトやエンゲージメント指標で効果を測定
  • B2Bではホワイトペーパーやウェビナーへの誘導に活用

次のアクション:

  • 目標(認知拡大・リード獲得)を明確にする
  • IABの6分類から自社に適した広告形式を選ぶ
  • 媒体を2-3つ選び、テスト配信を開始
  • CTR・ブランドリフト・コンバージョン率を測定し、改善
  • リード獲得後のナーチャリング施策と連携し、商談化率を向上

ネイティブ広告とコンテンツマーケティングを組み合わせることで、認知拡大とリード獲得を両立し、B2Bマーケティングの成果を最大化していきましょう。

よくある質問

Q1記事広告とネイティブ広告の違いは何ですか?

A1記事広告はネイティブ広告の一種(インフィード型の記事広告型)です。ネイティブ広告はより広い概念で、IABの6分類(インフィード型・ペイドサーチ型・レコメンドウィジェット型等)を含みます。記事広告は媒体のライターが執筆する記事形式の広告を指すことが多いです。

Q2B2B企業でもネイティブ広告は効果がありますか?

A2効果はあります。B2Bでは潜在層へのアプローチや認知拡大に適しています。LinkedInのインフィード広告やビジネスメディアの記事広告が効果的です。ホワイトペーパーやウェビナーへの誘導に活用し、リード獲得からナーチャリングにつなげる設計が重要です。

Q3ステマ規制にどう対応すればよいですか?

A32023年10月から景品表示法によりステマは違法となりました。ネイティブ広告には必ず「広告」「PR」「スポンサー」「プロモーション」等の表示を明記してください。媒体によっては自動で表示されますが、記事広告や投稿型広告では特に注意が必要です。消費者庁のガイドラインを確認しましょう。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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