自社コンテンツの作り方と活用戦略|BtoB企業の資産化ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/14

外部に頼らず自社でコンテンツを作りたいけど、何から始めればいい?

「コンテンツマーケティングを始めたいが、外部制作会社に依頼すると費用が高い」「自社の専門知識を活かして内製したいが、どう進めればいいか分からない」——このような課題を抱えているBtoB企業は少なくありません。

自社コンテンツは、単なる情報発信ではなく、長期的な資産として蓄積され、継続的なユーザーアクセスとビジネス成果につながる重要な施策です。

この記事では、自社コンテンツの作り方から活用戦略、内製体制の構築方法まで、BtoB企業の実務担当者向けに解説します。

この記事のポイント:

  • 自社コンテンツはノウハウが蓄積される永続的な資産として活用できる
  • ブログ・ホワイトペーパー・社内ナレッジの言語化など、多様なタイプがある
  • コンテンツ制作は9ステップで体系的に進める
  • 内製には体制構築とスキルセット(ライティング・編集・SEO・分析)が必要
  • KGI・KPIを設定し、定期的にデータをチェックして改善サイクルを回す

1. 自社コンテンツの重要性と長期的な資産価値

(1) 自社コンテンツはノウハウが蓄積される永続的な資産

自社コンテンツとは、企業が自社で制作・所有する記事、動画、画像などのコンテンツです。外部制作会社に依頼するコンテンツと異なり、制作プロセスで得たノウハウが社内に蓄積され、長期的な資産となります。

一度公開したコンテンツは、時間が経過しても検索エンジンからのアクセスを生み続けます。特にオウンドメディア(自社運営のWebサイトやブログ)で蓄積されたコンテンツは、上位表示記事が増えるほど、継続的なユーザーアクセスが期待できます。

(参考: コンテンツ制作=自社の資産を増やすこと | Appmart

(2) 優良顧客の育成と顧客満足度・ロイヤルティ向上

自社コンテンツを通じて有益な情報を提供することで、潜在顧客との信頼関係を構築できます。BtoB企業の場合、意思決定プロセスが長期にわたることが多く、継続的な情報提供が優良顧客の育成につながります。

また、既存顧客向けに活用事例やノウハウ記事を提供することで、顧客満足度とロイヤルティの向上も期待できます。

(参考: 自社コンテンツを強化してオウンドメディアをやるべき7つの理由 | Web担当者Forum

(3) 上位表示記事が増えると継続的なユーザーアクセスが期待できる

オウンドメディアでコンテンツを蓄積すると、検索上位に表示される記事が増加し、広告費をかけずに継続的なユーザー流入が期待できます。

特にSEO対策を意識したコンテンツは、検索エンジン経由での新規顧客獲得に効果的です。

2. 自社コンテンツの種類とオウンドメディアでの活用

自社コンテンツには、以下のような種類があります。

(1) ブログ記事・SEOコンテンツ

ユーザーの検索意図に応える記事を作成し、検索エンジン経由での流入を狙います。

活用例:

  • 業界トレンド解説記事
  • ハウツー記事(「〇〇の選び方」「△△の導入手順」等)
  • 用語解説記事

(2) ホワイトペーパー・導入事例

リード獲得を目的とした、より専門的な資料です。

活用例:

  • 業界調査レポート
  • 自社サービスの導入事例
  • 課題解決ガイド

ホワイトペーパーは、ダウンロード時に顧客情報を取得できるため、リードジェネレーション施策として有効です。

(3) 社内ナレッジの言語化と専門家インタビュー

BtoB企業特有のコンテンツ源泉として、社内に蓄積された専門知識やノウハウを活用できます。

活用例:

  • 営業担当者の顧客対応ノウハウ
  • エンジニアの技術解説
  • 経営陣の業界展望

専門家インタビューを記事化することで、独自性の高いオリジナルコンテンツを作成できます。

(4) 動画・インフォグラフィック

テキストだけでなく、視覚的に情報を伝えるコンテンツも重要です。

活用例:

  • 製品デモ動画
  • サービス紹介動画
  • データを視覚化したインフォグラフィック

動画は、複雑な製品・サービスの理解を促進し、コンバージョン率の向上に寄与することが知られています。

3. コンテンツ制作の9ステップと実践プロセス

効果的なコンテンツ制作には、体系的なプロセスが必要です。以下の9ステップで進めることが一般的です。

(1) 誰に、何を、どのように伝え、何をしてもらうかを明確化

コンテンツ制作の最初のステップは、目的の明確化です。

検討すべき項目:

