EC集客の基本戦略|売上を伸ばすための集客方法と成功のポイント

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/24

ECサイトへの集客、どこから手をつければいい?

ECサイトを立ち上げたものの、思うように集客できずに悩んでいる方は少なくありません。ある調査では、ECサイト運営者の62%が集客を最大の課題と回答しています。

「広告を出すべきか、SEOに注力すべきか」「SNSはどう活用すればいいのか」といった疑問は尽きません。EC集客にはさまざまな手法があり、それぞれ特徴や費用対効果が異なるため、自社に合った戦略を選ぶことが重要です。

この記事では、EC集客の主要チャネルを体系的に整理し、費用対効果の高い施策と優先順位付けの考え方を解説します。

この記事のポイント:

  • EC集客は「即効性のある施策(Web広告)」と「中長期施策(SEO・SNS)」の組み合わせが重要
  • 新規顧客獲得コストはリピーター獲得の5倍かかる(1:5の法則)ため、リピーター施策も同時設計
  • Googleショッピング広告はEC事業者が最初に取り組むべき広告として推奨される
  • SEOは成果まで3〜6ヶ月かかるが、中長期的に広告費ゼロで集客可能
  • 2024年調査では約70%がSNSを見て購入経験があり、ソーシャルコマースが拡大中

EC集客の重要性と現状課題

まず、EC集客がなぜ難しくなっているのか、現状を理解しましょう。

(1) ECサイト運営者の62%が集客を最大の課題と回答

ECサイト運営において、集客は最も大きな課題です。商品やサービスがどれだけ優れていても、サイトに訪問者がいなければ売上は発生しません。

多くのEC事業者が集客に苦戦している背景には、競合の増加とオンライン消費の拡大があります。コロナ禍を経てEC市場が急成長した結果、新規参入者が増え、ユーザーの獲得競争が激化しています。

(2) 競合激化と広告費高騰の現状

競合の増加に伴い、Web広告の入札単価が上昇傾向にあります。特に人気のキーワードでは、1クリックあたり数百円以上になることも珍しくありません。

単一の集客手法だけで大きな成果を得ることは難しくなっており、複数の施策を組み合わせた多角的なアプローチが求められています。広告費高騰リスクやアルゴリズム変動リスクを分散させるためにも、Web広告・SEO・SNSを組み合わせた戦略が重要です。

EC集客の全体像(売上の方程式と施策の分類)

EC集客を考える前に、売上を構成する要素を理解しておきましょう。

(1) ECサイトの売上方程式(アクセス数×CVR×客単価)

ECサイトの売上は、シンプルな方程式で表すことができます。

売上 = アクセス数 × CVR(購入率) × 客単価

集客はこの中の「アクセス数」を増やす施策ですが、アクセス数だけを増やしてもCVRや客単価が低ければ売上は伸びません。集客施策と並行して、CVR改善(サイト改善、カート放棄対策)や客単価向上(セット販売、アップセル)にも取り組むことで、売上の最大化が可能です。

(2) 即効性のある施策と中長期施策の組み合わせ

EC集客の施策は、効果が出るまでの期間で大きく2つに分類できます。

分類 施策例 効果までの期間 費用
即効性のある施策 リスティング広告、Googleショッピング広告、SNS広告 即日〜数日 有料
中長期的な施策 SEO、SNS運用、コンテンツマーケティング 3ヶ月〜6ヶ月以上 広告費は無料(人件費は必要)

短期で売上が必要な場合は広告から始め、中長期的にはSEO・SNSで安定的な流入を確保するのが一般的な戦略です。

(3) 新規顧客獲得とリピーター獲得の違い(1:5の法則)

新規顧客獲得コストはリピーター獲得コストの5倍かかるといわれています(1:5の法則)。集客で新規顧客を獲得した後、いかにリピーターに転換させるかが重要です。

集客施策を設計する際は、メルマガ、LINE、リターゲティング広告などのリピーター施策も同時に計画しておくことが推奨されます。

即効性のある集客施策(Web広告)

短期間で集客効果が必要な場合、Web広告は有効な選択肢です。

(1) Googleショッピング広告(EC事業者の最優先施策)

Googleショッピング広告は、Google検索結果に商品画像・価格・在庫状況を直接表示できる広告形式です。ユーザーが商品を検索した際に視覚的にアピールできるため、EC事業者に特に有効とされています。

Googleショッピング広告の特徴:

  • 商品画像・価格・在庫状況が検索結果に表示
  • 購入意欲の高いユーザーにアプローチ可能
  • 商品フィードを設定すれば自動で広告が生成

EC事業者が最初に取り組むべき広告として推奨されることが多い施策です。

(2) リスティング広告(Google広告・Yahoo!広告)