  • 誰に: ターゲットオーディエンス(部署・役職・課題)
  • 何を: 提供する情報(課題解決策・ノウハウ・事例等)
  • どのように: コンテンツ形式(記事・動画・資料等)
  • 何をしてもらうか: ゴール(資料ダウンロード・問い合わせ・購入等)

この4点を明確にすることで、コンテンツの方向性がブレなくなります。

(2) ターゲットオーディエンスの設定

BtoB企業の場合、意思決定に関与する人物が複数いることが多いため、ペルソナ(仮想の顧客像)を詳細に設定することが重要です。

ペルソナ設定項目:

  • 部署・役職
  • 業務上の課題
  • 情報収集の方法(検索・SNS・業界メディア等)
  • 購買プロセスにおける役割

(3) キーワードリサーチとトピック選定

ターゲットオーディエンスが検索するキーワードを調査し、トピックを選定します。

主な手法:

  • Googleキーワードプランナーでの検索ボリューム調査
  • 競合サイトのコンテンツ分析
  • 顧客からよく聞かれる質問のリスト化

(4) コンテンツ設計と骨子作成

記事の構成(見出し・段落構成)を設計します。

基本構成:

  • 導入(読者の課題提起・記事の目的)
  • 本文(H2/H3構造で論理的に展開)
  • まとめ(要点整理・次のアクション)

(5) 制作・編集・校正・公開

骨子に基づいて執筆し、編集・校正を経て公開します。

重要なポイント:

  • ユーザー視点を忘れない: 自社商品・サービスの専門知識があっても、独りよがりなコンテンツにならないよう注意
  • データ・事実に基づく: 根拠のない情報や推測ではなく、信頼できるデータを引用
  • 読みやすさ: 適切な改行・箇条書き・図表の活用

(参考: 成果につながるコンテンツ制作とは?4つの種類や作成する9ステップを解説 | ナイル

※上記は9ステップの概要です。詳細な手順については、各ステップをさらに細分化して進めることが推奨されます。

4. 自社コンテンツ内製のための体制構築とスキルセット

(1) 必要なスキル(ライティング、編集、SEO、分析)

自社コンテンツを内製する場合、以下のスキルが必要です。

基本スキル:

  • ライティング: 分かりやすく説得力のある文章を書く能力
  • 編集: 他者の原稿を改善し、一貫性を保つ能力
  • SEO知識: 検索エンジンで上位表示されるための最適化技術
  • データ分析力: アクセス解析データを読み、改善策を導く能力

専門知識:

  • 自社商品・サービスに関する専門知識
  • ターゲット業界のトレンド・課題理解

すべてのスキルを1人で持つ必要はなく、チームで役割分担することが一般的です。

(参考: 【第一人者書き下ろし】コンテンツマーケティング完全ガイド

(2) 書く人、テーマ、スケジュール、管理者の明確化

効果的なオウンドメディア運用体制には、以下の4点の明確化が必要です。

体制構築のポイント:

  • 書く人: 誰が執筆を担当するか(専任or兼任、社員or外部ライター)
  • テーマ: 何について書くか(カテゴリ・トピック一覧)
  • スケジュール: いつ公開するか(更新頻度・公開日程)
  • 管理者: 誰がコンテンツ品質や進捗を管理するか

小規模企業では兼任でスタートし、徐々に専任体制に移行するケースが多いです。

(3) オリジナルコンテンツ(体験・独自情報)の重要性

検索エンジンは、他にはない独自性のある情報を評価します。特に以下のようなオリジナルコンテンツが重要です。

オリジナルコンテンツの例:

  • 自社の導入事例・顧客インタビュー
  • 独自の調査データ・アンケート結果
  • 専門家の見解・インタビュー
  • 実務で得た知見やノウハウ

AI時代においても、体験や独自情報に基づくオリジナルコンテンツのSEO重要性は高まっています。

(参考: オリジナルコンテンツとは?SEOに必要不可欠!作る時のコツも紹介 | 株式会社クーシー

(4) 人を相手にコンテンツを作るという制作者の意識

コンテンツの受け手は「人」です。検索エンジン最適化(SEO)は重要ですが、最終的には人が読んで価値を感じるコンテンツでなければ、ビジネス成果につながりません。

意識すべきポイント:

  • 読者の課題に寄り添う
  • 専門用語を使いすぎず、分かりやすく説明する
  • 次のアクションを明確に示す

5. 内製vs外注の判断基準とKGI・KPI設定

(1) 社内リソースと専門知識のバランス

内製と外注の選択は、社内リソース(人員・時間)と専門知識のバランスで判断します。

内製が適している場合:

  • 社内に専門知識があり、それを活かしたい
  • コンテンツ制作のノウハウを蓄積したい
  • 長期的に継続してコンテンツを発信する予定

外注が適している場合:

  • 社内リソースが不足している
  • 短期間で大量のコンテンツが必要
  • 専門的なスキル(動画制作・デザイン等)が必要

(2) 外注との使い分け基準

多くの企業では、内製と外注を戦略的に使い分けています。

使い分け例:

  • 内製: 社内ナレッジを活かした専門記事、顧客事例
  • 外注: 大量のSEO記事、動画制作、デザイン業務

外注する場合も、社内で編集・校正を行うことで、品質管理とノウハウ蓄積が可能です。

(参考: コンテンツ制作=自社の資産を増やすこと | Appmart

(3) KGI(ゴール)とKPI(中間指標)の設定

コンテンツマーケティングの成果を測定するため、KGIとKPIを設定します。

KGI(重要目標達成指標)の例:

  • リード獲得数(月間〇件)
  • 問い合わせ件数(月間△件)
  • 売上(年間□円)

KPI(重要業績評価指標)の例:

  • ページビュー(PV)
  • 滞在時間
  • 直帰率
  • コンバージョン率
  • 検索順位

KGI達成のために、どのKPIを改善すべきかを明確にします。

(4) 定期的な差異チェックと改善サイクル

KGI・KPIを設定したら、定期的(月次・四半期)に実績と目標の差異をチェックします。

改善サイクル:

  1. データ収集(アクセス解析ツール等)
  2. 差異分析(目標と実績のギャップ特定)
  3. 原因究明(なぜ達成できなかったか)
  4. 改善施策立案・実行

このサイクルを継続することで、コンテンツマーケティングの成果を最大化できます。

(参考: オウンドメディアとは?基礎知識から立ち上げ・運用方法まで編集部がリアルに解説

6. まとめ:自社コンテンツを資産化し成果を出すために

自社コンテンツは、長期的な資産として蓄積され、継続的なユーザーアクセスとビジネス成果につながります。内製することで、ノウハウが社内に蓄積され、専門知識を活かした独自性の高いコンテンツを作成できます。

コンテンツ制作は、9ステップの体系的なプロセスで進め、体制構築(書く人・テーマ・スケジュール・管理者)とスキルセット(ライティング・編集・SEO・分析)を整えることが重要です。

次のアクション:

  • 自社の強み(専門知識・顧客事例等)を棚卸しする
  • コンテンツ制作の目的(誰に・何を・どのように・何をしてもらうか)を明確化する
  • 内製と外注の使い分け基準を決定する
  • KGI・KPIを設定し、定期的にデータをチェックする改善サイクルを確立する

自社コンテンツの資産化により、長期的なビジネス成果の最大化を目指しましょう。

よくある質問

Q1自社コンテンツ制作を内製すべきか外注すべきか、判断基準は何ですか?

A1社内リソース(人員・時間)と専門知識があれば内製が推奨されます。ノウハウが蓄積され長期的な資産になるためです。リソース不足時は外注を併用し、戦略的に使い分けるのが効果的です。例えば、社内ナレッジを活かした専門記事は内製、大量のSEO記事や動画制作は外注するケースが多いです。

Q2コンテンツマーケティングに必要なスキルセットは何ですか?

A2ライティング、編集、SEO知識、データ分析力が基本となります。加えて自社商品・サービスの専門知識とユーザー視点が重要です。すべてを1人で持つ必要はなく、チームで役割分担するのが一般的です。専門家インタビューで知見を補完する方法もあります。

Q3オリジナルコンテンツとSEO評価の関係はどうなっていますか?

A3独自性のあるコンテンツ(体験・独自情報)がSEO評価の鍵となります。自社の導入事例、独自調査データ、専門家の見解などがこれに該当します。AI時代においてもオリジナルコンテンツの重要性は高まっており、検索順位向上に直結する要素です。

Q4自社コンテンツの成果をどのように測定・評価すべきですか?

A4KGI(最終目標:売上、リード数等)とKPI(中間指標:PV、滞在時間、コンバージョン率等)を設定します。定期的に実績と目標の差異をチェックし、データに基づいた改善サイクルを回すことが重要です。月次または四半期で評価し、継続的に改善していきましょう。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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