リスティング広告は、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される検索連動型広告です。購入意欲の高いキーワードで上位表示できるため、即効性のある集客が可能です。

リスティング広告の特徴:

  • 指定したキーワードで検索したユーザーにアプローチ
  • クリック課金のため、無駄な費用が発生しにくい
  • 即日から配信開始可能

(3) リターゲティング広告

リターゲティング広告(リマーケティング広告)は、過去にサイトを訪問したユーザーに再度広告を表示する手法です。購入を検討中のユーザーに再アプローチできるため、高いコンバージョン率が期待できます。

リターゲティング広告の活用例:

  • カートに商品を入れたが購入しなかったユーザーへの再訴求
  • 商品ページを閲覧したユーザーへのフォローアップ
  • 過去の購入者への新商品案内

(4) SNS広告(Instagram・Facebook・TikTok等)

SNS広告は、各プラットフォームのタイムラインやストーリーズに表示される広告です。詳細なターゲティング(年齢、性別、興味関心等)が可能で、視覚的な訴求力を活かせます。

各SNS広告の特徴:

プラットフォーム 特徴 向いている商材
Instagram 視覚的訴求力が高い、EC連携機能あり ファッション、コスメ、インテリア
Facebook 詳細なターゲティング、BtoB向けも可能 幅広い商材
TikTok 若年層へのリーチ、動画フォーマット トレンド商品、若年層向け商材
LINE 国内ユーザー数最大、リピーター向け 日用品、食品、幅広い商材

(5) 費用相場と費用対効果(ROAS)の測定

Web広告の費用相場は、施策や業界により異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

Web広告の費用相場(目安):

  • リスティング広告: 月間20〜50万円程度、1クリックあたり数十円〜数百円
  • Googleショッピング広告: 同水準
  • SNS広告: 月間10〜30万円程度が多い

広告の費用対効果は、ROAS(Return On Advertising Spend)で測定します。ROAS = 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100 で計算し、100%を超えれば広告費を回収できていることになります。

常にROASをモニタリングし、赤字にならないよう管理することが重要です。

※費用相場は市場動向により変動します。最新の費用は各広告プラットフォームでご確認ください。

中長期的な集客施策(SEO・SNS・コンテンツマーケティング)

広告費をかけずに持続的な集客を実現するには、中長期的な施策も重要です。

(1) SEO対策(キーワード選定・モバイル最適化・サイト速度改善)

SEO(検索エンジン最適化)は、検索エンジンで上位表示されるようWebサイトを最適化する施策です。広告費ゼロで中長期的な集客が可能ですが、成果が出るまで3〜6ヶ月以上かかります。

ECサイトのSEO対策で重視すべきポイント:

  1. キーワード選定: 商品に関連する検索キーワードを調査し、ページに適切に配置
  2. サイト構造: 「トップページ→カテゴリページ→商品ページ」を3クリック以内で到達可能に
  3. モバイル最適化: Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、モバイル対応は必須
  4. サイト速度改善: ページ読み込み速度はランキング要因の一つ
  5. SSL化: HTTPS対応でセキュリティを確保
  6. 構造化データ: 商品ページに構造化データを設定し、リッチリザルト表示を狙う

(2) SNSマーケティング(Instagram・X・LINE・TikTok)

2024年の調査では、約70%がSNSを見て商品を購入した経験があると回答しており、ソーシャルコマースが急拡大しています。

各SNSの活用ポイント:

プラットフォーム 特徴 活用ポイント
Instagram 視覚的訴求力、ショッピング機能 商品写真・動画の投稿、ストーリーズ活用
X(旧Twitter) 拡散力、リアルタイム性 キャンペーン告知、顧客対応
LINE 国内最大ユーザー、クローズドなコミュニケーション セール告知、クーポン配信、リピーター施策
TikTok 若年層リーチ、動画フォーマット トレンド発信、商品紹介動画

SNSマーケティングは無料で始められますが、投稿頻度・クオリティ・エンゲージメントの維持に人的リソースが必要です。また、ROI測定が難しい側面もあります。

(3) コンテンツマーケティング(ブログ・オウンドメディア)

コンテンツマーケティングは、ブログやオウンドメディアで有益な情報を発信し、見込み客を集める施策です。SEOと組み合わせることで、検索流入を増やすことができます。

コンテンツマーケティングの例:

  • 商品の使い方・選び方ガイド
  • 業界トレンド・ノウハウ記事
  • お客様の声・導入事例

これらのコンテンツを蓄積することで、専門性のあるサイトとして認知され、長期的な集客効果が期待できます。

リピーター獲得施策

新規顧客を獲得したら、リピーターに転換させる施策も重要です。

(1) メールマーケティング(メルマガ・カート放棄メール)

メールマーケティングは、顧客リストに対して定期的に情報を配信する施策です。コストが低く、既存顧客との接点を維持できます。

メールマーケティングの施策例:

  • 定期メルマガ: 新商品情報、セール告知
  • カート放棄メール: カートに商品を入れたまま離脱したユーザーへのリマインド
  • 購入後フォローメール: レビュー依頼、関連商品案内

カート放棄メールは、購入を検討していたユーザーに再アプローチできるため、高いコンバージョン率が期待できます。

(2) LINEマーケティング

LINEは国内ユーザー数が最も多いSNSであり、開封率の高さが特徴です。友だち登録したユーザーに対して、セール情報やクーポンを直接配信できます。

LINEマーケティングの活用例:

  • 会員限定クーポンの配信
  • セール・キャンペーンの告知
  • チャットボットによる問い合わせ対応

(3) 会員制度・ポイントプログラム

会員制度やポイントプログラムは、リピート購入を促進する施策です。購入金額に応じてポイントを付与し、次回購入時に利用できるようにすることで、再訪を促します。

ポイントプログラムの設計ポイント:

  • ポイント還元率: 1〜5%程度が一般的
  • ポイント有効期限: 1年程度に設定し、早期の再購入を促進
  • 会員ランク制度: 購入金額に応じてランクアップし、特典を増やす

まとめ:自社に合った集客戦略の選び方

EC集客は、即効性のある施策(Web広告)と中長期的な施策(SEO・SNS)を組み合わせることが重要です。どちらか一方だけでは、安定した集客は実現できません。

フェーズ別の優先順位:

フェーズ 優先施策 理由
立ち上げ期 Googleショッピング広告、リスティング広告 即効性があり、データ取得可能
成長期 SEO・SNS運用の開始、広告の最適化 中長期の集客基盤構築
安定期 リピーター施策の強化、広告依存度の低減 利益率向上、持続的成長

自社に合った施策を選ぶポイント:

  • 予算: 広告予算がある場合はWeb広告から、限られる場合はSEO・SNSから
  • 時間軸: 即効性が必要な場合は広告、中長期で考えられる場合はSEO
  • リソース: SNS運用は人的リソースが必要、外注も選択肢
  • 商材特性: ビジュアル重視ならInstagram、BtoBならリスティング広告

次のアクション:

  • 現在の集客チャネルと費用対効果を整理する
  • 短期施策(広告)と中長期施策(SEO・SNS)のバランスを検討する
  • リピーター施策(メール、LINE)を設計する
  • 各施策のKPIを設定し、効果測定の仕組みを整える

自社の状況と目標に合わせて、最適な集客ポートフォリオを構築してください。

※この記事は2024年12月時点の情報に基づいています。広告費用相場やSNSプラットフォームの仕様は変更される可能性があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1EC集客で何から始めるべき?

A1予算が限られる場合はSEO・SNSの無料施策から、即効性が必要な場合はGoogleショッピング広告・リスティング広告から着手するのが一般的です。理想は両方を組み合わせて、短期と中長期の両面をカバーすることです。

Q2予算がない場合でもできる集客方法は?

A2SEO対策、SNS運用、コンテンツマーケティングは広告費ゼロで始められます。ただし人的リソースと時間が必要で、成果が出るまで3〜6ヶ月以上かかることが一般的です。短期で売上が必要な場合は広告との併用を検討してください。

Q3EC集客の費用相場は?

A3リスティング広告は月間20〜50万円程度、1クリックあたり数十円〜数百円が目安です。Googleショッピング広告も同水準です。SEO・SNS運用は広告費ゼロですが、外注する場合は月額10〜30万円程度が相場です。

Q4効果が出るまでどれくらいかかる?

A4Web広告は即日〜数日で効果が出る即効性があります。SEOは3〜6ヶ月以上、SNSは1〜3ヶ月程度が目安です。施策を組み合わせて短期・中長期両面をカバーすることが推奨されます。

Q5モール型EC(Amazon・楽天)と自社ECで集客方法は違う?

A5モール型はモール内広告・レビュー対策が中心で、モール自体の集客力を活用できます。自社ECはSEO・Web広告・SNSが中心となります。モール型は初期集客力がある一方、自社ECは中長期で顧客データを資産化できるメリットがあります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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